X-37Bが中国の宇宙船を追跡した?

 前回紹介した「メディア、中国の多種の対衛星兵器を明らかに アメリカ衛星かつて神秘の失明」の中には、「潜在的敵対者は〜アメリカとの競争を起こし、その宇宙の優勢に挑戦しようともしている。」とありましたが、批判的な意見もあるようです。

http://military.china.com/important/11132797/20130112/17628537.html


専門家いわく盲目的にアメリカを追うなかれ 宇宙戦争には永遠に勝者はない

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「アメリカのXー37Bは発展ポテンシャルが非常に大きい『準作戦』プラットフォームである」)

最近、あるアメリカのフロリダ州ケープカナベラル空軍基地から発射された飛行機が人々の特別の関心を引き起こした。その原因は非常に大きな程度上、このX-37Bという名のアメリカ空軍軌道試験飛行機の運行軌道と軌道の傾斜角度が、中国の計画機である宇宙実験室「天宮一号」に非常に近いことにある。人々には疑う理由がある。アメリカの戦略の重心の東への移動が加速し、アジア太平洋地域に対する兵器販売が拡大し、南海の争いに高い調子で介入し、中国の地下核トンネルの解明を要求する「国防授権法案」が通過する大きな背景の下で、X-37Bの発射と飛行にはある種中国に照準を合わせた企図があると。

注意に値するのは、X-37Bは少量の有効積載荷を軌道に送り込み、一連の任務を執行し、その後地球に帰る飛行機の雛形であると考えられていることで、この機は外宇宙を巡航することもでき、また大気圏に進入して任務を執行することもできるため、「宇宙飛行機」とも呼ばれている。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「アメリカはXー37Bを基礎に宇宙戦闘機を研究開発することができる」です。)

アメリカ、「隠れたるより現るるはなし」、猜疑を生む

Xー37Bの目的はどこにあるのか? これに対するアメリカ空軍宇宙プロジェクト副部長で、元宇宙船司令長ゲーリー ペイトンの説明は、この機は技術検証プラットフォームでもあり、宇宙実験プラットフォームでもあり、アメリカの重複使用可能な無人宇宙実験プラットフォーム方面の科学技術の実力をはっきり示している、というものである。言わんとするところは、これは科学研究に用いる、ということである。しかし、6トンの重量しかないX-37Bが大型の衛星や試験設備を搭載することは不可能で、しかも無人機であり、これらは全て「実験に用いる」との理由を明らかにあまり道理に合わないものにする。

X-37Bの本当の用途に関し、中国人民解放軍国防大学教授の李大光は次のように指摘する。一部の宇宙業界内の人は、X-37Bが先進的な宇宙作戦機であり、地球からの距離数百kmの低軌道を毎秒7.8kmの宇宙速度をもって地球のまわりを飛行し、軌道上で270日運行できる、と見ている。実戦投入後、地球から近い、また遠い軌道の、ないし機動飛行する宇宙船に対し直接攻撃ができる。このため、彼はXー37Bは人類初の宇宙戦闘機の可能性が高いと考えている。

中国空軍指揮学院戦略教育研究主任の王明志は考える。アメリカのX-37Bプロジェクトと「ファルコン」超音速宇宙飛行機(頑住吉注:HTV2)、X-5IA計画はいずれも、アメリカが全地球快速打撃能力を形成するのを助けるプロジェクトである。対宇宙核戦力および兵器全地球ネットワーク主席デイブ ウェーバーは、X-37Bはペンタゴンが通常弾頭を利用して1時間にもならないうちに快速全地球打撃を実施する能力を持つ計画の一部分である、とする。またある専門家は、アメリカ空軍は新たなスパイ活動の方式を研究中であり、X-37Bはあるいは一種の実験プラットフォームとしてスパイ衛星の先進的センサーに対する試験が行え、新たなスパイ領域を切り開く可能性が高い、と考える。X-37Bは衛星の殺し屋になるかもしれず、この機は長さ10〜15mのロボットアームを装備し、他国の衛星に接近し、平行して飛び、その後これを捕獲し、さらにはアメリカ衛星計画の持ち物にすることができる。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「アメリカ、宇宙兵器の力を借りて中国のミサイルの優勢を打ち消すことを希望」です。)

あるいは剣は中国を指すか、熱い議論を引き起こす

アメリカ問題の専門家で、中国人民大学国際関係学院教授の時殷弘は、本報のインタビューを受けた時、次のように指摘した。中国が近年宇宙領域で手にした成就はアメリカの高度の関心を引き起こし、中国は自らの外宇宙平和利用の理念と立場を再三強調しているが、アメリカは依然ある種の危機感を感じており、いろいろと思案をめぐらせ全地球宇宙技術方面の長期にわたる圧倒的優勢を保持し続けようとし、対外的戦略目標は非常に強い拡張性を帯びている。このことも人々に、ごく自然にX-37Bを中国と関連付けさせる。

「天宮一号がX-37Bによって追跡された。」このややセンセーショナルな推測は決して根拠皆無ではない。ある人はすでに公表されている情報を根拠に、X-37Bは300〜340kmの高度をもって飛行し、31回転するごとにその地上の軌跡が重複し、この種の軌道の高度と軌跡はアメリカの偵察衛星の特徴に非常に符合する、と計算している。しかもX-37Bの第2回の発射の時期はちょうど中国の天宮一号の発射と重なり、運行の軌跡も天宮一号と非常に近く、X-37Bの軌道の傾斜角は42.8度で、一方天宮一号の軌道の傾斜角は42.78度で、高度もほとんど同じだった。この説に対し、一部のアメリカの科学者は否認し、X-37Bは天宮一号と軌道パラメータが近いが、両者の軌道模式は異なり、かつ遭遇時の速度は毎秒8kmにも達し、このような高速下ではいかなる情報も収集できない、と反論している。

