GPSの長所と短所は

 中国も対抗する北斗システムや対衛星兵器を開発していますが。

http://www.hinews.cn/news/system/2015/07/29/017722988.shtml


マイクロ波武器:GPS最大の天敵 買いやすい部品で製造できる

(頑住吉注:原ページのここにある1枚目の画像のキャプションです。「2014年にアメリカは成功裏に『アトラス5』ロケットを発射し、これはグローバル位置決定衛星を搭載していた。」 続いて2枚目。「宇宙衛星位置決定システム、勝負を展開。」)

ニュースの背景

7月16日、アメリカのアトラス-5ロケットが成功裏にアメリカ空軍第10個目のGPS-2Fナビゲーション衛星を発射し、第11個目のGPS-2F衛星の発射は今年10月30日より早くはないと見られ、最後の1個のGPS-2F衛星は2016年2月に発射される見込みである。その時、現在最も先進的なアメリカのGPS-2Fナビゲーション衛星は全部発射が終わる。

GPSの位置決定には最速で何秒かしか必要としない

多くのアメリカ映画の中で、スパイあるいは追跡される人の身にGPSを装備したチップが埋め込まれ、こうした人はどこに行こうとも必ず正確に位置決定される。これは決して荒唐無稽な話ではない。1978年10月6日にアメリカ初のGPS衛星が打ち上げられて以来、すでに多くの各種類型のGPSナビゲーション衛星が発射されている。GPSは軍民両用の衛星ナビゲーションシステムであるが、優先的に軍のためにサービスする。

湾岸戦争開始から現在まで、アメリカの一切の軍事行動はほとんど全て衛星位置決定と関係がある。このうち軍事上少なくとも5項目の重要な用途がある。すなわち、艦艇、飛行機などの武器プラットフォームのためにナビゲーション位置決定サービスを提供する。武器システムの正確打撃実現を助ける。部隊の進攻ルート計画を助ける。人員の救援行動を支持する。衛星の自主定軌(頑住吉注:軌道を定める、ですかね)能力を高める。

だがナビゲーション衛星は軍用と民間用の作動原理上決して本質的な差異は存在しないものの、軍用ナビゲーション衛星はより信号の秘密保持性、抗妨害能力、位置決定の精度を強調する。

GPSナビゲーション星座は24個の作動衛星と数個の予備衛星からなる。こうした衛星の運行は6つの等間隔で、傾斜角は55度の円形に近い軌道平面上で、それぞれの軌道平面上に4つの作動衛星がある。この種の方式の採用は、いかなる地点のユーザーにも随時同時に少なくとも4個の衛星が発する距離測定信号と天体歴データを受信し、したがって正確な3D座標、速度、時間情報が獲得できることを保証する。1回の位置決定には何秒かから何十秒までの時間しか必要としない。

2010年に続々と発射が開始された12個のGPS衛星には少なからぬ重大な改良がある。それは先進的な原子時計を使用し、システムの誤差は毎日たった8ナノ秒(頑住吉注:10億分の8秒)である。抗妨害の軍事信号が追加され、かつナビゲーション信号の出力が調節可能で、このためより強い抗妨害能力を持つ。星間ネットワークと自主ナビゲーションの新技術を採用し、衛星に60〜180日の自主運行ができるようにさせる。設計上の寿命は12〜15年で、コストを下げることができる。核による打撃に抗する能力もある程度向上している。簡単に言えば、GPS-2FがGPS星座のためにもたらす新たな能力は、アメリカの多くの武器を鬼に金棒にさせ、正確打撃能力をさらに一歩向上させるのである。

「ナビゲーション戦」の幕はすでに開かれている

米軍のGPS衛星ナビゲーションシステムはイラク戦争中妨害機の妨害に遭遇し、「ナビゲーション戦」の幕がすでに開かれていることを象徴的に示した。現在、GPSの戦争の中での非常に大きな作用が不断にはっきり現れるのと共に、米軍のGPSに対する依存はどんどん強くなり、GPSの抗妨害能力に対してもどんどん心配されている。アメリカの軍隊が確実にGPSを使用できる、同時に敵対国家が戦時に使用するのを防止することを保証するため、アメリカは「ナビゲーション戦」の展開を決定した。

