ドイツ語版「Wikipedia」によるMG42の説明
ドイツ語版「Wikipedia」によるMG42の説明を読んでみました。なおページの最後の方にパーツ展開図へのリンクがあり、パーツ名はこれで補足説明します。
http://de.wikipedia.org/wiki/MG42
http://www.madamepompadour.com/Waffen/mg42.jpg
マシーネンゲベール42
マシーネンゲベールMG42は1942年、MG34の不足(その理由は主に高い生産コスト、そして手間のかかりすぎる生産にあった)を陸軍兵器局が認識した後に当時の国防軍に採用された。正確な名称は本来Universal Maschinengewehr Modell 42と言った。だが多くの意見とは異なり、この銃はMG
34の改良品、発展開発品ではなく、大量生産に特別に適した新規開発品である。MG
42がMG 34の発展開発品であるとの間違った意見は、大量生産に至らなかった従来の制式マシーネンゲベールの改良バージョンであるMG34/41との混同に起因している(頑住吉注:サイト「Lexikon der Wehrmacht」の機関銃に関するページに少しだけ記述がありました)。
(頑住吉注:目次省略します)
歴史
MG 42の構造は、Paul Kurt Johannes Grossfuss金属およびラッカー製品工場(ザクセン州Dobeln所在 頑住吉注:「o」はウムラウト)で技術者として働いていたWerner
Gruner博士に由来する。Grunerは銃器専門家ではなく大量生産、特に金属薄板成型のスペシャリストだった。このため彼が銃器スペシャリストから(少なくとも閉鎖機構システムに関し)かなりの援助を受けたと推測することができる。だれがMG
42のローラー閉鎖機構を設計したかは闇の中である。またこの構造が他のロッキング方式から派生したものであるかどうかも知られていない。
製造技術
このMGは初めて大部分(頑住吉注:鉄板からの)打ち抜きおよび変形部品で作られ、最重要の部品群のみコストのかかる削り出しで作られた(すなわちスチール塊からフライス加工された)。このためこのMGは素早く、安価に、大量に生産できた。いくらか幼稚できれいでないように見える部品の溶接は、連合軍に(最初の銃は北アフリカで鹵獲された)ドイツは歩兵用銃器の生産に重大な問題を抱えていると思わせた。このMG
42は銃器生産における画期的出来事だった。それは初めて大部分金属薄板プレス技術で作られた火器だったのである。
性質
MG 42は極端な天候状況の際も大きな信頼性があり、それでも射撃精度が良好なことで納得させた。弾薬としてはゲベール弾薬7.92mmx57(8mms57ISとしても知られる)が使用された。このため当時の国防軍カラビナーであるK98用と同じ弾薬を使うことができた。
単純なメカニズムにより、バレルは数秒以内に交換できた(よく訓練された経験豊富なMG射手はバレル交換を3秒未満でやってのける)。このことは長時間射撃の際の強度の加熱ゆえに切実に必要なことでもあった。遅い時期の生産シリーズは決定的な改良としてハードクロームメッキされたバレルとメカニズムを持ち、これが摩耗をかなり減らした。
MG 42はそれまで達成されたことがなかった毎分1,500発という発射速度を達成した。この高い発射速度はこの銃を理想的な防空用MGとして宿命付けた。しかし歩兵の地上戦闘においてこの銃は多くのケースにおいて「弾薬浪費者」でもあった。しかしその効果は探し求められたものだった。MG
42は音響的にも簡単に特定できた。そのフルオートの発射音は特徴的だった。個々の発射の騒音が重なって次に移ったからである(そういうわけで「エレクトリックMG」のあだ名がついた)。多くのかつての連合軍兵士は今日もなお恐怖をもってこの騒音を思い出す。
あだ名
西連合軍、特にイギリス軍ではMG 42は「シュパンダウ」としても知られた。ドイツ兵はMG
42に「ヒットラーノコギリ」、「歌うノコギリ」、あるいは「骨ノコ」のあだ名も与えた。おそらく敵をMG
