解放軍が台湾のパトリオット2試射を監視
日本にも関係してくるかもしれない話です。
http://military.china.com/important/11132797/20150603/19780816.html
台湾軍:解放軍の艦・機が台湾のパトリオット2ミサイル試射を囲んで偵察
(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「台湾『パトリオット』2ミサイルを試射」)
台湾軍が最近「パトリオット」2ミサイルの試射を行うのが見られることは少なくなっているが、台湾軍は解放軍の艦・機が接近偵察しているとのコメントを発表した。台湾軍はこれまでと同様「全てを掌握」としている。一方緑営(頑住吉注:民進党を中心とする勢力)メディアは、台湾軍は「パラメータをシャットアウト」して「対抗」を行ったとしているが、この種の人をあっけにとらさせる「パラメータのシャットアウト」に関しどのように実現するのかは、おそらく鬼才しか知らないことでもある。台湾軍とメディアは近年来「井の中の蛙」(頑住吉注:中国語では日本語とニュアンスがやや異なり、偏見にとらわれ識見が狭い、といった意味のようです)の傾向が日増しに盛んになり、何年か前にはかつてあるメディアが大陸の旅行客が海辺で台湾の装備する第二次世界大戦時期の潜水艦を撮影したのは「スパイ行為」だとさえ騒ぎ立てた。
台湾、「パトリオット」2ミサイルを試射
台湾の「自由時報」の報道によれば、いわゆる「中科院」九鵬基地は5月28、29日に「パトリオット二型飛弾」(頑住吉注:ミサイルのことです。ちなみにこれは台湾の用語で、大陸では「導弾」と言います)などの武器の試射を行ったが、その過程で大陸の電子偵察艦、機らしきものが台湾のいわゆる「領海」、「領空」外で活動しているのを発見した。台湾メディアは、このことは「軍に緊急にミサイルのパラメータをシャットアウトさせ、もって中共の情報捜索作業を防止した」とする。これに対し台湾のいわゆる「国防省」は今日(頑住吉注:記事は3日付)、「中共の船、機が我が国周辺海、空域に進入して情報捜索した件の全過程を掌握し、かつ厳密な防御および対抗措置を採った」とした。
「自由時報」は、屏東牡丹と満州郷の境界に位置するいわゆる「中科院」九鵬基地は先日「三軍合同実弾射撃104-1号」という各形式のミサイル実弾射撃演習を行い、28、29両日主に中、短距離対空ミサイルの射撃を行い、項目には車載型「天剣」対空ミサイル、「天弓2」型および「パトリオット2」型対空ミサイルなどが含まれたが、その過程で何とレーダー上に中共の電子偵察艦・機が発見された、とする。
台湾のいわゆる「国防省」は今日午前「国軍は5月下旬本島東南部海、空域でミサイル射撃を実施したが、これは年度定例性の演習訓練に属し、中共の電子偵察船・機らしきものが我が周辺海、空域に進入して情報捜索作業を行った状況に関しては、国防省は全過程をことごとく掌握し、かつ厳密な防御および対抗措置を採り、安全を確保できた。」とした。
国防省は、「国軍の現有の偵察システムは完備されており、いずれも周辺の海、空域に対し有効な監視コントロールを行い、かつ各種状況の処置にすでに標準の作業手順が確立され、有効に国家の安全を確保でき、国の人はご安心を」と語った。
台湾の「自由時報」は民進党との関係が深い新聞で、大陸の台湾に対する「スパイ行為」を騒ぎ立てるのはそのしばしば見られる話題である。しかも往々にして常軌を逸しており、標準的な「井の中の蛙」のイメージがある。
例えば、2009年にこの新聞の報道は次のように言った。両岸の直航後、台湾の門戸開放(頑住吉注:ここでは軍事機密が筒抜けといった意味で使われているようです)にはすでに実例がある! ある自称両岸直航第2団に参加した中国の軍事マニアは去年7月に団体に随行して台湾に来た期間、何と高雄、蘇澳および花東地域で狂ったように軍事基地の動態写真を撮影し、これには潜水艦が海に出る、紀徳艦が停泊する、軍用機が発進する、および対空陣地などの画像も含まれ、大陸のウェブサイト上に大威張りで貼り、さらにある大陸のネット仲間は彼に次回の台湾来訪を呼びかける時、雄風ミサイルの画像を撮影することを忘れるなとし、まさに台湾軍事基地を観光区と見なしている。潜水艦が海に出るなどを含め全てが大陸のウェブサイトに貼られている。
