殲ー31関連2題

 傾向の大きく異なる記事を2つまとめて紹介します。

http://military.china.com/critical3/27/20150619/19874695.html


アメリカが緊張した! 中国戦闘機内部テストシーン、F-35を色褪せさせる

最近、中航工業沈陽飛行機のある内部宣伝フィルム「祖国は君を選択した」がインターネットに出現した。

フィルムには多くの戦闘機の内部テストシーンが出現し、皆が比較的熟知する殲ー15艦載機の他、さらに10機あまりの殲ー11B戦闘機が一列に並ぶ壮観な場面が出現した。明るみに出ることが比較的多い殲ー20に比べ、ずっと低調な殲ー31戦闘機は今回の宣伝フィルムの中で重要な位置を占め、しかも国内軍用機では稀に見る空対空撮影方式が出現した。

殲ー31「鶻鷹」は中国航空工業集団社沈陽飛行機工業集団社が研究開発する第4世代双発中型ステルス戦闘機で、その出現は中国がすでに同時に2種の第4世代ステルス戦闘機(殲ー20と殲ー31)を研究開発する能力を具備していることを説明している。しかも現在国際的にアメリカしかこのような能力を持っていない。外国メディアは一致して、中国の近年来の開発の姿勢をもってすれば、もし国際兵器市場に進入すれば、アメリカのF-35戦闘機の強力なライバルとなると考え、アメリカもこれに対し非常に緊張を感じている。F-35は世界最強空軍の希望であり、殲ー31は新興大国空軍の「新兵」と見なされる。一体どちらが優れどちらが劣るのか?

殲ー31は2012年10月31日に初の試験飛行を成功裏に行った。2014年11月、殲ー31は初めて珠海航空展に公開されお目見えし、かつすばらしいデモンストレーションを行った。公開されている資料は、この機が全長16.9m、全幅11.5m、翼面積40平方m、空虚重量17,600kg、最高速度マッハ1.8、作戦半径1,250km、航続距離4,000kmであることをはっきり示している。殲ー20が空軍の歓迎をより受けているため、殲ー31は中国の新型ステルス戦闘機の検証機であるとされる。定型後はより輸出に傾き、未来の兵器販売の上で非常に強い競争力を持つ可能性がある。また殲ー31は殲ー15と肩を並べて作戦し、中国海軍の新世代ステルス艦載機となる可能性がある。

F-35はロッキード・マーティン社が多くの国と合同で設計、研究開発する単座単発多用途戦闘機である。原型機は2006年12月15日に成功裏に初飛行し、その後大量生産に入った。この機には3つの派生バージョンがある。すなわち空軍バージョンで通常発着のF-35A、海兵隊バージョンで短距離離陸/垂直降着機種のF-35B、海軍バージョンで空母艦載機のF-35Cである。この機は全長15.7m、全幅10.7m、全高4.33m、空虚重量13,300kg、最高速度マッハ1.6である。

外形から見て2種の戦闘機はいずれも通常空力レイアウトを採用している。殲ー31は台形の主翼を採用し、この点はF-35戦闘機と似ている。F-35はアスペクト比3で前縁の後退角30度の台形翼を採用しており、稍根比(頑住吉注:意味不明ですが翼の付け根と尖端の前後の長さの比?)は0.4前後で、スパン方向の搭載荷を理想的な楕円分布により近づけさせ、誘導抵抗を下げることができる。2種の戦闘機はいずれも比較的先進的なDSI空気取り入れルート技術を持ち、机遇計算流体力学設計の鼓包を用いて空気附面層と空気に対して行う事前圧縮作用の消し去りを達成し、空気取り入れルートの重量を有効に軽減し、空気取り入れルートの道縫の数を減らし、もってレーダー反射断面積を下げることができる(頑住吉注:知識不足でさっぱり分かりません)。

動力システム方面では、2種の戦闘機はいずれも通常ステルス方案を採用しているため、飛行機全体の機動性の重要なカギはやはりエンジンを見る必要がある。F-35が装備するのはF135系列エンジンで、エンジンの長さは5.59m、バイパス比は0.57、量産型の推力:重量比は11.7、1台あたりの最大推力は191.35キロニュートンである。殲ー31に関して言えば、2台のRD-93型エンジンを配備しており、このエンジンは全長4.25m、正味重量1,055kgである。バイパス比はやはり0.57、量産型の推力:重量比は7.9、1台あたりの最大推力は49.4キロニュートンである。RD-93は第3世代に属するエンジンで、F135とは同一クラスに属さない。当然RD-93は検証機用のエンジンに過ぎず、殲ー31が最終的に使用する「心臓」はきっと国産化を実現し、もって輸入製品に対する依存から脱するだろう。これは渦扇-13あるいは渦扇-15である可能性がある。

