フィリピン関連の記事をまとめて

 最近少なくとも個人的には興味が大きく高まっているフィリピン関連の記事を3つまとめて紹介します。まず「仁愛礁」関連の記事で、日本にも触れられています。

http://military.china.com/important/11132797/20130607/17879821.html


曹張:フィリピンが南海で「哀兵」を装うのはアメリカに向け駄々をこねる行為 (頑住吉注:「哀兵必勝」ということわざがあり、悲しみに奮い立った方が必ず戦いに勝つ、という意味です。「哀兵」だけで使うことは基本的にないようですが、要するに判官びいきを得ようとする、というような意味でしょう)

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「最近、軍事評論家張召忠は分析し、中国は南沙仁愛礁から黄岩島までのこの戦略防衛ラインを固く守り、フィリピンの南海の島嶼に対する「蚕食」行為を抑止する必要がある、と指摘した。」)

フィリピンメディアの6月5日の報道によれば、中国は前日仁愛礁海域に向け1隻の海監船を増派し、その意図はフィリピン軍サイドが仁愛礁の壊れた古い上陸艦上のフィリピン軍人員に向け補給を提供することを阻止することにある。一方フィリピン軍サイドもかつて対外的に、フィリピン海軍はずっと仁愛礁付近海域の17隻の中国国旗を掲げた船舶を監視している、と言明した。

全く疑いなく、フィリピンは仁愛礁というこの「人の危機に乗じ」たことによって14年前に奪取した礁石群の主人がいつでも変わる可能性があることに対し、居ても立ってもいられないほど不安なのである。そして彼らは現在徐々にトーンを変え始め、国際社会の面前で「哀兵」を装って見せている。

彼らが「哀兵」を装おうが装うまいが、中国が1つの事実を忘れることはない。1999年に中国の旧ユーゴスラビアのベオグラードの大使館がNATOの空爆を受けた翌日、フィリピンは仁愛礁を力づくで占領する不法行為を「念入りに画策」したのである。あの時の行動の最も重要な「物証」は、フィリピンサイドがアメリカから購入した、今ではすでに穴だらけ傷だらけ、錆だらけの退役上陸艦に他ならない。

この、中国人の傷口に塩を撒く挙動を、我々はすでに14年忍んでいる。14年前から中国は南海の関係各方に「南海各方行為宣言」を遵守、実行し、冷静、自制を保持し、争いは棚上げし共同開発するようアピールしてきた。だがフィリピンは何度も聞こえないふりをし、さらには不断にいざこざを挑発して引き起こし、南海を混乱状態にしている。今フィリピンは自ら作り出したこの苦い結果をこのため自ら飲み下したのである。

フィリピンのこの仁愛礁に座礁した上陸艦はいつでも沈没する可能性があるが、艦上にはまだ何人かの海兵隊の留守番兵がいるとされている。周囲には中国の公務船がいてパトロールしているため、フィリピン軍サイドは14年前の「密かに事を起こす」曲芸を再演し、留守番の人員に補給を送ることによって、継続的に仁愛礁を占領する目的を達成したがっている。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「2012年5月、日本の共同通信社の記者が仁愛礁に「座礁」したフィリピン上陸艦に乗り込んで撮影を行った。フィリピンが外国勢力の助けを借りて、中国と南海の島礁を争奪する行動は、全く停止したことがない。」です。)

中国はすでに非常に明確なシグナルを伝達している。すなわち、いわゆる補給の形式をもって仁愛礁に回帰することは決して許さない、と! フィリピンはこれに含まれる意味を理解すべきである。去年は黄岩島においてすでに失敗している。もしフィリピンがさらに仁愛礁に居座り続け、さらに中国と力比べをし、中国と意志力の勝負を望んだら、疑いなくさらに惨めに負けることになる。その時、フィリピンの意志は中国によって打ちのめされ、フィリピンの南海におけるいわゆる「要塞」はドミノのように全部崩れ落ちることになる。

