北朝鮮の「水爆実験」の中国に対する不利な影響とは

 まあ有利な影響はなさそうですね。

http://military.china.com/critical3/27/20160111/21119360.html


北朝鮮核実験の結果は深刻:5大困った状況は何故中国につきまとうか

最近北朝鮮は「成功裏」に「水爆」試験を行い、これはすでにオバマ任期内に北朝鮮が行った第3回目の核実験である。分析者は平壌が試験爆発させたのが水爆だとの説に懐疑を表明しているが、皆が基本的に同意する点は、北朝鮮の核計画と規模の複雑さの程度がオバマ大統領の期間常に向上があった、ということである。そしてこの種の状況の出現は、明らかに周辺の各国の利益に符合せず、地域情勢に対する影響が非常に大きく、甚だしきに至っては本来もう「アジア太平洋地域再バランス」策を執行していたアメリカの既定の政策を改変するだろう。当然、米日韓三国は予想通り座視できず、次々に北朝鮮の核実験に対し公然と強力な非難を行い、甚だしきに至ってはさらに彼らが北朝鮮に対し影響力を有すると考える中国に対し不満を表明している。たちまちのうちに中国にも倍加した圧力を感じさせている。現実的に見ると、北朝鮮の核実験は5大悪い結果を生じさせることになり、北朝鮮を国連に制裁される状態に陥れるだけでなく、中国の地縁安全情勢も迅速に悪化させることになる。

まず、半島情勢を激化させ、韓国をより緊密に米日同盟に指向させ、米日韓戦略の三角形の形成を加速することになる。本来、中国の攻勢の下で、韓国は米日の積極的な味方への引き込みに対し非常に躊躇していた。何故なら韓国は過度に中国を刺激することは全く望まないからである。だが北朝鮮の核実験後、韓国大統領朴槿恵は当日、北朝鮮の核実験は「東北アジアの安全構造をかき乱し、かつ北朝鮮核問題の性質を根本から改変する可能性があり、韓国は国際社会と共同で強く有力な制裁措置を採って断固対応を行うだろう」とした。このことから、半島の緊張した情勢が再度ヒートアップすることは難なく想像でき、一方韓国もきっとその中米間を徘徊する現状を改めて注視するだろう、ということが見て取れる。北朝鮮の核実験はアメリカに、「アジア太平洋地域再バランス」戦略の推進、米韓日三角軍事同盟の加速しての建立に極めて良い口実を与えたと言うことができ、日本はこの機を借りてさらに一歩軍拡、武力を増強する行動を加速させる可能性が高く、名目は「対北朝鮮」だが実は対中国なのである。このことは高度の警戒を必要とする。

その次に、韓国と日本が核武装を考慮することを刺激し、地域の核情勢をさらに複雑化させさる。一般的状況下では、米軍が核の傘を提供しているため、日韓両国はさらに自ら核兵器の開発を行うことはできず、しかもアメリカも彼らがそうすることを許さないだろう。しかし、北朝鮮の核実験はアメリカとその東アジアの盟友である日本と韓国との安全保障関係に対し深遠な影響を生じさせ、日韓両国に北朝鮮の核の脅威を口実に、あるいは公然とあるいは密かに核兵器開発の意図を持たせることになる。両国はいずれも北朝鮮に比べずっと強大な核に関する能力を持つため、もしアメリカが彼らを放任したら、両国は短時間内に北朝鮮に比べさらに凄い核兵器を開発することになり、このことは中国の安全に対し重大な隠れたリスクをもたらすことになる。同時に、戦略上北朝鮮の今回の核実験は極めて大きくアメリカと日本および韓国との間の安全保障関係に影響する可能性があり、きっと北朝鮮の核の脅威に対応することを名目に一連の新たな軍事挑発を行うだろう。例えば北朝鮮をめぐりより大規模な軍事演習を行う。そしてこうしたことは、いずれも間接的に中国の利益に脅威を与える。

その3として、韓国は自身の核からの安全のため、アメリカに戦略核兵器の配備を要請することになる。アメリカは1990年代初めに韓国に配備した核兵器を撤去した。北朝鮮が毎回核実験を行うといつもアメリカが改めて韓国に向け戦術核兵器を配備するよう促す声が高まり、一方韓国国内にもこの種の支持の声が徐々に生じ、現在この声は以前に比べより高いかもしれない。韓国も再度空前の圧力に遭っており、もし北朝鮮が継続して核兵器開発に入れる力の度合いを拡大するのを放任したら、韓国が受ける核の脅威は解消できなくなり、このことはアメリカの核力量の助けを借りて実現することを必要とし、このためアメリカの核兵器にはまた朝鮮半島に回帰する契機が生じる。今回の北朝鮮の核実験後、米韓の軍はすでに公然と朝鮮半島に向け米軍の戦略力量を出動させる問題を討論している。米軍が半島に向け出動させられる戦略力量には原潜、B-52遠距離爆撃機、F-22ステルス戦闘機が含まれるとされる。こうした力量の韓国進駐は公式には北朝鮮に対応することだが、こうした大殺器を北朝鮮に対応するのに用いるのは牛刀で鳥を割くと言うことができ、真の目的あるいは最大の作用は疑いなく中国とロシアに対応するのに用いることである。このような近距離内にこうした戦略武器を配備されることは、中国やロシアを非常に不安にさせるが、米韓の口実もまたそれにもかかわらず十分に正当で、両国は反対や非難をすることが非常に難しい。

