インドと中国の空母を比較

 アジアにおける巨大な新興国である中国とインドはいずれも旧ソ連の空母を入手し、近々戦力化しようとしています。中国は独自に改装、インドはロシアに委託という違いがあり、艦のサイズもかなり違いますが、両者を比較してみます。まずインドの空母から。

http://www.jundao360.com/topic_5771612.html


インド空母はトロイカ 「ヴィックラマディヤ」号空母 (頑住吉注:内容を読んでも何故トロイカなのか分かりません)

(頑住吉注:1、2枚目の画像の後のキャプション)ヴィックラマディヤ号空母は元々旧ソ連海軍の「キエフ」級空母「ゴルシコフ海軍上将」号だった。この艦は1978年12月に着工し、1982年4月17日に進水し、1987年1月に就役し(頑住吉注:進水からずいぶんかかるもんなんですね)、ソ連解体後間もなく現役を退いた。

(頑住吉注:3枚目の画像の後のキャプション)ロシア・インド両国が2004年1月にニューデリーで成功させた協議に基づき、ロシアサイドは「ゴルシコフ海軍上将」号をインドに無償で提供した。だがこの艦はロシアの北方機器工場で近代化改装を受け、ロシア製艦載機を装備しなければならず、またインドサイドによって「ヴィックラマディヤ」号と新たに命名された(頑住吉注:艦自体は無償にして改装費と搭載機で儲けよう、ということでしょう。いくら中古でもさすがに無償で艦を提供した後インドで改装しフランス戦闘機を搭載するなんてのを許すはずはありません)。

(頑住吉注:4枚目の画像の後のキャプション)「ヴィックラマディヤ」号空母は元々旧ソ連海軍の「キエフ」級空母「ゴルシコフ海軍上将」号で、1978年12月に着工し、1982年4月17日に進水し、1987年1月に就役した。通常動力を採用し、12機のYak-38鉄匠垂直/短距離離着陸(VSTOL)戦闘機(頑住吉注:「鉄匠」とは鍛冶屋のことです。なお、「フォージャー」というのはNATOのコードネームです)と20機のKa-25対潜ヘリを搭載できる。

(頑住吉注:5枚目の画像の後のキャプション)アメリカ空母が単純に航空機と必要な防御兵器を搭載しているのとは異なり、航空機以外に大量の射程300海里に達するSS-N-12対艦ミサイルも装備し、巡洋艦同様の水上打撃能力を備えている。このため、西側はキエフ級を空母と巡洋艦の間をつなぐ一種の過渡的艦型であり、「鳥の中の蝙蝠」であると称している。ソ連解体後ロシアの軍事費が縮減され、人員が減らされたため、「ゴルシコフ」号は就役後間もなく現役を退いた。

(頑住吉注:6枚目の画像の後のキャプション)1992年から開始され、ずっと北方艦船修理工場で大改修が行われた。だが経費が深刻に不足し、一度は停滞状態にあった。ロシアとインドの何度にもわたる談判を経て、2004年にロシアは無料でこの空母をインドに提供すると表明した。だがその改装作業はロシアで行うことが必須だった。最低費用は7億アメリカドルである。統計によれば、インドはこの艦およびその搭載機などの装備の獲得に、全部で15〜18億アメリカドルの投資を必要とする。2012年にインド海軍に引き渡されると予想される。

(頑住吉注:7枚目の画像の後のキャプション)全長は273m、喫水線の長さ249.5m、全幅47.2m、喫水線の幅32.7m、喫水10m、標準排水量38,000トン、満載排水量45,500トン、動力装置は4台の蒸気タービン、総出力は200,000馬力、航続距離は13,500海里/18ノットである。全艦の編成は1,600人である。

(頑住吉注:8枚目の画像の後のキャプション)武器方面ではSS-N-12対艦ミサイル発射機×12(6対。ミサイル24発装備)、SA-N-9対空ミサイル6連装垂直発射システム×4(マガジン6個。発射機ごとに48発のミサイル)、100mm砲2門、30mm6本バレル機関砲×8(頑住吉注:ガトリング形式でしょう)、RBU 1200 10本バレルロケットランチャー×2である。艦載機は12機のYak-38Mである(頑住吉注:たった12機? 空母に搭載した100mm砲って役に立つ場面あるんでしょうか)。