42からの密な連射によってまさにまっぷたつに撃ち砕いたというしばしば生じたケースからだろう。「ヒットラー大鎌」との名前もしばしば見られた(頑住吉注: http://de.wikipedia.org/wiki/Sense_(Werkzeug) )。これは用いられたMG射手の射撃テクニックと、この収穫器具使用時のスイング運動と間の類似性から生じた。同様に、「スターリンのオルガン」にならって「ヒットラーのバイオリン」の名も広まった。
発展開発
MG 42は第二次大戦においてドイツと同盟した国々、例えばフィンランド、イタリア社会主義共和国、スロバキア、ハンガリーにも供給された。
終戦頃、後継モデルMG 45が非常にわずかな数生産された。しかしこのモデルは、G3やHK21Eに似て可動式に支持されたローラー閉鎖機構(質量が転換された閉鎖機構)と固定バレルを持っていた。
このマシーネンゲベールはプルーフされ、熟成の域に達した兵器として戦後もわずかな変更のみでドイツ連邦国防軍にMG3として採用された。例えば閉鎖機構、バレル、レシーバー、ダストカバー、バイポッド、後座増強器、銃の口径などのディテールのみが変更された。数多くの他の陸軍もこのタイプを使用している。イタリア(MG42/59)、オーストリア(MG
74)、パキスタン(MG3)もそうである。オーストリアでは当初MG
42の古い在庫がNATO弾薬.308用に装備変更された(バレル、レシーバーカバー、ベルトカバー、リコイルスプリング)。そしてその後もなおMG
42と呼ばれた。1974年にこのMGはMG 42のさらなる近代化バージョンであるMG
74によって換えられた(頑住吉注: http://www.waffenhq.de/infanterie/mg74.html )。最重要の変更は、より重い閉鎖機構で、これにより理論的発射速度は毎分約850発に低下した。バレルの消耗と弾薬消費を減らすためである。
第二次大戦後、アメリカ陸軍はMG 42を、彼らのマシーネンゲベールであるM
60のためのひな型として使用した。
構造
このMGは次の構造グループからなっている。
1.レシーバー(頑住吉注: http://www.madamepompadour.com/Waffen/mg42.jpg の図でも部品1)
2.バッファー(5の左)、閉鎖スプリング(6)、ショルダーストック(5a)を持つ後部部品(5の右)
3.供給装置上部分を持つレシーバーデッキ(3)
4.バレル(18)
5.閉鎖機構(ボルトとも言う)(7〜16)
6.後座増強器(21)
7.トリガー設備を持つグリップ部品(22〜25)
8.バイポッド(2)
1.レシーバーはバレルと閉鎖機構を受け入れ、バレルと閉鎖機構の誘導に役立ち、銃の内部を損傷や汚れから守り、全ての部品を1つの全体に結合する。レシーバーはプレス技術により丈夫なスチール板から加熱せずにプレスされている。表面はブルーイングによって腐食と酸化から守られている。バレルを包むレシーバー前部はより良い熱排出のため打ち抜き部を備えている。前端には、後座増強器用ネジを持つバレル誘導のための筒状部品が圧入されている(19)。後端には後部部品が挿入されている。上側にはローラーボルト(9)受け入れ用のノッチと弾薬供給器のための開口がある。下側にはトリガー設備のための開口と薬莢投げ出しのためのエジェクションポートがある。このエジェクションポートはスプリングのテンションがかけられたダストカバー(1a)で閉鎖することができる。右側にはバレル交換金具(1b)が取り付けられている。これを使ってバレル後端をサイド方向にスイングしてバレルをレシーバーから後方に引き抜くことができる。レシーバー内部には2つの誘導レールとカーブ部品がリベット止めされている。レシーバー上には200〜2000m、100m刻みで調節できるリアサイト(7)、および折りたたみ式対空サイトが取り付けられている。
2.後部部品(5)はレシーバーの後方を閉鎖し、閉鎖機構バッファーを受け入れる。この閉鎖機構バッファーは閉鎖機構にブレーキをかけるのに役立ち、閉鎖機構スプリング(6)およびエジェクターパイプ(15)の受けとして使われる。後部部品のバヨネット結合ネジにはショルダーストック(5a)が固定される。
