中国の射出座席の水準は劣る?

 墜落での犠牲者が多いことに対する言い訳のような記事です。

http://tuku.military.china.com/military/html/2015-12-03/233270_2688456.htm


何故国産戦闘機の何度かの墜落で飛行員の犠牲が多いのか?

画像は我が軍が行った陸上模擬射出座席試験。ダミー人形が射出座席によりコックピットから発射されている。周知のように射出座席は実戦機の飛行員が飛行機を挽回させることができない状況下で飛行員が迅速に機を離れさせ、安全に救援を獲得することを保証する重要な装備である。射出座席の救命性能の良し悪しは直接的に飛行員の生命の安全に関係する。

(頑住吉注:2ページ目)ここ何年か以来、何機かの国産実戦機に機械的故障あるいはその他の原因によりもたらされた墜落事故が何度か発生したが、飛行員の犠牲が比較的多く、こうした悲惨な飛行事故は一部メディアの推測、甚だしきに至っては国産射出救命システムに対する疑問を引き起こしている。中国が製造する射出救命システムの品質は一体どうなのだろうか?

(頑住吉注:3ページ目)我が国の射出座席の発展は無から有、弱から強までの発展を経てきたと言うべきである。最も早くは受領したソ連のミグー15戦闘機で最初の射出座席を獲得し、コピー生産から自ら研究開発へを基礎に60年の歴史的過程を経た。初期において中国の射出座席には普遍的に射出の信頼性が劣る問題が存在し、特に初期の殲ー7戦闘機はキャノピーごと一緒に射出する方案を採用し、損失率がかつて比較的高かった。

(頑住吉注:4ページ目)だが1990年代に入って以来、我が国は射出座席研究開発の上で学習、追跡の歩みを加速させ、現在我が軍が装備するHTY-5およびHTY-8射出座席は四肢拘束技術と出艙(頑住吉注:キャビンを出る)安定システムを採用し、性能はすでにロシア製К-36系列射出座席の先進水準に到達している。

(頑住吉注:5ページ目)現在、中国空軍戦闘機はすでにロシアのК-36ДМ射出座席を大量導入かつ装備しており、また世界の第3世代基準に到達したHTY-5、6および8型射出座席を装備し、中国軍が装備する射出座席の水準は質からも技術能力の上でも世界先進水準であると言うべきである。

(頑住吉注:6ページ目)射出座席の2大技術大国であるロシアとアメリカを比較して言うならば、決して非常に大きな隔たりは存在しない。軍事専門家の雷沢氏は、実戦機に飛行中特別な状況、故障が出現する原因は非常に多く、飛行員の損失と射出座席の質を直接関係づける言い方は非常に不合理であると考える。実際、第3世代戦闘機は設計性能の要求の上でいずれも高機動と全空域作戦を強調しており、空戦中飛行員を射出救命する時にある姿勢は以前に比べより複雑で、射出救命時に飛行の安全性を高めるため射出救命装置に対してもより高い要求が提出されている。

(頑住吉注:7ページ目)軍事専門家の雷沢氏は次のように言う。現在の戦闘機の飛行速度は非常に速く、戦闘機に特別な事情が発生した時に飛行員が判断と動作を行うのに残される時間はそれ自体もう非常に短いのであり、例えば海や地面に貼り付くような超低空飛行を行う高速防御突破訓練を行う時、いくつかの事故は部隊が複雑な気象条件下で低空防御突破訓練を厳格に行っていたことと関係がある。

(頑住吉注:8ページ目)実際、特別な状況が出現しまもなく山に衝突するという時から事故発生までの時間は極めて短く、飛行員が射出を行うのは全く間に合わない。実際上、米軍が低空防御突破訓練を行っている時にも飛行事故が発生したことがあり、非常に多くの時やはり飛行員の反応時間が不足するため非常に多くの時落下傘降下が間に合わない。また我が軍の飛行員は機の墜落が住民に傷害を与えるのを避けるため、故障した飛行機を操縦して都市の住民居住区から離し、最も良い落下傘降下のチャンスを放棄したのである。

(頑住吉注:9ページ目)射出救命座席は第二次世界大戦末期から初歩的な応用が開始され、現在まで発展してすでに近代化された作戦機の必要不可欠な救命手段となっている。戦闘あるいは飛行事故の中でできる限り飛行員の貴重な生命を救うため、西側諸国、ロシア、中国いずれも相次いで一連の射出救命座席を開発しており、このうちロシアが設計および生産したК-36射出座席の総合性能は比較的先進的な水準で、かつ現在世界の同類射出座席の中で公開でデモンストレーションされることが最も多くまた名声が最も鳴り響いた製品である。

(頑住吉注:10ページ目)画像はロシア軍最新型のК-36Д-5型射出座席で、T-50戦闘機に用いる。К-36射出座席は旧ソ連の戦闘機に使用された初の0-0射出座席で、1070年に大量生産された後主に旧ソ連の各機種の作戦機に装備され、ソ連の射出座席の総合技術水準はК-36の発展と装備によって世界の前列に到達したのでもある。

(頑住吉注:11ページ目)ロシアのК-36系列射出座席の他、西側諸国の射出座席は主にイギリスのマーティンベイカー社によって研究開発されている。画像はF-35のUS16E射出座席で、これは西側の射出座席の最高水準を代表する。

