東風-21D対艦弾道ミサイルの意味とは

 他にも強力な、また空母を攻撃可能とされるミサイルがいくつか出現し、相対的に注目度が低下しているようではありますが‥‥。

http://military.china.com/important/11132797/20140115/18289953.html


中国の東風-21D対艦ミサイルの5大優勢 アメリカ空母をもはや安全ではいさせない

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「東風-21D対艦弾道ミサイルは世界で唯一成功に近づいているかもしれない対艦弾道ミサイルである。」)

2013年末、アメリカの「エア&スペースパワー」誌は文章を掲載していわゆる中国の東風-21D対艦弾道ミサイルのアメリカ海軍空母戦闘群に対する脅威を紹介した。文中では東風-21Dの各項目の性能指標と作戦使用が詳細に分析され、かつこれを「冷戦後初の、米軍海上戦力投射能力を阻止するポテンシャルを持つ武器」と称している。近年来、中国の新式武器は次々に現れて尽きないが、なぜアメリカはいわゆる東風-21D対艦弾道ミサイルに対してのみかくも関心を注ぐのか? この疑問を解決するには、我々はまず空母の価値から語り始める必要がある。

空母の価値をはっきり認識する

空母はアメリカの海権思想の究極の体現であり、その戦略的価値は戦術的価値よりはるかに高い。空母が勝利をもたらすという論の人は無限にその戦略的用途を誇大化しているが、空母無用論の支持者はその戦術用途だけを見る。

空母戦闘群の打撃目標にしようとするには、まずいくつかの条件を満足させることが必須である。全世界の88%の人口と80%以上の国の首都は海岸線から1,000kmというアメリカ空母艦載機の打撃範囲内にあるが、空母の打撃目標に列することができるものはほんのわずかである。

攻撃作戦の中では、空母の戦場における効率は戦略爆撃機、潜水艦から発射される巡航ミサイル、米軍の駐海外基地から発進する陸上基地実戦機よりはるかに低く、甚だしきに至ってはアメリカ陸軍のM1戦車でも完成できる占領任務を空母は完成させられない。

防御作戦の中で、十何隻かの軍艦が組成する膨大な艦隊、および30ノット前後の「亀のような速度」は、それを最も良い的にする。その防御層の数は充分に多く、防御半径は充分に大きいのではあるが、海上にいて他人が飽和攻撃をするのに任せ、希望を全て搭載手段に寄せたきりにする、というのは兵法上の大タブーである。

空母戦闘群の建設思想と構成はその戦術的劣勢と戦略的優勢を運命付けた。戦術上、それは多種の作戦模式、対艦、対空、対地作戦を持ち、戦場の万能選手ということができ、まさにその「万能」ゆえに、それを「何でもOK、何でも軽々の万能薬」とさせている。

戦略上、空母戦闘群には生まれつき備わった優越性があり、すなわち相手を恐れさせる存在感である。三位一体の核打撃力量も国家の究極の戦略武器であるが、それらには1つ致命的欠点がある。見光死である(頑住吉注:ネットスラングらしく、意味は生命力脆弱、あるいは特定の成長環境に対する依存度が高いことだそうです)。いかなる国も戦略原潜あるいは陸上基地核ミサイルの発射陣地を公開することはなく、このためそれらは隠形の威嚇に属する。ここ何年かの国際的衝突の中で、いくつかの中小の国と地域は甚だしきに至ってはその威嚇の無視を選択しており、空母戦闘群はまさにこの点で充分な震撼作用を持つのである。

他国との衝突の中で、アメリカ大統領が最初に言う言葉は「我々の空母戦闘群はどこか?」である。アメリカの国際戦略の中でのそれに対する依存度が見て取れる。

アメリカ空母戦闘群の、中国というこのような地域性の軍事強国に対する最大の作用は戦略的威嚇であり、これは何度にもわたるアメリカ海軍と日本、韓国、フィリピンなどの国とが周辺海域において行う軍事演習から見て取れる。アメリカが中国に対し不快に感じるたびに、すぐその空母戦闘群を派遣して中国の面前で「存在感を怒刷」する(頑住吉注:辞書には載っておらず、検索すると無数にヒットしますが意味を説明したページは全く見つかりません)。

これに対し、著名な安全保障業務専門家喬良は次のように言っている。「アメリカにとって、その最も強大な武器はドルであり、空母は飾りに過ぎない。1980年代、アメリカの国防長官ワインバーグは、空母は海上に漂う『生きた棺桶』に他ならず、現在世界のそれぞれの大国は全て空母を撃沈する能力を持ち、これには中国が含まれる、と言ったことがある。アメリカがもし空母を中国付近海域に進めたら、その一挙一動は全て中国の監視下にあることになり、これは中国軍のために練兵の機会と生きた的を提供することである。この種の空威張りは可笑しい。」

アメリカ空母戦闘群の中国に対する戦略的威嚇に対しては、いわゆる東風-21D対艦弾道ミサイルの威嚇に対する対抗作用がはっきりとより重要になってくる。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは本文の一部を切り取ったものなので省略します。)

空母打撃の難度は高い

対艦弾道ミサイルは主に海上目標の攻撃に用いられる。その最大速度はマッハ10に達し得るので、現在まだ有効な防御手段はない。

1960年代、ソ連は世界初の対艦弾道ミサイルSS-NX-13を研究開発した。射程は700〜1,100kmで、主に空母艦隊の攻撃用だった。SS-NX-13の研究開発は1974年までかかってやっと終わったが、決して装備され、就役することはなかった。

