「SIGプロ」は終わりました

 「Visier」2005年5月号に、SIGプロシリーズに関する記事が掲載されていました。


SIGザウエルはその生産物バリエーションを統一した。プロシリーズは消えた。VISIERはSP2340の後継機種のプロトタイプをテストした。

当はエッケルンフォルデから来たチーム(頑住吉注:SIGザウエル)は、もし間に合うならばSP2340の後継機種をすでにIWA用にプレゼンテーションしたかった。しかし、もはや時間が充分でなかった。というのは、彼らのモットーはむしろ「モデル熟成」であって「銃器技術の革命」ではないからである。ただSIGザウエルが変革を全く必要としなかったのも確かである。会社情報によれば、現在のプログラムバリエーションは顧客を納得させており、ビジネスは好調に経過している。メッセ会場ではたいていの時間、密な人ごみがあった(頑住吉注:この筆者の文章は非常に分かりにくく、以前.357SIGの記事を途中まで読み、あまりに読みにくい上にたいしたことは書いてないということで訳を断念した経緯があります。ここまでの文もよく分からんのですが、たぶん、「SIGザウエルは従来品から大きく変化したP250DCcよりもSIGプロSP2340をマイナーチェンジしたものである今回紹介するSP2022をよりプッシュしたかったがIWAには間に合わなかった。SIGザウエルは比較的保守的で現行の製品をじっくり熟成させていくタイプだし、同社の話では従来のSIGプロシリーズは好調なのでP250DCcへのシフトを急ぐ必要はなく、実際IWAのブースではSIGプロの展示のまわりに多くの人が集まっていた。」といったことが言いたいんだと思います)。

ハーフ&ハーフ
 その代わりVISIER編集部にはすでにメッセの2、3日前に.357SIG仕様の新製品のプロトタイプが届いた。(頑住吉注:従来品の)ファンへ。上部(頑住吉注:スライドまわり)は全て現在通りに維持されている。バレルと内装も変わっていない。下部構造(頑住吉注:フレームまわり)が変更されている。すなわち、SIGザウエルは古いフレームを今後SP2022のそれと交換する。プロダクトマネージャーのRalf Vanicekはこれについて次のように言う。「2つの異なるフレームは意味をわずかしか生じさせない。だから我々はここで生産物の整理をすることに決めた。」 下部の部品は現在もはやスイスで製造されておらず、ドイツで製造されている。実際のところ周知のようにそれ(頑住吉注:新型フレーム)は新しいものではなく、その存在はフランス警察の大規模注文の結果である(VISIER2003年9月号参照 頑住吉注:「フランス警察新制式拳銃にSIG PRO SP2022採用」の項目でお知らせした記事のことです)。当時トライアルは9mmx19仕様SIGプロ2009スタンダードバージョンの勝ちと決まった。フランス人のいくつかのモデファイ希望がフレームに変更を導いた。これでこの銃はピカティニーレールとトリガーガードの指かけ、その上モデファイされたデコッキングレバーとサービストランスポンダ用の2つの内部ポケットを得た(頑住吉注:最後のものについては「公用ピストル、SMG、PDWのトレンド」の項目を参照してください。要するに表面のシリアルナンバーのように削り取られることがなく、非破壊検査で銃の出所を特定できる電子部品がフレーム内部にセットされているということです)。この変更は結局モデルSIGプロ2022を導いた。