(頑住吉注:12ページ目)US16E射出座席は速度0〜1,110km/h(0〜600ノット)、高度0〜15,240m(0〜50,000フィート)の救命エンベロープ範囲で安全に射出救命する能力を持ち、飛行員の裸重量46.7〜111kg(103〜245ポンド)の重量範囲の使用を満足させることができる。この射出座席は錐形快速安定傘と円錐形メイン落下傘を採用している。

(頑住吉注:13ページ目)中国空軍戦闘機は現在ロシアから導入したК-36ДМ射出座席も装備しているし、また西側諸国の第3世代基準に到達したHTY-5および6型射出座席も装備しており、中国現役第3世代戦闘機が現在採用している導入および国産射出座席はいずれもすでに国際的な第3世代基準に到達しているが、国内で装備される射出座席は汎用化および標準化水準の上で依然一定の不足が存在する。

(頑住吉注:14ページ目)画像は中国国産射出座席がテストされているところ。射出して機を離れる方式にはキャノピーを放出して射出するものもあればキャノピーを貫通して射出するものもあって装備の標準化水準が高くない結果がもたらされ、異なる機種が異なるタイプの射出座席を装備していることも後方勤務保障や維持保護に非常に大きな困難をもたらしている。中国は現在国際第4世代基準に到達し汎用化された射出座席を開発して射出救命装置の系列化と標準化を完成させることを非常に必要としている。

(頑住吉注:15ページ目)だが指摘しておくことが必要なのは、我が国の射出座席は世界先進水準と隔たりが存在するが、全体的に言って我が国の射出座席はそれでも使用に堪えるということである。飛豹戦闘機が使用するHTY-6射出座席は国産第3世代射出座席で、実際の使用の中でのパフォーマンスはやはり良好である。しかも、この7回の公表された「飛豹」の事故について言えば、むしろ一概に射出座席が惹起した災いであるとは言えない。

(頑住吉注:16ページ目)7回の事故の中で、海軍某航空師団がそのうち4回を占めている。この部隊が装備する「飛豹」は基本型に属し、1980年代後期に研究開発されたHTY-4B型射出座席を使用し、使用条件は新しい「飛豹」が使用するHTY-6ほど緩くない。しかも何回かの事故はより多くこの部隊が複雑な気象条件下で山岳地域低空防御突破を演習していたことと関係があり、まもなく山に衝突することを発見してから事故発生までの時間が極めて短く、射出を行うのが全く間に合わなかったのである。

(頑住吉注:17ページ目)2014年、我が軍の1機の教練-8型練習機が墜落損壊し、2名の飛行員はいずれも射出に成功した。我が軍は大量の教練-8を装備して飛行学員訓練に用いており、これとセットで使用されるのは我が軍の初のキャノピーを貫通する射出座席HTY-7で、非常に多くの飛行員の生命を救っている。素晴らしい中での不足は、当事国内の有機ガラスの技術問題ゆえに、キャノピーを貫通して射出する時に生じる破片が充分均等でなく、比較的大きな破片が容易に飛行員の負傷をもたらすことである。

(頑住吉注:18ページ目は射出のプロセスの解説ですが難しい専門予後が多く訳せないので飛ばします。19ページ目)第3世代座席の「点火」レバー(引き輪)は飛行員の座席の両脚の間に改められ、上に向け一引きするだけでロケットの強大な推力に頼ってキャノピーを打ち砕き機から離す。現在世界の先進的な戦闘機はいずれもこの種の方式の射出始動を採用している。

(頑住吉注:20ページ目)戦闘機飛行員が飛行中に特殊な状況が発生し、かつ飛行機が挽回できない時、落下傘降下は最後の時の迫られて止むを得ざる選択である。実際上、大多数の機を捨てての落下傘降下は成功裏に地上に降りることができるが、落下傘降下の高度が低すぎる、落下傘が開かないことが原因で犠牲になるものもあり、戦闘機がひとたび特殊な飛行姿勢に入ったら、飛行員が射出による救命を始動できない結果がもたらされる可能性がある。

(頑住吉注:21ページ目もプロセスの説明なので飛ばします。22ページ目)画像の中のカナダ空軍のFー18戦闘機が射出による救命を行っているところ。飛行機のキャノピーが飛び出しているのが見える。

(頑住吉注:23ページ目)我が国の第3世代救命システムはすでに「4つの自動」という目標を達成しており、すなわち飛行員がひとたび落下傘降下するとなれば次のことが必須である。1、救命設備が自動的に始動する 2、救命船に自動的に空気が充填される 3、電台(頑住吉注:普通は放送局などの意味ですがここの意味は不明です)が自動的にONになる 4、自動的に救援を求める信号を発する。このようにもし飛行員が半昏睡状態にあっても、救命システムは依然自動的に作動する。説明によれば、新型自動電台は1つ前の世代の手動電台に比べ通信距離が10倍に増加し、かつ新型電子電台は飛行機のブラックボックスに似て、海面下2,000mの深度で信号を発することができる。

(頑住吉注:24ページ目)複座戦闘機での射出時、射出が干渉する問題が存在し、2人の飛行員が同時に射出されると容易に死傷事故が発生する。画像はロシア空軍のスホーイー34戦闘機が地上射出試験を行っているところ。


 こうしたシステムが重要なのは単純な人命尊重という意味だけでなく、養成に天文学的な金がかかるパイロットに死んでもらっては困るという実利的な意味もあり、また当然戦時にはパイロットが死ねば死ぬだけ戦力ダウンにもつながるので極力助ける必要があるわけですね。
















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