幻のミグ1.14

 中止に終わったロシア新世代戦闘機に関するページです。

http://tuku.military.china.com/military/html/2013-04-02/214645_2333330.htm


ロシア第5世代機の悲劇 ミグ1.14

ロシアのミコヤン設計局が研究開発したロシア第5世代(西側の第4世代に相当)双発単座多用途戦闘機。1983年設計開始(設計のコードネームは1.42)、1989年第1号機の組み立て開始(工程のコードネームは1.44)、2000年2月29日初飛行、現在1機の技術検証機だけ存在する。

(頑住吉注:2ページ目)ミグ1.14(ロシア語ではИзделие 1.44)はソ連のミコヤン設計局がミグー31を再度研究開発した最終型の双発単座戦闘機である。この機は非通常デルタ翼、双垂直尾翼のエンテ式空力レイアウトと調節可能なS字型空気取り入れルートを採用し、機体には複合材料と赤外線特性を低下させられる技術を大量に採用し、機体表面と空気取り入れルート内にも電波吸収塗装層を採用した。

(頑住吉注:3ページ目)ミグ1.14はロシアがアメリカと第5世代戦闘機開発競争をするために研究開発されたものである。後にミコヤン設計局は資金問題から1機のミグ1.14の技術検証機を作っただけだった。

(頑住吉注:4ページ目)1980年代初めにおけるアメリカのATF先進技術戦闘機研究開発計画にかんがみ、旧ソ連も第5世代戦闘機を研究開発する秘密の決定を行った。その後、旧ソ連政府は、航空工業部と空軍が協力してこの秘密任務を完成させるよう命じた。

(頑住吉注:5ページ目)このため、旧ソ連航空工業部と空軍はいくつかの軍事航空装備設計業務に従事する大型設計局を召集し、新型戦闘機の外形設計と構造方案に関し研究討論と論証を行った。何年かの充分な準備を経て、ロシアのミコヤン設計局が最終的にロシア空軍にMFI多機能戦闘機の設計方案を提出した(設計のコードネームは1.42)。

(頑住吉注:6ページ目)この前に、この方案はすでにスムーズに国家委員会の論証をパスしていた。1989年、ミコヤン設計局はMFIに対するフルセットの図面の設計作業を完成させた。その後、初のMFIの生産が開始された。MFI戦闘機の総設計師はラウラジスラフ ベリヤコフで、主任設計師はグレゴリー セドフだった。

(頑住吉注:7ページ目)MFI多機能戦闘機の最後の研究開発段階における主任設計師はユーリ ホロテニコフだった。1994年初め、MFI戦闘機は組み立てが完成し、ジューコフスキーに輸送された。1994年12月ロシアのミグとモスクワ飛行機生産連合企業の試験飛行員ロマノフ タスカイェフはこの機を操縦し、ジューコフスキージガロモフ試験センターの飛行場の滑走路で高速滑走に成功した。だが経費の深刻な不足により、研究開発業務は暗礁に乗り上げることを強いられた。この後、連合企業はMFIの経費問題をその上級の関係部門に何度も上申したが、最終的にそれでも解決はされ得なかった。1998年初め、モスクワの「ミグ」航空工業連合社に新たに着任した社長グレゴリー ニエモフと総設計師ミハイル カールイェフはMFIの研究開発を非常に重視し、少し資金が集まった状況下で、改めてこの機の研究開発作業を始動させた。

(頑住吉注:8ページ目)ミグ1.14は2台のリューリカ設計局が研究開発したAL-41F推力ベクトルエンジンを装備し、総推力は392千ニュートンで、機全体の推力:重量比は1.25に達し、エンジンがアフターバーナーを使用しなくても超音速巡航飛行が実現できた。ベクトル推力技術はロシアの一大優勢で、実力はアメリカよりずっと強かった。スホーイー34MKとスホーイ-37はAL-31FP推力ベクトルエンジンを使用していたが、これに比べ最新技術と材料を採用して研究開発されたAL-41Fの性能は顕著に改善されており、推力:重量比は8から11にまで向上し、世界第1位になった。燃焼室の温度は摂氏250度に上がり、加速性能が顕著に増強された。

(頑住吉注:9ページ目)主要機載設備

ミグ1.14に配備された新型のN-014多機能フェイズドアレイレーダーは世界で出力最大の機載フェイズドアレイレーダーで、捜索距離は250〜400kmに達し、同時に25個の目標が追跡でき、しかも6個以上の目標に対し同時に超視距離攻撃が行えた。

(頑住吉注:10ページ目)機載武器

ロシア軍の現役のあらゆる機種の機載武器が搭載でき、これには射程400kmのKS-172極超音速超遠距離対早期警戒機ミサイルや、射程が45〜50kmのR-77M中距離迎撃ミサイルが含まれ、機にはさらに30mm機関砲1門と12の外部吊り下げポイントが残され、必要な時は戦闘搭載重量を増加させることができた。

