スノーデン関連の記事をまとめて

 コラムでも紹介していますが例の事件に関する比較的短い記事を4つまとめて紹介します。

http://military.china.com/news2/569/20130617/17894625.html


スノーデン:かつてG20サミット期間にロシア前大統領、アメリカスパイの盗聴に遭う

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「メドベージェフとオバマ(資料画像)」)

国際オンライン特別原稿:イギリスの「ガーディアン」6月16日の報道によれば、アメリカ国家安全局(NSA)の「プリズム」事件の秘密漏洩者エドワード スノーデンが漏洩したファイルは、ロシアの前大統領で現首相のドミトリー メドベージェフがかつて2009年にロンドンに行ってG20サミットに参加した期間、アメリカの駐英国情報人員の盗聴に遭っていたことを明らかにした。

ファイルは次のことをはっきり示している。2009年4月1日、当時ロシア大統領の任にあったメドベージェフはロンドンに到着し、アメリカ大統領オバマら指導者とG20サミットに参加した。アメリカ国家安全局駐英国情報人員は当日すぐにメドベージェフの極秘通信信号の傍受を開始した。

アメリカ国家安全局はさらにイギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドの上層部とこの時傍受した細目を共有したとされる。

周知のように、アメリカ・ロシア両国はずっと相互にスパイを派遣しているが、その場で逮捕された者はごく少ない。今回のアメリカ情報人員によるロシア指導者の通信盗聴事件の暴露は、G8サミット期間にロシア大統領ウラジミール プーチンとの会見を準備しているオバマを極度にまずい立場に陥らせることになる。(シェンシュウフア)


 これが事実である可能性は充分ありますが、特に冷戦時代には当たり前にあったことで、またこうした件に関しロシアの方が手がきれいだということにも全くなりません。そもそもこれはもうアメリカ政府による自国民のネット監視問題とは全く関係なくなっており、スノーデンの目的がとにかくアメリカという国にダメージを与えることに少なくとも現時点ではなっていることを示すものです。

http://military.china.com/news/568/20130617/17893721.html


アメリカの議員、スノーデンはかつて中国語を勉強した、とする 中国と強引に関連付けることを企図

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「アメリカの『プリズム』プロジェクトの暴露者エドワード スノーデン」)

【グローバルネット報道 記者 烏元春】 先日、アメリカは民衆を監視し、かつ長期にわたり中国のネットを攻撃してきた疑いがあると暴露された。だが依然「陰謀論」あるいは「中国脅威論」をもって今回の事件を扱い、さらにこの機を借りて中国を攻撃する人がいる。アメリカのマイクロソフト全国ケーブルテレビ社(MSNBC)6月14日の報道によれば、アメリカ共和党下院議員ピーター ジンは最近、アメリカの「プリズム」プロジェクトの暴露者エドワード スノーデンはかつて中国語を学んだと言明し、スノーデンと中国とを強引に関連付けることを企図している。

報道は、スノーデンが先日アメリカ国家安全局の通信やネットワークに照準を合わせた監視プロジェクトを暴露した後、アメリカ共和党下院議員ピーター ジンはずっと公然とスノーデンを非難している、とする。現地時間14日午後、彼はMSNBCの番組の中に出現し、「多くの理由があり」、スノーデンは中国と関係があると疑える、と言明し、しかも「中国が今回の暴露事件の中で何らかの役割を演じた可能性がある」との疑問を提示した。

「非常に多くの疑うに値する理由がある」 ピーター ジンは続けて一連の疑問を提示した。「まず、彼は金を中国に移している。彼はかつて中国語を学習している。彼のガールフレンドも中国といくつかの関係がある。世界各国が選択を提供できるが、事実として彼は中国に行った。彼はオバマ大統領が中国国家主席と会見するのと同一の週末を選択して関連のファイル、情報を公開した。何故彼はまだ中国にいるのか? 中国の情報部門は何をしたのか?」

