中国国産空母の見所とは

 えらく楽観的な論ですけど。

http://military.china.com/critical3/27/20160113/21135307.html


中国第2隻目の空母の5大見所

2015年最後の1日、中国国防部スポークスマンは中国が正式に第2隻目の空母を建造中であるとの情報を発表した。

実際上、第2隻目の空母はとっくに世の人に熟知されており、国防部の今回の情報の発表は正式に確認したに過ぎない。軍事マニアにとって、情報自体の意味は大きくない。当然、かつてアメリカ空母の数を数えながらおびただしくよだれを垂らした老軍事マニアとして、筆者はこの情報を聞いてやはり興奮と感動を感じた。

この情報の確認が得られるのと共に、軍事マニア界は中国第2隻目の空母の性能に対しまた新たな推測を展開している。筆者には何ら内幕の情報はなく、ここでは一般的な軍事科学技術の発展という角度から、この第2隻目の空母の性能に対し概括的な分析し、この空母は遼寧号と比べ、見所はどこにあるのかをおしゃべりしたいだけである。

まず、最大の見所は艦載機の数のはずである。

周知のように、空母の作戦能力は空中の支配、打撃能力の上に集中的に体現される。空母自身の設計、空母艦隊の戦術は、いずれも空中の支配、打撃能力をめぐって展開される。その他の方面の能力は添え物としか評価できず、空中の支配、打撃能力を確保する前提の下で併せ配慮されるものである。

世界第一の空母大国であるアメリカの空母をもって照準の対象とすると、就役して長年のニミッツ級空母も、2015年に進水したばかりのフォード級空母も、共にこの方面の能力を極端に重視していることに気付くことができる。ニミッツ級を例にすると、艦載戦闘/攻撃機、早期警戒機、ヘリを除くと、全部の武装は3基の8連装シースパロー対空ミサイル発射装置、3基のファランクス高射機関砲、3基のRAM対空ミサイル発射装置しかない。艦載火力は全部空母自身を防衛するポイント防御武器である。

遼寧号はロシアのワリヤーグ号空母の艦体を基礎に維持修理、改造してできたものである。この艦は旧ソ連時代に設計され、ソ連海軍力量が相対的に薄弱で、突出した単一の艦の火力を必要とするという実際の状況の制約を受けて、この艦は設計当初からもう一部の空中作戦能力を犠牲にして打撃力を強化するやり方を採った。中前部甲板下部には12発のSS-N-19「花崗岩」式大型対艦ミサイルが配備された。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「SS-N-19『花崗岩』式対艦ミサイル発射器のワリヤーグ空母上での位置」)

このミサイルは威力が非常に大きく、西側の人は戦々恐々として「海難」というこの恐るべきあだ名をそれに賦与した。だがこの長さ10mに達し、重量7トンに達する巨大なミサイルはワリヤーグ号上で非常に大きなスペースを占め、空母の機格納庫の面積を深刻に圧縮し、艦載機の数を制限した。同クラスのロシア現役空母クズネツォフ将軍号は、標準排水量が5万トンを超えるのに、52機の艦載機しか搭載できず、さらにそのうち一体何機がスホーイー33というこの戦闘機であるのかは非常に言い難い。比較すると、標準排水量たった3万トンあまりのフランスのドゴール級空母は、搭載する艦載機の数が40機を超え、このうち24機はラファール式戦闘機である。

遼寧号がどのくらいの戦闘機を搭載できるのかはまだはっきりしないが、先天的不足の影響を受けて、最終的な数字はあまり人を興奮させるものではないだろうと信じる。

一方中国第2隻目の空母は(これは国産第1の空母でもあるが)設計方面でこの要素の制約を全く受けないだろう。この級の空母の寸法とトン数が基本的に遼寧号と同等であると見積もると、艦載機の数の上で遼寧号をはるかに超えることは必定である。2個艦載機中隊を同時に搭載し、1つは制空を担当し、1つは打撃を担当することが実現できるかもしれない。

(頑住吉注:これより2ページ目)

このため、中国初の真の意味での国産空母は、作戦能力の上から言って、遼寧号に比べ大幅な向上があるものになる。

見所その2、艦載早期警戒機があるべき。

ロシアには真の艦載早期警戒機は決してない。旧ソ連解体ゆえに、性能が高い「ホークアイスキー」Yak-44は中途で夭折し、1993年に研究開発計画が取り消され、原寸大の木製模型だけが残った。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「腹の中で胎児のまま死んだYak-44艦載早期警戒機」)

ロシアの空母上で早期警戒任務を担うのはKa-31式早期警戒ヘリである。この早期警戒ヘリは作戦半径がたった150kmで、レーダーは110km前後の距離しか探知計測できない。言い換えれば、このヘリの最も遠い探知計測距離は本艦から250kmの距離にしか到達できない。しかも最大滞空時間の制約を受けて、最大作戦半径上に最多で1時間前後しか留まることができない。この早期警戒ヘリを使用するロシア空母をE-2「ホークアイ」式早期警戒機を使用するアメリカ、フランスの空母と比べると、正真正銘の「近視眼」である。自身の防空作戦の需要をかろうじて満足させられるが、遠距離打撃を発起する力は基本的にない。