3.レシーバーデッキ(3)は銃の上部を閉鎖し、弾薬ベルトの供給のための切り替え機構(運搬レバー、連結レバー、ベルトスライダー)を持つ弾薬供給器上部を受け入れる。レシーバーデッキは前上部で1本のデッキボルトをめぐって開閉可能である。レシーバーデッキの下には弾薬供給器下部(4)があり、これが弾薬ベルトを誘導し、供給された弾薬をストッパーを用いて整列させる。
4.バレル(18)は弾丸の誘導に役立つ。弾薬はチャンバー内で点火され、圧力上昇の間支持される。施条された部分は銃器技術上ライフリングと呼ばれる4本のネジ状ノッチを持つ。このライフリングは弾丸の縦軸をめぐっての急速な回転をもたらす。この回転により弾丸はその弾道上でジャイロスコープのように安定させられる。バレル後端にはネジが切られている。これはロック部品のねじ込みに役立つ(頑住吉注:図ではねじ込まれた状態になっています)。その前端はバレル誘導のためのバンド(頑住吉注:リング状隆起部)を持つ。
5.閉鎖機構は支持ローラー閉鎖機構である(頑住吉注: http://www.waffeninfo.net/verschluss/bild/mg3boltani.gif )。これは本質的には閉鎖機構ケース(7)と閉鎖機構ヘッド(8)という2つの部分からなっている。閉鎖機構ヘッド上には2つのロッキング用ローラー(9)とエキストラクター(13)がある。伸縮式エジェクターパイプ(15)と運搬ボルト(16)は閉鎖機構ケース上に固定されている。ファイアリングピンホルダー(10)、ファイアリングピン(11)、エジェクター(13)、エジェクターバー(14)はルーズに内蔵されている。閉鎖機構は弾薬の弾薬ベルトからの突き出し、チャンバー内への弾薬の導入、弾薬の点火、薬莢の引き出し、薬莢の投げ出しをもたらす。撃発直前閉鎖機構はロック部品によってロックされ、バレル後方を閉鎖する。その上閉鎖機構は運搬ボルトを介してレシーバーデッキ内の弾薬供給メカニズムを駆動する。
6.後座増強器(21)はバレルのマズル前方での急な圧力上昇をもたらす。これによりバレルおよび閉鎖機構の後座は決定的に強化され、発射後の急速で確実なロック解除が保証される。後座増強器は3つの部品からなっている。すなわち銃口炎減衰器の付属した本来の後座増強器、後座ノズル(20)、バレル誘導筒(19)である。じょうご型の銃口炎減衰器は分散、渦巻き、より急速な冷却により銃口炎のかなりの減衰をもたらす。
7.ピストル型グリップフレーム(22)はトリガーメカニズム(23〜25)を受け入れ、また射撃の際の銃の簡単な取り扱いに役立つ。グリップは単純な、しかし効果的なスライド式セーフティ(頑住吉注:「22」という数字の真下にあるクロスボルト)を持つ。銃は通常コックされた状態でのみセーフティ状態にできる。セミオートへの切り替えは不可能である。
8.バイポッド(2)は銃の前部および中央部の支持に役立つ。バイポッドはレシーバー上に折りたたむことができる。
機能
MG 42はオープンボルトファイアの銃である。これは発射前弾薬がチャンバー内に存在せず、閉鎖機構が後方に位置することを意味する。つまり銃はトリガーを引く前オープン状態である。これにより発射準備状態で弾薬が射撃により加熱したバレル内になく、このことは自然発火の危険を大きく減らし、空気の流入によるバレルの冷却を可能にする。
銃を装填完了状態にする、すなわち発射準備状態にするには、射手は閉鎖機構をコッキングスライダー(17)を使ってストッパー位置まで後方に引く必要がある。この際閉鎖機構はロック解除され、閉鎖スプリングは圧縮され、緊張状態になる。ダストカバーが閉じている場合、後方に引かれた閉鎖機構によって開かれる。
その後射手はコッキングスライダーをストッパー位置まで前進させる。この際コッキンググリップは折りたたまれる。そしてすぐ撃つのでない限りセーフティボルトの押し動かしによって銃をセーフティ状態にする。