アメリカの「ナビゲーション戦」の核心的内容は次の通りである。1つ目はGPSナビゲーションシステムの正常な運行を保証し、友軍がGPSナビゲーションの優勢を充分利用できるようにする。2つ目に敵サイドに自らのナビゲーション信号を使用させない。3つ目に敵サイドのナビゲーション衛星システムの正常な運行を阻止する。

敵サイドの衛星ナビゲーションシステムを破壊する、あるいは麻痺させるには現在以下の手段がある。GPS受信機が信号を受信するのを妨害する。地上ステーションを破壊する。対衛星武器を使用する。地上ステーションの任務はGPS衛星の追跡と監視、衛星軌道に対するコントロールおよびパラメータ修正の実施、衛星ナビゲーションデータの質の保証である。このため、敵の地上ステーションへの攻撃によって、衛星の天体歴を更新できなくさせ、したがって衛星が発布するナビゲーション信号の精度に影響させることができる。対衛星武器を用いて直接ナビゲーション衛星を破壊することは、ナビゲーション情報信号の発布を切断することができる。

コストが低廉な妨害機の開発は、同様に最大の破壊効果を達成することができ、これは弱国が強国(特にナビゲーション衛星に対する依存が深刻な国)に対応する有効な手段である。イラクはこの点をつかみ、イラク戦争の中でロシアから購入したGPS妨害機を用いてアメリカの衛星制御誘導砲弾を妨害し、それらが予定の地点を打撃しないようにさせ、誤爆事件もしばしば発生した。

だがマイクロ波武器あるいはその他の強力な妨害信号が製造する強烈な背景妨害を用いて、ユーザーが衛星ナビゲーション信号を獲得できないようにさせることは、現在GPS最大の天敵である。何故ならGPS正確制御誘導武器はすでに最も威嚇力ある武器、武器の効果の倍増機となっているが、もしミサイルが依存する衛星ナビゲーション信号を突然失ったら、それがどこに飛んでいくかは神のみぞ知る、だからである。

衛星ナビゲーション位置決定システムは非常に複雑、高価だが、GPS妨害設備の技術は非常に簡単で、それを研究開発するのに困難は全くない。16kmの半径内で偏差を発生させることができる妨害機あるいはデコイ機は、部品販売店でもう買える部品で製作でき、しかもその費用は400ドルにもならないのである。

現代の戦争の「切り札」

GPS研究開発の最初の目的は艦船や飛行機のためにナビゲーション位置決定サービスを提供することだった。何故なら発射台を遠く離れた海域、内陸あるいは空域では、衛星ナビゲーションだけが艦艇や飛行機に全世界の任意の区域において全天候のナビゲーションサービスを得るようにさせることができるからである。

まさにこうであるため、戦争中にGPS受信機を配備した兵個人は正確に夜間機動作戦が実施できる。砲兵部隊はGPSを利用して射撃方位を確定することができる。戦車はGPSを利用して高速で正確な機動および給油車との素早いランデブーが実現できる。空軍はGPSを利用してのべ数千機の空中機動、最も良い飛行ルートの選択を実現することができる。衛星ナビゲーションはすでに、どんどん成功裏に現代の戦争の勝利を制することのできる「切り札」となっているのである。

異国異郷にある作戦部隊に対し、もし参戦する各部隊間で相互間の位置がはっきりさせられなかったら、進攻路線上での交差、重複あるいは落伍がもたらされ、作戦プロセスに深刻に影響するだろう。甚だしきに至っては敵味方が分からず、あるいは敗北の運命がもたらされるかもしれないのである。各戦闘区域でGPS受信機を使用することは、各自の所在する位置を明確にさせ、最も有利な進攻ルートを計画し、部隊の機動を誘導し、火力打撃を召喚し、迅速正確に攻撃を完成させ、「異なる時間、異なる地点、同時到達」の合同作戦思想を実現させることができる。

GPSはさらに迅速かつ正確に救援行動を実施でき、任務を執行する飛行機が撃墜された時、飛行員は身につけて装備しているGPS受信機の無線電波発射器によって、救援機にすぐ救援を呼ぶ信号をキャッチし、かつ迅速に飛行員を救出させることができる。

