中国の次期戦略爆撃機はどういうものになる?

 そもそも現在の轟ー6系は「戦略爆撃機」と言えるかどうか微妙で、「中国初の戦略爆撃機」かもしれませんが。

http://military.china.com/important/11132797/20161204/30063618.html


専門家:B-2の代価は高すぎる 轟ー20は最多でB-1Bのようなもの

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「現行の国際的基準に照らせば、航続距離が8,000km以上で、弾薬搭載量が20〜30トンに達するもののみ、やっと遠距離爆撃機と称することができる」)

空軍司令員の馬暁天が公然と中国は新世代遠距離爆撃機を開発中だとした後、この大国の重器が直ちに各界の関心を引き起こした。特に最近中央テレビが発表したあるシーンの中で、中国の轟ー20のCG画像らしきものが明るみに出、さらに軍事愛好者の「朋友圈」(頑住吉注:ネット用語らしいですが説明を読んでもよく分かりません。この際別にどうでもいいでしょう)を起爆させた。広大な軍事愛好者の心中では、「赤いB-2」の設計思想が現在最も関心を集めているようで、最も期待されるバージョンでもあり、すなわち全翼式ステルス遠距離戦略爆撃機である。しかし、事実は果たしてこうなのか? 中国の新世代遠距離爆撃機で最もあり得るのはどのような設計の思想を採用することなのだろうか?

次世代遠距離爆撃機はどんな条件を満足させる必要があるのか?

科技日報記者は、現行の国際的基準に照らせば、航続距離が8,000km以上で、弾薬搭載量が20〜30トンに達するもののみ、やっと遠距離爆撃機と称することができる、と理解するに至った。現在、世界では米ロ両国のみ遠距離爆撃機を持ち、すなわちアメリカのB-52H、B-1B、B-2A、ロシアのツポレフ-160、ツポレフ-95MSである。この中で、B-2Bのみ真の意味でのステルスを実現しており、その他の機種はステルス能力を持たないか、部分的にステルスかである。

国防科学技術大学国家安全・軍事戦略研究センターの軍事専門家である王群教授は次のように指摘する。次世代遠距離爆撃機がまず満足させる必要がある要求は、動力システムの推力が大きく、機能が高い必要があること、航続距離が長い、弾薬搭載量が大きい、しかも搭載する武器の類型が多く、爆弾もあれば、巡航ミサイルもあることを保証することである。これを基礎に、遠距離爆撃機にはさらに2つの基準があり、1つはステルス防御突破であり、例えば全翼レイアウトのB-2Aのようにで、ことさら超音速を強調せず、ステルスによって防御突破を行う。もう1つは速度防御突破であり、すなわちB-1B、ツポレフ-160のように超音速飛行によって生存能力と防御突破能力を引き替えに得る。超音速防御突破は過分にステルス能力を強調せず、技術上実現がより容易で、製造コストや維持保護のコストも低く、出勤率がより高い。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「中国の新世代遠距離爆撃機はステルス防御突破かあるいは超音速防御突破かの二者択一である可能性が高い」です。)

ステルスと超音速、両者とも得ることはできない

「現在、遠距離爆撃機が主に強調するのは防御突破能力で、ステルス性能に頼るか、超音速性能に頼るかである。両者を結合しようとすれば、技術的に実現は非常に難しく、経済上も受け入れ難く、言ってみればたとえアメリカのような国さえもあえてそんなに『意気盛ん』ではない。」と王群は語る。「まさにこうだから、米ロの次世代戦略爆撃機の設計指標は、主にまだステルス防御突破をベンチマークとし、ことさら超音速を突出させてはいないのである。」

記者はさらに、現在の情報から見て、米軍の次世代遠距離爆撃機は全周波数あるいは幅広い周波数のステルス能力を持ち、空中給油を経ない航続距離9,260km、ネットワーク作戦能力、適度な弾薬搭載量を持つはずだと理解するに至った。2012年に早くもロシア方面が明らかにした情報は、その次世代遠距離戦略爆撃機PAK-DAは極超音速能力を持たず、ステルスによって防御突破効果を達成することをはっきり示していた。