(頑住吉注:9枚目の画像の後のキャプション)ロシア・インド両国が2004年1月にニューデリーで署名した協議に基づき、ロシアサイドはインドに無償で「ゴルシコフ海軍上将」号を提供したが、この艦はロシア北方機器工場で近代化改装を受け、ロシア製艦載機を装備することが必須である。協議による総価格は7億アメリカドルにも達する。インドのアジア通信社の2009年12月17日の報道によれば、ロシアとインドは最近すでに「ゴルシコフ海軍上将」号空母の改装費用問題で最終的協議を成立させた。

(頑住吉注:10枚目の画像の後のキャプション)インド軍サイドの消息筋が先日リークした情報によれば、インドはロシアに全部で23億アメリカドルの空母維持修繕および改良費用を支払い、このうちすでに支払われた金額は7.22億アメリカドルである。この通信社が提供したデータは、ロシアサイドの「ゴルシコフ海軍上将」号空母改良の見積もりは29億アメリカドルだったが、談判の過程でこの金額が24億アメリカドルにまで下げられ、だが双方が最終的に決めた価格は23億アメリカドルだったとしている。

(頑住吉注:11枚目の画像の後のキャプション)価格切り下げ以外にロシアは同時に無料で空母にいくつかのオプション装備を取り付けることにも同時に同意した。双方が成立させたこの最新協議に基づき、インドは空母引き渡し期日遅延によりロシアに損害賠償請求することはない。ロシア・インド両国が最初に成立させた協議によれば、ロシアサイドは2008年に空母の改装作業を完成させインド海軍に引き渡すべきであったが、最新の約定では空母の引き渡し時期はすでに2012年に遅延している(頑住吉注:値下げには応じるしおまけも付けるからから遅れても文句言うなということですね)。

(頑住吉注:12枚目の画像の後のキャプション)現在この艦はすでにインド海軍によって「ヴィックラマディヤ」号と新たに命名されている。改良後の空母の甲板はやや延長され、以前装備されていた「バザーリト」ミサイル発射システムも取り除かれている。このようにして以後、「ヴィックラマディヤ」号はミグ-29K型戦闘機を搭載でき、ヘリあるいはYak-38およびYak-141型垂直離着陸戦闘機だけに限定されない。

(頑住吉注:13枚目の画像の後のキャプション)改良後の「ヴィックラマディヤ」号の排水量は5万トン近い。トン数と主要性能から言えば、この艦はすでにフランスの「シャルル ドゴール」号原子力空母に非常に接近している。定期的燃料補給が必要なので、単に前者は航続距離方面で後者に劣るだけである(頑住吉注:シャルル ドゴールはアメリカ以外の国が持つ唯一の原子力空母だそうで、搭載機数は38機とされています。「ヴィックラマディヤ」の12機というのは固定翼機の数で、他はヘリということでしょうか)。

(頑住吉注:14枚目の画像の後のキャプション)ロシア海軍ネット2011年9月29日の報道によれば、インドの高級官僚がロシア北方機械製造工場で「ヴィックラマディヤ」号空母の近代化改修を視察した後、この艦の改造工程の進度がまた修正された。

(頑住吉注:15枚目の画像の後のキャプション)空母建造および調達部のクマー海軍中将に率いられるインド海軍官僚代表団は2011年9月20日に北方機械製造工場に到着した。今回の視察の主な結果は「ヴィックラマディヤ」号の本来定められていた海洋試験期日の変更だった。

(頑住吉注:16枚目の画像の後のキャプション)新たに署名された協議に基づき、作業進度は4カ月遅延するものの、ロシアは止むを得ず2012年5月末から、行われている海洋試験の遅れている進度を取り戻し始める。現在までにこの艦はすでに85%完成している。北方機械製造工場は2012年3月になってやっとこの艦の基礎的擬装、室内の改装、停泊試験を完成させることができた。