(頑住吉注:11ページ目)高い機動性能

ミグ1.14の機体の全長はミグー29を超え、スホーイー27やミグー31に近く、主翼はこれらの機よりやや大きく、翼面荷重が小さかった。そのAL-41F円形尾部噴射口ベクトルコントロール装置と三角形のエンテ式レイアウトが組み合わさって、高速飛行時の安定性と低速飛行時の機動性が確保された。その高空での最大巡航速度はマッハ2.6(時速2,500km)に達し、超音速での航続距離は2,000kmに達し、亜音速での航続距離は4,000kmを超えた。

(頑住吉注:12ページ目)超越的に高いステルス性能

ミグ1.14の正常な条件下でのレーダー反射断面積は0.5平方mで、その機体には複合材料と総合赤外線特性コントロール技術が大量に採用され、機腹部に暴露する空気取り入れルートには独特の設計と電波吸収塗料層が採用された。機の尾部にはV字型垂直尾翼が採用され、垂直安定面の外側に傾く角度が大きく、面積が小さいため、非常に大きく垂直尾翼の機能とステルス性能が向上した。また、その機載武器は全て機腹部の弾薬コンパートメント内に搭載でき、非常に大きくステルス性能が向上した。

(頑住吉注:13ページ目)機載武器は多様

ミグ1.14はロシア軍の現役のあらゆる機種の機載武器が搭載でき、これには射程400kmのKS-172極超音速超長射程対早期警戒機ミサイルと射程が80kmのR-77M中距離迎撃ミサイルが含まれた。そのコンパートメント内に武器を満載すると同時に、機には30mm機関砲1門と12〜14の外部吊り下げポイントが残され、必要時には戦闘搭載量が増加でき、空中迎撃と対地攻撃任務執行を担当することができた。

(頑住吉注:14ページ目)機載電子設備は先進的

ミグ1.14には後方を見る自衛レーダー、「タカン」衛星ナビゲーションシステムなど先進的なナビゲーション設備および電子戦システムが装備され、しかも新型のN-014多機能フェイズドアレイレーダーが配備され、同時に20余りの目標が追跡でき、しかも6以上の目標に対し同時に超視距離攻撃を行うことが保証された。

(頑住吉注:15ページ目)多種の作戦任務が執行可能

ミグ1.14の機能は多様で、多種の作戦任務が執行できた。この機は空戦指揮機に充当し、その他の戦闘機のために目標を指示することができ、しかも他の戦闘機が発射するミサイルの制御誘導を行うこともできた。その後方を見るレーダーとR-73後方発射型空対空ミサイルが組み合わせて使用されていることにより、交戦時突然に後方の敵機に対しミサイル攻撃が実施できた。また、その新世代の生命保障システムと射出座席システムは、飛行員の抗過負荷能力を向上させることができ、その生命の安全を最大限に保証した。

(頑住吉注:16ページ目)ミグ1.14戦闘機は普遍的に空中要塞(頑住吉注:意味不明。「フライングフォートレス」B-17もこう呼ぶようです)とミグー31戦闘機の結合体と考えられ、ソ連を代表する「無敵」の究極秘密兵器の1つともなった。

(頑住吉注:17ページ目)ミグ1.14戦闘機は2000年2月29日に初飛行し、かつ成功裏に最高時速4,120kmの極超音速記録を達成したが、生産コストが非常に高く(1機に0.9億アメリカドル必要)極超音速飛行下で容易に損傷を受け、維持メンテナンス費用が比較的高く、1機の技術検証機のみ生産された。ロシア当局が言明するところによれば、先進的光学迷彩などプラズマステルス技術とSWBM-B型振波ミサイルが採用され、しかもミグー31の欠点が改善され、戦闘時に過度に地上のエネルギーに頼って光学迷彩ステルス飛行を行う問題が解決され、改良後は地上のエネルギーに頼らなくても光学迷彩ステルス飛行が行えた。燃料消費量が過大だというも解決できたが、空中で19時間を超える飛行はできなかった。

(頑住吉注:18ページ目)ロシアの第5世代戦闘機の試験機であることから、ミグ1.14が担った圧力の一端を見ることができる。同時期に実験を行ったものには、有名な前進翼戦闘機、スホーイー47(金彫)がある。いずれも第5世代機に対する探索のために誕生した技術検証機である。だが種々の原因(投資が非常に大きい、そしてロシアの当時における複雑な政局とロシアの衰退する経済)により、ミグ1.14とスホーイー47はいずれもロシア空軍によって否認され、ロシアの21世紀における主力戦闘機となることはできなかったし、増してやロシアが期待した第5世代機の任務を完成させることもできなかった。

(頑住吉注:19ページ目)2010年1月29日、スホーイの第5世代戦闘機T-50が初飛行に成功し、ずば抜けた性能およびロシアの多くの人の希望はT-50がひとたび誕生するやこれを人気者とした。このためミグ1.14とスホーイー47が歴史の舞台から退出した後、T-50が最もそれらに取って代わり、今後ロシア空軍の第5世代機として大量装備される可能性が最も高い。


 政治情勢次第ではこの機がF-22のライバルとして大量に装備された可能性もあり、そうなればアメリカの政策にも一定の影響があったと思われます。




















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