スホーイ-35の能力に疑問あり?

 スホーイ-35関連の比較的短い記事を2つまとめて紹介します。

http://military.china.com/news/568/20130406/17762829.html


漢和:中国のスホーイー30/33コピー生産に関する説明には全く道理がない

【カナダの月刊「漢和安全保障業務評論」4月号の文章】 題:第2次知的財産権協議はスホーイー35を保護し得るか?

ロシアは現在積極的に中国と第2次「知的財産権保護協議」締結の問題を話し合っているところだが、この協議は有効にスホーイー35を保護し得るのか否か?

中国航空工業、産業の現状分析から本誌は、スホーイ社が思い切ってスホーイー35の機体生産ライセンスを沈陽飛行機に販売する場合は除くが、さもなくばスホーイー35は完全に第2の殲ー15、殲ー16の案件となる、と考える(頑住吉注:中国にスホーイ-35を売れば模造されるのは確実で、違法コピーがなされないのは正式なライセンスが与えられる場合だけだ、ということです)。

第1次の知的財産権協議は2008年末に成立したが、スホーイー33、スホーイー30MK2の知的財産権は保護できなかったし、特に殲ー16のコピーは2008年以後に展開されたのである。特別に重要なのは第1次知的財産権協議をいかに取り扱うか? 過去における殲ー11B、殲ー15、殲ー16の問題をいかに取り扱うか? ということである。中国サイドはこうした機にコピー生産問題が存在することすら全く認めておらず、不断に高い調子で殲ー15は自主設計であり、自主的知的財産権を持つ、と言明している。

殲ー16の模式は10年後にスホーイー35の身の上に繰り返し発生することが最もあり得る。もしロシアが本当にスホーイー35の販売を決定したらの話である。中国人は2005年に24機のスホーイー30MK2(スホーイー35の協議されている数量も同様に24機である)を購入した後、コピー生産を開始し、殲ー16と称した。24機という購入量が最初からまさにサンプル取得を希望するものであることが見て取れる。

ここでさらに中国の不満を見てみよう。当局の高級官僚は本刊の知的財産権に関する問題に正式な場で回答したことが全くない。本刊独自の中国の情報ソースはこれに対し次のように示している。中国サイドは、スホーイー27の知的財産権はすでに移転され、しかもスホーイー33、スホーイー30を含むスホーイ戦闘機は皆スホーイー27の基本型を基礎にした改造型である。何故中国が自ら改良、グレードアップを行うことが許されないのか?

公正に言えば、この説明には全く道理がない! 国際的にロシア・中国式の戦闘機に関する協力模式は出現したことがない。間違いなく当時契約の署名時にいくつかの法律的穴が存在したのである。このような思考に照らせば、もしスホーイー35に関する契約署名が教訓を取り入れなければ、依然将来において新たな版権をめぐる紛糾が起き得る。スホーイー35もスホーイー27という基本型の改良型であり、当初の名称はまさしくスホーイー27Mだったのである。

スホーイー35が本当に中国に中国に輸入されるとすれば、沈陽飛行機工場の生存問題の真の助けになるだけでなく、さらに重要なのはこの機が殲ー20戦闘機を真に国際基準を備えた第5世代戦闘機とすることである。もしロシアの許可がなくても、117Sエンジンは全く疑いなく殲ー20の試験飛行に転用されることになる。

14,500kgのアフターバーナー使用時の推力を持つ117Sエンジンは殲ー20に中国が夢にまで見た超音速巡航を実現させることができ、ベクトル推進ノズルと組み合わせれば殲-20は空前にして無比の超機動性を持つことになる。中国自身の模索のみに頼ったのでは、さらに10年過ぎても成熟した運用がなされるとは限らない。

117Sエンジンはさらに中国自身の殲ー11B、殲ー15の改良にも用いることができ、同様に機後部の改めての設計という方式によって完成させることができる。

中国はさらにIRBIS-Eレーダーを用いて彼ら自身の長年開発しているPESAレーダーを改良することができる。

ひとたび殲ー20を第5世代戦闘機の基準に到達させれば、すぐF-22、F-35、Tー50と真に対抗し得る能力を持つことになる。117S以後のエンジン改良に関しては、アメリカ・ロシアの次世代戦闘機と同一世代レベルの範囲内で順を追って徐々に改良していくことができる。