銃は今やコックされ、セーフティ状態にされ、装填はされていない。レシーバーデッキ留め金の操作によりデッキを開き、最初の弾薬が弾丸を前にして弾薬供給器部品のストッパーにあてがわれるように弾薬ベルトを横たえる。引き続きレシーバーデッキを閉じる。
銃は装填準備状態、セーフティ状態である。射手が銃を一部装填状態に留めたいならば(より高い安全性)、最初の弾薬が弾薬ストッパー直前に位置するように弾薬ベルトを入れることができる。ベルト右端を強く右に引くと銃は発射準備状態になる。
装填準備状態、セーフティ状態では次のような状態になる。
閉鎖スプリングは圧縮された状態。閉鎖機構は後部ポジションでトリガーに保持されている。トリガーは前のポジションにある。最初の弾薬は供給位置にある。すなわち弾薬ストッパー上にあり、弾薬供給器上部分内の圧プレートによって下に押されている。第2の弾薬は外部からフォーロワレバーにつかまれている。トリガーレバーの後ろのアームはセーフティボルトによってブロックされている。
セーフティボルトのスライドによって銃がセーフティ解除された後、トリガーはもはやブロックされない。
レットオフ前の重くなるポイントを越えたトリガーの引きにより、トリガーレバー(24)の前のアームは境界ボルトによって上に押される。この際トリガーレバーは、トリガーレバーの後ろのアームが閉鎖機構を解放するように回転させられる。「連動を外すもの」(25)がトリガーレバーをロックし、閉鎖機構ルート内に入ることを妨げる。これによりトリガーは負担軽減される。
解放された閉鎖機構は伸長する閉鎖スプリングの圧力下で前方に急速に動き、その「突くもの」(閉鎖機構ヘッドのノーズ)で1発の弾薬をベルトからバレルのチャンバー内に押し込む。
閉鎖機構ヘッドがロック部品の手前にある限り、ロッキングローラーは左右のスライドレール上にある。閉鎖機構ヘッドのロック部品内への進入によって、閉鎖機構ローラーは追随してロック部品内にフライス削り加工されたロッキングカーブ内に入らざるを得ない。ロッキングローラーは外側に出、最終的にロック部品のロッキング隆起前に位置する。楔形のファイアリングピンホルダーは閉鎖機構ケースによって前方に押され、閉鎖機構ローラーは完全に外側に押され、閉鎖機構ケースをブロックする。これにより閉鎖機構の後方への跳ね返りは大幅に妨げられる。
閉鎖機構が完全にロックされ、そして弾薬が完全にチャンバー内に導入されて初めて、ファイアリングピンホルダー内のファイアリングピンは弾薬のプライマーに当たる。弾薬内の発射薬は点火され、発射が起こる。弾丸は高圧の火薬ガスによってバレルを通って駆動され、ライフリング内に食い込むことによって回転を得る。閉鎖機構は弾丸がバレルを去り、ガス圧が許容できる値まで低下するまでロックされたままでいる。
閉鎖機構はそのロック機構と、接続されたバレルを合わせたその質量によって特定の慣性を持つ。その上閉鎖スプリングが閉鎖機構に対抗して押している。
バレルのマズルを出た後、弾丸はいわば第2のマズルであるリコイルショックノズルの穴を通過しなければならない。弾丸が進むことによってリコイルショックノズルは狭くなり、非常に短い時間(マイクロ秒領域)は閉塞もされる。これにより、後から流出する火薬ガスのせきとめによる後座増強器内の急激な圧力上昇が起こる。この上昇した圧力はバレル誘導筒の前面に作用し、これをバレルおよび閉鎖機構ごと閉鎖スプリングに逆らって後方に押し動かす。後退したバレル誘導筒は最終的に後座増強器のガス流出スリットを開放し、この結果残りの火薬ガスは急速に漏出できる。
いわば後座増強器のガスノズルをガスシリンダー、そしてバレル誘導筒をガスピストンと理解することができる。このピストン効果はリコイルショックの運動量とならんで閉鎖機構のロック解除に作用する。