だが、報道はピーター ジンがまだ「明確な」証拠はないと認めている、と指摘する。それでも彼はこの件は充分な調査を経る必要があるとの考えを堅持している。

この前、ピーター ジンはすでにスノーデンを香港から引き渡させ帰国させるようアピールした。「もしスノーデンが間違いなく彼に向け言明したように国家安全局の情報を漏洩したのなら、アメリカ政府は一切の法的手段を用いて彼を起訴し、しかもできる限り早く彼を引き渡させ帰国させる必要がある。」 ピーター ジンはこの前のある文書による声明の中で、「アメリカ政府は明確に、いかなる国もこの人物に庇護を与えてはならないとする必要がある。このことはアメリカ情報界に尋常でない結果をもたらすことになる。」とした。

ある国際問題専門家は、アメリカサイドの関連の言論は「陰謀論」を口実にして視線をそらすことを希望しているのだ、と考えている。


 確かに根拠としては弱いですが以前から中国語を勉強していた、「彼のガールフレンドも中国といくつかの関係がある」というのは気になります。ただこれだけだと「関係」が例えばハイアール製品を買ったことがあるとか家でベビーシッターとして中国系の人を雇ったことがあるとかしょうもない内容ではないのかという疑いもありますが。

http://military.china.com/news/568/20130617/17894529.html


アメリカメディア、スノーデンはあるいはすでに中国国家安全人員と接触し引き渡しを防いでいるか、とする

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「15日、香港においてある団体はチャーターガーデンからアメリカ駐香港領事館までデモ行進し、スノーデンを声援することを計画した。」)

「他国の公民として、ある外国の情報機構のためにスパイに充当されたら、あなたは必然的に混蛋であらねばならない」 (頑住吉注:「混蛋」は馬鹿とか間抜けとかの悪口のようです。後で本文の中に出てきます)

5月20日に中国の香港に到着し、6月10日に香港で身分を明かした「暴露者」スノーデンはすでに全世界の注目の下、暗黒の中でまた一週間を過ごした。元CIAスパイから「暴露者」に転じ、我々の注意力は彼の暴露する猛料(アメリカ国家安全局(NSA)が数年間中国のネットワークに侵入していた)に引きつけられると同時に、彼は我々の視線をこのような一つの群体、すなわちスパイに転じさせてもいる(頑住吉注:「猛料」は検索すると多数ヒットしますが意味を説明したページは見つかりません。何というかたぶん中国人に「うまい」と感心してもらうための持って回った文章のようで全体的に何が言いたいのかよく分かりません)。

アメリカ、対中国諜報人員の募集を拡大

中央テレビネットは先日イギリス金融時報の文章の視点を引用し、アメリカの「プリズム」事件が屈折して映し出したのは、人々が普遍的に1つの勃興するスーパー大国を警戒しているということだ、とした。この警戒の結果は、CIAとアメリカのその他の情報機関の中国に対する監視が全方位的だ、というものである。戦略兵器、軍事基地から通常の軍事演習まで、中国の各レベルの「軍事機密」はいずれもアメリカ情報システムの監視の範囲内にある。

中国国産最新型である殲ー10多用途戦闘機を例にすると、この機種はすでに近年試験飛行を終え正式定型に至り生産に投入されている。アメリカは1990年代初めから、すなわちいかなる関連情報獲得の機会も見逃さず、1995年には初めてそのスパイ衛星によって殲ー10の写真を撮影した。また、アメリカはさらにスパイを至る所に派遣して活動させ、各種の場合の交流会への出席を通じてこの機に関する機密情報を奪取した。この後、中国ステルス戦闘機の機密を盗み取るため、アメリカはまた人を派遣して成都飛行機集団に混入させ、関連の科研人員を買収したが、最終的に実りはなかった。

だが、アメリカは対中国スパイ活動を強化するのと同時に、近年はさらに対中国諜報人員募集の範囲を不断に拡大している。「ワシントンポスト」が明らかにするところによれば、今後5年内にアメリカ国防情報局国外情報網は全世界でスパイを、現在の500人から1,600人に増加させる。