しかし、結局のところないのに比べれば強いのである。Ka-31は脚が短く、近視だが、結局のところ空母自身の遠距離低空探知計測能力の不足を補うことができる。同様にロシアから空母を導入したインドは、相次いで2回ロシアから10機あまりのこの早期警戒機を購入しており、空母上に配備している。

ロシアメディアの報道によれば、中国も2011年に9機のこの早期警戒機を導入した。またある噂は中国が直ー8式ヘリを基礎に、類似の製品を研究開発中であるとしている。だが導入でも自作でも、艦載早期警戒ヘリの性能は結局のところ人を満足させ難く、せいぜい有無の問題を解決する過渡的製品でしかありえない。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「直ー8式ヘリ。ロシアメディアの伝聞では中国はこれを基礎にK-31に似た早期警戒ヘリを研究開発中である。」)

認識すべきなのは、現段階の中国の海上の脅威は主にまだ「近洋」区域から来る、ということである。この区域の中で、陸上基地の空警ー2000というこの遠距離大型早期警戒機は完全に空母艦隊の作戦とコンビネーションすることができる。中国の固定翼早期警戒機に対する需要は決して切迫したものではない。まさにこのため、近年来中国には早期警戒機研究開発方面で長足の進歩があったが、決して艦載固定翼早期警戒機は登場していないし、関連の噂さえない。

だが中国海軍は遅かれ早かれ第二列島線を突破し、全世界に向かう必要がある。固定翼早期警戒機の研究開発は焦眉の急ではないが、それにもかかわらず極めて現実的な、必ず行わねばならない趨勢にある。

もし遼寧号上で固定翼艦載機を試験するなら、必然的にオリジナルの艦の設計の制限を受け、「足を削って靴をはく」しかない。早期警戒機の性能は現有の発着条件に対し非常に大きく譲歩する必要がある。だが新たな空母は違う。この空母は中国が自ら設計建造するのであり、設計当初からもう固定翼早期警戒機を艦に搭載する問題を考慮することができる。早期警戒機に非常に大きな操作の空間を留保してやることができるのである。

新たな空母就役当初、決して固定翼早期警戒機は艦上で就役しないかもしれないと予見することができる。だが、就役してほどなくもう固定翼早期警戒機が艦に搭載されて試験をする可能性が高い。

見所その3、電磁カタパルト。

アメリカを除き、その他の国はすでに艦載機カタパルトを生産する能力を持っていない。遼寧号上にカタパルトは決してなく、艦載機はスキージャンプ発進するしかない。ロシアが生産するその他の空母も全てこの種の発進方式を採用するしかない。

(頑住吉注:これより3ページ目)

カタパルト発進に比べ、スキージャンプ発進は搭載できる燃料、弾薬が限られ、深刻に打撃距離に影響する。燃料や弾薬を満載した飛行機が発進できるため、ロシアは空母上に1本のほとんど全飛行甲板を縦貫する発進用滑走路を計画した。かろうじて満載での発進を実現できたが、艦載機の出動率は大きく割引になった。しかも発着の作業が同時進行できないという結果をもたらし、任務計画上も非常に大きな代価を支払った。

さらに深刻なのは、スキージャンプ発進式空母は艦載機を発進させる時、全速で風に向かって進むことが必須だということである。空母が長時間等速直線運動を保持することは、戦術上より大きなリスクを冒す必要がある。

このため、カタパルト技術は中国がずっと夢にまで見たものである。面前に置かれた選択肢は2種類あり、1つはアメリカが現在採用する蒸気カタパルト技術、もう1つは電磁カタパルト技術である。

蒸気カタパルト技術は比較的成熟しているが、この技術は大量の淡水を消耗し、しかもカタパルトの検査修理、維持保護の間隔が非常に短い。同時に大量の細かな問題が解決を必要とするため、この技術を採用するのは基本的にメリットよりデメリットの方が大きい事に属する。一方電磁カタパルト技術は中国の必然の選択となる。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「アメリカが製造する蒸気カタパルトは使用、メンテナンスがいずれも非常に面倒である」)

近年来、中国には高温超伝導技術方面で非常に大きな突破があった。電磁カタパルト技術はすでに成熟している可能性が高い。少し前の第17回中国工業技術博覧会で、上海超伝導社は艦載機電磁カタパルトを説明する模型さえ展示した。ある情報は中国第2隻目の空母は依然スキージャンプ発進甲板を使用することになるとしているが、これは決して新たな空母の上にカタパルトがないと決まったこととイコールではない。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「博覧会でメーカーが展示した電磁カタパルトを説明する模型」)

