天安艦事件は本当に北朝鮮の仕業か

 私は総じてこの種の陰謀論には否定的ですけどね。

http://military.china.com/critical3/27/20150525/19736304.html


天安艦事件5周年 北朝鮮が北朝鮮・韓国共同調査を提案したことには深い意味がある

24日で韓国が「5.24対北朝鮮制裁措置」を採って満5周年になる。北朝鮮国防委員会政策局は当日声明を発表して、韓国・北朝鮮の「天安艦事件」共同調査を提案した。

韓国連合通信社の報道によれば、声明は5.24措置は捏造された天安艦事件を口実に採られた措置であり、不当な根拠に基づいて取られた措置は情理にも合わない、としている。声明は、もし韓国サイドに天安艦事件は北朝鮮の仕業だと証明できる証拠が確かにあるのなら、すぐに北朝鮮サイドの提案を受け入れ、証拠を民族と世の人の面前に置き、北朝鮮サイドと共同で調査を行うべきである、と強調している。

2010年3月26日、韓国の「天安号」巡視艦が韓国西部海域で当番勤務していた時、爆発の発生が原因で沈没した。同年5月20日、韓国、アメリカ、イギリス、オーストラリア、スウェーデンの専門家からなる合同調査団は調査結果を発表し、爆発事件は北朝鮮の仕業だ、とした。5月24日に韓国政府は「5.24対北朝鮮制裁措置」を打ち出し、重点たる内容には北朝鮮船舶の韓国領海での航行禁止、韓国・北朝鮮貿易の中断、韓国国民の開城工業地域および金剛山を除く北朝鮮地域訪問の禁止、北朝鮮に対し新たに投資を増やすことの禁止、原則的な対北朝鮮援助プロジェクト中断などが含まれた。

天安艦事件が発生して5年になるが、今に至るも完備され、人を信服させる答案はない。今、北朝鮮の国防委員会政策局は韓国・北朝鮮による「天安艦事件」共同調査を提案している。このことは人に北朝鮮には何か厳しい試練に耐える、自分がやったのではないことを説明する証拠があるのか否か、あるいはその他の意図があるのか? と感じさせる。

この事件を振り返ってみよう。

天安艦事件、この事件が発生したのは2010年3月26日夜で、黄海の北朝鮮・韓国両国の争いある海域で爆発が発生して沈没し、艦上の104名の将兵のうち58人しか生還しなかった。韓国が5月20日に正式に発表した事件の原因に関する調査の結論は、「天安」号は北朝鮮の小型潜水艦の発射した魚雷を受けて沈没したことをはっきり示していた。その後、韓国政府は全ての公務員に「非常命令待ち」状態に入るよう要求した。

事件発生後、北朝鮮メディアはずっとこの事件を報道せず、態度表明もしなかった。だが韓国に出現したこの事件を北朝鮮と関連づける世論に対し、朝鮮中央通信社は2010年4月17日ついに北朝鮮当局の立場を代表する軍事評論員の文章を発表し、これは「人を遺憾にさせる不幸な事件」だと考えるが、韓国軍や一部の右翼保守勢力が真相が調査でまだはっきりしない前にもうこの事件を北朝鮮と関係づけるやり方に対しては強烈な不満と憤怒を表明する、とした。

ある報道は、ある米軍当局者がAP通信社に向け、韓国の天安艦が北朝鮮の潜水艦に撃沈されたと指摘されるその夜(3月26日夜)、米韓は確かに事件発生地点からの距離たった120kmのところで合同対潜軍事演習を行っており、軍事演習の時間は3月25日夜10時に始まり、翌日夜9時になって演習は天安艦の爆発により中断されたと明らかにした、とした。

