台湾の大陸スパイ事件

 以前「台湾の8名の将校、大陸のスパイと暴かれる 海軍潜水艦の海図が漏洩」でお伝えした事件に進展がありました。そして何と、「台湾の機密入りノートパソコンがミサイル艇上から消失」の件とも関連している疑いが浮上しているというんです。

http://military.china.com/news/568/20130106/17615363.html


台湾当局者悲しみ嘆く:台湾の将校までも中共に加入 もし開戦したらどうするのか

【グローバル時報駐台北特約記者 張華 本報特約記者 李名山】台湾検察は先日、去年10月に明るみに出た多くの将校が共同で関わったスパイ事件に関し正式に起訴を行った。検察の告発によれば、事件に関わった人員は事件の状況が複雑で、関係した面が広い他、さらにある人は現役軍人の身分で中国共産党に加入しており、島内の熱い議論を引き起こしている。ある台湾の検察官はこのため、もし両岸で本当に開戦したら、台湾軍は台湾人民を保護できるのか、と悲しみ嘆いている。

台湾の東森ニュースの5日の報道によれば、台湾海軍艦隊指揮部上尉の李登輝(頑住吉注:元台湾総統と同じ名前ですが言うまでもなく別人のはずです)と海軍大気海洋局(頑住吉注:肩書の意味が不明です)張祉○(頑住吉注:日本語にない漢字、以後ジャンジーシンとします)には、退役海軍上尉銭経国を通じ、台湾軍の重要情報を大陸に漏らした嫌疑がかけられている。このうちジャンジーシンはさらに銭経国の紹介で、現役軍人の身分をもって中国共産党に加入し、台湾軍の近年稀に見る個別案件となった。これに対し、台湾軍調査部門は、ジャンジーシン、銭経国は国家の育成を受け、本来敵味方を弁別すべきなのに、逆に進んで大陸に吸収利用され、このことの台湾軍の栄誉と志気に対する衝撃ははなはだ大きく、人にも自分にも損害を与え、今後国家安全法によって捜査、処理されることになる、とした。

報道は言う。銭経国は2009年にバリ島に旅行した時に大陸によって取り込まれ、その後銭経国はその台湾海軍の人脈を利用し、何度も海軍将校および家族をフィリピン、タイなどの地に旅行に招待し、中国共産党加入を扇動した。ジャンジーシンは銭経国に操られて2010年5月に現役軍人の身分をもって入党し、銭経国本人も2011年8月に入党した。

ジャンジーシンなどの人の行為に対し、ある島内の法律界の人物は次のように言う。台湾憲法は人民に集会結社の自由があることを保障している。中国共産党は台湾においてまだ登記、登録されていない政治団体に属するが、島内には明文で民衆の加入を制限する法律はないようで、共産党の理念の宣伝、賛同も言論の自由と評価される。だが、中国共産党指導下の大陸には台湾に対する敵意が依然あり、台湾軍も中共を敵対する一方と見ている。このため軍人の忠誠の維持保護という角度から見て、台湾軍は軍人の中国共産党加入を制限すべきである。台湾軍事検察署は次のように考えている。現行の法律には決して軍人の中国共産党加入が犯罪だと明確に規定してはいないが、大陸は現在依然台湾と軍事的対立状態にあり、関係法律の中の敵の規定に符合するため、現役軍人の中国共産党加入は、大陸に向け情報を売るのと同様に、敵のためにスパイ活動に従事することと見なされ、最も重ければ死刑に処せられる可能性がある。

台湾の「自由時報」5日の報道によれば、銭経国などの人が起訴された後、軍調査部門は4日に多くの将兵を追及し、光華6号ミサイル快速艇のコンピュータ遺失の件を調査し、かつ彼らに指紋押捺を要求し、2つの件に関係ありやなしやの連想を引き起こした。銭経国はかつて艦艇のミサイル指導官を担当しており、しかも彼と大陸情報部門が知り合うよう手配した盧姓上尉は当時ミサイル指揮部の幹部を担当しており、ミサイルなどの機密データをすでに外部に漏らした可能性がある。

