アメリカの小火器を評する その1

 中国の立場から見た銃器大国アメリカの過去、現在、未来に関する論評です。3回に分けます。

http://military.china.com/news2/569/20170828/31212161_all.html#page_2


アメリカ陸軍、5万挺の7.62mm口径小銃を購入:防弾衣を撃ち抜く

アメリカ陸軍、5万挺の7.62mm口径小銃を購入

小口径小銃はまた立ち後れた?

1960年代以来、小口径小銃はもう世界の陸軍発展の潮流となり始め、米軍の5.56mmから旧ソ連の5.45mmまで、主要な軍事大国の小銃の口径は7.62mmから6mm以下にまで縮小し、かつずっと今まで持続している。

だが今月初め、アメリカ陸軍は新たな7.62mm小銃の入札募集を提出した。今回の口径の回帰から見て、米軍の小火器はまた新たな調整期に入ろうとしている。

原因と結果

何故再び7.62mm口径を用いるのか?

相手の防弾衣を撃ち抜かんとする!

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「米軍の何種かの小口径弾薬」)

アメリカ陸軍が今月初め入札を募集したICSR小銃は正式名称をInterim Combat Service Rifleといい、翻訳すれば「過渡的性質戦闘就役小銃」である。入札募集の説明の中でアメリカ陸軍は、すでに地上部隊の兵士の現有の銃器および弾薬は相手の防弾衣を打ち抜けないことに気づいており、入札募集の目的はまさに新たなICSR小銃を購入かつ配備し、もって米軍兵士の殺傷力を増強することである、としている。

報道によれば、この新小銃の入札募集、購入はアメリカ陸軍副参謀長ダニエル アーリン上将の要求に応じて開始されたものである。そして背後の原因はアメリカ陸軍参謀長マーク ミレー上将が議会で、新たなM885A1 5.56mm弾薬は未来の戦場の需要を満足させられないと認めたことである。

入札募集は次のように規定している。新小銃の弾薬は7.62mmx51、すなわち弾薬の口径は7.62mmで、薬莢の長さは51mmである。この銃はセミオートおよびフルオート発射が行え、消音器が使用でき、有効射程600m、空虚重量5.4kg以下である。

今回アメリカ陸軍の入札募集の最初の予選には8つの競争入札の定員枠しかなく、競争入札するメーカーは9月6日までに国防省に向け入札書類、安全評価説明、消音器が付属したサンプル銃を提出する必要がある。その後、競争入札者はさらに7挺のテスト銃を提供して競争に参加する必要がある。銃器の基本的要求は次の通りである。16インチ(40.64cm)あるいは20インチ(50.8cm)のバレル、伸縮ストックとアクセサリーを装備するピカティニーレールシステムを採用する。また、マガジンは依然30発である(頑住吉注:フルサイズ7.62mm弾薬の30連マガジンって比較的珍しいですよね)。もし米軍小銃手がやはり7個のマガジンという弾薬携帯量を保持したら、新小銃の弾薬が戦士に与える圧力は過去の5.56mm弾薬よりはるかに大きくなるだろう。

最終的に、軍は競争入札で勝利を獲得した者から5万挺のICSR小銃を購入することになる。だが米軍は、この数字は決して固定されたものではなく、増加する可能性があると明らかにしている。

軍事マニアから見て、米軍が使用する各種銃器は非常に精良だが、米軍自身はそれにもかかわらずあまり満足していない。例えば対テロ戦争勃発以来、米軍はもう伝統的M855型5.56mm弾薬は戦場での貫通力に限りがあり、何故なら武装分子はごく容易に市場から防弾衣を買うからだ、ということに気づいていた。特に特殊作戦任務を執行する米軍特殊兵は、M4カービンのM855型弾薬に非常に不満である。陸戦任務を執行するアメリカ陸軍と海兵隊はいずれも2005年に代替品の探求を開始した。陸軍は現有の弾薬を改良し、M855A1型弾薬を研究開発した。一方海兵隊は新たなMK318型5.56mm弾薬を購入した。海兵隊は甚だしきに至ってはさらにM27型自動小銃にMK318弾薬を組み合わせて購入し、もって地上火力を増強した。

陸軍と海兵隊のこの種の「独自路線」は議会さえも不満で、米軍は何故同時に2種の弾薬を装備しようとするのかと質問し、海兵隊が陸軍のM855A1型弾薬を選択することを希望した。だが海兵隊はこれに対しずっと躊躇して決めず、陸軍のM855A1型弾薬はM27型小銃でのパフォーマンスが良くない、と称した。今回の入札募集を通じ、陸軍はM855A1型弾薬を放棄して7.62mmに回帰しようとしており、見たところ米軍の小火器はまた新たな調整期に入ろうとしている。

今回の米軍のICSR小銃購入は完全に「既製品」を使用しようとしており、つまり現有の小火器で直ちに大量生産できるもので、改良や特製の武器ではない。もし銃器大国のアメリカでも、この点を達成するのは決して容易ではなく、何故ならアメリカの民間用市場の7.62mm銃器は基本的に全てセミオートで、しかもいくつかは甚だしきに至っては手動の高精度射撃競技小銃だからであり、現在市場ではFN社のSCAR Heavy自動小銃とHK社の417自動小銃しか米軍の需要を満足させられないかもしれない。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「米軍がSCAR Heavy自動小銃をテスト」)


















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