航空電子システム方面では、F-35はAN/AGP-81型アクティブフェイズドアレイレーダー1台を装備し、対空・対地2種の模式を持ち、地上の移動目標を正確に追跡および位置決定し、かつ作戦識別が行える。機載レーダーの他、F-35の航空電子システムにはさらに光電子分布式開口システム、一体化電子戦ユニット、光電子照準システムが含まれる。このうち光電子分布式開口システムはF-35の機体に分布する6セットの光電子探知計測装置からなり、360度の周視視野を持ち、画像を飛行員のヘルメットのバイザー上に投射し、飛行員が自らの目で各種の障害を「透過」して広域の外部の光景の画像を見られるようにさせる。

(頑住吉注:これより2ページ目)

資料がはっきり示すところによれば、殲ー31の航空電子システムの配置は現在まだ決定されておらず、輸出版と国内装備版に比較的大きな差異があるはずである。殲ー31は殲ー20の電子システムをそのまま使用できる、とする情報もある。実はこれはごく正常なことでもあり、この機は近年になってやっと研究開発が開始された新機種のため、その航空電子設備は設計時にもう世界最高水準を照準していた。報道によれば、この機は国産総合航空電子システムを採用し、電子飛行計器、飛行コントロール、ナビゲーション、通信、気象、エンジンのデータおよび指示などのシステムを有効に連結し、データの総合処理を実現する。だが、中国の航空電子工業技術の急速な発展と共に、殲ー31にフェイズドアレイレーダーやより高級な電子ユニットを装備することも想定される。

F-35の機体内部には左右2つの弾薬コンパートメントがあり、それぞれ1発の900kg級爆弾と1発のAIM-120「AMRAAM」空対空ミサイルが収容できる。外部搭載弾薬の重量は6トン前後である。この他異なる作戦任務の重要に基づき異なる類型のミサイルを追加装備する。殲ー31の武備の状況は目下正式に対外的に発表されていない。外表面から見て、この機は内部弾薬コンパートメントで、このことはステルスの需要を十分に考慮しているが、双発は弾薬コンパートメントの規模を圧縮している。弾薬の類型に関しある情報は、この機は汎用型爆弾を使用できるとしており、戦闘機が成熟に向かうにつれ、武器の類型も豊富になってくるだろうと信じる。

一定の意味から言って、殲ー31は中国航空工業のハイエンド製品を国際兵器市場に向かわせるため基礎を打ち立てようとしている。このためにはコストをコントロールする必要があり、コストは下げられ、価格も当然あまり過大ではないだろう。一方F-35はプロジェクト立ち上げから生産まで、さらに試験まで常に故障が絶えず、コストの大幅上昇をもたらしている。大雑把な見積もりによれば、殲ー31の1機あたりの購入価格は4,500万〜7,000万アメリカドルである。一方F-35はプロジェクト立ち上げ初期に言われていた1機あたり販売価格3,000万から1.5億にまで狂気じみた増大をし、このような価格はいくつかの購入の意志のある国を敬遠させる。さらに重要なのは、中国が軍備の対外販売の中で、装備国の文化、工業水準をより多く考慮し、後方勤務保障体系に対する要求が決して高くないことである。一方アメリカの非常に多くの武器は、もし非常に多くの金を費やす後方勤務保障がなかったら、すぐ全部の作戦能力を発揮し難くなり、甚だしきに至っては正常に使用できなくなる。この点はいくつかの第三世界の空軍に殲ー31に対し「オリーブの枝」をさしのべさせるだろう。

最後に、殲ー31完全定型後、その総合作戦能力がF-35に劣ることはないだろう。現在F-35の重量超過問題はまだ解決されておらず、戦闘機の機動性に直接影響しており、殲ー31が将来この方面でF-35を超えるのも間近である。


http://military.china.com/critical3/27/20150617/19861763.html


殲ー31、パリ航空展を欠席 アメリカ、中国戦闘機の競争での気力不足を嘲笑

現地時間6月15日、第51回パリ・ブールジェ国際航空宇宙博覧会が盛大かつおごそかに開幕し、全世界から来た最先端の航空宇宙企業が一堂に会し、最も先進的な軍民用航空宇宙技術を展示している。パキスタン空軍は中国・パキスタン合同研究開発のJF17/梟竜戦闘機を派遣して展示に参加させ、かつブールジェ飛行場で飛行デモンストレーションを行い、全方位的にこの戦闘機のずば抜けた機動性能をデモンストレーションした。静態展示のJF17/梟竜戦闘機は弾薬を吊り下げ搭載し、この小型準第3世代戦闘機の非凡な多任務戦力を際立たせた。