GPS制御誘導を採用した落下傘による空中投下は、通常の空中投下に比べて非常に多くのメリットがある。1つ目として非常に大きく空中投下の敏捷性が増強される。飛行員は空中投下区域に接近して物品を投下すればもう立ち去ることができ、非常に大きく飛行員および飛行機の安全性が向上する。2つ目としてより高い高空から空中投下しても空中投下の精度が確保でき、飛行機を敵の地上火力から遠く離させる。3つ目に落下ポイントが正確である。

正確打撃は現在すでに現代の戦争の重要な特徴となっている。GPSの軍事上の最も重要な応用は正確制御誘導であり、それは弾薬に、「百歩離れて針を射抜く」効果を持たせる。研究と実戦は、もし弾薬の命中精度が倍に向上したら、弾薬の数が3倍に増加した、あるいはTNT火薬換算で7倍に増大したのに相当することを示している。衛星ナビゲーション制御誘導弾薬を用いることは絨毯爆撃の必要をなくし、弾薬を節約するだけでなく、さらに非常に大きく付帯損傷を軽減し、橋梁や民家付近に隠れた戦車だけを打撃し、建築物を損傷させないことを達成する。

未来の趨勢

抗妨害、コストの低下

GPSシステムはアメリカの軍事位置決定ナビゲーションと授時(頑住吉注:時間を授ける? ちなみに台湾版Wikipediaのこの項目から日本語版に飛ぶと「時報」の項目になっています)能力の基礎および核心であり、将来アメリカの軍事位置決定ナビゲーションおよび綬時能力は依然GPSシステムをメインとし、陸、海、空、宇宙、ネットに広範に分布する自主ナビゲーション能力、区域ナビゲーション能力によって補充される位置決定ナビゲーションおよび綬時体系を提供し、もって未来の強い対抗戦場環境下の、高精度位置決定ナビゲーションに対する需要を満足させる。

イラク戦争の期間、イラクは石油に点火し、もって目標を遮蔽し、米軍のレーザー制御誘導、赤外線制御誘導、テレビ制御誘導などを採用する正確制御誘導武器はいずれも極めて大きな妨害を受けたが、GPS制御誘導を採用した武器はそれにもかかわらず全く影響を受けなかった。GPS制御誘導武器は各種の劣悪な環境の中で独特の作用を発揮することができ、その特徴は全天候、全時間帯、高精度の作動である。このようになれば武器の命中率を大いに高めるだけでなく、「不接触作戦」、「外科手術式打撃」も可能にする。

GPSは米軍のために最も重要な、全地球をカバーする高精度位置決定ナビゲーションおよび綬時能力を提供するので、アメリカは継続してGPSシステムのサービス性能を向上させ、GPSシステムのナビゲーション戦能力を増強し、この重点は抗妨害抗欺瞞能力である。次の一歩として、アメリカは性能がより高いGPS-3ナビゲーション衛星を発射することになる。

現在米軍はさらに選択可能な性質の抗欺瞞技術を研究開発中であり、もって未来の米軍のより先進的なGPS受信機に装備し、GPSコンビネーションナビゲーション設備の抗妨害能力を現在の50デシベルから80デシベルにまで向上させる。また、コストを下げることも未来のGPSの重要な趨勢で、このためアメリカは「一箭双星」の方式を採用してGPS-3を発射することを計画し、かつGPS小衛星を研究開発する。

敵サイドに自らのナビゲーション信号を使用させないため、アメリカはGPSナビゲーション信号に対し暗号化、等級に分けての使用などの手段を採用する。アメリカは民間用ナビゲーション信号フォーマットを発表することによって市場を占領しているが、軍用ナビゲーション信号フォーマットに対しては厳格に秘密保持し、カギとなる重要な時にならなければ決して軽易に使用せず、湾岸戦争や「盟軍」行動(頑住吉注:アメリカのどこかでの作戦のことだと思いますが検索してもヒットせず)の中だとしても、アメリカは単に民間用ナビゲーション信号だけを使用した。しかも、アメリカ国防省はさらに随時GPSナビゲーション信号の精度を下げ、甚だしきに至ってはGPS信号発布中止の能力を持つ。(謝博)


 日本にとっては中国がGPSを麻痺させているうちに北斗を使用して優位に立つことが最悪ですが、当然アメリカもそうならないための対策は進めているわけですね。
















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