台湾とフィリピンの持つ兵器を比較

 台湾・フィリピン問題に関する短い記事をまとめて紹介します。まず双方の兵器を比較した画像集です。

http://tuku.military.china.com/military/html/2013-05-14/215786_2348563.htm


台湾・フィリピン三軍の戦力を大比較!

アメリカ国防省が先日発表した「2013中国軍事力レポート」のデータによれば、台湾「陸軍」の総兵力は約13万人で、8個歩兵旅団、3個機械化歩兵旅団、4個装甲旅団、5個砲兵旅団を含み、全部で戦車1,100両、火砲1,600門を持つ。画像は台湾の大型火砲一斉射撃時の震撼すべき場面。

(頑住吉注:2ページ目)全体的に言って台湾の陸軍武器装備はアメリカ製装備をメイン、独自生産装備をサブとしており、こうした独自生産装備も多くはアメリカ製武器を研究開発の参考としており、このため舶来品の血統を持つとも言える。戦闘車両には主にM48H勇虎戦車、M60A3戦車、M113装甲車などがあり、米軍の1980〜1990年代のレベルに相当する。画像は台湾の雷霆-2000ロケット砲の対艦射撃。

(頑住吉注:3ページ目)漢光演習で台湾のM60戦車群が火蓋を切る

(頑住吉注:4ページ目)アメリカ製のM60A3戦車は台湾「陸軍」の主力装備である

(頑住吉注:5ページ目)台湾が自ら研究開発した新型戦術突撃車

(頑住吉注:6ページ目)台湾「陸軍」の対装甲部隊

(頑住吉注:7ページ目)台湾の特殊部隊が山地訓練を行う

(頑住吉注:8ページ目)台湾の男性によくある不平に、兵役時代に使ったのは「骨董」装備だった、というのがあるが、フィリピンの武器装備は「骨董の中の骨董」と言える。フィリピンは現在41両のイギリス製Fv-101スコーピオン軽戦車を持っているが、これらの戦車は1960年代の英軍装備で、1970年代の初期にフィリピンに売却された。搭載する76mm主砲は台湾のM60A3戦車の装甲を全く貫通することができない。画像はフィリピン陸軍部隊が装備するイギリス製Fv-101スコーピオン軽戦車。(頑住吉注:ちなみに装甲はアルミ製だそうで、そもそもメインバトルタンクと正面戦闘するものではないですが、その羽目になったら太平洋戦争当時アメリカの戦車に立ち向かった日本戦車みたいなことになるんでしょうね)

(頑住吉注:8ページ目)資料画像:イギリス製Fv-101スコーピオン軽戦車

(頑住吉注:9ページ目)フィリピンの火砲は1940年代のM101式榴弾砲がメインで、全く台湾のM109自走砲や雷霆-2000多砲身ロケット砲の相手ではない。画像はフィリピンのM101式榴弾砲。

(頑住吉注:10ページ目)フィリピン部隊が装備する歩兵戦闘車

(頑住吉注:11ページ目)陸軍航空隊のヘリ方面では、台湾は60機余りのAH-1Wコブラ攻撃ヘリ、および年後半に続々と戦力化される予定の30機のAH-64Eアパッチ攻撃ヘリを持つ。画像は「台湾」陸軍が装備するAH-1Wコブラ攻撃ヘリ(頑住吉注:国ではない建前なんでいちいちカッコつけてますが、面倒くさくなっていいかげんにやったようでここでは「陸軍」にカッコをつけるべきところ間違ってます)。

(頑住吉注:12ページ目)フィリピンは依然旧式なUH-1Hヘリを主力に充当している。画像はフィリピン部隊が装備するUH-1Hヘリ(頑住吉注:ベトナム戦争ものの映画によく出てくる古い機種ですけど日本の自衛隊でもまだ使っているそうです)。

(頑住吉注:13ページ目)海軍方面では、台湾は22隻の巡防艦、4隻の駆逐艦、4隻の潜水艦を持ち、多くは1990年代に欧米から購入した、あるいはアメリカの助けを得て生産した艦船である。これらの艦船は日本の海上自衛隊に対応するにはあるいは力が及ばないかもしれないが、フィリピンの古くてぼろぼろの海軍に対応するなら余裕綽々である。画像は台湾「海軍」の雄風III超音速対艦ミサイルを装備する成功級1109張騫号護衛艦および光華六号ステルスミサイル艇。

(頑住吉注:14ページ目)画像は台湾「海軍」の793海竜号通常潜水艦。

(頑住吉注:15ページ目。このページのキャプションは画像と合っていないようで、これは台湾のS-2T対潜哨戒機です。)

(頑住吉注:16ページ目)雄風III対艦ミサイルを装備する台湾の錦江艦。

(頑住吉注:17ページ目)フィリピン海軍の主力艦艇は2隻のアメリカ沿岸警備隊の退役巡視船で、小口径火砲しか装備しておらず、すでにミサイル装備化した台湾海軍に遭遇すれば、おそらく船がまだ港を出ないうちにもう台湾によって殲滅されるだろう。画像はフィリピン海軍最大にして最も先進的な軍艦「グレゴリオ デーピナー」号。この艦はフィリピン海軍がアメリカ沿岸警備隊から購入した中古の「ハミルトン」級巡視艦で、それまでにすでにアメリカで44年就役し、2012年5月に正式にフィリピン海軍に引き渡された。フィリピン海軍の資料は、「デーピナー」号の満載排水量は3,390トン、全長115.21m、全幅12.8m、喫水4.78mであることを明示している。