だが中国の軍事愛好者にとって、かつて中国珠海航空展に大々的に登場した第4世代戦闘機殲ー31が今回のパリ航空展を欠席したことは、人にすこぶる意外に感じさせると言える。何故なら殲ー31が明るみに出た当初、もう中国の新世代輸出製品と認定され、しかも試験飛行期にもうハイテンションで珠海航空展にお目見えし、外界のこの機の身分に対する判断をより確固たるものにしたからである。これに対し、軍事問題専門家の高峰はメディアのインタビューを受けた時、殲ー31が珠海航空展にお目見えしたのは中国軍事航空工業の成果のデモンストレーションであり、珠海航空展に対する有力な支持でもあったが、まだ完全に成熟していない第4世代戦闘機であり、遠くパリ航空展に赴いて販促する条件はまだ熟していない、と指摘した。

また中国はカギとなる重要な時に、大きな力を入れて中国・パキスタン合作の梟竜戦闘機の販促を支持することが必須である。中国の中航工業の展示台にはやはり梟竜戦闘機の複座型が展示されていた。このことはああした梟竜戦闘機の潜在的顧客に、中国はこの輸出戦闘機により多くの技術を与え、タイプを完備させるなどのグレードアップを支持するだろう、と教えているのに等しい。一方もしこの時並行して殲ー31をプッシュしたら、必然的に潜在的ユーザーにより多くの選択の地を与え、必ずや彼らの梟竜戦闘機購入の興味にも影響するだろう。さらに重要なのは、もし顧客が試験飛行中の殲ー31を発注したら、いつ引き渡すかも大問題となる、ということである。

アメリカの「セキュリティニュース」6月14日の文章は、アメリカは中国の次世代戦闘機技術に対し非常に心配しているが、分析者はこの太平洋の国は全世界の軍用機市場を奪えないと予測する、とした。中国が照準するのは明らかに冷戦の時期にロシア式装備に満ちていた隙間的な市場である。だが市場は中国にとって限りがあり、原因の一部は地縁政治にある。ティールグループの分析者であるリチャード アドラフェイルは、政治は兵器購入の決定に影響する重要な要素で、「現在真に中国から兵器を購入したいと思う人はごく少ない」と語る。甚だしきに至っては伝統的に決して親西側でないアジア諸国も買いたがらないだろうという。

中国が直面するもう1つの障害はその航空工業固有の特性にある。アドラフェイルは、「中国は経済の主体に対し改革を行ったが、航空というこの分野は依然本来の国有が保持されている(国際競争の展開に不利)、と語る。またまだ技術的難題がある‥‥ハイエンドの国内エンジンである。中国のエンジン研究開発は進展を取得し、かつ解放軍はどんどん本土製品を使用しているが、中国のエンジンはなお公開の市場で競争する程度にまで強くなっていない。

実際中国はすでに充分に上述の2点を認識するに至っている。梟竜戦闘機の輸出が遭遇する地縁政治の難題は、パキスタンの協力・参加ゆえに解消するだろう。市場の難題については、JF17/梟竜戦闘機が立脚するのは小国の空軍の第2世代機グレードアップ市場であり、ロシアの第3世代および第3+世代戦闘機販売に対する影響は限られている。このためロシアはエンジンというこのカギとなる重要ポイントの上で首を絞めないだろう。しかもインドが反対しているという前提の下で断固として中国・パキスタンに向け梟竜戦闘機のロシア製エンジンを提供しているのである。

だが殲ー31となればもう変わってくる。殲ー31の第4世代戦闘機という起点はロシアの第3+世代、甚だしきに至っては第3++世代戦闘機市場に対し非常に大きな脅威を構成する。だが現在中国の殲ー31のエンジンはまだロシアの提供に依存せざるを得ない。もし中国が急ぎ殲ー31を国際市場に登場させたら、必然的にロシアの警戒あるいは抑止を引き起こすだろう。このため全面的に試験飛行が終わり、かつ成熟した国産大推力エンジンの支持を獲得した時こそ、殲ー31が大挙して国際市場に進攻する最も有利なタイミングなのである。

アメリカメディアは嘲笑し中国軍用機輸出はまだ勃興していないと考えているが、中国の航空宇宙軍事工業の今後の競争の趨勢に対し肯定を行ってもおり、この中にはロシアのエンジンの制約要素も含まれる。分析者ダグ ベルンセンは、ロシア企業は、中国がその伝統的顧客に対し構成する脅威に用心する必要がある、とする。「中国企業は徐々に某種の先進さの程度にまで発展し、もしロシア人が中国の輸出をコントロールできると考えたら、自分を欺き人を欺くことになる。」


 最初の記事は自信満々、次の記事は否定的な見方に対する言い訳といった感じです。F-35も殲ー31もまだ不確定要素が多いですが、日本としては当然F-35の性能が期待通りにならず、殲ー31が予想以上に高性能だった場合にどう対応するのかも考えておくべきでしょう。











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