だがまず最初にバレルと閉鎖機構は、ロック解除カーブ上のロッキングローラーがカーブ部品内に当たるまで約8mm一緒に後退する。ロッキングローラーは内側にあやつられ、ファイアリングピンを持つファイアリングピンホルダーが後方に押し動かされる。これにより閉鎖機構はロック解除される。ロッキングローラーがロック部品から出ていくからである。閉鎖機構とバレルは分離する。バレルはVorholer内のスプリングを圧縮し、引き続いて前部の最終位置へ押し動かされる(頑住吉注:バレルに独立した復帰スプリングがあるような記述ですが、展開図でどれにあたるのか分かりません)。
閉鎖機構はその慣性(重量慣性)によって閉鎖スプリングの圧力に逆らってさらに後方に走り、エキストラクターを使って空薬莢をチャンバーから引き出す。この際、閉鎖機構が後方の閉鎖機構バッファーにぶつかるまで閉鎖スプリングが圧縮される。閉鎖機構バッファーは閉鎖機構のリコイルショックエネルギーの本質的部分を緩衝する。
その上この閉鎖機構バッファーは前方に向けエジェクター筒(15)にぶつかる。エジェクター筒はエジェクターバー(14)を介して閉鎖機構ヘッド内のエジェクター(13)を前に突く。これにより薬莢は急速にエキストラクターをめぐって回され、エジェクションポートを通ってレシーバーから下に投げ出される(頑住吉注:バッファーが前方に向けてぶつかる、と直訳するとちょっと変な感じですが、要するにバッファーは動かず、ボルトキャリア後端にセットされているエジェクター筒が急速に後退してバッファーにぶつかるので、あたかも前方に向けて突かれたような力が加わるということです)。
引き続いて閉鎖機構は閉鎖スプリングの圧力下で再び前方に急速に動く。記述された運動はトリガー放されるまで、あるいはベルトが撃ち尽くされるまで繰り返される。
トリガーが放されると前方に走る閉鎖機構が「連動を外すもの」を前方にスイングさせる。「連動を外すもの」はトリガーレバーを解放し、トリガーレバーは閉鎖機構ルート内に飛び込み、閉鎖機構を捕らえる。
ベルト給弾は次のように機能する。
運搬ボルトはその運搬ローラーを使って運搬レバー(Uレール)内を走る。運搬ボルトは閉鎖機構ケースに固定されているため直線運動しかできない。だが運搬レバーは最後の1/3開始と共に右に折れ曲がる。これにより運搬ローラーは閉鎖機構前進時に運搬レバーを左にスイングさせる。左に動いた運搬レバーは結合レバーを介してベルトスライダーの外側のフォーロワレバーを、第2の弾薬が内側のフォーロワレバーに掴まれるまで右に押し動かす(ストロークの前半)。閉鎖機構の後退時、運搬レバーは右にスイングすることを強いられる。これにより内側のフォーロワレバーも同様に、第2の弾薬が弾薬供給器下部のストッパー上に位置するまで右に動く(ストロークの後半)。
これにより第2の弾薬は前進するボルトヘッドの「突くもの」によってベルトの収納部から押し出される。弾薬供給器上部内の圧プレートは弾薬を下に動かし、この結果弾薬は包底面によって掴まれ、チャンバー内に押し込まれる。
テクニカルデータ
メーカー | モーゼル工場株式会社、ウィルヘルム グストロフ財団、ステアー ダイムラー Puch (頑住吉注:主に自動車を作っていたメーカー)、Grossfuss株式会社、Magnet |
第二次大戦における挺数 | 750,000 |
銃器システム | 短距離後退するバレルを持つ空冷リコイルローダー マズルガス圧による後座増強 |
閉鎖機構の種類 | 支持ローラー閉鎖機構 |
弾薬供給 | 節ベルト、左からの2ステップ供給 |
口径 | 7.92mmx57(8mmx57ISとしても知られる。戦後はNATO口径7.62mmx51に変更)、 バレルは今日のものと異なり7.91mmの刻印を持つ |
ライフリングの種類 | コンスタントな右回り |
ライフリングの数 | 4または6条 |
ライフリングのピッチ | 210mmで一回転 |
ショルダーストック込みの銃の長さ | 1,230mm |
ロッキング部品込みのバレルの長さ | 565mm |
施条部分の長さ | 476mm |
照準長 | 430mm |
サイト | オープンなスライドサイト、200〜2000mまで100m刻みで上昇 |
バイポッド込みの銃の重量(未装填) | 11.6kg |
ロッキング部品込みのバレルの重量 | 1.8kg |