米軍当局者は、当日の演習の期間、付近に北朝鮮の潜水艦がいることを探知していなかったが、自分たちの解釈は、北朝鮮のミニ潜水艦は細すぎ、加えて水深が浅く、ソナーの探知計測では有効に偵察することが非常に難しかったというものだ、とした。だが関連の説はすぐに疑問を惹起しもした。北朝鮮の1隻の重量たった130トンのミニ潜水艦が、いかにして音も気配もなくそれの9倍も大きい韓国の艦を撃沈したのか。アメリカの平和研究所のある専門家さえ、これは北朝鮮が古いディーゼル・電池潜水艦をもって近代化された偵察方法を避けたというのとイコールだ、と形容している。

世界の一部の世論ないし日韓には、ずっと天安艦沈没は陰謀で、天安艦は決して北朝鮮によって撃沈されたのではなく、軍事演習中に米軍によって意図せず撃沈され、またあるいはアメリカの潜水艦によって衝突されて沈んだのではないかと推断する疑問の声がある。

某一部の西側の専門家は今に至るも依然その夜の情報に対し疑問を持ち、あるアメリカの当局者は私的にAP通信社に向け、天安艦は決してわざと撃沈されたのではなく、某指揮官の狂った行動かもしれず、あるいは意外事、またあるいは軍事演習にミスが起きた可能性さえある、と語った。天安艦は当時「アクティブソナー」をONにしていた(すなわち自ら音を発して水中の反射して戻ってきた音を探知計測し、これは「パッシブソナー」にくらべずっと正確である)が、何故天安艦が北朝鮮の潜水艦を決して偵察し当てていなかったのかはっきりしない、という。

(頑住吉注:これより2ページ目)

天安艦が爆発させられたその原因は、政治レベルと軍事レベルの2つの方面に分けることができる、と考える分析もある。

一、政治レベルから言うと、北朝鮮の仕業だと推測することしかできず、アメリカの仕業だと絶対に言うことはできない。

もしアメリカの軍艦が天安艦を爆沈させたとしたら、米軍の韓国におけるプレゼンスに大問題が起きることになる。韓国の一般民の米軍の韓国撤退を要求する声は天地を覆い、反米の波はどんどん高まり、韓国大統領はその玉座を保てず、アメリカ大統領も弁解しきれない。米韓関係はこのような苦痛に耐えられない!

これだけではなく、日本に当時まさにわき起こっていた米軍基地を沖縄から出て行かせよ、日本から出て生かせよとの声もより高まり、日本政府は巨大な民意の圧力を受け、本来もう高くなかった支持率はさらに一歩急落することになる。鳩山は民意に順応し、対米強硬策を取り、民意を利用して米軍基地を日本から出て行かせる以外になく、さもなければ自身を保ち難くなる。米軍が東アジアで苦心して経営して長年になる対中国包囲網には抜け穴が百出する。このことはアメリカのグローバル戦略にとって絶対に容認できない。このため政治レベルの考慮から、絶対に米軍の軍艦が天安号を撃沈したと認定することはできない。米軍ではなく中国なら? 韓国もあえて中国のせいにすることはない。日本は? やはりそのせいにはできない。北朝鮮のせいにするしかなかったのである。

二、軍事レベルから言って、北朝鮮にも争いある海域で韓国の天安号を撃沈するような能力はない。

1、天安号が爆発させられた時間は米韓合同軍事演習の時である。米韓の演習に参加する軍艦は当然全て最高の戦備状態で、天空、海面、水中に対し絶え間なく監視を行っていた。北朝鮮の潜水艦は全て非常に古く、騒音の大きさは「水中のトラクター」と嘲笑されている。米韓艦隊の厳密な監視下で事件発生地点に紛れ込む可能性は全くない。

2、もし北朝鮮の潜水艦がとっくにそこに待ち伏せていたとしたら。だが北朝鮮の潜水艦には原子力動力がなく、長時間水中に潜伏することは不可能で、定期的に浮上して換気することが必須である。米韓の厳密な監視下で、浮上した北朝鮮の潜水艦が発見されないことはあり得ない。

