中国の潜水艦関連2題

 まずインドとの比較です。

http://military.china.com/important/11132797/20150726/20079165.html


中国のパキスタンへの潜水艦販売、インドを不安にさせる インド軍の換装速度はカタツムリに似る

(頑住吉注:この記事の画像のキャプションは本文の一部を切り取ったものなので省略します。)

香港のアジア時報オンラインは7月20日「何故インドは潜水艦レース方面で中国に立ち後れるのか」という題の文章を発表した。一部を抜き出して以下のように編集翻訳してみる。

中国の1隻の先進的な「元」級潜水艦がアラビア海を横切った後、最近カラチに来訪し、中国の日増しに増強される水中戦能力はインド当局に憂慮を感じさせる。この65名の船員を搭載した潜水艦はカラチに1週間滞在し、給油しかつ物資を補充した後中国に戻った。

インドはロシアから第2隻目の攻撃原潜を賃借する計画であり、またインド政府は140億アメリカドルの資金を批准したばかりで、6隻の攻撃原潜の建造に用いる計画である。だがまさにインド海軍副参謀長のP.ムルゲサンが先週インドの「経済時報」のインタビューを受けた時に言ったように、「我々の作業はすでに開始されたが、我々は依然着手段階にある。」のである。

インドを特に不安にさせるのは、ある報道が中国は8隻の「元」級潜水艦をパキスタンに販売する計画だとしていることで、この報道はさらにインドの潜水艦部隊は「深い危機に陥り」、中国の潜水艦力量に対しびくびくと不安を感じている、とする。

インドには14隻の潜水艦がある。これには1隻のロシアから賃借した攻撃原潜「チャクラ」号が含まれ、賃借期間は2012年から始まって期間10年である。インド議会国防常設委員会のあるレポートは、インドの大多数の通常潜水艦はすでに就役して20年余りになっており、就役期限に達しようとしている、とした。この委員会は、自分たちはインド海軍に新たな艦艇が就役する「カタツムリの速度」に失望を感じる、としている。

インドは努力してその潜水艦隊を拡大している。インドはさらに15隻の潜水艦を増加させる計画である。これには6隻のフランスの設計した通常潜水艦、6隻の攻撃原潜、3隻の弾道ミサイル原潜が含まれる。


 で、次はこの「元」級潜水艦に対する評価です。

http://www.hinews.cn/news/system/2015/07/25/017715188.shtml


アメリカ、元級潜水艦はAIPシステムに改装するため少なくとも4項目の重要な性能を犠牲にした、とする

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「画像の説明:中国の潜水艦(資料画像)」)

アメリカ海軍学会ウェブサイトの報道によれば、「元」級通常潜水艦は中国海上武器庫の中の最も鋭利な矛の1つであり、非空気依存推進(AIP)システムを配備し、潜水艦の航続能力と隠蔽性を向上させているが、それにもかかわらずこのために潜水艦の人員編成、居住性、燃料備蓄、弾薬庫方面の能力を犠牲にした。

いかなる武器も全て価格低廉かつ完全無欠を達成することは絶対に不可能であり、これこそバランス分析が出現する原因である。妥協はある時には止むを得ない。中国の「元」級潜水艦の設計師が犠牲にしてもよかった、あるいは犠牲にしたくなかった能力を理解することは、解放軍海軍の目標および思考模式を理解する助けになる。

「元」級潜水艦に関する公開されている情報を根拠にバランス分析を行うと、解放軍海軍がこのクラスの潜水艦の設計を、小型、静音、低速、対水上作戦プラットフォームとなしたことが見て取れる。だが「元」級潜水艦がディーゼル・電池潜水艦の伝統的任務、例えば地域情報収集や沿海安全保障業務を執行できることは疑いの余地がない。だがバランス分析は、このクラスの潜水艦は主に進入が難しい水深の浅い区域で長時間潜航する対艦巡航ミサイル(ASCM)発射プラットフォームに充当するのに用いるよう設計されていることを暗示している。