弾薬供給 | 弾薬ドラム(50発)、50発ベルト、120発崩壊ベルト、左からの2ステップ供給 |
初速 | 820m/s |
マズルエネルギー | 4000ジュール |
最大平均圧力(頑住吉注:意味不明です) | 3,300バール |
ロック解除までの後座距離 | 7mm |
後座ストローク | 21mm |
戦闘距離 | バイポッドを使って 800m 銃架を使って 3,000〜3,500m |
最大射程 | 4,000m |
射撃方向における安全間隔 | 5,000m |
サイド方向の安全間隔 | 各1,000m |
発射レート | 約1,500発/分(理論的には3,000発/分が可能)→25発/分 |
バレルの寿命 | 約3,500〜4,000発(ハードクロームメッキによって寿命は約8,000発に伸長) ハンマー工法によるバレル |
この銃が「初めて大部分金属薄板プレス技術で作られた火器だった」という記述には「ん?」と思いました。しかし途中で挙げたサイト「Lexikon der Wehrmacht」の当該ページによれば、この銃は採用は名前通り1942年ですが、1938年にはすでに完成し、翌年には部隊テストも開始されていたとされています。MP40よりも早く登場したとも言え、またMP40はプレスを多用してはいても「大部分金属薄板プレス技術で作られた火器」には該当しないということかも知れません。
あだ名の項目にも興味を引かれました。日本ではほとんど「ヒトラーの電気ノコギリ」しか知られていないと思われますが、他にもいろいろなあだ名があったわけです。しかもドイツ語では「電気ノコギリ」(音からの連想)ではなく手で挽くノコギリというあだ名でした。これは当然音からではなく本文中にもあるように機能からくる連想によってつけられたことになります。ちなみに「骨ノコ」というのは手術道具かなと思ったんですが、検索してみると調理用具でした。さすが肉食の国ですね。ちなみに「ヒトラーの電気ノコギリ」は誤訳なのかな、とも思いましたが、英語では確かに「Hitler's
buzzsaw」と呼ばれており、間違いではないことが分かりました。またドイツでも音からの連想によってつけられた「エレクトリックMG」(ドイツ語なんで発音は違いますが)というあだ名はありました。「個々の発射の騒音が重なって次に移った」というのは「バババ」という断続音ではなく「バー」という連続音に聞こえたということです。トイガンでもMGCのイングラムのモデルガンや、LSのL85A1のガスガンなどは近い感じでした。
P7ピストルは発射前スクイーズコッカーを握りこむ必要がありますが、もしこれに必要な力でずっと握っていなければならないとすれば手が早く疲労してしまうので、いったん握りこむと保持には弱い力しか必要とせず、しかし放せばスクイーズコッカーは復帰し、次に握りこむにはまた大きな力を必要とするようになっています。MG42にもこれに似た、いったんトリガーを引くと保持には弱い力しか必要としない仕組みがあったというのは知りませんでした、長時間トリガーを引き続けることが多いマシンガンならではのメカです。マシンガンのメカには詳しくないので、このような仕組みが他のマシンガンにも見られるのかどうかは分かりません。
http://www.bimbel.de/artikel/artikel-14.html
検索していてこんなページを見つけました。戦後版のMG3の画像ですが、ディテールがよく分かります。本当にプレスが多用されており、一見安っぽく見えるのも理解できます。ボルトキャリア中途のザラザラ感からして、これは鋳造パーツから削って作られているようです。19のバレル誘導筒もはっきりしませんが鋳造のように見えます。レシーバーデッキの裏にカーブしたレールがあり、ボルトキャリアから上向きに突き出たピンがここにはまって閉鎖機構の前後動時に弾薬供給器を左右に動かすのも分かりやすいです。タンジェントサイトの前に起き上がっている対空サイトはMG42のものとは大きく異なりますし、タンジェントサイトも1200mまでしか調節できないことが分かります。