殲ー15の空中給油

 昨年から盛んに話題になっている「パートナー給油」に関する記事です。

http://military.china.com/important/11132797/20140107/18268545.html


国産給油吊り下げポッド、5分間で1機の殲ー15を満タンに 速度は西側を超える

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「給油『フライングシャーク』(画像のソース 『兵器』誌」)

先日発売された2014年第1期の「兵器」誌(中国兵器工業集団主催)は非常に大きな紙面を割いた中に画像を入れて知識ある専門家に見せた。飛行中の556号殲ー15艦載戦闘機(「フライングシャーク」戦闘機)の腹の下にミサイルに似ているが、ミサイルに比べると太短いものが吊り下げられている。これこそパートナー給油吊り下げポッドである。

このことは、我々の「フライングシャーク」戦闘機も同類機間の「パートナー給油」が実現できることを意味している。中国空母艦載機にとって、この能力を持つことは緊急、重要な瀬戸際に「救命」ができるだけでなく、さらに「遼寧」号スキージャンプ式空母の最大の弱点を補い、非常に大きく「フライングシャーク」の弾薬搭載量と作戦半径を拡大した、と言える。

軍事専門家の目の中では、この目立たない吊り下げポッドは海軍戦闘力の質的向上をもたらし得るのである。

性能は先進的

5分余りで「パートナー」を満タンに

給油速度、あるいは世界最速か


パートナー給油とは、一般に同類型の飛行機の間で、給油吊り下げポッドとソフトチューブを追加装備することによって実現する空中給油を指す。だが、現在では非専門の給油機が行う空中給油でありさえすれば、異なる型の飛行機間であっても、「パートナー給油」と呼ぶ。

2006年の珠海航空展で、国産RDC-1ソフトチューブ空中吊り下げポッドの模型が明るみに出、轟油ー6給油機上に応用された。また2012年の珠海航空展では、某科研機構の説明資料が、「我々はソフトチューブ式空中給油技術を掌握して以後、また大流量の空中給油プラットフォームのいくつかの重要な技術の難関を突破した。我々が生産するパートナー給油吊り下げポッドは飛行試験を行うことになる‥‥」と明らかにしていた。

軍事分析家の見たところ、まず披露された殲ー15パートナー給油吊り下げポッドは、外観がロシア製のUPAZ空中給油吊り下げポッドに非常に似ている。このため、UPAZを理解することは、我々が「フライングシャーク」のパートナー給油能力を理解する助けになる。

「UPAZというロシア語は『汎用給油吊り下げポッド』の略であり、ソ連時代に研究開発された。」 スーパー大本営軍事ウェブサイト編集長 李小健は記者に、西側諸国が常用するMk.32吊り下げポッドと比べ、UPAZには頭部のプロペラ状風力発電機がないが、小型の空気タービン装置があり、燃料供給ポンプの駆動に用いる、と教える。プロペラがなくなっているので、より高速飛行に適応できる。

「UPAZはMk.32に比べより大きくより重いが、その最大のメリットは燃料供給速度が速いことで、全世界のソフトチューブ式給油吊り下げポッドの中で先んじたレベルにある。」  李小健は、ソ連がかつてスホーイー27UBでテストしたことのあるこの型の吊り下げポッドは、給油ソフトチューブの長さが26m、給油速度は毎分2,300リットル(約1.78トンに相当)が可能だった、と明らかにする。もし殲ー15の機内燃料が外界の推測する9.5トンだったとしたら、UPAZはたった5.3分しか必要とせず、便利に1機の殲ー15を満タンにできる。一方Mk.32の毎分の給油はたった1,500リットルで、1機の殲ー15の燃料タンクを満タンにするのに8.2分費やす必要がある。

飛行機は空中給油している時非常に危険で脆弱である。衝突や燃料漏れの可能性があるだけでなく、もし奇襲に遭遇したらなおさら手をつかねて無策となる。このため、できる限り空中給油の時間を短縮することの意義は重大なのである。

注意に値するのは、殲ー15の原型機にはもう機首の左側に収納式の受油プローブが装備されていることだ。パートナー給油吊り下げポッドを搭載すれば、「フライングシャーク」」たちの間での空中給油はすでに非常にたやすいことなのである。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「パートナー給油吊り下げポッドを搭載した殲ー15艦載機」です。)

機動が敏捷

大部隊と共に火線に深く入る

吊り下げポッドを捨てればすぐ戦闘機に戻る


KC-10、KC-135、イリューシンー78、A330MRTT‥‥これら体躯が巨大で「空中の乳牛」の呼び名のある専用給油機は一度満載で発進すれば十何機から二十機の「鳴いて餌を待つ」戦闘機を満タンにするに足りる。それらがあるのに、何故さらに「小児科」のようなパートナー給油を行う必要があるのか?

