トルコのミサイル防衛システム導入の決め手は何か

 エルドアン訪中から何日か経ったものの進展があったという情報は聞かれませんが。

http://military.china.com/important/11132797/20150731/20111183.html


解読:中国の対ミサイルは世界ランキング第何位? トルコは何故気に入った?

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「紅旗-9ミサイルの輸出型であるFD2000の射撃」)

トルコ大統領エルドアンは29〜30日訪中する。アメリカの「安全保障業務ニュース」は、彼の訪中期間、中国・トルコ双方がトルコによる中国のミサイル防衛システム購入につき談判を行う可能性が高いと推測している。近年来、弾道ミサイル技術の拡散と共に、ミサイル迎撃システムがどんどん各国の歓迎を受けている。国際兵器市場の勝負は日増しに激烈になり、トルコの競争入札プロジェクトに参加したものだけでもうアメリカ、ロシア、ヨーロッパ、中国が含まれる。ならば各国の領空を防衛するミサイル防衛システムの中で、一体どこがより強いのだろうか? 「グローバル時報」記者があなたのために1つ1つ整理する。

アメリカの戦闘区域対ミサイルの「ハイローミックス」

ある中国の軍事専門家は30日「グローバル時報」記者に、現有のミサイル防衛システムは中段迎撃、末端段階高空迎撃、末端段階低空迎撃の3大種類に分けることができ、また後の2つの種類は「戦闘区域ミサイル防衛システム」という大きな概念の下に合併することができる、と教えた。現在よく見られる戦闘区域ミサイル防衛システムにはアメリカの「パトリオット」系列、「THAAD」、ロシアのS-300、S-400、ヨーロッパの「アスター-30」、イスラエルの「アロー-3」、中国の「紅旗-9」およびインドの「先進対空ミサイル」および「大地対空ミサイル」などがある。

対外販売の状況から言うと、アメリカの「パトリオット」系列が疑いなく最も抜きんでており、それはすでに全世界の10あまりの国と地域に輸出され、かつ米軍の海外における多くの基地を保護している。「パトリオット」初期型の主な設計上の任務は防空だったので、限られた対ミサイル能力しか持たず、このため湾岸戦争やイラク戦争の中でイラクの戦術弾道ミサイルに対する迎撃効果が決して良くなかった。このためアメリカは痛切に反省し、専門に対ミサイル能力を強化した「パトリオット-3」を登場させた。フェイズドアレイレーダーのグレードアップにより、「パトリオット-3」は来襲する目標に対する探知計測距離と識別精度がいずれも大幅に向上した。それは主に射程1,000km以内の中短距離弾道ミサイルに照準を合わせ、有効迎撃距離は30kmである。その体積と重量は初期型に比べはるかに小さく、それぞれの発射車は4発の「パトリオット-2」対空ミサイルあるいは16発の「パトリオット-3」対ミサイルミサイルを装備できる。このため「パトリオット」ミサイル中隊は異なる目標の類型を根拠に、相応のミサイルを発射できる。

「パトリオット-3」の対ミサイル迎撃距離は比較的短く、このためアメリカはもう1種の高空対ミサイル迎撃システムを研究開発し、それと「ハイローミックス」を組成させている。これこそ最近朝鮮半島を大騒ぎさせている「THAAD」システムである。その技術はより先進的で、射程3,500kmの弾道ミサイルを主な仮想敵とし、最大迎撃距離は300kmに達し、半径200kmの広大な区域を保護でき、このため小国にとって「THAAD」は「国家ミサイル防衛システム」と称するに堪える。

(頑住吉注:これより2ページ目)

中ロの対ミサイルは「血縁近し」

ロシアの「凱旋」S-400対空ミサイルシステムは著名なS-300防空システムの全面グレードアップ版で、ロシア軍に装備される他、カザフスタン、ベラルーシ、中国などにも購入の意志がある。その最大の特徴は同一の発射車に異なる類型の迎撃ミサイルを混装する方式を採用することで、異なる目標に対応できる。例えば実戦機に対応する40N6遠距離ミサイルは射程が400kmに達し得、現在地対空ミサイルの最大射程である。一方対ミサイルを担当する9M96Eと9M96E2ミサイルの迎撃距離はそれぞれ40kmと120kmである。だがロシア軍は去年、このシステムの一部のミサイルは依然研究開発中で、まだ正式に装備されていない、と認めた。

イギリスの「週刊ジェーン安全保障業務」は、同様にS-300から改良されたものにはさらに中国の「紅旗-9」防空システムがある、と考える。メディアの普遍的な報道と異なるのは、中国精密機械社がトルコ遠距離防空システムの競争入札に参加したのは「紅旗-9」の輸出型であるFD-2000だということで、両者には一部差異が存在する。FD-2000の射程は125kmで、弾道ミサイルに対する迎撃距離は27kmである。レーダーによる目標発見からミサイル発射までの反応時間は12〜15秒で、さらに需要に基づき対ステルスレーダーを追加することができる。