その4として韓国は、韓国に「THAAD」システムをアメリカに配備させることを考慮せざるを得ない。韓国に「THAAD」ミサイル防衛システムを配備することは、ずっとデリケートな話題で、何故なら中国が断固反対するからである。だが北朝鮮の第4回核実験後、アメリカはすでに再度韓国に配備方案を考慮するよう要求しており、一方韓国の態度にも変化があり、現在一切のあり得る選択肢を考慮中である。一方韓国国内でもある声が形成されつつある。それは今北朝鮮が挑発を行い、これはまさに中国を説得する良いチャンスだというものである。だが外交のデリケート性ゆえに、この問題はずっと棚上げされており、何故なら中国が「THAAD」システムの配備は中国の安全の利益に対する脅威だと考えているからである。この装備のレーダーは最も遠くて2,000kmに達する距離の弾道ミサイルが探知計測でき、探知計測距離は中国の奥地に深入りすることができる。このため、中国はずっと不断に韓国に向け圧力を加え、韓国にこのように配備することを拒絶させている。だが現在、巨大な核の圧力ゆえにもはや韓国に中国の受け止めに遠慮させることはなくなり、したがってアメリカには再度韓国に向け「THAAD」ミサイル防衛システムを配備する可能性を生じさせている。

最後に、世界各国の声を揃えての反対のため、国連の圧力の下、北朝鮮に対する制裁はより厳しくなり、中国も止むを得ず制裁に入れる力の度合いを強め、したがって中朝関係をさらに一歩疎遠にさせる。北朝鮮核実験後、米韓が北朝鮮核実験問題を国連安保理に提出するのは考えれば分かることである。現在まだ米韓日がどんな種類の制裁方案を提出するか予測し難いが、厳しさの程度は必然的にこれまでを超えることになる。同時に、米韓日などの国はさらに北朝鮮に対する単独制裁措置を追加する可能性が高く、しかもさらに多方に圧力をかけ中国が北朝鮮に対する制裁の範囲と入れる力の度合いを拡大するよう要求するだろう。これは全く疑問のないことである。将来もし北朝鮮が独断専行で勧告や引き留めを聞き入れず、かつ対外政策上どんどん過激になったら、中国は断固たる措置を採る可能性が高い。しかも、「牡丹峰楽団事件」は、中朝双方の最高クラスにおける文化交流がすでに急停止していることをも説明しており、このことは中朝双方がもはやすでに非常に多くの問題に配慮しないことを示している。北朝鮮は半島の非核化を破壊し、中国も経済上もはや北朝鮮に無償援助しないだろう。このことは必然的に中朝関係を激化させ、両国関係が複雑で低調な期間に陥っていることは、すでに否認し得ない事実である。

現在北朝鮮が強引にも恐れを知らず「水爆試験」を行ったことから見て、アメリカ政府はこれは「中国の対北朝鮮政策の失敗」だと考える。何故なら中国は事前に北朝鮮の通報も得ていなければ、北朝鮮が軍事的冒険を行う企図も制圧しておらず、このことは当然中国を非常に不快にもさせるだろう。今、北朝鮮は人の話も聞かず、しかも国際社会から来るどんどん大きくなる圧力は中国によって非常に大きな一部分が引き受けられることになり、このことは必然的に中国が全く選択の余地なく国際社会の歩みに追随して北朝鮮に対する圧力に入れる力の度合いを拡大することをもたらす。だが、中国は一切をまだ過度にやることはできず、現在の目標も北朝鮮を孤立させるあるいは抑止することではなく、北朝鮮に各方と共に半島非核化を推進させ、半島の平和と安定を維持保護させようとすることである。このため、中国は継続して特殊なルートを通じ作用を発揮し、最大の努力を尽くして6カ国協議を再始動させるが、これには北朝鮮およびその他各方の共同の努力を必要とし、それでやっと実現できるのである。分析は、日韓両国の督促の下、アメリカの関与の下、国連は迅速に一連の新たな制裁措置を通過させるだろう、しかも中国も史上前例のないことだが北朝鮮に対する厳しい制裁の行列に加入することになるだろう、と考える。一方一貫して敗北を認めない北朝鮮は、あるいは再度新たなミサイル(衛星)発射計画を行うことを準備し、もってこれを道具に、国連やあらゆる発射核問題当事国と駆け引きを行うのに便とすることになるかもしれない。このことから見て、北朝鮮核問題各方全部に座って談判を行うよう促したければ、中国がより大きいポジティブな作用を発揮することを必要とするのは必定である。もし事態に一定程度の好転が出現しなかったら、前述の5大悪い結果は、徐々に顕在化し、したがって中国とアジア太平洋地域情勢により大きな変数をもたらすことになるだろう。(ソース:軍評 陳光文)


 日本はとにかく北朝鮮を非難していればいいんですから楽ですが、韓国も中国もそれぞれの難しい立場に置かれているわけですね。アメリカでもオバマ政権の対北朝鮮政策失敗論が強まっているようですし、大統領選挙にも影響する可能性がありそうです。しかし核実験からしばらく経つのに具体的制裁内容に関する話はあまり出ませんね。













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