それは、パートナー給油には給油機とは比べられない特長があるからである。

「燃料を満載した空中給油機は早期警戒機同様常に相手方の眼中の高価値目標であり、敵軍が重点的に狩り殺す目標となる。そして現役の大、中型給油機には、限られた赤外線あるいは電子対抗の『ソフト殺傷』自衛手段を除き、基本的に自衛を行う機載武器はない。それらは図体が大きく、速度が遅く、動作もまた不器用で、ひとたび攻撃に遭えば基本的に終わりである。」 著名な空軍理論専門家徐勇凌は言う。

このため、大、中型専用給油機は作戦中、普遍的に戦場から遠く離れた安全な空域に配備される。このようにすれば、彼ら自身は安全だが、攻撃機群の作戦に同歩調で随伴することはできず、給油を望む戦闘機は、戦場から延々撤退してきて給油することが必須である。作戦の敏捷性は必然的に割引になる。

「だがパートナー給油機は、戦闘機編隊と飛行し、同歩調を実現できる。敵機に遭遇したら、給油機は給油吊り下げポッドを投げ捨て、すぐ戦団に加入でき、航路護衛を必要としない。」 徐勇凌は、給油吊り下げポッドを搭載すればそれは給油機であり、吊り下げポッドを捨てればそれは戦闘機であり、配備が柔軟で、反応速度は遅れない、とする。

パートナー給油の改装は簡易で、取り外しは便利である。「普通の戦闘機をパートナー給油機に変えるには、主に主翼あるいは機腹部の燃料ルートの設計に対し改造を行うが、その他の方面の改良はごく少なく、例えば夜間照明、後ろを見る設備などである。パートナー給油吊り下げポッドは一般に900sに満たず、しかも標準インターフェイスを使用し、それの搭載はミサイルやサブタンクの搭載と大きな差異はない。」 必要があれば、給油機自身の燃料タンクから燃料を抽出してパートナーたちに「輸血」できる。

また、パートナー給油の給油機は受油機と性能が似ており、協調、一致が比較的容易である。

「攻防兼備」の目標を目指し、中国空軍と海軍航空隊は必然的に強大な空中給油能力を追求する。しかし現在、解放軍にはまだ使用に耐える大型の専用給油機が1つもなく、燃料搭載量の限られた轟油ー6はないよりはましというだけである。徐勇凌の見たところ、いくつかの敵の縦深空域に進入する突撃任務の中で、頼りになるパートナー給油は、ロジックに符合する選択なのである。(記者 屠晨マ)

(頑住吉注:3ページ目)中国空母とアメリカ空母が対抗する時、解放軍の殲ー15戦闘機はパートナー給油を経た後、自らの打撃範囲を拡大することができる。遠距離からアメリカ空母戦闘群に突撃し、艦載機の遠距離打撃の機能を充分に発揮することができる。味方サイドの空母を敵から遠く離し、一方において味方の艦の安全を保障し、もう一方においてはまた最小の代価で敵艦を撃沈できる。

(頑住吉注:4ページ目)ネット仲間がアップした殲ー15が給油吊り下げポッドを搭載している画像。画像のソースは中央テレビの番組「ニュースネットワーク」をキャプチャーしたネット上の画像。今年9月「遼寧」号空母の航海試験期間の「ニュースネットワーク」のテレビ報道のキャプチャー画像とされ、当時この場面は一瞬で過ぎ、ほとんど注意されなかった。画像から見て、殲ー15の両側の空気取り入れルートの間の中心線上の吊り下げ搭載架上に大きな搭載物があり、その頭部の外形、寸法はいずれも我が国の轟油ー6給油機に使用されるRDC-1空中給油吊り下げポッドと似ており、殲ー15が翼の下に搭載するYJ-83対艦ミサイルよりずっと大きい。

(頑住吉注:5ページ目)ミグー29が空中パートナー給油を行う

(頑住吉注:6ページ目)早い時期の殲ー15の遼寧艦上における満載試験飛行のビデオ資料。この時の試験飛行で殲ー15は機腹部に給油吊り下げポッドを搭載した。

(頑住吉注:7ページ目)ロシアのスホーイー24の機腹部の給油吊り下げポッド

(頑住吉注:8ページ目)F-18E/FのA42R-1空中給油吊り下げポッド


 「国産給油吊り下げポッド、5分間で1機の殲ー15を満タンに」というから詳細なデータが明らかになったのかと思ったんですが、それは外観が「非常に似ている」ロシア製の給油吊り下げポッドの性能であって、中国国産品がそれと同等の性能かどうかはまだ分かりません。

















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