3、もし潜伏した潜水艦が発見されず、天安号を待ち伏せ攻撃したとしたら、魚雷発射時、魚雷の前進速度は非常に高く、発する騒音はソナー兵にとってまさに「耳をつんざかんばかり」と言える。米韓の軍艦のソナー兵は直ちに魚雷発射地点を発見し、魚雷を発射した北朝鮮の潜水艦をロックオンし、直ちに北朝鮮の潜水艦を攻撃するだろう。だが、このような状況は発生しておらず、北朝鮮の潜水艦は米韓の軍艦によって撃沈されていない。

4、北朝鮮の魚雷は全て非常に旧式なはずで、目標に接近してではなく目標に接触していない状況下でもう爆発するのが本領のようである。だが天安号は「水中の魚雷が接触せず爆発」した後真っ二つにされている。北朝鮮の魚雷にはそんなに大きな能力や威力があるのだろうか?

要するに、軍事レベルから言って、北朝鮮の嫌疑は排除されるべきなのである。

北朝鮮は何故今北朝鮮・韓国の天安艦事件共同調査を提案しているのだろうか? 筆者は次のように考える。

一、北朝鮮の現在における内外の政治的需要

北朝鮮は現在北朝鮮核問題ゆえに国際社会から制裁され、その経済はすでに崩壊に瀕している。韓国も天安艦事件後北朝鮮に対し制裁を行い、加えて金正恩の3年来の大粛正があり、北朝鮮の現在の国内不安定要素を助長している。大量の「脱北者」と逃亡兵が真果果(頑住吉注:意味不明ですが流れから言って中国でしょう)に逃げ込んで殺人強盗していることは、この点の証明に他ならない。

金正恩は天安艦事件を起こした者との罪名から逃れるため、韓国に北朝鮮に対する経済制裁を解除させることを企図し、国際社会にも北朝鮮に対する某いくつかの見方を改変し、北朝鮮に対する圧力を減少させることを望んでいる。

二、北朝鮮は自分には自らが天安号軍艦を襲撃していないことを証明する自信があると考えている

前述の天安号に対するいくつかの社会の世論、および北朝鮮が掌握するいくつかの情報から、北朝鮮は自らが天安号軍艦を襲撃していないことを証明するかもしれない。

三、北朝鮮の最近の一連の軍事力を見せつける行動は韓国に向けた圧力がけをはっきり示している

北朝鮮の最近における潜水艦発射ミサイルの発射試験の実行、公然とした核兵器の小型化、多様化の言明、遠距離ロケット発射コントロールセンターの宣伝等々は、全て自らの次の一歩の外交のために道均しをしているのである。北朝鮮は強気の面目で出現することを企図し、韓国との談判の中での自らの分銅の重量を増加させることを願っている。今韓国との天安艦事件共同調査を提案するのは、韓国に譲歩を迫る意図があるのかもしれない。韓国がもし譲歩したら、続けて北朝鮮には韓国に北朝鮮に対する制裁を取り消させ、自らに対する援助を拡大させる可能性が生じる。

天安艦事件からすでに5周年となるが、朝鮮半島では一刻も対抗が停止したことはなく、その緊張したムードもまだ緩和を獲得していない。実はこれはアメリカが必要とするところでもあり、何故なら朝鮮半島に形勢の不緩和があってのみ、やっとアメリカに最大の利益を獲得させることができ、朝鮮半島における長期的軍駐留こそ、アメリカがそのアジア太平洋地域政策を実現する最大の目標なのである。

このため、天安艦事件を調査するかしないかはアメリカにとってどちらでもいいと言え、すなわちあるいは北朝鮮の仕業でなくても、罪名を強引に北朝鮮の頭上に押しつける必要があり、これはアメリカが認定するところであり、もし本当はアメリカがやったのだとしてもあるいは罪を逃れられるかもしれない。


 陰謀論に関してはどう見ても説得力を欠きますが、軍事的分析に関しては私にはどこがどう間違っているのか分からないです。























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