賛否
 エッケルンフォルデの人は2022系フレームのピストーレ2340とのめぐりあいを改良と考えている。だがもうわずかの間クラシカルなSP2340の惰走スペースの背後に隠れていた(頑住吉注:これもよく分からんですが、たぶんSIGザウエルとしてはフランス警察の希望で生まれたP2022の方が従来品であるP2340より優れており、移行は早くから決定、少なくとも検討されていたが、従来品の売れ行きが落ちるのを防ぐために隠していた、ということでしょうか)。SIGプロという名称は1999年以来ポリマーフレームを持つピストルのために使われている。このブランドネームは「クラシックライン」の他モデル群からプラスチック銃であるSP2009、SP2022、SP2340、そしてコンパクトなSPCを区別している。SIGザウエルは今SIGプロという名称を放棄した。これからは2つのブランド名だけが存在することになる。すなわち、「ザウエル」はこれまでのように有名なロングアーム用に存続する。これに対しハンドガンは近いうちに全て「SIGザウエル」のブランド名の下に商号を名乗ることになる。ただし、略号「SP」はモデル名として存続する。つまりこの結果、新フレームつきの「SIGプロ2340」は、「SIGザウエルSP2022」となる。

 Ralf Vanicekは何故という質問の際に微笑んだ。「SIGプロラインは25万挺を越えるフランスの注文によって貴族に列せられたようになりました。そして人は本来常にそれが最も美しいときに止めるべきです。違いますか?」(頑住吉注:もっと分かりやすく表現しろよというつっこみはさておき、何を言わんとするかは大筋分かりますわな)

 当然エッケルンフォルデはプロラインのピストルを製造し続ける。だが、クラシックラインとプロラインの間の区別をメーカーはもはや口にしないようである。信頼性と命中精度において、この(より)安価なポリマーピストルは金属製下部セットを持つ姉妹銃に劣っている(頑住吉注:たぶんプラスチックフレームを持つシリーズはP220系に比べて信頼性と命中精度が劣るので、従来のように「こちらがよりプロ仕様である」かのようなことは今後口にしないらしい、というようなことが言いたいんではあるまいかと思います。ちなみに「より」が括弧つきで加えられているのはP220系よりは安いけれどもプラスチックフレームを持つ銃の中では高価だという意味のはずです)。

テストを終えて
 新製品のプロトタイプも.357SIG弾薬仕様で来たので、VISIER2005年3月号における前回のテスト(頑住吉注:訳すのをやめた記事のことです)により最新の比較データが手元にある。そして操作感に関しても、他の.357SIG系ファミリーの銃に関するメモと記憶はまだフレッシュである。

 Hartmut Mrosek(頑住吉注:この記事の執筆者2人のうちの1人)によるテスト記録のからのいくつかのインプレッション。「この銃のクオリティはパーフェクト! グリップは小さな手をいっぱいにするが、大きな手用にはいくらか小さめに計算して決められている。グリップ後部からトリガーまでの距離はSAモードで63mm、DAモードで71.7mmである。新しいグリップのおかげで両手保持姿勢においてその前任者より良好に射撃時のホールドができる。しかし、ワンハンドシューティングではこの銃はかなり左上方向に飛びのく。SAモードではトリガーは最小の停滞(頑住吉注:うまく訳せないのでこうしていますが、直訳すれば「這う」というような言葉が使われています)をもって作動する。これに対しDAモードではソフトに始まって引っかきや停滞フリーで作動する。テストされた他のSIGたちよりベターである。私が知る中でベストのDAトリガーの1つだ!」

 このピストルは作動問題を示さず、その上さらにタイトなグルーピングを供給した。すなわち、最も劣った値は、PMC製重量125グレインのフルメタルジャケットフラットノーズ弾の55mmだった。フェデラルのホローポイント弾は同じくらいリコイルが強いが、卓越した37mmという結果を出した。しかし全てのホローポイント弾はお勧めしない。Speerのゴールドドット弾薬は、Hartmut Mrosekの言葉によれば「ハンマーハードでもはや快適でない」ことが分かった。だが、このことは総合的に先のテストにおけるP226、229、239DAOにも等しく該当する。.357SIGのリコイルショックは強いが、手に激しくぶつかって痛めるようなことはない。