(頑住吉注:17枚目の画像の後のキャプション)この艦の電磁場のテストは2012年4月に準備が整い、この時のテスト結果はこの艦が磁気消去を必要とするか否かを決定することになる(頑住吉注:ちょっと情報が古いようです)。艦船工場は2012年になってやっと食堂、厨房、医務室、そして客室、乗組員宿舎、浴室、共用トイレを含む各生活用コンパートメントルームを完成させることができる。この他、この艦はさらに航海安全検査を経ることが必須であり、海洋試験前に乗組員たちが艦で90日以上過ごすことを保証することが必須である。こうして計算すると、ロシアの乗組員は2012年2月中旬にはこの艦に入ることが必須となる。

(頑住吉注:18枚目の画像の後のキャプション)クマーはさらにいくつかの問題に注意している。例えばインドの乗組員の訓練、作業用書類の交付などである。全体的に言って、インドはこの艦の改装工程には顕著な進展があると考えている。インドサイドの次の視察は2012年1月の北方艦船工場での主動力装置の試験の点検である。


 ほとんど画像だけですが、こんなページもあります。

http://blog.sina.com.cn/s/blog_53ae0b700102egye.html

 タイトルと本文がつながっていますが、「インドのあの新空母、何と井戸式リフトで、舷の外側ではなく、しかも同時に着艦滑走路と機格納庫の面積を占めている。インド人はどう考えているのか? 改装が困難なのはやはりロシアの毛唐にだまされたのか? 船舷外側にはいくつかの大きな開口があるがリフトではなく、小型艇を吊り下げるもののようだ。」



 上が「ワリヤーグ」、下が「ヴィックラマディヤ」です。大きさにはやはり相当の違いがありますね。この筆者が何を言っているのか知識不足ではっきり分からないんですが、赤い部分が艦内の航空機格納庫から飛行甲板に機を移動させるリフトで、着艦用滑走路と格納庫にかかっているため着艦する機がある時はリフトを上げたままにしなければならず、機の運用に支障が出、また格納庫の機数が減少する、ということではないでしょうか。

 続いて「ワリヤーグ」関連のページです。

http://www.jundao360.com/topic_5771635.html


ワリヤーグの涅槃:中国初の空母の前世と今世 (頑住吉注:この場合の「涅槃」は転生というような意味ですかね)

(頑住吉注:1、2枚目の画像の後のキャプション)「ワリヤーグ」号空母は中国人民解放軍初の固定翼機を搭載可能な空母である。ワリヤーグ号空母は元々ソ連海軍のクズネツォフ元帥級空母だった。

(頑住吉注:3枚目の画像の後のキャプション)1985年12月4日に着工し、1988年11月に進水した。ソ連が解体したため、その後期建造工程は中断を迫られ、しかもウクライナの所有に編入された。1998年、マカオの創律旅遊娯楽社がオークションを経て2000万アメリカドルでワリヤーグ号を購入した(頑住吉注:「空母に乗っての船旅はいかが?」とかやるつもりだったんでしょうかね)。後に中国軍が購入して(頑住吉注:マカオ返還は1999年12月20日)大連造船工場で修繕、改装が行われた。

(頑住吉注:4枚目の画像の後のキャプション)2011年7月27日、中国国防部は初めて、現在1隻の古い廃品の空母を改造中で、科研試験と訓練に用いる、と認めた。2011年8月10日、初めて海に出ての航行試験が行われた。2012年内には就役する可能性がある。

(頑住吉注:5枚目の画像の後のキャプション)「瓦良格」(Varyag)号は中型の通常動力の空母である。外形は高大威武(頑住吉注:ぴったり訳すのは無理だしニュアンスは伝わると思うのでそのままにします)で、典型的なソ連式艦艇の風格である。元々の設計は艦載機以外に強大な対艦、対空、対潜兵器を装備する。4台の蒸気タービンと4台の蒸気式ボイラーを動力とし、4軸4スクリュー、ダブル舵推進である。艦首はスキージャンプ式離艦甲板に使用され、艦の中部には4本の飛行機着艦用制動ケーブルと1本の応急制動ネットが設けられている。