中国はさらに117Sエンジンの現状の技術、材料によって現在依然技術的障壁が存在するWS-10Aエンジンを改良する。WS-10Aの材料の運用はロシア、西側の基準にはるかに及ばず、故障率が頻繁で、加速性が不良である。

全体として、もし本当にスホーイー35を獲得すれば、中国の航空工業に少なくとも10年以上の時間を節約させ、自らの次世代戦闘機を開発させることになる。ロシア空軍との隔たりも非常に大きく縮小することになる。ロシア空軍は2015年までにやっと48機のスホーイー35S/BMの引き取りを終えるが、もし中国版のスホーイー35に若干の技術的グレードダウンを行えば、それは数量の優勢によって主導権を獲得できる。117Sエンジンなど先進技術を運用するという前提の下で、殲ー20とT-50の技術的隔たりは非常に大きく縮小し、もし2016年前後に中国に117Sエンジンが輸出されれば、殲ー20は2019、2020年頃の部隊装備が完全に可能になり、T-50がロシア軍に加入するのとほとんど同じ時期となる。


 危機感を煽るのはいいんですが、中国は現役のエンジンをずいぶん前から手に入れて必死でコピーしようとしているのにまともなものが作れていないわけで、さらに高度なスホーイ-35のエンジンを手に入れても簡単にコピーできるとは思えません。また中国戦闘機が軍事的に、あるいはビジネスの上で本当にロシアの脅威になったらエンジンの輸出を止めてしまえばいいだけのことです。

http://military.china.com/important/11132797/20130405/17762422.html


ロシアメディア、中国のスホーイー35戦闘機購入の主旨は地域の制空権奪取にある、とする

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「スホーイー35は現在ロシアが生産する、直ちに部隊装備できる最新型戦闘機である。スホーイー27から一路伝承して今日まで発展し、すでにこの古典的第3世代重戦闘機は極致にまで発展している。」)

【グローバルネット総合報道】 ロシアの軍事工業総合体ニュースネット4月4日の報道によれば、最近中国がロシアのスホーイー35戦闘機を購入しようとしていることに関する報道が世を挙げての関心を引き起こしている。中国のこの挙の主旨は制空権、少なくとも地域の制空権奪取を図ることにあり、第4世代++新型戦闘機は中国の軍事的ポテンシャルを大幅に向上させることができる。

ロシアメディアは言う。現在論じられているのは当面数十機だけのスホーイー35である。だが以前における中国のスホーイー27輸入方面の状況を忘れるべきではない。中国の技術者は導入した装備を真面目に研究し、最終的にこれを基礎に国産新型機を研究開発した。つまり、新たに導入されるスホーイー35が、中国の今後における100機以上の新型戦闘機の独特の基礎となることが完全にあり得るし、しかもその性能は東南アジア諸国が導入している先進戦闘機(頑住吉注:スホーイ-30系のことでしょう)より立ち後れたものであるはずはない。

まさにこの種の発展する事態があり得るからこそ、国外の専門家と航空愛好者はロシアのスホーイー35新型機に対し濃厚な興味を示しているのである。先日アメリカの「国防工業日報」は、「ロシアのスホーイー35スーパーフランカーはもはや神秘ではない」という題の文章を掲載し、簡単に要領よくスホーイー35戦闘機の性能と発展の見通しを評価した。このアメリカの刊行物は、これまでにかつて2種類の差異が比較的大きいロシア機がスホーイー35というコードネームを使用したことがあり、まず航空電子設備を交換し、新型エンジンを使用するよう改めたスホーイー27機であり、次に原型機の大規模改良型で、さらに水平前翼を使用したスホーイー37を指すこともある、と指摘する。最近では関連の情勢が徐々にはっきりしてきて、現在では1種の戦闘機だけがスホーイー35のコードネームを使用し、このうちロシア空軍に焦点を合わせた具体的機種名はスホーイー35Sで、以前はスホーイー35BMと命名されていた。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「ロシアはスホーイー35の性能が西側の第3世代半戦闘機を超えていることを表すため、スホーイー35を第4世代++型と称している。」です。)