日本の「そうりゅう」級通常潜水艦と「元」級潜水艦には鮮明なコントラストが存在する。「そうりゅう」級潜水艦は全長84m、喫水10.3m、全幅9.1m、人員編成70人である。これに比べ「元」級潜水艦は全長73〜75m、全幅8.4m、喫水5.5m、人員編成58人である。「元」級潜水艦の水中排水量に関しては、異なる情報源が出すデータはそれぞれ異なる。全体的に見て、「そうりゅう」級潜水艦に比べ、「元」級潜水艦はより小さい。喫水は5m近く浅く、全長は約10m短く、全幅は0.7m短い。

水圧と流体抵抗は潜水艦の内部空間と密接な関係がある。ディーゼル・電池潜水艦の能力を向上させる、例えば弾薬庫の深度(頑住吉注:高さのことですかね)、航続距離、ステルスあるいは航行速度は、全く疑問なく潜水艦の大小に対し螺旋上昇式影響を生じさせる。これに似て、潜水艦の休息(頑住吉注:明らかに変換ミスか何かで、文脈から言ってサイズでしょうか)を縮小することは必ずやあらゆる艦上のシステムに対し実質性の下降圧力を生じさせるだろう。例えば人員編成、居住性、燃料備蓄、弾薬庫の深度などである。全く疑問なく、潜水艦のサイズをよりやや小さくさせるため、「元」級潜水艦の設計師は各種領域の能力の削減という代価を受け入れたのである。

非空気依存推進(AIP)型ではない先輩の「商」級ディーゼル・電池潜水艦に比べ、「元」級潜水艦の登場にはまた新たにして重要な意義がある。「元」級と「商」級潜水艦は寸法上極めて似ている。非空気依存推進技術とは、潜水艦が水面に浮上する、あるいは通気装置を使用して空気中の酸素を獲得することを必要としない条件の下に、タービンに運転を保持させ、もって潜水艦を駆動する技術を指す。AIPは意義が重大な「力量増強」技術であり、何故ならこの技術は潜水艦に水中で14〜25日潜航させ、潜水艦が探知計測されるリスクを下げ、したがって大幅に潜水艦の隠蔽性を高めることができるからである。

しかし注意に値するのは、AIPシステムのサイズが比較的大きく、多くの艦内スペースを占めることである。このシステムを装備しても、解放軍海軍の建築は依然「元」潜水艦に「商」級潜水艦のサイズを留保させることを選択した。パキスタンの「Agosta」級潜水艦が追加装備するMesta AIPシステムの艦体への組み込み部分の長さは8.6mである。スウェーデンの「ゴトランド」級潜水艦が「スターリング」AIPシステムを追加装備するためにはその艦体に8mの長さの組み込み部分を挿入する必要があった。

「元」級潜水艦の「スターリング」AIPシステムはモジュール化されていない(艦体の一部を組み込むのに比べ、設計時にもうAIPシステムをその中にとけ込ませれば、より有効にそのシステムの作用を発揮させることができる)。全く疑いなく、「宋」級潜水艦(頑住吉注:さっきまで「商」級って言ってましたが)のサイズを維持することを基礎に「元」級潜水艦にAIPシステムを追加装備しようとして、解放軍はいくつかの能力を犠牲にしたのである。

自動化の進歩は「元」級潜水艦が「漢」級潜水艦(頑住吉注:え、また変わるの?)のサイズを維持することに対し助けになっている可能性がある。だがこれはまた不可能なことであり、何故なら「宋」級潜水艦(頑住吉注:また1つ戻るの?)と「元」級潜水艦の人員編成の差はいくらもないからである(それぞれ60人と65人)。2種の潜水艦の自動化の程度やサイズの差がいくらもないことを考慮すれば、解放軍海軍建造技術者がAIPシステムを追加装備することを基礎に潜水艦の小さなサイズを保持するため、重大な犠牲を払ったことはごくはっきりしている。


 私AIPは先進的なシステムで、それがある方が無条件にいいように考えていましたがそうでもないんですね。ただ「いくつかの能力を犠牲にした」のが仮に確かでも、弾薬庫を大幅に圧縮することも考えられれば、居住性を極端に悪化させて艦員に我慢を強いる、あるいは航続距離を大きく犠牲にすることも、またそれぞれにバランスを取って妥協点を探ることも考えられ、この文章もそこまでは読めなかったようですね。













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