Knoxx社のポンプアクションショットガン用ドラムマガジン

 「Visier」2005年5月号の「スイス銃器マガジン」ページに、通常のポンプアクションショットガンを最小限の加工でドラム、ボックスマガジン仕様にする面白い改造キットに関する記事が掲載されていました。


ポンプアクションショットガン用ドラムマガジン

アメリカのメーカーKnoxxはポンプアクションショットガンの弱点に着目し、ボックスあるいはドラムマガジンの受け入れを可能にする改造セットを提供している。折りたたみストックも同様に提供品の中にある。マガジンは当初のところモスバーグショットガン用のみである。

ューターががポンプアクションショットガンを公用領域あるいはスポーツ銃として使うとき、全員が等しく、すぐにその(常に短すぎる)チューブラーマガジンによってある限界にぶつかる。これは従来「天与のもの」としてなすすべもなく受け入れられてきたものである。だが、すでに10年以上前にある試みがあった。パイプ状の「スピードローダー」によって再装填の時間を短縮するというもので、いくらかの練習と適合するショットガンにより、事実成功もした。だが、この品は決して広く普及することはなかった。またその上、これは素早い再装填に役立つものでしかなかった。チューブラーマガジン内にロードされた弾薬を他のものに交換(例えばスラッグ弾から大粒の散弾に乗り換える)するときには、まず(頑住吉注:この操作を説明した文は理解不能ですが、文脈上ボルトのロックを解除した状態でフォアグリップを連続して前後させ、チューブラーマガジン内の弾薬をチャンバーにいったん入れてから次々排出する操作であることは間違いありません)そして望む種類を装填することができる。このロード運動によるアンロードは時間がかかるだけではなく、実に危険でもある。というのは、各弾薬は発射されずに投げ出される前にまずバレル内に運ばれる。これだと慌しさの中では実際上誤操作があらかじめプログラムされており、意図しない発射が決して排除されない。これがなかった場合も、このアクション後、弾薬は地上にばら撒かれてあちこちに散らばり、さらに拾い集めなくてはならないという問題もある。

 太陽の国カリフォルニアのKnoxx社はこの問題点を解決するため、サイドワインダーTM(頑住吉注:「〜乗」のように右上に小さな文字で表記されています)ドラムマガジンコンバージョンを思いついた。つまり、チューブラーマガジンの場所に取り付け、ドラムまたはボックスマガジンの受け入れを可能にする改造キットである。

 我々はCH−6949Comano所在のスイスの輸入業者MOWEから、モデルシリーズ500、590およびマーベリック88(頑住吉注:前者はマルシン、後者は啓平社がモデルアップした銃ですね)用のキットをテスト用に得た(レミントン870用は準備中である)。改造のためにはまずバレルおよびその下にあるチューブラーマガジンをフォアグリップごと取り外さなくてはならない。次に新しい「マガジン」をねじ込むが、このパイプは弾薬を受け入れるために作られてはおらず、フォアグリップを誘導し、そしてその後部領域に10連発のドラムマガジンあるいは6連発のボックスマガジンをセットできる受け入れ部を持つものとして作られているのである。追加的なロードグリップを希望によりフォアグリップ上の4つの異なるポジションに取り付けることができ、ロード運動を簡単にすることが意図されている。ドラムマガジンには口径12番のサイズ70および76弾薬がロードでき(頑住吉注:マグナム弾薬が使えるということです)、両方向に、この結果左右どちら寄りにも取り付けることができる(頑住吉注:ドラム本体は銃に挿入するマガジンの垂直部の真下ではなく片寄った位置にあります。で、実にユニークなことにこのドラムマガジンには前後の区別がなく、右利き、左利き射手が自分の邪魔にならない方にドラム本体を位置させることができるんです。ちょっと凄くないすか)。ロード運動の後、弾薬はパイプ内に入り、そしてその後「ロードスプーン」(頑住吉注:無理矢理直訳しましたが、英語でリフターと呼んでいるパーツのことでしょう)上に運ばれる。これにより真のロード経過は変わっておらず、作動は保証される。このプラスチックマガジンは当然内部のメカニズムによってある程度の重量を持ち、ショットガンはそれに応じて携帯性が低くなる。その代わり射手は大きなマガジンキャパシティと短い再装填時間、そして素早くある弾薬種類から他へ乗り換える可能性という長所を手にする。

 このモスバーグショットガン用改造セットは、ドラムマガジン込みで412スイスフランである。さらなるドラムマガジンを1つ買えば、帳簿に165スイスフラン追加される。ボックスマガジンは82スイスフランである。より長いチューブラーマガジンを持つモデル用にはさらに33ドルのアダプターを買わねばならない。目下さらに15%割引の新製品売り出し特別価格さえある。折りたたみストック(レミントン、モスバーグ、ウィンチェスター用が入手可能)は181スイスフランである。


 メーカー公式サイトはここです。

http://www.knoxx.com/

 このドラム、ボックスマガジン化キットだけでなくスプリングを内蔵してリコイルを緩和するストックなど興味深いアクセサリーが紹介されており、プロモーションの動画も豊富な、実に面白いサイトです。「この惑星上でベストのストック」とかいうコピーはちょっと笑っちゃいますが、なかなか優れたアイデアマンを抱えた会社のようですね。プロモーション動画を見る限り、フォアグリップから垂直に突き出す追加グリップは必ずしもなくてもよさそうですし、ドラムマガジンを外せば銃本体のコンパクトさはほとんど変わりません。10連発ドラムマガジンのファイアパワーは心強いですし、ボックスマガジンなら数個の予備を持つことも可能そうで、かなり戦力アップになるのではないでしょうか。動画ではドラムマガジンを自動車で何度も轢いたり、空高く放り投げるなどしても問題なく10連射できることが示されており、タフネスにも問題なさそうです。どうでもいいですけどたぶん社員と思われるデモンストレーターの自信に満ちたスムーズな操作ぶりはなかなかカッコいいです。
 理論上はバリエーションとしてオートマチックショットガン用を作ることも可能でしょう。ちなみにマーベリックにも使用可能だそうですけど、写真で見る位置関係からするとドラムマガジンがちょうどグリップやトリガーのあたりに来てしまうはずで、どうなるのかちょっと謎です。よりメジャーなはずのレミントンM870用が後なのはちょっと不思議な気もしますが、公式によればモスバーグより困難で、元に戻せない改造を必要とするようです。
 このキットは何よりごくわずかな改造しか行わず、信頼性にほとんど影響がないこと、必要ならすぐ元に戻せる点が優れていると思います。果たして今後公用に(確かモスバーグは米軍でも使われているはずですよね)普及していくんでしょうか。それとも過去に数多く存在したけれどメジャーになったためしがないボックス、ドラムマガジンつきショットガン群と同じ運命をたどるんでしょうか。










戻るボタン