日米ロの最新戦車を比較

 これ元々アメリカの記事を翻訳したもので、普通こういうのは英語で読めばいいということで訳さないんですが、特に内容に興味あったんで。

http://military.china.com/news2/569/20161027/30022670.html


陸戦の王の中の王! アメリカの刊行物、米日ロの3種の最強戦車の優れている点、欠点を評価分析

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「ロシア軍のT-90戦車発砲の瞬間。」)

10月27日の報道 アメリカの隔月刊「国家利益」ウェブサイトは10月12日「ロシアの『アーマタ』戦車が日本の10式戦車およびアメリカのM1『エイブラムス』戦車と対戦したら、どれが勝つ?」と題する文章を発表した。以下のように編集翻訳する。

今日ほとんどあらゆる主要な軍事強国は某種の機能強大なメインバトルタンクを装備している。だがどれがその中の優秀者と考えることができるのだろうか?

アメリカ陸軍のM1「エイブラムス」メインバトルタンクを例にする。これは長年来顕著なグレードアップを受けてきた大出力の戦車だが、この戦車は例えばロシアが持ち出せる最も出色の戦車に対抗できるのだろうか?

モスクワに言及するなら、T-14戦車は某いくつかの非常に興味深い機能を持つが、モスクワに戦場で重要な作用を発揮し得る新型戦車を大量購入する財力があるか否か疑う人がいる。

そしてさらに日本という国がある。日本は某いくつかの世界で最も優秀な軍事装備を生産し、その中には戦車が含まれる。東京の戦車は優秀者の称号を担えるのだろうか?

読者に多くの方面からこれら3カ国の最も出色な装甲戦争武器を比較させるため、我々は最近3編のロシアのT-14戦車、日本の10式戦車およびアメリカのM1「エイブラムス」戦車の優れた点、欠点に関する文章を一緒に集めた。ならば、どの戦車がより出色なのだろうか? 我々に弁論を開始させてほしい。

T-14戦車、優良な伝統を継承

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「ロシアの『アーマタ』戦車(アメリカの隔月刊「国家利益」ウェブサイト)」)

戦車はロシアのような陸上強国にとって極めて重要である。第二次世界大戦中、戦車はかつてソ連赤軍に反撃が発動できるようにさせ、ドイツおよびその同盟国がベルリンまでずっと撤退するよう迫った。冷戦の期間、戦車はかつて西側の軍隊に防備し、冷戦後の時代も、それらはロシア通常安全保障業務の中堅を構成した。

最近、ロシアニュース界は第1ロットのT-14が引き渡されたと宣言した。「アーマタ」戦車はまさにロシアの必要とするものである。すなわち、全く新しい設計で、かつ今後何十年グレードアップを行う余地を残している。報道によれば、ロシア軍はすでに100台あまりのT-14戦車を発注済みである。こうした戦車は1個戦車連隊あるいは戦車旅団に装備し、その他に予備用を加えるのに足りる。後にはさらに2,200台があるだろう。これは7個戦車師団に装備するのに足りる。

今後何十年かのうち、西側はこの戦車に対応する必要がある。就役して1年後、我々はこの戦車に対しどのくらいの理解があったのだろうか?

基本統計データ:「アーマタ」戦車は全長35フィート(1フィートは約0.3m)、重量50トン、最高路上行進速度は時速50マイル(1マイルは約1.6km)である。その乗員チームは3人からなり、全く新しい無人砲塔である。この戦車は125mm主砲、12.7mm口径重機関銃、7.62mm同軸機関銃を装備する。

いかなる戦車とも同様に、「アーマタ」は防御、火力、機動の機能にバランスをとっている。その装甲が採用するのはその名を44C-SV-Wという新型鋼合金を含有する複合材料で、この鋼合金はモスクワのJSC鋼鉄研究所によって研究開発された。電気精錬法を利用して製造されたこの新型鋼材は明らかに伝統的な鋼材より軽く、したがって車両の自重を数百kg減少させることができる。

10式は日本戦車の「正名」 (頑住吉注:「正名」は検索しても名前という意味しか出てこず、何が言いたいのか分かりません。)

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「日本の10式戦車(アメリカの隔月刊「国家利益」ウェブサイト)」)

第二次世界大戦の期間に極めてまずい戦車を生産した国として、日本は戦後相当に深刻な悪名を克服する必要があった。戦車の発展が異常に迅速な時代の中で、日本の戦時の戦車、例えば97式中戦車は世界のその他の国に10年以上立ち後れていた(頑住吉注:終戦の10年前の1935年時点でドイツが生産していたのはI号戦車ですが)。日本が工業を再建し、かつ自動車やトラック製造の特技を建立するのと共に、日本は小規模な戦車工業も建立し、もってアメリカが陸上自衛隊に贈ったアメリカ製M4A3E8やM24戦車と交換するのに便とした。61式、74式、90式および現在の10式戦車」はいずれも信頼できる機種で、日本が潜在的敵の戦車を煙を吐く屑鉄に変じさせる能力が完全にあった。尋常でないのは、それぞれの戦車設計が前の機種とほとんど何の共通点もないことである(頑住吉注:90式までは確かにそういう印象ですが90式と10式は共通点多いでしょう)。