(頑住吉注:6枚目の画像の後のキャプション)艦橋の島式建築は飛行甲板の右側に位置し、前後に各1台の甲板/機格納庫リフトがある(頑住吉注:上の画像の黄緑の部分でしょう。確かに舷側にあり、滑走路にはかからない形ですね)。「ワリヤーグ」号は最初の68%がソ連時代のニコラエフ艦船工場(黒海造船工場とも言う)で設計、建造された。後にこの工場経由で販売され、中国の大連造船工場で修繕と改装が行われ、中国人民解放軍海軍初の固定翼作戦機を搭載する空母となるはずである。2012年3月8日、全国人民代表大会メンバーで海軍副司令官の徐洪猛は、「ワリヤーグ」号が今年就役する計画があることを明らかにした。

(頑住吉注:7枚目の画像の後のキャプション)主な寸法は次の通り:全長304m、喫水線281m、全幅70.5m、喫水10.5m、飛行甲板は長さ300m、幅70m、機格納庫は長さ152m、幅26m、高さ7.2m。排水量は57,000トン(標準)、67,500(満載)、動力は4台の蒸気タービンで4軸、200,000馬力、航行速度は29〜31ノットである。

(頑住吉注:8枚目の画像の後のキャプション)航続距離は8,000海里/18ノット、海上自力持続能力15日、乗組員は2,100+500(航空人員)。武器装備は12ユニットのSS-N-19対艦ミサイル垂直発射装置、4組の6ユニット8連装SA-N-9対空ミサイル垂直発射装置(頑住吉注:次に内容が続いてます)

(頑住吉注:9枚目の画像の後のキャプション)8基の「粟樹/Kashtan」弾砲合一近距離防御システム(8発のSA-N-11近距離対空ミサイルと2門の6バレル30mm機関砲を含む)(頑住吉注:ミサイルと機関砲がセットになった近距離防御システムですね)、4基のAK-630型6バレル30mm近距離防衛砲、2基の10バレルRBU-12000「蟒蛇」300mm対潜ロケット深弾発射機である。艦載機は50機余りで、スホーイ-33型艦載機26機、(頑住吉注:また途中です)

(頑住吉注:10枚目の画像の後のキャプション)Ka-28対潜ヘリ20機、Ka-31早期警戒ヘリ4機である。レーダーは「フルム」対空警戒レーダー等。

(頑住吉注:11枚目の画像の後のキャプション)構造改装:艦首の12ユニットの対艦ミサイル垂直発射管が廃止された。将兵の居住スペースが前に移動して合併し、もってより大きな機格納庫空間が獲得された。武器装備:国産のFL-3000N型24連装近距離艦対空ミサイル、国産の1130型11バレル近距離防衛砲(理論上の発射速度は毎分9,000〜10,000発)、国産10バレル対潜ロケット深弾発射機。

(頑住吉注:12枚目の画像の後のキャプション)艦載機は50機を超える(大型対艦ミサイル発射ユニットを撤去し、甲板下の機格納庫面積を増大したため)。国産殲-15艦載戦闘機、

(頑住吉注:13枚目の画像の後のキャプション)国産直-9艦載対潜/多用途ヘリ、国産直-8輸送ヘリ、輸入品のKa-28対潜ヘリ、輸入品のKa-31早期警戒ヘリ。

(頑住吉注:14枚目の画像の後のキャプション)電子設備:艦載対海捜索レーダー、衛星通信アンテナ、052C型防空ミサイル駆逐艦と同じアクティブフェイズドアレイレーダー。

(頑住吉注:15枚目の画像の後のキャプション)装備されるレーダーは「頂板」レーダーシステムで、メインマストの上端に装備される。電子設備の外形から見て、基本的に052C駆逐艦のメインマスト上端のレーダーと同じである。


 戦力的には相当の差がありそうですが、「ワリヤーグがアメリカ空母に勝つためには‥‥」の筆者が言う、「空母同士の一騎打ちでなければ戦術、戦略的やり方次第でワリヤーグがアメリカのスーパー空母を撃沈することも可能」が正しければ当然「ヴィックラマディヤ」がワリヤーグを撃沈することも可能、いやそれ以上に見込みがある、ということになるでしょう。















戻るボタン