「航空降下釣魚台」著者インタビュー

 5月6日のコラムで触れた「航空降下釣魚台」という小説の著者の大陸のメディアによるインタビュー記事です。

http://military.china.com/news/568/20130506/17815560.html


台湾の作家、「漢彊」作戦計画を明るみに 釣魚島に落下傘降下し灯台を除去

【グローバル時報記者 呉薇】 中日の釣魚島をめぐる問題がどちらも譲らない平行線をたどっている時、ある新刊書「航空降下釣魚台」(台湾は釣魚島を釣魚台と称する)が5月1日台湾で発売された。本の中では、台湾の輸送機が釣魚島に釣魚島防衛の勇士を航空降下させている時に日本戦闘機によって撃墜され、中国大陸の戦闘機が直ちに日本機を撃墜し、土壇場でアメリカが台湾に出兵を要請し釣魚島に進出占領させる様子が描写されている。著者王立驍ヘ台湾空軍の歴史を研究して50年の長きに渡り、かつて飛行員出身である台湾の元「参謀総長」チェンシェンリンおよび元「行政院長」唐飛のために回想録を執筆した。現在彼はアメリカのロッキード・マーティン社で技術者の任にある。5月3日、王立驍ヘ「グローバル時報」の独占インタビューを受けた。

釣魚島防衛の勇士に啓発を受ける

グローバル時報:「航空降下釣魚台」は大陸やアメリカで発売されますか?

王立驕Fおよそ2ヶ月後にアメリカで英語版が発行され、大陸でも発行の計画がありますが、実を言うと私は大陸をあまりよく知らず、まだ話をする出版社を探しているところです。

グローバル時報:あなたはかつて何人かの台湾軍高級将校のために回想録を書いていますが、あなたに軍のバックグラウンドはあるのですか?

王立驕F私は1952年に台湾に生まれ、本籍は河北です。1969年に私の父は国外の役職を引き受けて、一家でブラジルに移民しました。1971年私は大学で学ぶためアメリカに行き、学んだ専門分野は航空と電子です。現在アメリカのロッキード・マーティン社で技術者をしています。我が家と軍人は本当のところ全く関係がなく、完全に空軍と航空に対する興味から出たことで、現在私は台湾空軍の歴史を研究してほとんど50年になります。

私が書いた本のペンネームは「元亨」です。「元亨利貞」という言葉がありますが、「易経」の占いです。「利貞」はちょうど私の本名「立驕vと発音が同じで、このため台湾の漫才の巨匠呉兆南が私のために「元亨」というペンネームをつけてくれたのです(頑住吉注:何だかよく分かりませんが本筋と関係ないのでいいことにしましょう)。

グローバル時報:あなたが「航空降下釣魚台」というこの本を書いた目的は何ですか?

王立驕F去年、日本と中国大陸、台湾のあの島付近における衝突がゆっくりとエスカレートし始めた頃、私は本を書くことを考えつきました。主に私のアメリカにおける友人魯国明の啓発を受けてのことです。17年前、魯国明は本来子供の教育費にするはずだった2軒の家を銀行抵当に入れ、1機の飛行機を買い、空中から釣魚台に人を送り込もうとしました。何故ならあの頃釣魚台に行くのは皆漁船に乗って、香港あるいは台湾から出発していましたが、行くたびに必ず日本人によって追い払われ、真に島に上陸したことはごく少なかったからです。そこで魯国明は金を費やして一定数の人に落下傘降下の訓練をしたわけで、飛行機の購入、訓練合わせて全部で28万アメリカドル費やしました。一切全ての準備が整い、機がフィリピンのスービック湾から釣魚台に飛行している時、エンジン1台が壊れ、長い準備を経た行動全体がちょっとしたことで駄目になってしまったのです(頑住吉注:抵当に入れた家は借金を返済すれば手放さなくてすむはずだが子供の教育費は足りたのか、とか、借りたのでなく飛行機を購入したのなら何故再度挑戦しなかったのか、とかいろいろ疑問も浮かびますが)。