この大陸の人物は去年7月の間に直航団に参加して台湾に観光旅行に来たと自称し、彼は今月5日軍事ウェブサイトにほしいままに台湾にいる期間に撮影した各式の軍事画像を貼り、かつ撮影時間、地点、および画像に使用した絞り、シャッターなどの資料を共に貼り、すこぶるネット仲間に向けひけらかす意味がある。
(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「台湾軍の「パトリオット」ミサイル」です。)
すでに貼られている画像がはっきり示すところによれば、この大陸のから来た軍事マニアは去年7月23〜25日の間、それぞれ高雄、蘇澳、台東および花蓮の各軍事基地を撮影し、両方の港の全画面を見せた他、コードナンバー「791」のシーライオン号潜水艦が海に出る、紀徳軍艦が停泊する、ラファイエット級軍艦が出港する、および台東の軍用飛行場の機格納庫、対空陣地、花蓮軍用飛行場の実戦機発着などの画面が含まれ、特に潜水艦の画面はことのほか鮮明で、明らかに近距離からの撮影で、人に国防の安全にすでに抜け穴が出現していることを心配させる。また、大陸のネット仲間の画像は、多くの画面の前にさらに鉄条網が出現し、この大陸の旅行客が禁止区域内に進入して撮影したことを証明している(頑住吉注:撮影対象物の手前に鉄条網があるのなら許されている範囲内で撮ったのでは)。
この一連の画像が大陸のウェブサイトに貼られた後、あるネット仲間は一部の画像は鮮明すぎ、特別に駐屯地に行った人でさえ撮影は非常に難しいとし、さらに撮影者が「安安」(安全機関を指す)に金を払ってこそのことだ、としている。またさらにあるネット仲間は直接撮影者に向け、「君が次回再度台湾に行く時は、雄風(ミサイル)を撮影することを覚えておけよ!」とした。
興味あるネット仲間は当時貼られたものを見てみてもいいが、惜しいことにその中の画像はすでに時間が経ちすぎて見られなくなっている。(頑住吉注:何の断りもないですけどここまでが「自由時報」の記事の引用らしいです。)
「自由時報」の言う「ミサイルのパラメータのシャットアウト」は彼らの想像に過ぎないはずである。何故ならパトリオット2ミサイルはセミアクティブレーダー制御誘導体制に属し、ミサイルを目標に誘導するためには、目標に向けレーダー信号を発射することが必須だからである。この種の状況下でELINT(電子情報収集)任務を執行する艦艇や飛行機は、高性能無線電信キャッチや記録設備に頼って情報を捜索収集することが完全にでき、もしレーダーを「シャットアウト」したらミサイルは直ちに制御誘導を失い、このためどうあろうとも台湾軍の試射がミサイルを漫然と目標もなく天上の煙に発射したのでない限り、大陸は当然その電子情報を捜索収集できたのである。
事実として、解放軍のミサイル試射の中でも同様にしばしば外国の電子情報捜索収集の状況に遭遇する。だが解放軍が自ら研究開発を行うミサイルシステムは需要に基づき関連のパラメータを調整することが完全にできるため、平時に捜索収集された電子情報と戦時に実際に使用されるパラメータは決して同じではなく、脅威は決して大きくないのである。
だが自らレーダーシステムの研究開発を行う能力がない台湾にとって、彼らが使用するアメリカの輸出型「パトリオット」ミサイルの関連のパラメータは全てハードウェア内で固定化されており(これは各国が先進的な武器を対外輸出する時の通常のやり方で、ユーザーが逆向きにミサイルシステムを研究し、あるいは「補修範囲外のグレードアップ」を行うことを企図するのを防止することができる)、もし改修したくても方法がない。このため平時に標的射撃する関連のパラメータと実戦のパラメータは同一で、だからこそ台湾は大陸の電子情報捜索収を脅威と思うのだと言える。
日本が使用しているパトリオットミサイルに関してはどうなのか気になります。仮にこの方面の問題がなくても発射、飛行、着弾までの過程を撮影され分析されれば一定の脅威になり得るでしょうが。