ロシア製SR-2Mサブマシンガン その1

 あまり知られてない銃だと思います。4回に分ける予定です。

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ロシアのPDW:SR-2Mミニサブマシンガン

1990年代中後期、アメリカはPDW(Personal DefeneeWeapon、すなわち兵個人自衛武器)と称する新型小火器の基準を制定して出してきた。これは小型精巧で軽便、片手あるいは肩付けで射撃でき、セミ、フルオートが選択できる小型自動銃器で、150m以内で比較的高い精度を有し、かつ防御ある生体目標に有効に対応できるものだった。それは主に軍隊の中のああいった第二線作戦人員や技術兵種、例えば衛生兵、操縦員、飛行員および砲兵などに装備され、彼らが緊急状況に遭遇した時に自衛の使用に供するものだった。それまで、こうした人員が装備したものの多くは各種サブマシンガンやショートアサルトライフルだった。だが普通の拳銃弾を発射するサブマシンガンは現代の防護用具を撃ち抜き難く、精度や射程も充分に理想的ではなかった。ショートアサルトライフルは威力や貫通力は要求を満足させられるが、体積と重量が大きく、構造が複雑で、特にショートバレルは発射薬の燃焼不完全をもたらし、銃口炎と騒音が過大で、兵士がもし多くの訓練を経ていないと使用方法の掌握が非常に難しかった。PDWはまさにこうした欠点に照準を合わせ、武器の口径、威力、重量や精度など多くの指標に対し総合的な協調を行って誕生したものである。この基準が出された後、いくつかの世界クラスの大型武器メーカーが相次いで自らの同類製品を登場させた。この中で比較的有名なのはベルギーのFN社のP-90とドイツのHK社のMP7A1である。両者の共通点はいずれも新設計の小口径高速弾を発射し、口径が小さく、初速が高く、軟質防弾衣に対し比較的高い貫通性を有することである。弾頭が比較的細長いので、近距離内で目標に命中した後体内で回転が発生し、停止作用がすこぶる良く、PDWの新型小火器としての独特の優勢を充分に見せた。

かつてAK47アサルトライフルを研究開発した世界クラスの小火器大国として、ロシアは当然兵個人自衛武器というこの新領域で西側に立ち後れることに甘んじず、性能がずば抜け同時に国情に符合する同類武器を研究開発することはロシア軍事工業部門の当務の急となった。この任務を引き受けたのは中央精密機械科学院で、同院はロシアの著名な小火器研究開発機構で、もっぱら特殊部隊のために特殊銃器や弾薬を研究開発していた。新しい銃を研究開発するのに、まず解決する必要がある問題はどんな種類の口径、どんな種類の弾薬を選択使用するかを確定することだった。P-90あるいはMP7A1に用いるのに似た種類の小銃弾薬寄りの高速小口径新弾薬は確かに性能は傑出しているが、その欠点は価格が安くない新しい銃と換装するのと同時に、これとセットになる新弾薬に変えることが必須だということである。非常に大きなロシア軍にとっては代価が高すぎることを免れないと言え、また後方勤務補給にも非常に大きな圧力をもたらし、これはP-90、MP7A1が現在まで一部の国の特殊部隊や特別警察に少量装備しかされていない原因でもある。これに対しロシア人には自分たちなりの解決方法があり、彼らは西側の設計理念とは異なる独特の道を切り開いた。すなわち長所を伸ばし短所を避け、現有の成熟した技術の蓄えを根拠に、いくつかのカギとなる重要な点の創新設計を結合し、低コスト、高い効率で自らの同類製品を持ち出してきた。これが構造がユニークなSR-2Mミニサブマシンガンであり、再度世界に向けロシアの小火器工業の卓越した実力を証明した。