去年より前、台湾当局と大陸は日本人が島に上陸しようとする人を追い払うことに対しあまり関心を注いでいませんでした。私はこのような状態を無限に引き延ばしていくことはできないと考え、そこで自分の考えを本の中の人物という形を借りて語ろうと思ったのです。語るだけではなく、彼らはいくつかのことを実行する必要があると考えました。何故なら私は台湾空軍について比較的よく知っていて、このため1機の台湾空軍輸送機がアメリカから台湾に戻る時、機クルーが17年前釣魚島に航空降下しようとしたあの人たちを召集し、この機を使って再度彼らを島に送り込む、というストーリーを書いたのです。

本の中の結末は釣魚島の最も良い解決策なのか?

グローバル時報:あなたは大陸、日本、台湾とアメリカの、釣魚島問題において演じる役割をどう見ますか?

王立驕F現在アメリカは釣魚台の管轄権を日本に与えており、中国大陸と台湾はいずれも面白くありません。このため私の本の中では最後にアメリカ人が釣魚台を台湾に管轄させるよう描写しました。こうすれば中国大陸に異論はなく、日本人は面白くありませんが、アメリカ人が日本人をなだめることは、中国大陸をなだめるのに比べずっと容易です(頑住吉注:‥‥まあ間違ってはないですけど)。私はこれが現在の釣魚島の膠着した局面の、最も理想的な解決策だと考えます(頑住吉注:そこには多分アメリカも同意できないでしょう。そもそも大陸にもし本当に異論がないとしたら、それは「どうせ近いうちに台湾も併合して自分たちのものになるんだから」という理由のはずで、この人はそれでいいと思ってるんでしょうか)。

グローバル時報:あなたの台湾軍に対する理解によれば、台湾軍内部には武力による島奪取計画はあるのですか、ないのですか?

王立驕F私が接触した台湾軍人はほとんど全部退役者です。武力による島奪取は上層部が決定する必要があり、私は台湾にはたぶんないはずだと思います。ですが20年余り前、台湾軍にはかつて「漢彊」作戦計画があり、精鋭の落下傘兵突撃隊員を陸軍ヘリに搭乗させ、釣魚台に強行上陸し、日本の灯台設備を焼き討ちにして破壊し、島の上に旗を立てて主権を示し、さらに海空戦力が援護して撤収する計画でした。当時航空降下突撃部隊は兵棋演習を行い、さらに遺書を渡して署名させ、釣魚島の主権に身を捧げさせる準備を整えたとされています。この計画は当時の「行政院長」ハオバイツンによって押し進められましたが、最終的に李登輝によって否決されました。(頑住吉注:これについては「台湾による尖閣奇襲、奪取計画」で触れました)

グローバル時報:台湾軍将校、特に高級将校は釣魚島に対する決意性があるのですか、ないのですか?

王立驕F台湾軍には毎週必ず「ジュグァンリー」があります。主に将校の愛国心を奮い立たせるものですが、特別釣魚台問題に焦点を合わせたものではありません。私は、台湾軍の高級将校だけでなく、一般の中国人全てに釣魚島に対する一種の決意性があり、日本人にでたらめなことを好き勝手にやらせることはできないのだと思います。ですが台湾軍に関して言えば、当局が言うあの釣魚台は固有の領土だという話は口先だけです。私は、本当に軍を派遣することに関しては、決してこの種の計画はないと考えます。何故なら台湾と日本の関係に波及するだけでなく、さらにアメリカがバックにいるからです。

(頑住吉注:これより2ページ目)

グローバル時報:台湾と日本は最近漁業協定に署名しましたが、あなたはこれをどう見ますか?