CIA情報当局者はいかにしてスパイを物色するか

マシュー(頑住吉注:いきなり誰?)はかつて海外においてCIAのために30年余り力を尽くし、現在はすでに失業している。マシューの情報当局者としての身分から見て、言わずと知れた事実は、「他国の公民として、ある外国の情報機構のためにスパイに充当されたら、あなたは必然的に混蛋であらねばならない」ということである。「スパイあるいは内通者を募集する時、我々は彼が自己保全の本能を無視し、自らの国家の法律に違反する必要がある、と要求する。‥‥国に反逆する者となるのである。」 (頑住吉注:やっぱよく分かりません。「空手バカ一代」的な「バカになれ」というような意味ですかね)

情報当局者はいかにしてある人を国に反逆する者となるよう説得するのか? これには有り合わせの教材はない。だがCIA職員は潜在的応募対象の動機を理解することが必須である。このようにしてこそより良く彼の弱点を利用し、最終的に彼に「行動計画」に対し正しい意識を持たせることができる。

マシューは次のように語る。評価を行う時、CIAが依拠するのはMICEと略される人類の4つの基本的動機である。すなわち金銭(money)、意識形態(ideology)、良識(conscience)、自我意識(ego)である。「だが現在ではその後ろに『性』を表すSを加える必要がある(頑住吉注:そんなの古代からでは)。だが色で誘う落とし穴は信頼できる募集手段ではない。脅迫を受けたスパイは往々にして憤りや恨みを感じ、気持ちが晴れず、容易に裏切り、また偽情報を作り出す。

香港で29日、スノーデンはどこに

6月12日に中国香港の南華朝刊の独占インタビューを受けた後、「暴露者」スノーデンはまたここ5日全く音沙汰がない。「スノーデンサイドが能動的に我々に電話してきた。だが当時私はまだ半信半疑だった。あの晩記者Lana Lamが帰社した時になって、私はやっともはやびくびくしなくなった。」 南華朝刊の編集長王向偉は回想する。彼は同時に、事件が決着するのを待って、外界に向けインタビュー事件のいきさつを説明する、とする。

(頑住吉注:これより2ページ目)

ある独立した世論調査は、大部分の香港人はスノーデンをアメリカ人に引き渡すことを希望していないことをはっきり示している。だがあらゆる人の角度から言って、スノーデンが現在どこにいるのかが、よりかみしめる価値ある話題である。

新華ネットは香港信報6月15日の報道を引用し、スノーデンは香港に来て、かつ住所を移し、行方は知れず、だが実は香港特区政府はすでにスノーデンの動向を掌握しており、かつ「専門の人員」がいて保護を提供し、もって事故の発生を防いでいる、とする。

鳳凰衛星テレビがこの問題を中国香港の元保安局局長葉劉淑儀に投げかけた時、葉は警察サイドはスノーデンの行方を追跡調査していると信じる、とした。「警察サイドはいくつかの行動をすでに秘密のうちに行っている可能性がある。もしあなたがアメリカ政府は香港政府と接触し、香港政府に助けを求めているのか否かと問うたら、私は知らない。もし政府が、外国政府あるいはその他の人物が不法に通信を傍受したり我々のプライバシーを侵害した具体的データによる証明を持っていたら、検挙送検し、最低限抗議を提出する必要がある。」

鳳凰衛星テレビはさらにアメリカメディアの説を引用し、スノーデンはすでに中国香港において中国国家安全人員と接触し、甚だしきに至っては中国内地に身を寄せ、アメリカに引き渡されることを避けている可能性がある、とする。だが、あるアメリカ当局者は現在スノーデンと中国政府に連絡があることを証明するに足りる実質的証拠はなく、調査は表面的証拠のみに基づいている、と認めている。