対艦弾道ミサイルの研究開発および製造の中での最大の難点は末端制御誘導システムにある。同じ制御誘導レベルと妨害条件の下で、マッハ2の超音速対艦ミサイルの末端制御誘導時間は、マッハ0.8の亜音速ミサイルに比べ60%前後少なくなる。だが対艦弾道ミサイルの末端制御誘導システムに対する要求はさらに高いのである。

大気圏再突入時、非常に大きな空気抵抗を受けるため、弾頭の速度は急速に低下し、過負荷が比較的大きいので、重力加速度は数十に達し得る。ミサイルの末端制御誘導システムは高度に精密なセンサーに属し、それが過大な過負荷を受け入れられるか否かは1つの難題である。ある専門家は、対艦弾道ミサイル制御誘導システムを重力加速度が数十の作動環境に適応させるのは非常に困難な任務である、と指摘する。

アメリカの某ウェブサイトが2009年1月に掲載した「超視距離レーダーと対艦弾道ミサイル」という題の文章は、対艦弾道ミサイルシステムが空母を打撃する第一歩は、偵察衛星がレーダーを用いて目標を確認し、決して絶えることなく発射された対艦弾道ミサイルの方位に関するデータを提供することだ、としている。

海上の空母はずっと運動中であり、対艦弾道ミサイルは射撃諸元をインプットする時、照準ポイントを空母の活動範囲内のある1つの確定されたポイントに選択するしかない。ミサイルが目標区域上空に到達するのを待った後、さらにミサイルが自ら搭載する末端制御誘導システムに頼って目標を捜索するのである。

ミサイルの末端制御誘導弾頭の探知計測距離は一般に20〜60kmである。対艦弾道ミサイルが弾頭を空母から60km以内、甚だしきに至ってはより近い距離の区域まで到達させられるか否かが、空母攻撃の重要なカギとなる。

SS-NX-13を例にすると、ミサイルの飛行速度をマッハ4と仮定するとミサイルが1,100kmの最大射程のところに到達するまでの時間は約13分間である。さらに空母が30ノットの速度をもって航行していると仮定すると、この時間内の航行距離は13km前後である。

対艦弾道ミサイルの飛行速度に比べると、空母のこの航行距離はほとんど軽視して計算に入れないことができる。理論上は偵察システムがひとたび目標を発見するや直ちにミサイルを発射しさえすれば、ミサイルが空母に命中する可能性は完全にあることになる。

だが現実は決してこうではない。結局のところ偵察衛星が目標を発見してから対艦弾道ミサイルを発射するまでには時間が必要で、こうした時間を加えると、ミサイルが発射されてから目標区域に到達するまでの時間に比べずっと長くなる。

また、弾頭を空母からの距離が末端制御誘導が有効な範囲内に送り込む必要がある。対艦弾道ミサイルは中段弾道修正能力を持ち、かつ空母の運動状況を根拠に飛行弾道を調整し、弾頭を攻撃目標にさらに近づけることが必須である。この目標の実現のため、SS-NX-13は研究開発過程で全過程慣性制御誘導を採用し、末端段階の飛行時にはレーダー誘導弾頭を使用して目標に対する自動捜索を行った。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは本文の一部を切り取ったものなので省略します。)

重要なのは彼らに知らせること

「エア&スペースパワー」誌は、中国の東風-21Dの最大の優勢は5点ある、と考える。すなわち、1つは射程が長く、発射プラットフォームが機動化されていること。2つ目はミサイルの飛行が極超音速に達し、空母艦隊の早期警戒時間が短いこと。3つ目は末端高速機動防御突破で、アメリカ空母艦隊にはまだ有効な迎撃手段がないこと。4つ目は威力が大きく、1発命中すれば基本的に空母の戦闘力を喪失させることができること。5つ目は通常複数発、多機種のミサイルの一斉射撃、飽和攻撃戦術が採用され、空母艦隊が防御の任に堪えないこと。

アメリカ海軍学会研究レポートは、東風-21Dの威力は非常に大きく、搭載する弾頭は巨大な軍艦に対し相当大きな破壊をもたらすことができ、したがって中国に1回の打撃でもうアメリカ空母1隻を破壊できる能力を持たせる、と考える。

威嚇に対抗する最も有効な措置は威嚇し返すことである。著名な安全保障業務専門家羅援は、「一部のアメリカ人は表面上我々の東風-21Dに対し一顧だにしていないが、実際には彼らはこのミサイルを非常に重視している。あるアメリカの評論員はかつて、東風-21Dの出現後から、アメリカがアジア太平洋地域で武力を誇り威勢を示す時代はすでに過ぎ去った、とした。」と語る。

このため、いわゆる東風-21D対艦弾道ミサイルが有効にアメリカ空母を攻撃できるか否かは決して重要ではなく、最も重要なのはアメリカ人に、自分たちの空母戦闘群がもはや安全ではない、と知らしめることなのである。

(頑住吉注:以後のページの画像のキャプションは本文の一部を切り取ったものなので省略します。)


 うーん、ぶっちゃけブラフでもいいっていうことですかねー。しかし「技術的にどう考えても無理」だったら意味ないのでは。このミサイルに関しては、総合的に明らかに中国より軍事技術が優れているアメリカ、ロシアにも作れないものを中国が作っていると称していることがどうしても納得いかんのですが。

















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