王立驕Fこれはすべきでなかったことで、台湾が釣魚台は日本の島だということを黙認したことに等しいです。私は本の中でもこの件に触れています。日本が情勢を判断する時、最も怖いのは台湾と中国大陸が連合し、この島のために日本に敵対することです。このため日本はできる限り台湾との釣魚台での衝突を緩和しようとします。どうやって緩和するのか。それは台湾と漁業協定を締結することに他なりません。私は両岸は釣魚島防衛問題で連合すべきだと思いますが、台湾の政治当局は島内の一部の人々が台湾の政策は中国大陸と何らかの関係があると考えることを終始恐がり、皆にこの種の連想をさせたくないのです(頑住吉注:この部分何を言ってるのか理解できません)。

グローバル時報:あなたの知るところでは、米軍内部は釣魚島に対しどう見ているのでしょうか、やはり両岸が手を携えることを心配しているのですか、いないのですか?

王立驕F米軍内部では釣魚台に対し相当な関心を持っています。それをアジアで最も爆発性ある地点と見ており、いつでも意図せず戦闘が勃発する可能性があると考えています。アメリカが両岸の連合しての釣魚台防衛を心配しているかいないかに関しては、私はあえて話しません。ですが私は彼らがたぶん大陸と台湾に連合が出現するのを見たくないだろうとは思います。

最も可能性があるのは意図せず戦闘が勃発すること

グローバル時報:もし釣魚島問題の政治的解決に失敗したら、あなたは各方には武力を使う可能性があると考えますか?

王立驕F私は釣魚台問題の談判失敗後、武力を用いて解決する機会は大きくなく、最も可能性があるのは意図せず戦闘が勃発することだと考えます。この前のように大陸が40機の飛行機をあのあたりに行かせ、日本も飛行機を派遣し、そのうち1人の飛行員がこらえ性なく発砲したら、結果を語ることは非常に難しくなります。私の本の中で書かれているのは次のような模様です。台湾の1機の飛行機が釣魚台で日本人に追跡され、日本の上層部も命令を下していないのにもかかわらず、日本戦闘機飛行員が自ら発砲の決定をするのです(頑住吉注:それはないわ)。このため釣魚台では非常に用心深くする必要があり、万一ある一方が相手方の船に衝突して沈没させ、内部で死傷者が出たら、政治を司る者の計画にない臨時の状況が発生し、最終的にコントロール不能の局面に発展変化する可能性が高くなります。

グローバル時報:あなたはああした釣魚島防衛の勇士をどう扱いますか?

王立驕F前に言及した魯国明のように非常に大したものです。一般の人は主権を示すことは国がすることであるべきだと考えており、一般市民が家屋を抵当に入れて行うなど考えられるでしょうか? また、私のある香港の釣魚台防衛活動家に対する印象も非常に深いです。1997年、香港は釣魚台防衛に船を派遣し、結果は日本人に道を塞がれ、船は岸に近づくことができないというものでした。後にある人が飛び込んで泳いで島に上陸しようとしました。そのうち1人は不幸にして溺死しました。私に関して言えば1970年代にニューヨークの国連広場前での釣魚台防衛集会に参加したことがあります。あの時の参加者は主に台湾と香港の留学生で、何故なら大陸からアメリカに来ている留学生は多くなかったからです。こうした事情ゆえに、非常に多くの釣魚台防衛運動参加者は台湾当局によってブラックリストに載せられました。馬英九も当時アメリカにいて、彼が卒業論文で書いたのはまさしく釣魚台問題でした(頑住吉注:へー)。私は彼に二度会ったことを覚えています。現在、私は台湾の釣魚台防衛精神は香港ほど熱烈ではないと思っています。(本文の画像は王立髢{人による提供)


 自分で提供した画像といい、直接知るはずのないアメリカ軍内部のこの問題に対する見方を思わせぶりに語ることといい、やや自己顕示欲の過剰な人物のような感じで、「ロッキード・マーティン社の技術者」という自称もどこまで中身があるのかちょっと疑わしいような気もします。ただ英語版のアメリカでの出版は大きな影響力はないでしょうが、こうしたことも含む小さな宣伝が長期的にアメリカ世論にある程度の影響を与える可能性はあるかもしれません。
















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