当然X-37Bはアメリカが中国を「軍備競争」に引き入れる陰謀であり、目的は中国が多くの研究開発経費を費やすことを誘い、発展の歩調を遅らせることだ、と考える人もいる。アメリカの「グローバルセキュリティ」ウェブサイトの執行官ジョン パイクは、「X-37Bは確かに某種の用途を持つ。私はその用途は中国人にずっとその用途が一体何なのかと推測させることだと考える。」

(頑住吉注:これより4ページ目。画像のキャプションは「中国も自らの宇宙飛行機を開発中」です。)

宇宙の軍事化、深く考えさせる

アメリカが発射したX-37B軌道試験機は一定程度上宇宙運搬搭載技術の発展方向を示している。だが別の角度から見ると、この技術は世界の他の国とアメリカとの宇宙力量の隔たりをさらに一歩拡大させ、これまですでに形成されていた宇宙戦略のバランスを打破し、本来もう静かではなかった宇宙をよりせわしないものに変えた。アメリカに押し動かされ、世界の多くの国の宇宙飛行機の研究開発はすでに全面的にヒートアップしている。ロシアの極超音速技術は世界に先んじており、現在すでに宇宙飛行機の飛行検証段階に入っている。イギリスは飛行場の滑走路で発着できる宇宙飛行機を開発中で、宇宙旅行客をマッハ5の速度で地球軌道に送り込めるようになる。日本はすでに点火、推力測定、燃料調節、エンジン冷却などカギとなる重要技術を掌握している。インド国防省も小型で重複使用可能な宇宙飛行機計画を始動させた。専門家は、アメリカの日増しに強大になる宇宙技術に直面し、中国は盲目的に追ってはならず、「2本のルートを行く」方式を採り、宇宙飛行機技術の探求と同時に、レーザー技術の発展をもって宇宙技術の革新を連動させる必要がある、と指摘する。

初の人工衛星「スプートニク1号」の発射は人類の宇宙時代到来を宣言した。「宇宙第1号の人」、「月第1号の人」の誕生は、人類発展史上のそれぞれの超越を目撃した。「チャレンジャー」号、「コロンビア」号の事故は、人類の宇宙事業の1歩ごとの辛苦と困難をも銘記させた。古来、人類の宇宙探索に対する夢は単純にしてまた偉大なものである。時今日に至り、いくつかの国は私欲と覇権のために、宇宙において1回また1回と「土地囲い込み」や「争奪」を演じている。歴史は我々に、宇宙の軍事化は人類の平和と発展に反し、「宇宙戦争」には永遠に勝者はないと教えている。国際社会にとって、宇宙非軍事化立法、宇宙資源の平和利用の押し進めこそが人類唯一の選択である。 (頑住吉注:文章的にこれが締めのようで、以後は別の記事ではないかとも思われます。)

(頑住吉注:これより5ページ目。画像のキャプションは「Xー37B宇宙飛行機の軍事的用途ははっきりしている」です。)

「宇宙飛行機」は「ミニ宇宙船」のようだ

ボーイングX-37Bはアメリカのボーイング社によって研究開発された無人宇宙飛行機である。全長8.8m、全幅4.5m、複数回使用でき、形は「ミニ宇宙船」のようである。ロケットによって発射されて宇宙に進入し、初の地球軌道上でも飛行でき、また大気圏に進入することもできる航空機である。任務終了後はさらに自動的に地上に戻ることができ、未来の宇宙戦闘機の雛形と考えられる。ボーイング社は今までに全部で2機のX-37Bを製造し、それぞれ2010年4月と2011年3月に発射された。2012年12月11日、X-37Bは第3回目の軌道飛行任務を完了した。しかしアメリカサイドの再三の隠蔽的態度により、その意図は不明となっている。

ずっとメディアは「ボーイングX-37B」を「X-37B宇宙飛行機」と俗称するのを習慣にしてきた。「宇宙飛行機」は航空宇宙飛行機の略称で、文字通り大気圏内を飛行することもできるし、宇宙を飛行することもできる、自由に宇宙、地球間を往来できる輸送ツールである。宇宙船に比べ、宇宙飛行機は大気圏内飛行の機能が1つ多く、その最大のメリットは重複使用可能なところにある。しかし最近ある宇宙専門家は、アメリカが発射した「X-37B」は決して「宇宙飛行機」ではないとした。原因は宇宙飛行機は発進時ロケットブースターの使用を必要としないが、一方「X-37B」は「アトラス-5」ロケットによって発射され上昇する。このため「X-37B」軌道試験機は「小型無人宇宙船」としか評価できない。

(頑住吉注:以後のページは画像とキャプションだけです。6ページ目は「アメリカのX-37B宇宙飛行機はすでに長年研究開発されている」、7ページ目は「アメリカのX-37B宇宙戦闘機の発展ポテンシャルは巨大である」、8ページ目は「アメリカのX-37Bはほとんどポケット版宇宙船そのものである」)


 中国が宇宙非軍事化の美辞麗句を並べるのは、明らかにその分野でのアメリカとの競争は分が悪いと自覚しているからで、自分が有利に立てそうな分野ならそんなことは決して言わないわけです。











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