多国の対ミサイルにはそれぞれ得意分野あり

トルコ遠距離防空システム第1回競争入札時、「パトリオット-3」を圧迫したものにはさらにヨーロッパの「アスター-30」があった。「パトリオット-3」に比べ「アスター-30」はより多くの目標が同時に追跡および迎撃でき、しかも反応時間がより短く、来襲するミサイルの発見から第1発目の迎撃ミサイル発射まで6秒しか必要とせず、またこれは同時に実戦機、巡航ミサイル、弾道ミサイルに対応できる。現在「アスター-30」はすでに試験中成功裏に射程600kmの近距離弾道ミサイルを迎撃している。将来は射程3,000kmの弾道ミサイルを迎撃する能力を持つよう発展する。フランスとイタリアの他、シンガポールの軍隊も「アスター-30」を選択し本国の対ミサイルの天空ネットワークを支えるのに用いている。

ずっとイランの弾道ミサイルの脅威を受けているイスラエルはアメリカの支持の下に「アロー」系列対ミサイルシステムを開発した。現在現役の「アロー-2」システムは最大迎撃距離が90kmで、すでに初歩的にイランの中、短距離ミサイルに対応する能力を具備している。より先進的な「アロー-3」ミサイル防衛システムは研究開発中である。これは「THAAD」と同じく末端段階高空迎撃システムに属し、大気圏外で来襲するミサイルを迎撃でき、したがってイスラエルのために多層のミサイル迎撃ネットワークを構築する。

インドも国産のミサイル防衛システムを研究開発中である。これは「先進対空ミサイル」と「大地対空ミサイル」という2種のシステムによって組成され、「ハイローミックス」の模式をもってそれぞれ大気圏内と大気圏外の異なる目標に対応し、射程300〜2,000kmの弾道ミサイルを迎撃できる。インドは数回対ミサイル試験の成功を取得したと言明しているが、外界は普遍的にこうした試験の設定条件は簡単で、インドは実は対ミサイル技術でまだ初級段階にあると考えている。

(頑住吉注:これより3ページ目)

各国はどのようにミサイル防衛システムを選択するのか

単に性能から言えば、中国のFD-2000防空システムは種々雑多なミサイル防衛システムの中で決して抜きん出てはいない。だが何故トルコはそれにもかかわらず気に入ったのだろうか?

中国の軍事専門家は説明し、各国はミサイル防衛システムの選択時、まず自身の直面するミサイルの脅威の評価を必要とする、と語る。例えばイスラエルは長期にわたりイランのミサイルの脅威の下にあり、しかも自身の国土の範囲は限られ、このためミサイル防衛システムの迎撃範囲や成功率に対する要求が極めて高い。すでに「パトリオット」があるが、イスラエルはそれでも大金を惜しまず「アロー」系列ミサイル防衛システムを作り出した。これに比べ、トルコが直面する弾道ミサイルの脅威はずっと小さい。

性能指標はランキング第2位である(頑住吉注:何のこっちゃと思いましたが、ある国がミサイル防衛システムを選択する場合に考慮する優先順位が第2番目だ、ということみたいです)。このことは直面するミサイルの脅威を根拠に、ミサイル防衛システムの早期警戒能力、作戦管理システム、迎撃範囲と効果の評価などに対し比較を行うことを必要とする。価格も当然重要な比較判断の指標である。「安全保障業務ニュース」は、トルコ遠距離防空システム第1回競争入札時、S-400のオファー価格はほとんど中国のFD-2000の倍で、ロシアの退場は決して意外ではない、とする。

また技術移転に同意するか否かも非常に重要である。小国は武器の選択、導入時より多くコストの上から考慮し、ワンセットの全体的防空体系の生産と維持保護技術の掌握は決して割に合うものではないかもしれない。だが地域性大国はこの問題の上で政治的考慮を偏重し、通常ミサイル防衛システムというこの戦略武器の維持保護と管理が完全に他国によってコントロールされることに同意しないだろう。トルコはNATOの重要な核心メンバーの1つと自認し、その空軍の実力は甚だしきに至っては英仏の上であり、当然カギとなる重要な国防技術を独立して掌握することを希望する。このためどのミサイル防衛システムを選択するかには、ミサイルの脅威、ミサイル防衛システムの性能、価格など各種の要素を総合的に考慮する必要がある。【グローバル時報特約記者 魏雲峰 記者 馬俊】

(頑住吉注:4ページ目)資料画像:紅旗-9ミサイルが山丹防空演習に参加


 トルコは確かに技術移転に強くこだわっており、その目的は重要な国防技術が他国のコントロール下に置かれることを嫌うというだけでなく、将来的に輸出によって導入のため払った大金を取り返そうという意図もあるのかもしれません。トルコに中国製品と競争できるようなものが作れるのかは疑問ですが。















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