1つ目に、電磁カタパルトは蒸気カタパルトと異なり、電磁レールを小幅に湾曲して設置することは不可能なことではない。2つ目に、もし現在電磁カタパルトの技術がまだ装備するほどの成熟の程度に到達していなかったとしても、中国がこの空母を設計する時、将来的に電磁カタパルトを追加装備するスペースをあらかじめ設けることは決して妨げられない。

中国の新たな空母は依然スキージャンプ発進を採用する可能性が高いが、1本の試験用電磁カタパルトを装備する、あるいは最低電磁カタパルトの装備位置をあらかじめ留保しておく可能性が高い。

見所その4、原子力動力。

通常動力に比べ、原子力動力は確かにより「面倒」である。設計上、原子力空母は炉心を交換するルートをあらかじめ留保する必要があり、いかにして輻射を遮蔽するかを考慮し、かつ最大限反応炉が漏洩しないこと(頑住吉注:何か変ですが直訳です)を確保する必要がある。使用上、原子力動力空母上の少なからぬパイプラインは輻射のため寿命が短縮し、仕事を増やして検査修理し交換する必要がある。さらに何らかの時間かごとに非常に長い時間を費やして反応炉の炉心を交換する必要がある。

だが通常動力に比べ、原子力動力はそれにもかかわらず極めて顕著な戦術上の優勢を持つ。原子力動力艦艇は航続能力がほとんど無限で、給油を必要としない。空母の艦長は随時燃料の消耗状況に関心を持つ必要がなく、随時給油船はどこかと質問する必要はない。随時全く心理的圧力なく全速航行ができる。

艦用燃料を搭載する必要がないので、原子力空母上ではより多くのスペースが航空燃料や弾薬の搭載に用いることができる。自力持久力や持続作戦能力は通常動力空母に比べいずれも極めて向上する。これは戦術上非常に大きな優勢である。

中国は過去空母上で使用する原子力動力装置を設計したことはないが、中国の原潜はとっくに就役し、艦用核反応炉技術は相対的に成熟し、空母上に移植して運用することは完全にできる。フランスのドゴール級空母上で使用される核反応炉もルビー級攻撃原潜の動力装置の拡大型であり、すでにこの道を行くことが完全にできることを証明している。

(頑住吉注:これより4ページ目)

いかなる公開の資料も、中国が自ら設計建造を行う第1隻目の空母が原子力動力を採用することを示してはいない。だが我々は少なくともこれに対し一定の期待を抱くことはできる。

見所その5、艦載機。

遼寧号上で使用されるのは殲ー15「フライングシャーク」式艦載機で、依然スホーイー27の大規模改良型である。現在見たところ、この艦載機は決して立ち後れていると評価されない。だがスホーイー27は旧ソ連が1970年代に設計し、80年代に就役したものである。その設計理念は1960年代末にすでに形成され、すでに現在とでは40年あまりもの長い距離がある。改良を経て、国際的に依然先進的な戦闘機の1つと評価される。だが継続して深堀りする余地はすでに基本的になくなっている。

第5世代戦闘機は4Sを具備することを要求する。すなわちステルス、超音速巡航、超機動能力、スーパー情報能力である。殲ー15はあるいはベクトルエンジンへの換装、飛行コントロールソフトウェアの改良、電子戦技術装備の向上などの手段によってかろうじてスーパー機動能力とスーパー情報能力を獲得できるかもしれないが、ステルスと超音速巡航というこの2項目は、原型機の設計上の制限を受けて、基本的に願っても得られないものである。

中国は第5世代戦闘機研究開発方面で世界の前列を行っており、すでに2機種の第5世代戦闘機が明るみに出ている。このうち大型双発ステルス戦闘機は今年、来年の2年でに正式就役する可能性が高く、中型ステルス戦闘機もとっくに試験飛行している。一方国産空母はまだ何年かの時間を必要とする。その時になれば、空母上に降着できるのは殲ー15に止まらない可能性が高い。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「まだ真の機種名が知られていない中型ステルス戦闘機」)

中国が自ら設計建造を行う第1隻目の空母には、中国軍事マニアの無数の期待が寄せられている。それは現在まだ霧に閉ざされているが、今後何年かのうちにこの空母は1回また1回と我々の視野に出現するだろう。その面容もどんどんはっきりしてくるだろう。


 例えば初の国産空母は遼寧艦の設計をベースにしているので元々対艦ミサイルのスペースがあった「要素の制約を全く受けない」わけにはいかず、少なくとも多少は受けるだろうと思われますし、スキージャンプ発進とか通常動力とか中国国防部スポークスマンが公式に認めていることに対しても無理により先進的である可能性を想定しておりちょっと苦しいですね。しかしまあそれだけ中国初の国産空母に対する期待度が大きいということなんでしょう。














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