このアメリカの刊行物は、スホーイー35はロシア空軍の新型機装備方面における2種の視点のある程度上の妥協の結果であり、量産型スホーイー27ファミリーの簡単なグレードアップ版から全く新しい近代化された重戦闘機(頑住吉注:T-50)の間のある種の過渡的製品であると考えている。類似の妥協の結果はスホーイー35を、最も第5世代戦闘機に近い第4世代++戦闘機とし、この機はNO35「雪豹」パッシブフェイズドアレイ機載レーダーを配備し、L175M「雪豹-M」新型電子妨害システムを使用し、ガラス化コックピットとヘルメット目標指示システムを採用している。飛行機の構造方面では、水平前翼を放棄し、主翼にははっきりした改良がなされている。AL-41F新型推力ベクトルターボジェットエンジンを使用しているが、アメリカの刊行物の原文はスホーイー35がAL-37FUエンジンを使用しているとしており、これは低レベルの誤りかもしれない。スホーイー35が使用する新型航空電子設備は比較的先進的で、特に電気伝導駆動装置を使用したパッシブフェイズドアレイアンテナレーダーは同時に30の目標が捜索でき、かつこのうち8つを攻撃でき、空中目標の最大探知計測距離は400kmである。

アメリカの刊行物は、スホーイー35には技術性能方面においていくつか疑問が存在する、とする。例えばスホーイは公式にこの機の空中目標に対する最大探知計測距離は400kmであるとしているが、探知計測される目標の有効乱反射面積のデータを明らかにしていない。結局のところ異なる目標に対する探知計測効果の差異は比較的大きいのである。また、スホーイ社によるホーイー35の暴露特性軽減、ステルス能力向上に関する声明も同様に人を疑わせる。結局のところスホーイー27ファミリー戦闘機の有効乱反射面積が小さいと評価されたことは全くなく、必ずしもスホーイー35がこの方面において特別の成就を実現したとは期待できない。この機が特殊な材料によって暴露特性を低下させたという可能性は排除できないが。スホーイ社が言明する、スホーイー35機の寿命方面のデータが現実か否か、特に6,000時間の機体寿命と4,000時間のエンジン寿命に関しては、時間だけが証明できることである。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「最も新しく登場したスホーイー35戦闘機はスホーイー27を基礎にした大幅グレードアップ改良による派生型である」です。)

スホーイー35の輸出見通しに関して論評する時アメリカの刊行物は次のように考えている。スホーイー35の前身であるスホーイー27ファミリー戦闘機の歴史的使命は、アメリカの第4世代戦闘機F-15、F-16、F-18に対応することだった。当時ソ連の設計者は先んずれば人を制すで、仮想敵のあらゆる性能と前途の見通しを充分に考慮し、結果的に特別成功した機を研究開発した。しかもスホーイー27は最も成功した輸出製品となり、ごく短い数年という内に欧米戦闘機の国際市場における主要な競争相手となった。現在スホーイー27を基礎とした戦闘機は一定の市場のシェアを占め、今後はスホーイー35に取って代わられる可能性がある。だがスホーイー35は欧米の第4世代および第4世代+戦闘機と新たな契約を争奪する必要があるだけでなく、さらに中国の殲ー10および殲ー11との競争に遭遇する可能性もある。全体的に言って、スホーイー35の輸出の前途は高く見積もるべきではない。これは次の理由による。第1に、スホーイー35は比較的多くの優勢を持っているが、価格というこの主要なパラメータの上では中国の殲ー11Bに及ばず、このことは潜在的顧客の購入決定に対し相応の影響を生む可能性がある。第2に、市場の飽和度が比較的高い。スホーイー35機を調達する可能性がある国の中で、すでに少なからぬ国が必要な数のやや古い機種を手に入れてしまっている。それらの使用寿命はまだ来ず、このため一定期間内は東欧とアジアのいくつかの国はスホーイー35を含め戦闘機を購入することはない。

