中国、宇宙に太陽光発電所を建設?

 夢のある話に思えるんですが‥‥

http://military.china.com/important/11132797/20150325/19420127.html


専門家:中国は対地同期軌道に太陽エネルギー発電所を建設すべし

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「対地同期軌道に太陽エネルギー発電所を建設(想像図)」 なおこの記事の画像のキャプションは全てこれと同じです。)

化石燃料の燃焼が引き起こすスモッグを消し去り、温室効果ガスの排出を減少させ、エネルギー源危機を完全に解決するため、多くの宇宙専門家が、中国は地上から3.6万kmの対地同期軌道に太陽エネルギー発電所を建設するべきであると提案している。

ひとたび実施されればこれは「アポロ」月着陸や国際宇宙ステーションの規模をはるかに超え、人類が宇宙時代に入って以来最も壮大な宇宙プロジェクトとなる。

宇宙発電所は宇宙太陽エネルギー発電所とも言い、対地同期軌道上を運行する超大型宇宙船を指し、その上には巨大な太陽エネルギー電池パネルあるいはレーザー発生装置が装備され、生じる電気エネルギーをマイクロ波あるいはレーザーを通じ、無線エネルギー伝達方式をもって地上に伝達するのである。

アメリカのSF作家アシモフはかつて小説の中で宇宙発電所を描写したことがある。「両弾一星」(頑住吉注:核爆弾、ミサイル、人工衛星)の功績ある科学者、中国科学院院士、国際航空宇宙科学院院士の王希季は、これには実は一定の理論的根拠がある、と考える。

アメリカの科学者ピーター グレイザーは1968年に「サイエンス」誌上に文章を発表し、宇宙太陽エネルギー発電所に対し実行可能性を持つ概念方案を提出した。

宇宙発電所の積極的提唱者で、半世紀余り宇宙技術研究に従事した王希季は、「商用価値を持つ宇宙発電所は間違いなく非常に大きくなるだろう。その太陽エネルギー電池パネルの面積は5、6平方kmに達し、およそ天安門広場12個の面積に相当することになる。」と語る。

「あるいは人々は夜空の中にそれを見ることができ、まるで星のようかもしれない。」

宇宙発電所の形状に関し、各国の研究人員はすでに四角型、円形、椀型など何十もの構想を提出している。

何故発電所を宇宙に建設するのか?

王希季は次のように語る。地上の太陽エネルギー発電所は昼夜や天候の影響を受けて電力供給の波動が大きすぎ、主力の発電所とはなり難い。だが宇宙発電所は昼夜や天候の影響を受けず、太陽エネルギーの利用効率が非常に大きく向上する。対地同期軌道上なら、99%以上の時間太陽の全ての輻射を受けることができる。

中国工程院の院士で電子機械工程専門家の段宝岩は、宇宙発電所の単位面積あたりの発電量は地上の10倍である、と語る。「ひとたび我々が宇宙太陽エネルギー発電所の技術的難関を攻略したら、人類社会のエネルギー源危機を徐々に解決することが有望だ。」

新たなクリーンエネルギーを探求し化石エネルギーに取って代わらせることはすでに全世界の共通認識になっている。しかし地上太陽エネルギー、風力エネルギー、水力などにはいずれにもエネルギー量不安定あるいはエネルギー総量が制限を受けるなどの問題が存在し、化石エネルギー源の地位には取って代わり難い。

王希季は次のように語る。未来においてコントロール可能な核融合エネルギーと宇宙太陽エネルギーは取っても尽きることのないクリーンエネルギー源となる可能性が最もある(頑住吉注:人工の核融合と天然の核融合ってことですか)。両者を比べると、コントロール可能な核融合エネルギーの応用はより遙か遠く、何故ならその科学理論の問題が今に至るもまだ完全に解決されていないからである。一方宇宙太陽エネルギー発電所は理論上は完全に実行可能で、非常に多くの工程技術上の難題が存在するが、いずれも解決できる。

彼は、地球上の化石エネルギー源がもはや人類の発展を維持できないまでに消耗された時、世界には直ちにパニックが発生するだろう、と語る。「先に宇宙発電所のカギとなる重要技術を掌握した者が、未来のエネルギー源市場を占領できる。宇宙発電所の開発は重要な戦略的意義を持つのだ。」