(頑住吉注:これより2ページ目)

事実として、台湾軍は軍人の共産党加入に対し強大な敵に立ち向かっているかのようだが、島内には共産党と命名された政党、社団が少なからずある。台湾内務省が公開した関係資料によれば、現在島内には少なくとも4つの共産党があり、2008年7月に成立した台湾共産党はずっと、最も正統的な共産党組織であると標榜し、その申請から成立許可獲得まで14年かかっており、最終的には憲法官会議において憲法解釈を経てやっと成立許可を獲得した。この党は党員2,000人余り、外部の親近者(頑住吉注:シンパ?)20万人と称しており、主席の王老養は島内での知名度が相当に高く、しばしば共産党の大きな字が印刷され、赤旗を立てた宣伝用ホンダ車を運転して島内で宣伝、扇動を行い、台湾は社会主義路線を行き、国家の福利と社会互助の向上を通じて台湾の社会問題を解決する必要があると主張し、かつ中国共産党と交流を行う必要があると言明している。台湾共産党の正式成立後、これに続いて中華民国共産党も2009年4月に正式に成立し、台湾の第147番目の政党となった。この党の主任総書記は陳水扁の堂弟(頑住吉注:父方の年下の男の従兄弟)の陳天福で、しかも党旗は中華人民共和国の国旗にそのままならっている。その標榜するイデオロギーは皆全てに食べる飯がある必要がある、というものだ。だが、中華民国共産党は成立以来組織発展と活動の展開が決してスムーズに行かなかったため、陳天福は2009年9月にあっさりとこの党との関係を離脱し、同年10月1日にこれとは別に台湾民主共産党を組織し、島内第3の共産党組織となった。この党の特色は鮮明であり、党の旗は中国共産党の党の旗と基本的に同じで、差は単に党のシンボルの下に緑色の台湾の図案があるだけである。台湾の特色ある社会主義路線を行く必要があると称し、中華人民共和国と平和的に統一し、台湾を高度の自治ある台湾特別行政区政府とするよう主張している。2009年、島内にはさらに1つ、青にも緑にも偏らない(頑住吉注:意味不明です)中国共産連盟が成立した。島内において民生と公益を実現する必要があると強調し、両岸関係方面では平和、協調をしっかり維持し、中華文化を押し広める必要があると主張する。この他、島内にはさらにかつて中国台湾共産党の成立を押し進めた人がいたが、最終的に実現しなかった。

島内の共産党組織は少なくないが、台湾当局は普通の民衆が中国共産党に加入することに対してやはり多重の制限を設けている。台湾当局両岸人民関係条例第33条の規定によれば、台湾地区の人民、法人、団体あるいはその他の機構は、主管機関の公告が禁止する大陸の地区党務、軍事、行政あるいは政治性を持った機関(機構)団体の職務を担当し、あるいはメンバーになってはならない。かつて2001年末、台湾科学技術のトップの富豪郭台銘の鴻海グループが大陸に投資した企業が率先して共産党支部を設立したとの情報は、島内に直ちに強烈な反応を引き起こした。当時大陸委員会委員長の任にあった蔡英文はわざわざ態度表明を行い、鴻海グループががもし長期にわたり両岸人民関係条例に違反すれば制裁を受けることになると威嚇した。2006年、厦門の台湾商人林重光は区級の人民大会代表選挙に参加すると明らかにした。この歴史のさきがけとなる事件も当時大きなもめ事を引き起こした。だが最終的に選挙は落選をもって終わりを告げた。彼がもし当選していたら、台湾当局の科料に直面した他、さらに台湾入境権剥奪の最も厳しい処罰を受ける可能性があった。


 台湾国内の共産党事情については知識不足でいまいち理解できませんが、台湾の共産党に加入するのと大陸の共産党に加入するのとでは意味が全く違うので、「台湾にも合法に共産党組織があるのだからそこまで大げさに騒ぐことはない」とでも言いたげなトーンには賛同できません。

 はたしてミサイル艇のパソコンを盗んだのはこのグループなんでしょうか。真相解明はどこまで進むんでしょうか。










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