ドイツ語版WikipediaによるH&K G11の説明
http://de.wikipedia.org/wiki/G11
H&K G11
ゲベールG11は1968年から1990年までの間に開発されたヘッケラー&コック社のモダンなストゥルムゲベールである。この銃はノーマル弾薬の代わりに口径4.73mmx33仕様の特殊なケースレス弾薬を使用する。
HK G11 | |
全般的情報 | |
民間での名称 | HK G11 |
軍での名称 | G11 |
開発者および製造者 | ヘッケラー&コック |
開発年 | 1868〜1990年 |
生産国 | ドイツ |
銃器カテゴリー | ゲベール |
寸法 | |
全長 | 752mm |
全高 | 290mm |
全幅 | 58〜64mm |
重量(空マガジン付き) | 3.8kg |
重量(可能な最大限装備で) | 4.8kg |
銃身長 | 540mm |
テクニカルデータ | |
口径 | 4.73x33ケースレス |
可能なマガジン充填 | 45発 |
効果的射程 | 400m |
発射速度 | フルオート時600発/分 バースト時〜2000発/分 |
発射モード | セミオート、3発バースト、フルオート |
銃口初速度 | 930m/s |
マズルエネルギー | 1460ジュール |
サイト | リフレックスサイト、スコープ |
閉鎖機構 | ローラー閉鎖機構 |
装填原理 | ガス圧ローダー |
構造上の特殊性
3発バーストモード
この銃の開発の際、受け入れ可能な弾薬消費での高い命中可能性を保証するため、3発バーストモードに特別な価値が置かれた。この際この銃は弾丸を非常に早く相前後して発射する必要がある。これによりリコイルショックの効果は、3発目の発射後になって初めて射手に感じられる。さもないとリコイルショックが銃のずれを起こし、これが第2第3の射撃の命中可能性にネガティブに作用する。
ケースレス弾薬(頑住吉注:原ページにはここに弾薬の構成要素の画像があり、クリックすると拡大されます)
こうした発射速度を達成するため、ダイナマイト ノーベル社によってG11用に特別に開発されたケースレス弾薬が使用された。これにより時間的、そして機械的に負担の大きい薬莢の投げ出しがなくなった。しかしこれにより薬莢による冷却もしくは熱遮断もなくなった。このためG11は簡単にオーバーヒートする傾向、そして閉鎖機構内の弾薬が自然発火する傾向にすらなった。だがこのためにわざわざ開発された高温に耐える発射薬によってこの問題は解決された。
ドイツ連邦国防軍への予想された採用
この銃はいろいろなテスト手続きそして選択手続きに参加し、継続的に発展開発された。例えばUSアーミーの技術テスト枠内のそれのような銃器比較によって、この構造の優越性と理論的銃器コンセプト(頑住吉注:の正しさ?)が確認できた。この銃は採用に適するまでに完成して開発されたが、ドイツ連邦国防軍のスタンダード銃器としては調達されなかった。ワルシャワパクトの崩壊により調達の
ための財政支出が政治的にもはや断行されなかったからである。
テクニカルデータとバージョン
この銃は回転式閉鎖機構を使用している。全長750mmのG11K2は2つのフル装填マガジン込みで4.8kgである。最大でそれぞれ45発を持つマガジン3本を銃上で携行できるし、他にさらなるストリップクリップの携行も可能である。この銃はローラー型閉鎖機構を持つクローズドボルトファイアのガス圧ローダーである。3発バーストモードでは理論的発射速度は2000発/分、フルオートモードでは600発/分となる。メーカーの主張によれば兵は約500発を携行できる。これと比較して5.56mmx45NATOなら240発、7.62mmx51NATOなら100発である。無倍のオプティカルサイトもしくは反射式サイトは標準装備である。
オートマチックリボルバー閉鎖機構を装備したマシーネンゲベールLMG11は約300発を弾薬ブロックとしてショルダーストック内に収納するはずだった。その外観はほぼG11に似ていた。
ピストルバージョンのPDWは同じ口径でより軽量な弾丸をより少ない薬量で発射するはずだった。20発もしくは40発をピストルグリップ内に収納する点でこの銃はヘッケラー&コック社の後の開発品(頑住吉注:MP7)に似ていた。コンセプトでもベルギー製銃器FN
P90はほぼこの方向を行った。
言及に値すること
映画「デモリッションマン」および他の複数のSFもしくはアクション映画にG11が見られる。未来という設定での使用であるにしても。
(頑住吉注:原ページにはここに参考ページへのリンクがあります)
この銃に関しては、「コックオフ問題は解決されたし従来の銃より明確に優れていたが、冷戦終了によって必要性が低下し、また経済的に問題を抱えた東ドイツと統一した事情もあって導入の予算を支出できなかった」という有力な説がある一方、それに疑問を持つ見方もあります。今回の内容は完全に前者に沿ったものですが、私は後者が正しいのではと思っています。
人類の歴史の中で、ある兵器が従来のそれより優れ、それを装備すれば他より優位に立てると分かっているのに「必要性が低い」、「金がない」といった理由で完全にボツになることは珍しいことです。またこうした理由付けではアメリカも採用しなかったという事実が説明できません。私はやはり総合的に従来の銃に勝るものではないと判断されたから採用されなかったのだろうと思います。
なお、「メーカーの主張によれば兵は約500発を携行できる」とありますが、この銃の場合マガジンがあまりにも長すぎるため、原則として予備マガジンを持つことはできません。苦肉の策として最終バージョンのG11K2では銃の左右に計2本のマガジンがマウントできるように改良したわけですが( http://www.remtek.com/arms/hk/mil/g11/g11.htm )、その3本135発を撃ち終えたら10発ずつのストリップクリップを次々取り出して空になったマガジンに装填していくしかありません。激しい戦闘中にこんなことをやっていられるのか、またM16ならばマガジンを5本持っていれば継続射撃能力が上になるわけで、そもそもこれは銃の進歩と言えるのか、むしろ退歩ではないのかという気もします。