(頑住吉注:これより2ページ目)

日本の技術研究本部(すなわち防衛省の下に属する研究機構)は2002年から始まり第4世代10式メインバトルタンクの開発を開始した。この戦車の意図は自重がより大きい90式戦車の不足を補い、かつ登場してすでに30年の74式戦車に完全に取って代わることである。10式戦車はその設計意図通り体積が比較的小さい戦車で、このため戦術および戦略的柔軟性を備えている。日本の多くの道路は比較的小さな車両を受け入れるのにより適しており、山岳地帯の地形はしばしば特定の重量制限を規定した橋梁を含む。日本の法律は大型車両(陸上自衛隊の戦車を含む)が大多数の道路上を走行するのを禁止している。設計通り、10式戦車は体積が比較的小さい戦車であり、もって道路法に符合するのに便とし、かつその体積と自重の小ささは某いくつかの比較的大きい民間用車両によって橋梁を行くのに足りる。このことは10式戦車を空中や海上の輸送により適するものにもさせている。

10式戦車は快速、高度の機動性を持つ戦車として設計されている。その動力は1台の1,200馬力4ストローク、8気筒エンジンから来ており、結果として27馬力/トンの馬力:重量比となり、したがってこの戦車を高速なメインバトルタンクとさせている。無段階変速伝動を採用しているため、この戦車の路上行進速度は時速43マイルに達し得、かつ同様の速度でバックできる。

10式戦車の装甲は90式戦車を基礎に改良が行われたとされる。底部の装甲構造はこの戦車の車体の自重を40トンとさせ、M1「エイブラムス」戦車の60%でしかない。付加されたネジ止めの装甲は戦車の重量を8トン増加させている。こうした装甲自体はセラミック合成材料である。装甲のモジュール化、交換可能な特性および戦車の非常に高い馬力:重量比は10式戦車の装甲が、戦車に対する脅威が不断に進化する状況下で最も先進的な技術水準を保持し得ることを確保する助けになるに違いない。

装甲の他、この戦車はさらにレーザー早期警戒受信機を装備し、それは戦車がレーザー制御誘導ミサイルのレーザー照射を受けた時、乗員チームに知らせることができる。早期警戒受信機と一組の煙幕放射器はつながっており、受信機が敵サイドのレーザーを探知計測するたびに、煙幕放射器は自動的に戦車を煙幕の中に隠蔽する。

この戦車の主要な武器として採用されているのは日本製鋼所が研究開発した120mm口径スムーズボア砲である。この砲は自動装填装置によって装填され、したがって1名の装填手を省くことができる。このL44火砲はM1A2「エイブラムス」上の火砲と同じであり、かつ安全に森林地帯を通過できる。だが戦車の砲の装備位置は砲身がより長いL55火砲に適応でき、もって未来のグレードアップに備えている。この戦車は昼夜360度の視野を持ち、車長と砲手の視野は戦車の前方にまっすぐ向いている。

10式戦車の全体設計は極めて出色だが、その初期開発段階は主に簡易爆発装置(特にああいった成形炸薬を採用した爆弾)が広範に使用される前に行われたものである。この戦車の重量が比較的軽い特徴も、この戦車が車体下面から来る爆発に最低限度の保護しか持たない可能性を高くさせている。

M1の「無敵」の美名はすでに打破されている

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「資料画像:アメリカ陸軍のM1A2 SEPV3戦車。」)

1990年代には早くも、筆者はかつてトム クランシーがM1「エイブラムス」戦車に敬意を表した賞賛式著作、「装甲騎士団の旅」を読んだことがある。この本の中で彼は、この「不死身」の戦車は敵の火力によって撃破されたことが全くない、と叙述していた。「エイブラムス」戦車の120mm砲は湾岸戦争中かつていともたやすくT-72戦車の砲塔を吹き飛ばし、一方ロシアの対戦車ミサイルと125mm口径砲弾はそれにもかかわらずアメリカ戦車の「チョバム」複合装甲を貫くことができなかった。事実、「エイブラムス」戦車自身の砲弾さえその劣化ウラン装甲を撃ち抜くのは非常に難しいとされる。

