中国最新銃器 小ネタ×2

 まだ情報量がごく少ないんですが注目すべき新しい銃器の情報があるのでまとめて紹介します。たまたまですがいずれも2006年式です。

1.06式水中アサルトライフル

 以前コラムで画像のみ紹介したことがありましたが、もう少しだけ詳細に関する情報が見つかりました。

http://www.scuec.edu.cn/stu/news/?view-3645.htm

http://bbs.voc.com.cn/topic-2764885-1-1.html


QBS06式5.8mm水下自動小銃

国産の水下小銃および拳銃に関する噂は実はすでに何年も前からある。これはロシアのAPSおよびSPP-1の実物を使って計測、製図を進めてコピーされてできたものだという。水下小銃の口径は5.8mmであり、2010年の1月23日、CCTV(頑住吉注:中国国営テレビ)の番組の中でも不鮮明だが全貌が見えるシーンがあった。その後、中国・タイ連合での軍事演習の武器展示台上でも姿が見られたことがある。しかし意外だがこの銃に注意を向け、さらに多くの詳細を撮影する記者はいなかった。

外観からすると、QBS06にはAPSの面影がある。ただしフォアグリップ、マガジン、マズル等細部には明らかな差異がある。試射したことがある人の話によると反動は大きく、これはダーツ型弾頭が重すぎるせいだという。


 たったこれだけなんですが、画像がいくつかあるのでそちらにも注目してください。展示物と思われる銃のそばにある説明の表示は不鮮明ですが、2006年に設計定型に至ったこと、作動方式がガスオペレーションであること、重量が空マガジン込みで3.15kgであること、マガジン容量が25発であることは判読できます。残念ながら全長は判読できません。

 特に注目すべきは弾頭の画像です。弾頭には3種類あり、長い円筒形の片方を尖らせただけのものと、ステンレス製かと思われるシルバーおよび黒っぽいツートンで、後端部が尾翼状に削られているものがあります。弾丸を1発1発切削加工するのではコストがかかりすぎるのではないかと思われますが、大量消費用は単純な形状のもので、重要な場面で使うのは切削加工されたものになるのかも知れません。もっとも水中での弾道にどれだけの差が出るのかは不明ですが。

 明らかにAPSの亜流ですが、デザイン的にはよりまとまっている感じがしますし、フォアグリップがある方が使いやすそうです。マズルブレーキがついているのは水上での発射も重視しているからなんでしょうか。



2.06式オートマチックグレネードランチャー

 以前87式オートマチックグレネードランチャーを紹介し、「結構カッコよくてSFチックにすら見える」と書きましたが、より洗練されたスタイルの新型オートマチックグレネードランチャーが登場しました。

http://bbs.tiexue.net/post_1983288_1.html

 このページには本文にあたるものがなく、中国の銃器雑誌のページと思われるものの画像だけです。不鮮明で全部は判読できないんですが、87式を基礎にしたもので、作動方式はガスオペレーション、ガスレギュレーターがあり、作動信頼性を確保するとともに後座エネルギーが大きくなり過ぎないように調整できるとしています。マガジンには6発と15発があり、殺傷弾( 榴弾でしょう)と破甲殺傷弾(徹甲榴弾でしょう)が配備され、高圧発射原理が採用され、2種の弾薬の外寸は全く同一、重量、内外部弾道も一致しているそうです。その次は何と書いてあるのかちょっと分かりませんが、この結果両者を交互に発射することもできる、という意味かもしれません。弾薬重量は250g、初速190m/s、有効射程600m、殺傷半径11m、装甲貫徹力は80mm以上となっています。理論射速は500発/分ですが、こちらも全長は判読できません。


http://bbs.news.163.com/bbs/mil3/88417677.html

 このページはいろいろな中国製グレネードランチャーに関するページで、下の方にこの銃が出てきます。


QLB06式35mm軽量オートマチックグレネードランチャー。有効射程600m、重量わずか9.1kg、原形の87式と同様に6発および15発のドラムマガジンが使われ、弾丸の初速は190m/sで、これは87式と比べると200m/s程度低下しているが、重量は3kg近く軽くなっている。

原形のQLZ87はバイポッド装備状態で12kg、トライポッド装着状態で20kgあった。


 SFアニメに出てきそうな、かなり未来的でカッコいいデザインです。ピカティニ―レール様のものにスコープが装着され、はっきりしませんがキャリングハンドル上に機械式サイトがあるのではないかと思われます。コッキングハンドルは前方にたたんだ状態のように見えます。セーフティはM16のセレクター/セーフティに似た感じのようで、左側のみのようです。肩当ては分厚く、反動を吸収する機能が高そうです。

 9.1kgというのはたぶん装填済みの6連マガジン装着状態でのことではないかと思いますが、きわめて軽い‥‥というかそもそも比較しようにも同クラスの兵器が西側先進国には見当たらない、まさに「アサルトキャノン」的な独特の進化を遂げた銃という感じです。まあ個人的には受けを狙いすぎたデザインのようにも感じ、グリップが横に出ているといった変な部分があり、よりごつくて兵器らしいというか力強い外観の87式の方が好きですが。また、初速等からしてマズル部のガス圧は相当に低いと考えられ、このおおげさなマズルブレーキにどの程度の効果があるのかちょっと疑問です。


















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