結論
 このSIGプロ2340の後継機はコンシールドキャリー用にはベストの選択ではない。その185x33x145mmの寸法はむしろ「成長しきった」公用銃に対応する。ハンターはこの銃を「狩におけるとどめの1発」銃として完全に考慮に入れることができる。強力な使用弾薬にもかかわらず、このピストルは両手保持で良好にコントロールできる。12発フル装填したマガジン込みでこの銃は約995g(空虚重量828g)の重量があり、プラスチック銃としてはライトウェイトではない。SIGザウエルの情報によれば価格は899ユーロになる(頑住吉注:「高い」というようなことが書いてあるようなんですが辞書にない言い回しが使われており、よく分かりません)。加工グレード、信頼性、命中精度に直面して、新しい.357SIG仕様のSIGザウエルSP2022は全てのケースにおいてその金の価値がある。価格的に新製品は古いバージョンのSP2022のラインのままであり、つまり推奨される最終販売価格は899ユーロである。

.357SIG仕様SIGザウエルSP2022のテスト(プロトタイプ)

弾薬 初速(m/s) グルーピング(mm) 注釈
S&B 140grs VM-KS 364〜378(平均373) 50 命中点は狙点の7cm上
Speer Lawmann 125grs TMU-FK 385〜403(平均396) 45 狙点通り
PMC 125grs VM-FK 386〜395(平均391) 55 ハードでうるさい弾薬
Federal 125grs HP 386〜395(平均391) 37 命中点は狙点の4cm上
Speer 「Gold Dot」 125grs HP 407〜416(平均412) 43 ハードでうるさい弾薬。命中点は狙点の4cm上

注釈および略語:全ての射撃は両手保持の銃をレストして距離25mで計測。VM−KSはフルメタルジャケットで円錐の先が平らになった形の弾丸。VM−FKはフルメタルジャケットフラットノーズ弾。HPはホローポイント弾。

頑住吉注:せっかくなので訳すのをやめた.357SIGに関する記事からほぼ同じ条件のデータのみ示します。

弾薬 P226のグルーピングと初速 P229のグルーピングと初速 P239DAOのグルーピングと初速
Speer Lawmann 125grs TMJ 40mm:437m/s 50mm:434m/s 98mm(71mm):435m/s
Federal 125grs VMFK 51mm:421m/s 48mm:408m/s 114mm(75mm):395m/s
S&B 140grs VMFK 38mm:394m/s 43mm:378m/s 97mm(40mm):395m/s

注釈:5発のグルーピング(括弧内は4発 頑住吉注:最も外れた1発を除外した数値ということでしょう)。シッティング、レスト状態で距離25m。VMFKはフルメタルジャケットフラットノーズ。TMJはトータルメタルジャケット。


 タイトルから想像される内容と違っていてごめんなさい(笑)。私はP250DCcが近いうちにSIGプロに取って代わるのではと予想したんですが、そういうことは少なくとも当面はなさそうです。フレームがフランス警察仕様のタイプに統一され、「SIGプロ」というブランド名が使われなくなるというだけのことです。
 プラスチックフレームのシリーズは金属フレームのシリーズより命中精度が劣るとされていますが、データでは遜色ない印象です。ただDAのスムーズさも含めてですが、おそらく手をかけて調整した上で雑誌のテスト用に提供されたプロトタイプと量産品の比較ですからあまり確定的にとらえない方がいいかもしれません。

 SIGザウエル公式サイトにおける紹介ページはここです。

http://www.sauer-waffen.de/index.php?id=248&lang=en

 ここでは確かにSIGプロという名称は消えています。一方アメリカの子会社SIGアームズ公式サイトではまだSIGプロの中に含まれています。

http://www.sigarms.com/products/sigpro-models.asp?product_id=235


 内容と直接関係ありませんが、今回今まである語句の解釈を間違っていたことが分かりました。命中が「Fleck」であるという語句で、辞書にはこの単語の意味として、汚れ、斑点、ブチ、場所などが挙げられています。私は今まで弾痕のそれぞれが離れずに集中し、1つの「ブチ」のようになったグルーピングのことであると解釈していましたが、実は「狙点どおりに命中すること」でした。















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