(頑住吉注:18ページ目)台湾「空軍」には約400機のジェット戦闘機があり、アメリカ製F-16A/B、フランスのミラージュ2000-5、台湾が研究開発したIDF戦闘機がメインである。画像は台湾のF-16戦闘機の編隊

(頑住吉注:19ページ目)台湾のIDF戦闘機の編隊

(頑住吉注:20ページ目)台湾「空軍」が装備するミラージュ2000戦闘機

(頑住吉注:21ページ目)フィリピンは2005年にF-5戦闘機が退役した後、すでにジェット戦闘機はなく、このため比較にならず、台湾は完全勝利を獲得する。画像はフィリピン空軍が装備するプロペラ戦闘機。

(頑住吉注:22ページ目)画像はフィリピン空軍がポーランドから購入した2機の「ソコル」ヘリ。


 まさかフィリピンにジェット戦闘機がゼロだとは思いませんでした。こんなにも装備が古く弱小だからこそ中国になめられて島を奪われてしまうわけですが、台湾に対抗するのも全く無理のようです。しかし両者の間に本格的な戦闘が起きることはないでしょう。こんな記事もあります。

http://military.china.com/news/568/20130515/17834530.html


台湾メディア、アメリカの圧力による、とする 台湾南方海域の軍事演習あるいは取り消しか

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「台湾海軍のS-70C対潜ヘリが海軍および海巡船とチームを組む漁業保護艦隊が漁業保護任務を執行。(画像:台湾の『中央社』)」)

中新ネット5月15日電 台湾地区海軍と海巡部門からなる混成艦隊は本来16日に合同軍事演習を行う予定だったが、台湾当局安全保障業務部門は14日様子見に転じた。この部門のスポークスマン羅紹和は、フィリピンが台湾サイドの要求に回答するのを待った後でさらに当局の政策に依拠して次の一歩の行動を決定する必要がある、とした。安全保障業務部門が緊急に停止を命じたことはアメリカサイドの圧力と関係がある可能性があるとされる。

台湾の「旺報」の報道によれば、14日の安全保障業務部門の定例記者会見で、メディアの「もしフィリピンが謝罪した場合、合同演習はそれでも予定通り行うのか?」との質問に対し、羅紹和は答えたがらず、次のように強調した。安全保障業務部門はすでに関連の計画を完成させており、多くの行動方案を用意してある。安全保障業務部門は当局の政策に依拠し、後続の関連の具体的行為を執行し、もし後続の事態の発展が期待のごとくでなければ、さらにこれにより取るべき処置のやり方がある。

安全保障業務部門副責任者楊念祖は13日台湾立法機構で質問に答える時、海軍と海巡部門は16日南方海域で演習を実施し、海軍は現役最大の作戦艦である紀徳級駆逐艦を出動させて海巡艦艇を支援し、当局の漁業保護の決心を見せつける、とし、合同演習を行うことに「問題はない」と言った。

これに対し羅紹和は、メディアの報道は実際と落差があり、合同演習は関連の計画に過ぎず、前提としてフィリピン政府が72時間の通牒の期限内に台湾当局に対し善意ある回答をなすか否かを待つ必要があり、それでやっと次の段階の行為があるのだ、と指摘した。

安全保障業務部門は1日を隔てただけで態度を180度変えた。ある情報は、アメリカサイドは馬英九の態度が強硬なこと、軍艦を派遣して演習させることに不満であり、地域情勢の緊張を引き起こすことを心配し、このため台湾サイドに強力な圧力をかけ、しかもアメリカ国務省の発言は比較的フィリピンサイド支持で、だからこそ緊急な停止があったのだ、と指摘する。


 アメリカは尖閣問題でも双方に自制をうながしていますが、この問題でも圧力があったというのはいかにもありそうなことです。しかし結局は妥協案で落ち着きそうな感じで、こんな記事も出ました。

http://military.china.com/news/568/20130515/17834781.html


台湾安全保障業務部門:16日の軍事演習は予定通り行う 実弾は使わないべき

中新ネット5月15日電 台湾の「中央社」の報道によれば、台湾安全保障業務部門副責任者スンジュエシンは今日、台湾軍の漁業保護の決意は全く変わっておらず、16日には元々定めた計画通り南方海域での軍事演習を実施するが、海空域管制のため実弾演習には事前の申請を必要とする、とした。

スンジュエシンは、16日の南方海域演習は漁業保護を主軸とし、主力戦闘艦である海軍の康定級巡防艦、紀徳級駆逐艦をもって海巡署艦船とのコンビネーションのもとに演習を行う。空軍がどの程度コンビネーションするか、および詳細な計画に関しては再び皆さんに報告する、とした。

メディアはこれに対し実弾演習なのか否かと質問した。スンジュエシンは、海空域管制のため実弾演習には事前の申請を提出する必要がある、つまり明日の演習では実弾演習は行われないべきだ、と指摘した。

台湾「海巡署署長」王進旺は、「漁業保護に関する南の境界線」は北緯20度だが、必要な時は北緯20度以南に延長され、現在台南艦はすでに漁業保護範囲を延長しており、「漁業保護に関する南の境界線」の制限を受けない、と指摘した。


 アメリカの圧力、台湾内部の強い「弱腰」批判などいろいろな力のバランスからこんなところに落ち着いた、ということでしょうか。しかし今度は大陸が艦隊をバシー海峡に派遣してフィリピンに圧力をかける、なんていう報道も出てきていて、場合によっては問題はさらに複雑化するかもしれません。
















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