新たな銃は未始動、新たな弾薬が先行

実はSR-2M研究開発の前には早くも、この銃に使用される新たな弾薬がもうすでに中央精密機械科学院によって開発が完成されていた。最初に同院に与えられた任務は、伝統的な9mmx18マカロフ拳銃弾薬を改良し、汎用性を保証する前提の下で、大幅に貫通力を向上させるというものだった。だが1990年代初期になって、ロシア人はマカロフ拳銃弾薬の威力はすでに極限まで掘り尽くされていることに気付き、同時にロシア新型軍用拳銃選定作業が緊張して行われつつあった。最終的にどんな種類の弾薬を採用するか、軍は一度は態度を決めかねたが、主要な一点は未来の新弾薬は拳銃、サブマシンガンに共用でき、しかも弾頭が西側の二級防御基準(ロシアの対応する基準はGOSTR50744-95)の防弾衣を貫通した後、さらに充分な殺傷力をを保持でき、しかも生体目標に対する停止作用が9oパラベラム拳銃弾薬および.45コルト拳銃弾薬より低くないことを保証するのが必須、ということだった。こうした要求は拳銃弾薬にとって、高くないと言うことはできず、最も矛盾したところは比較的高い貫通力を保証するのと同時にさらに充分な停止作用を有し得ることに他ならなかった。フルセットの科学的で謹厳な計算を経た後、科研人員は最終的に新たな拳銃弾薬の技術指標を確定した。銃口初速400〜450m/s、弾頭重量6〜7gである。まさにこの指標に基づき、同院は最終的に9mmx21新弾薬の設計方案を出した。1991年秋、コードネームRG052の9mmx21大威力拳銃弾薬のサンプル弾薬が登場した。それは特殊な弾頭構造をもって設計要求を満足させ、このボートテイル型で前がすぼまった鋼芯弾頭は貫通力でも停止作用でも非常に優秀だった。二級防護衣を着た生体目標に対し、この弾薬はサブマシンガンから発射された時は有効殺傷距離が200m、拳銃から発射された時は有効殺傷距離が100mで、威力は同様の銃身長の銃器から発射された現有のいかなる普通の拳銃弾薬よりはるかに高かった。

新たな弾薬の誕生は後続の新型拳銃およびサブマシンガンの研究開発のためにも道ならしをした。一連の研究開発作業を経て、中央精密機械科学院はコードネームRG055の新型自動拳銃を登場させた。新たな銃は構造がコンパクトで軽便、マガジン容量が大きい、射撃精度が良いなどのメリットを持っていた。1993年、ロシア連邦安全部隊はRG055自動拳銃に対し試験を行った。結果は新型拳銃と新しい弾薬は有効射程、貫通力、停止作用などの方面でいずれも顕著に現役拳銃および弾薬システムより優れていることをはっきり示した。国家安全部は明らかにこれに対し相当に満足し、この後また中央精密機械科学院と研究開発契約を締結し、RG055拳銃を基礎にSR-1「ヴェクター」(Vector)自動拳銃およびSR-2「ヴェレスク」(Veresk)ミニサブマシンガン(SRはロシア語の「特別設計」の略)を研究開発した。中央精密機械科学院は2種の新しい銃を研究開発するのと同時に、さらに弾薬に対し改良を行った。実験結果は、弾頭の初速をやや下げる必要があることを示し、改良された弾頭の鋼芯には異なる鋼材が採用された。新しい弾薬の内部でのコードナンバーはRG054で、1996年に装備が開始され、ロシア軍の公開のコードナンバーはSP-10(SPはロシア語で「特殊弾」の略)で、RG052という原型と比べ、SP-10の散布は半分に減少し、射撃の有効性が非常に大きく向上した。新型銃器の用途を開拓展開しまた戦術効能を向上させるため、中央精密機械科学院はさらにSP-10拳銃弾薬を基礎に相次いで多種の新型弾薬を研究開発し、異なる種類の弾頭を採用し、もって異なる需要を満足させ、かつそれらの弾道特性は基本的に一致し、汎用性が保証できた。主なものには次のものが含まれる。フルメタルジャケット鉛芯普通弾頭を配備使用するSP-11は、ハードターゲットに衝突した時に跳弾が発生するのを有効に防止し、室内近距離作戦に非常に適する。セミジャケットで先端が空洞な弾頭を配備使用するSP-12ソフトポイント弾は、弾頭の外形を保持するため弾の先端部に白色のプラスチックカバーを設置した。この弾薬はもっぱら警察部門のために開発され、目標に衝突すると迅速に膨張変形し、停止作用を有効に向上させかつ過度の目標貫通を防止し、飛行機のコックピットといった種の貫通力に対する制限の要求がある特殊な場合に適用される。SP-13徹甲曳光弾。この弾薬は外形がSP-10の外観と一致し、鋼芯がやや短いだけで、弾頭底部には曳光剤が装填され、多用途弾頭に属する。装甲貫通性能を持つ他、さらに弾道を指示できる。1996年、SR-1自動拳銃は全面試験を通過した後、ロシア連邦安全部隊への装備が開始された。1997年にはまたさらなる一歩の改良が行われ、9mm「セルジュコフ」自動拳銃と命名され(ロシア語の略は「cnc」、英文では「SPS」)、かつ国防省の批准を経た後部隊に装備された。同時に弾薬のコードネームにも更新が行われ、SP-10鋼芯弾薬は7N29、SP-11フルメタルジャケット鉛コア弾薬は7N28に改められ、SP-13鋼芯曳光弾は7BT3に改められた。

















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