近年来、アメリカ、日本、ロシアなどの国はこぞって宇宙太陽エネルギー発電の研究を展開している。中国のいくつかの科研機構はすでに宇宙発電所のシステム論証と重要技術方面で作業を展開している。2010年、多くの中国科学院と中国工程院の院士が「宇宙太陽エネルギー発電所技術発展の予測と対策研究」報告を作成、中国が2030年までに1兆ワット級宇宙発電所を建設し、2050年までに商用価値を持つ100万キロワット級宇宙発電所を建造するよう提案した。

しかし、このように壮大な宇宙発電所を建設するのは絶対に易しいことではなく、いくつかのカギとなる重要技術の突破がまだ待たれている。

例えば、100万キロワット級の発電所の総重量は1万トンクラスに達するだろう。だが現在人類の運搬ロケットの地球に近い軌道への搭載運搬能力で100トンを超えるものはごく少ない。

我々は汎用の、廉価な大型運搬ロケットを必要とする。」とかつて中国初の運搬ロケットを設計した王希季は語る。

(頑住吉注:これより2ページ目)

「我々は宇宙発電所の太陽エネルギー電池を非常に薄く、非常に軽く、1平方mあたりの重量が200gを超えないように作ることが必須だ。」 王希季は、「我々はさらに高い効率の無線エネルギー転換および伝達技術で突破を果たす必要がある。無線エネルギー転換および伝達効率が50%前後に達してのみ、宇宙発電所はやっと商業価値を持つのである。」

非常に多くの難題に直面するが、この中国宇宙技術の開拓者は中国が宇宙発電所を建設することに対し自信に満ちている。「この研究領域において、中国と世界の先進レベルは隔たりが大きくない。」

「習近平総書記は去年両院院士(頑住吉注:前に出てきた「中国科学院と中国工程院の院士」。ちなみに「院士」はアカデミー会員といった意味のようです)大会で、力量を集中して大事をなすことは中国の宝であり、この宝を失うことはできない、と語った。このことは我々の自信をより強くさせる。当時『両弾一星』が頼ったのはこの宝に他ならない。中国が宇宙発電所建設の決心をし、力量を集中して大事をなすという宝を運用し、かつ客観的規律通りに事をなすことができさえすれば、中国はひょっとすると初めて宇宙発電所を完成させる国になり得るかもしれない。」 王希季は、「国ができる限り早く宇宙発電所を国家重大プロジェクトに列し、時機を失うことなく関連の作業を展開し得ることを希望する。」と語る。

中国宇宙技術研究員の副院長である 李明は次のように語る。「中国が今後5年前後で建設しようとしている宇宙ステーションは、宇宙発電所の開発に非常に大きなチャンスをもたらすことになる。」 宇宙ステーションの大型な構造、組み立て、維持保護などの技術は宇宙発電所の開発に用いることができる。宇宙ステーションは宇宙発電所のカギとなる重要技術の検証を展開することができる。一方宇宙ステーションと宇宙飛行士の軌道における服務能力は宇宙発電所の建造を支持することができる。」

彼は中国の運搬ロケットの搭載輸送能力はどんどん大きくなり、新世代の大型運搬ロケットも研究開発を展開することが有望である、と語る。

王希季は、宇宙太陽エネルギーが人類のメインのエネルギーに発展した時、「一般庶民はもはやスモッグを心配する必要はなく、温室効果の問題も根本的に解決される。」と語る。

「単に無線エネルギー伝達というこの技術だけを言っても、まさしく大した変革である。この技術が応用されれば、電力の使用はもはや電線を必要とせず、あなたの携帯電話はもはやソケットを挿す必要がなくなる。このような世界をちょっと想像してみなさい。」 93歳の宇宙専門家は笑って言った。(記者 喩菲)


 というわけで、実現可能性がどれだけあるかはともかく、中国がアメリカなど他のすべての国が経済的に負担できない巨大宇宙太陽光発電所を多数建造、運用し、全世界に対し優位に立つ戦略を採る可能性もあるというわけですな。













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