中国の新世代遠距離爆撃機の設計思想に関し王群は、全体的に見ればやはり三種の方案に他ならず、1種はステルス防御突破、1種は超音速防御突破、第3種目は同時にステルスと超音速防御突破を具備するものだと考える。以上の分析を結合すると、我が国の新世代遠距離爆撃機はステルス防御突破あるいは超音速防御突破の二者択一だという可能性が高い。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「中国の現在のステルス技術はすでに成熟しており、轟ー20はステルス効果の上であまり大きな問題はないはずだと見られる」です。)

轟ー20の2種の異なる道の選択

各メディアの情報を総合すると、中国の新世代遠距離爆撃機の航続距離は現役の轟ー6Kに比べ倍増し1.2万km前後に達し、かつ遠距離の弾薬搭載量は20から30トンに達し得、最新世代の空中発射巡航ミサイルが使用できる。

ある軍事愛好者は、我が国の新世代遠距離爆撃機も米ロに似た設計を採用し、全翼式設計方案を採用し、ステルス能力に重点を置く、と推測する。

これに対し、空軍装備研究院の軍事専門家である張文昌は賛同を表明する。彼は次のように語る。「アメリカ、ロシアの次世代戦略爆撃機開発の状況から見て、轟ー20はまずステルス性能を具備する必要があり、もし良好なステルス性能がなければ、防御突破を実現しようというのはほとんど不可能である。B-1B、ツポレフ-160に似た種類の、超音速に重点を置く爆撃機は、威嚇装備としては問題ないが、実戦装備としては、誰を打撃するのかを見る必要がある。もし相手の実力が比較的弱ければ、問題はない。だがもし強対強の対抗なら、直ちに問題が出現する。まず現代の防空システムはどんどん先進的になっており、ステルス能力を持たない爆撃機は離陸すればすぐ発見され、しかもその飛行高度は決して高くなく、一般の地対空ミサイルでそれに対応するのに問題は大きくない。ステルス能力がないことは、未来の戦場の非常に大きな問題だろう。同時に、我が国の現在のステルス技術はすでに成熟し、殲ー20および殲ー31という2種の戦闘機の技術的支えがあれば、轟ー20はステルス効果の上であまり大きな問題はないだろうと見られる。」

彼は、B-2の誕生後から、全翼は多くの飛行機が高いステルスを実現するのに選択する古典的レイアウト形式となった、と指摘する。だが現在の技術水準の下では、全翼式レイアウトの飛行機は通常亜音速および高亜音速飛行にしか適合しない。このため轟ー20は「赤いB-2」の設計思想を採用する可能性が極めて高い。すなわち全翼式亜音速ステルス爆撃機である。

この種の視点に対し王群は異なる見方を表明した。「B-2は現在世界で唯一のステルス戦略爆撃機だが、その製造コストは非常に高く、1機あたりのB-2の製造コストは25億アメリカドル前後で、もし重量をもって計算すれば、B-2の重量あたりの価格は黄金の価値と大差なく、しかも維持保護メンテナンスの費用も恐るべき高さである。経済的角度から言うと、これは非常に割に合わない。技術から言っても、その難度は相対的により高い。実戦応用について見れば、決してそんなに理想的ではないからなおさらで、このためアメリカ国内にはしばしばそれを「見かけは立派だが役に立たない」と言う専門家がいる。

王群は、「現在の我が国の飛行機製造水準の不断の高まりや航空エンジンが急速に発展する現実をベースにすれば、よりあり得るのはツポレフ-160に似たような超音速防御突破爆撃機であり、一方B-2Aのような種類の全翼式ステルス爆撃機に関しては、経済的角度や技術的現実および需要から見て、結局のところ代価が高すぎ、実用性も必ずしもそんなに良くはなく、現在可能性は高くない。最多でB-1Bのような種類の部分的にステルス能力を持つ超音速爆撃機のはずである。」と語る。


 今から着手するならやはりステルス爆撃機であるべきで、それができないならそもそも最初から開発する労力をつぎ込む必要はなく、時々噂が出るようにロシアの超音速爆撃機を導入して研究した上改良する方が得策という気がしますね。まあロシアが売るかどうかは分かりませんが条件次第では。














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