 ちなみにタイトル写真の「ビッグブラザーがお前を見ている」というのはジョージ オーウェルによる有名なアンチユートピアSF小説の「1984年」から取ったもので、アメリカがSFで描かれた暗黒の未来のような監視社会だと抗議しているわけですが、本気で自分たちの社会がアメリカより監視統制の緩い社会だと信じているんでしょうか。そもそも「1984年」なんて香港ではどうか知りませんが本土では発禁じゃないんですかね。

 スノーデンが単にちょっと中国語を学んだことがあっただけならともかく、筆談なども交えられない電話でマスコミと交渉できるレベルだとすれば相当以前からこの件を計画していた可能性がより高くなると思われます。

http://military.china.com/news/568/20130617/17892780.html


世論調査、17.6%の香港人しかスノーデンの送還を支持していないことをはっきり示す アメリカはジレンマ

アメリカの香港から亡命情報人員スノーデンを引き渡せとの圧力はにわかに強まっているが、先の週末には数百人の香港人が香港特区政府がスノーデンを保護することを要求するデモを行い、香港メディアが発表した世論調査は半数の香港人がスノーデンの送還に反対し、送還を支持するのは17.6%だけだ、ということをはっきり示している。

「スノーデンが投げたのが爆弾だとすれば、少なくとも現在見たところ彼が投げたのは爆発力が非常に強力な臭気弾だ」 「ボイス オブ アメリカ」は14日こう書いた。スノーデンの「臭気弾」は多くの人、多くの政府、多くの制度(これには西側諸国がずっと誇りにしている憲政民主制度が含まれる)に抜け難い臭気を染みつかせ、種々の弁解は全て空しくなっている。「クリスチャン サイエンス モニター」は、モニタリング事件の暴露はアメリカの現在におけるインターネット関連の将来性を弱め、これには言論の自由、プライバシー、ネットワーク安全政策のグローバルな談判における優勢が含まれる可能性がある、とした。

香港の「東方日報」は16日、専門家はワシントンが今まさにジレンマに陥っていると指摘した、と書いた。もしアメリカが正式に逮捕状を発し、香港警察に逮捕への協力を要求したら、香港には得た証拠物件を内地の情報機関と共有する責任がある。もしスノーデンが香港メディア向けに披露した資料のコピーを中国内地が取得したら、後日におけるアメリカの侵入に対する防御を強化する助けになる。ある人はスノーデンは依然数十のデリケートなデータを握っていると見積もっている。

ドイツの「フランクフルター ツァイトゥング」は15日、中国はまさに有利な位置にいるが、中国はそれでも沈黙を保持している、とした。香港のウォッチャーたちは、中国政府は事態の変化を静観し、事件のさらなる一歩の発展、およびより多くの情報の出現を待っている、と信じている。有利な位置にいる中国にとって、早すぎる決定をなす必要はないと言える。

韓国の「京郷ニュース」は、アメリカ政府の迅速に引き渡せとの要求に対し、中国政府は「ゆるりと」の戦略を用いてアメリカをいらつかせる可能性が高い、とする。中国の「牛歩戦術」はアメリカの強烈な反撃を招く可能性が高く、スノーデンは中国にとって戦略的資産ではなく負担であるかもしれず、中国が突然態度を変えアメリカの引き渡し要求に応じる可能性も排除されない、と考える分析もある。ある中国問題専門家は、もしスノーデン引き渡し問題が長期化すれば、中米両国いずれもが失敗者になる可能性がある、とする。(駐香港特約記者 張利、駐アメリカ、ドイツ、韓国特約記者 蕭達、青木、王剛 記者 崔傑通、柳玉鵬、汪新華)


 アメリカを本気で怒らせるのは損かもしれない、という見方も出てきているようですが、この問題に関しアメリカがあまり強硬な手に出ればますます「やはりアメリカの人権云々は方便に過ぎなかった」という見方を補強してしまうことになり、私はこの件に関してはアメリカが圧倒的に不利な立場に追い込まれていると思います。









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