フィリピンは小をもって大と戦い、ベトナムあるいは日本を引き込んで、いわゆる「衆を頼んで」中国に対応することを望んでもいけない。歴史は、この種の見かけ倒しの手がすでにうまく使えなくなっていることを証明している。一方アメリカというこの盟友はずっとフィリピンの姿勢がしゃんとしている気力の在処であり、アメリカは南海において確かに何隻かの軍艦を持っているが、真にカギとなる重要な時が来たら、アメリカは大きな犠牲を払って中国と直接殴り合いをするか否か。フィリピンは「毎日叫んでも答えがない」状態に陥らないだろうか? 恐らくフィリピンには決して己を知る賢さがないわけではないだろう。

中米は間もなく「Sunnylands」(頑住吉注:オバマ・習近平会談が行われた場所)に入り、習近平とオバマはアジア太平洋の領土をめぐる争いの議題についても語ることになる。これは全世界が注目する事である。この時、フィリピンが故意にトリックを用い、アメリカに駄々をこねる疑いがある。

しかし、中米が積極的に新しい型の大国関係の構築を探求している時、アメリカは南海のこのコマが自分勝手な行動を取り、大局を攪乱することを黙認するだろうか? フィリピンはこの中の利害関係をはっきりさせ、できる限り早く自らの退路を探し、自ら撤退するのが最良の選択であり、また14年前の間違った行いに終止符を打つことにもなる。自ら南海の「皆が負け」の対局に駒を打つことをしてはならない。(曹張、海外ネット特約評論員)

(頑住吉注:3ページ目)この広く流れ伝わった、仁愛礁に「座礁」したフィリピンの「軍艦の残骸」の写真は、実は日本メディアの手から出たものである。

(頑住吉注:4ページ目)艦上のフィリピン兵士が日本の記者に向け「座礁した軍艦」上の状況を案内している。

(頑住吉注:5ページ目)今年中国とフィリピンが仁愛礁で対峙した時、フィリピンは使い古されたトリックを再演し、西側メディアに向けフィリピン兵士が「座礁」した軍艦上にいる写真を提供した。そしてこの軍艦はフィリピンサイドの南沙諸島における「唯一の駐屯地」であると言明した。

(頑住吉注:6ページ目)フィリピンサイドが5月23日に公開した仁愛礁に座礁したフィリピンサイドの上陸艦の写真。1999年、中国が旧ユーゴスラビアで大使館がNATOの爆撃に遭った翌日、フィリピンはこの仁愛礁占領の「ならず者」行為を「念入りに画策」して起こしたのである。

(頑住吉注:7ページ目)画像はアメリカ・フィリピン合同上陸演習中の米軍艦艇。米軍は長年フィリピンおよび南海地域に軍隊を配備しているが、いわゆる威嚇は今日の中国にとってはむしろ笑い話のようだと言える。

(頑住吉注:8ページ目)フィリピンは不断に各種の形式の合同演習を行っているが、中国にちょっと不快感を与えること以外にどんな効果が有り得るのだろうか?


 例えば中国とインドとの国境衝突が起きたのに乗じて、とかいうのなら分かるんですが、旧ユーゴ大使館が誤爆されたのは不幸な事故だとはいえ別にそちらに大規模な軍を派遣する必要が生じた結果国境防備が手薄になった、なんてことは全くないわけで、この中国の理屈は第三者的にはちょっと理解できません。

 次は「黄岩島」関連です。

http://military.china.com/important/11132797/20130610/17885517.html


フィリピン安全保障業務専門家、中国はまだ黄岩島に建築物を建造していないとする

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「黄岩島(資料画像)」)

中新ネットマニラ6月10日電 フィリピンの大手英字新聞「星報」は10日トップ記事で、フィリピンのある南海問題を研究する安全保障業務専門家が、中国はまだ決して黄岩島に建築物を建造してはいないと明らかにした、と報道した。

フィリピンの2つの英字新聞、「マニラ標準今日報」と「商業鏡報」は先日いずれもいわゆる「消息筋の人物」の話を引用し、「フィリピン軍と国防省の当局者が得た衛星写真は、中国がすでに黄岩島に建築物の建造を開始していることをはっきり示している」とした。注意に値するのはこの2つの新聞が挙げた「消息筋の人物」はいずれも名前が示されていないが、言葉の使い方がよく似ており、情報源は同一の「消息筋の人物」ではないかと疑われる。だが、この情報はまだ決してフィリピン当局の事実確認を得てはいない。フィリピン大統領府スポークスマンはこの前、フィリピン大統領府と非武装部隊はこの情報の確認を継続中であるが、まだ事実確認は得られていない、とした。