現在国際市場の状況は比較的特殊である。いくつかの国はすでに戦闘機を購入済みであり、もはや新製品を必要としない。その他のいくつかの国はロシア製品を選択することはない。残る国々の数は多くない。この種の状況はあらゆる航空装備メーカーに全力を尽くして自らの製品をセールスし、大規模発注を争奪することを迫るかもしれない。だが少しばかりはっきりした楽観できる形勢はインドネシア、ベトナムや東南アジアのその他のいくつかの国が伝統的にアメリカや中国の軍事装備を購入する傾向になく、このためロシア戦闘機を歓迎する可能性がある、というところにある。だがこれらの国は現在ちょうどこの前の調達契約の負担の中にあり、加えて財政能力が限られ、このため将来、さらに高価なスホーイー35戦闘機を大量調達することを期待するのはごく難しい。つまり、スホーイー35の輸出の前途の見通しは肯定に値するが、この新型機は対外的売り込みの中で比較的大きな困難に遭遇することになる。

指摘しておくことが必要なのは、現在スホーイー35戦闘機はしばらくのところロシア空軍のためだけに生産されることで、2015年までに48機供給されるはずになっている。中国向けにスホーイー35を供給することに関する件は討論の最中で、少し前双方がすでに枠組み協議を成立させたとの情報が出たが、最も良い状況下でもロシアは何年か後にやっと中国空軍のために新たな機を組み立てられるに過ぎない。第三国に向けスホーイー35を供給することに関しては、現在論じるのは時期尚早である。このため現在スホーイ-35の国際市場での前途の見通しという問題を論じるのも同様に時期尚早である。現代戦闘機の発展の趨勢とあり得るルートを考慮すれば、スホーイー35輸出の前途の見通しが楽観を許さないとの予測は完全に理解可能と考えられ、しかもロジックに符合する。だがスホーイー35がいかに発展しようとも、ロシアの航空製造企業はやはり本国空軍の大量調達の必要性を満足させることもできるし、輸出契約を締結してその他の国に供給することもできる。(編集翻訳:林海)

(頑住吉注:4ページ目:「ステルス措置の現状。スホーイ社はすでにスホーイー35多用途戦闘機の画像を公開しているが、その中からこの機がデルタ翼レイアウトを採用していないことが見て取れる。これはスホーイー27M戦闘機との間の最大の差異である。その原因を突き詰めると、主にステルス性能向上の必要を考慮したことである。」)

(頑住吉注:5ページ目:「スホーイー35戦闘機はさらに機体構造を改変し、大量のチタン合金を採用し、その使用寿命は6,000飛行時間まで顕著に向上し、30年以上の使用に足りる。」)

(頑住吉注:6ページ目:「スホーイー35戦闘機はリューリカ・サターン科研生産連合体がロシア第5世代戦闘機のために研究開発した最新型の117Sエンジンを採用している。」)

(頑住吉注:7ページ目:「関連のデータからは、スホーイー35戦闘機がより速く飛べ、より多くのミサイルと爆弾を搭載できるだけでなく、同時に比較的強い機動性能を持つことが見て取れる。」)

(頑住吉注:8ページ目:「スホーイー35には全部で12の外部吊り下げポイントがあり、多用途吊り下げ架には14の外部吊り下げポイントが採用され、最大弾薬搭載量は8トンである。」)


 高性能は一部誇大宣伝の可能性もあり、従来のような国際市場での成功も難しい、とアメリカの刊行物が書き、ロシアのサイトが紹介し、それを中国のサイトが紹介し、それをここでさらに紹介しているわけですが、いくら何でもあまり事実と違うことを言って売ればその後の他の兵器輸出に関する信用も失われますから、誇大宣伝にも限度があると思われますが。
















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