あれ以後、「エイブラムス」戦車はまた別の非常に多くの戦争に参加し、かつ止むを得ず打ち勝ちがたいとの美名を放棄した。アメリカがイラクに侵入し占領した期間、多くの戦車が(大量の簡易爆発装置あるいはロケットブースト榴弾)によって脆弱な後部装甲に命中されて悲惨にも撃破され、別の一部の戦車は先進的なロシア製対戦車ミサイル、例えばAT-14「カーネット」ミサイルによって撃破された。イエメンやイラクで行われつつある戦争の中でも、サウジアラビアやイラクの数十両の「エイブラムス」戦車がこの種のミサイルによって殲滅されている。

(頑住吉注:これより3ページ目)

「エイブラムス」戦車は近代的な戦車の挑戦に遭遇したこともまだない。事実、「エイブラムス」は同クラス(超大型)戦車の中にほとんど相手がいない。その他の戦車の機種、例えばドイツのレオパルド2戦車、イギリスのチャレンジャー2戦車、フランスのルクレール戦車、イスラエルのメルカバ4戦車は似た火力と保護のクラスを持つ(当然それぞれの機種ごとに全てその優秀な点と欠点があるものの)が、その中に「エイブラムス」戦車に向け発砲する可能性が存在する戦車は1つもなく、このためこれは問題にならないだろう。何十年来、最も脅威を有する潜在的相手はロシアのT-90戦車で、この戦車は「エイブラムス」戦車と勝負を展開する機会が存在するが、ほとんどこれに対抗できない。

ロシアの新型であるT-14「アーマタ」戦車はついに「エイブラムス」戦車に対し挑戦を構成した。「エイブラムス」戦車は通常装甲の上でやや優位を占めるようだが、「アーマタ」は爆発反応装甲と撃ち込まれる弾体を撃ち落とすのに用いるレーダーシステムのコンビネーションの助けを借りて補っている。T-14戦車の新型125mm2A82主砲も改良を経た装甲を貫通する能力を持ち、このことは「エイブラムス」戦車の前部装甲が比較的近い戦闘距離の時(1,500mあるいはより近いかもしれない)、一撃にも耐えない可能性があることを意味している。

どちらの戦車が最も優勢を持つかという問題は依然討議に値するが、この2種の戦車は明らかに相互に破壊できる。重要なカギたる点は、「エイブラムス」戦車がもはや敵サイドの戦車を劣勢に置くことを憶測することはできないということである。

人々が1990年代によく口にしたもう1つの言葉は「陸軍は市街戦をしない」である。

だがアメリカがイラクに侵入し占領した期間、都市地形の下で非常に多くの軍事行動が展開された。「戦車都市生存工具包」(TUSK)がかつて緊急に戦車部隊に支給され、この工具包は非常に多くの、いかなる方向からも来る潜在的待ち伏せ攻撃に対応するグレードアップ手段を含んでいた。こうしたグレードアップの中の多くはすでに後の「エイブラムス」戦車の標準装備となっていた。これには改良された腹部装甲、「乗員チーム遠隔操作武器ステーション」(CROWS)や砲塔の損傷を受けやすい側面に追加装備する爆発反応装甲が含まれた。このうちCROWS武器ステーションは実際上1台の遠隔操作の12.7mm口径機関銃で、このようにすると乗員チームは射撃の時、自らを危険の中に暴露しなくなる。

アメリカ陸軍は長期にわたりずっと爆発反応装甲の使用を回避してきた。何故ならそれが付近の友軍歩兵を傷害する可能性があり、かつ「使用完了」のおそれがあるかもしれないからである。だが「エイブラムス」戦車の脆弱な側面装甲が敵の隠されたロケットブースト榴弾チームによって攻撃破壊されるのを免れることに対しては、それにもかかわらず相対的に小型で安い手段なのである。

最新機種の「エイブラムス」戦車はその一括グレードアップ版であるM1A2 SEPV3である。この戦車の多くの特徴の実用性は見た目の良さに優先されており、これにはグレードアップ版コンピュータと新たな「補助電源設備」が含まれ、後者は「エイブラムス」戦車がエンジン停止後依然車内の各種先進システムの運行を保持するようにさせることができ、したがって「エイブラムス」戦車のエネルギー消耗が非常に大きいことで有名なタービンエンジンの燃料効率を向上させる。モジュール化、交換可能な電気ケーブル配線の採用は戦車の維持修理性を改善させている。(編集翻訳/曹衛国)


 もっと直接的に比較した記事を期待したんですが、やはり10式やT-14の詳細な情報は手に入りにくいでしょうし、実戦経験がないんで評価が難しくなるのも当然です。しかし文中にもあるように湾岸戦争当時のようなM1の絶対的優位が今後はもはや期待できないというのは大体その通りでは。ただ中国の記事によくある「体系的な勝負」で一方的な展開になることは今後も充分にあり得ると思いますが。










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