「星報」の報道によれば、フィリピン安全保障業務専門家ルオメイ バラウェイは9日、これは虚偽の報道であり、「(黄岩島には)新たな建築物は(出現して)ない」とした。

バラウェイは、現在黄岩島には3隻の中国海監船と1隻の中国漁政船がいる、とする。

ある資料は、バラウェイはフィリピン平和研究院国家安全研究センター主任、南海研究プロジェクト担当責任者であり、フィリピンの有名な安全保障業務専門家であることをはっきり示している。(完)

(頑住吉注:2ページ目)黄岩島は最大の島石(R2)である。「国連海洋法条約」の関連規定によれば、島嶼は満潮時に水面より高い、自然に形成された陸地の区域であり、もし島であると確定されたら、これを起点に領海、排他的経済水域、大陸棚の範囲を区分けすることができる。

(頑住吉注:3ページ目)中国地図作製局、地震局、海洋局が1980年に黄岩島上に設立した南海科学考察の碑(1994年撮影)。

(頑住吉注:4ページ目)1994年、中国無線電信運動協会はアメリカ、日本など多くの国の無線電信愛好者と合同で初の「黄岩島遠征」を組織した。6月25日、陳平をリーダーとする中国アマチュア無線電信遠征隊の一行8人が、初めて黄岩島に上陸した。隊員たちは水面からたった1.5m露出する礁石の上に、高さ2mの台を建てた。

(頑住吉注:5ページ目)1994年6月25日、北京時間18:16、「BS7H」黄岩島アマチュア電信局が初めて中国無線電信運動協会北京アマチュア電信局と通信した(頑住吉注:前のページの画像と同じ日のはずなのに「台」がありませんが)。

(頑住吉注:6ページ目)中国地図作製局、地震局、海洋局が1980年に設立した南海科学考察の碑(1995年撮影。1997年にはすでに存在せず)

(頑住吉注:7ページ目)1997年5月17日、中国アマチュア無線遠征隊の第3回黄岩島上陸からほどなく、フィリピン下院議員アブランと下院国防委員会議長ホセが軍関係者と記者を引き連れて黄岩島に上陸した。

(頑住吉注:8ページ目)中国漁政船舶の常態化した黄岩島巡航


 すでに実行支配権を中国に握られているとフィリピンも認めている黄岩島ですが、中国が今のところ過去のような人工物を設置していないとすれば、フィリピンの提起した国際仲裁などの手続きの様子を見ているためでしょうか。

 最後にフィリピンの海軍力増強関連です。

http://military.china.com/important/11132797/20130612/17886740.html


フィリピンがアメリカから購入した第2隻目の巡視艦、改装が完成しアメリカから出航

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「『ラモン アルカラス』号(資料画像)」)

【グローバルネット総合報道】 フィリピンの「フィリピン毎日質問者報」6月11日の報道によれば、フィリピンの第2隻目の巡視艦「ラモン アルカラス」号はアメリカのサウスカロライナ州のチャールストンから出航し、フィリピンに向かう旅程を開始した。

フィリピンの駐ワシントン大使館が10日午後発表した文章は、「『ラモン アルカラス』号はすでにフィリピン行きの準備を整えた。一帆風順、碧海藍天、乗風破浪を祝す」とした(頑住吉注:うまく訳せないんでそのままにしましたが帆船時代の、「順風満帆」に近い意味の言葉ですね)。

「ラモン アルカラス」号はアメリカ沿岸警備隊を退役した巡視艦で、全長115mあり、フィリピンは去年この艦を購入した。この巡視艦はリニューアルと改装を経ており、全部で1,550万アメリカドルが費やされている。8月初めにフィリピンに到達すると見られる。


 これに関しては「フィリピンの軍艦調達に関する記事をまとめて」の方が詳しく、「6月第一週からフィリピンに向かい」よりやや遅れて出航した、ということですね。



















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