超大型の輸送機は戦略投入に必須?
運ー20だけではダメというのはよく言われることですが。今回も2回に分けます。
http://military.china.com/important/11132797/20160616/22886001.html
運ー20の他に、中国はさらにA350やアントノフー124のような大型機を必要とする
一、中国はアントノフー124に似た400トン級戦略輸送機を必要とする
1.ロシア軍のシリアでの経験は、200トン級輸送機の能力には依然限りがあることを証明している
運ー20の就役は、イリューシン-76の数が限られ、中国の200トン級大型戦術輸送機が深刻に不足している問題を解決しただけでなく、しかもさらに大型メインバトルタンクを空輸する能力を持った。イリューシン-76に比べ、これは非常に戦略的価値を持つ突破である。だが別の方面では、1990年代以後の何度もの国際的な戦争の経験から見て、アメリカやロシアが行う戦略力量の空輸は、いずれも400トン級の大型戦略輸送機に非常に依存している。
(頑住吉注:原ページのここにある1枚目の画像のキャプションです。「画像:アントノフー124なくして、ロシアにシリア情勢を逆転させる能力はなかった」 続いて2枚目。「画像:ヘリは単に自身に頼ったのでは1,000km以上の飛行を完成させることはできず、しかも大型ヘリはアントノフー124のような戦略輸送機を必須としてやっと積み込むことができる」)
今まで持続するシリアの動乱の期間、ロシアはアントノフー124やイリューシン-76の空輸能力に頼って、国をまたいで大量の兵力(地上武装部隊、スホーイー30など戦術飛行機の保障物資や人員を含む)をシリアに投入し、シリア情勢の方向性を完全に逆転させた。だがこの過程の中で、アントノフー124の何ヶ月かのうちに1万トンあまりの物資を輸送する能力、特にメインバトルタンクや比較的体積の大きいヘリを輸送する能力は、イリューシン-76では取って代わることのできないものだった。
ロシア軍がアントノフー124を重視し頼っているだけでなく、関係が良好だった時、アメリカ、フランスなどの西側の国の軍隊もかつてロシアのアントノフー124を賃借して軍事物資を遠距離投入した。
2.米軍の経験は、最大離陸重量の隔たりが100トンを超えると、大型輸送機の性能では取って代わり難いことを証明している
この方面のより説得力ある視点はアメリカから来る。アメリカは1960年代に400トン級の大型輸送機C-5ギャラクシー(最大離陸重量379.6トン、後のアントノフー124の400トンよりやや小さい)を開発し、この飛行機は輸送力が驚異的だったが、自重が大きすぎる(空虚重量170トン)などの要素により、日常の使用コストが非常に高く、例えば燃料消費が特別に大きく、タイヤ、ブレーキなどの消耗速度が極めて速かった。
(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「画像:C-17(下)は依然C-5(上)に完全に取って代わることができないことが証明されている」)
さらに加えてこの飛行機の発着場所に対する要求は非常に高く、野戦滑走路上には降着できず、貨物を後方の後方勤務中枢基地に下ろし、さらに前線に別の手段で輸送するしかなかった。そこでアメリカは最大離陸重量が270トンを超える、実際上は300トン級と評価できる大型機であるC-17輸送機を開発した。この機は直接大型メインバトルタンクなどの物資を、海をまたいで前線の野戦滑走路に輸送でき、戦略輸送能力の戦術的前線への直接到達という突破を実現した。
(頑住吉注:これより2ページ目)
(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「画像:C-17のセールスポイントは最大離陸重量にあるのではなく、それが全世界で唯一の戦術輸送機の発着能力を持つ戦略輸送機だというところにある。」 これ前のページの末尾の画像のキャプションでしょう。)
C-17自体の設計は非常に成功し、使用中も賞賛を嫌というほど受けた。だが別の方面でC-17は、110トンの最大離陸重量の隔たりは軽視することのできない性能の差異であると証明もされた。すなわち、高強度の戦略輸送任務の中で、C-5の重要性は依然取って代わることができなかったのである。
3. 400トンは中国の未来の戦略輸送機の性能とコストの比較的良い妥協点
軍用輸送機は特大の寸法の装備(例えば大型軍用車両)の輸送、空中投下能力、および比較的強い発着能力に重点を置くので、上翼単葉設計、肥大した機体などの設計の採用が必須で、抵抗と重量、製造コストは元来民間用旅客機、貨物機の設計より顕著に高くなるだろう。この種の軍用輸送機の経済的劣勢はトン数の増加と共に拡大し、このため戦略輸送機は決して大きければ大きいほど良いわけではなく、トン数と性能、コストの間で妥協点を捜し当てる必要がある。
(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「画像:600トンのアントノフー225であっても、それは実はやはり経済性の考慮の下の産物である。飛行機がさらに高価になっても、道路をうまく修理し、陸上から暴風雪スペースシャトルをカザフスタン国内の発射場まで輸送するのに比べればずっと割に合うし、甚だしきに至っては道路の修理は工程的実行可能性がない。だが軍事輸送に用いる上では、それは全く引き合わず、ソ連軍さえこのようにはしなかった。」)
すでに運ー20というこのような最大離陸重量200トン超、しかも大型メインバトルタンクを輸送できる大型戦術輸送機ができた後、300トン級輸送機は中国にとって比較的コストパフォーマンスのないものに変わると言える。300トンおよび400トンの飛行機の研究開発を比較すると、研究開発費用の上での隔たりはすでに非常に小さく、いくらも安くない。このような300トン機種は野戦滑走路での発着能力を獲得できないし、また輸送力の上で400トン級との差が大きすぎる。
(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「画像:400トン級輸送機。4発レイアウトは1発あたり23.4トンの推力のエンジンを必要とし、我が国には現在決してない。もし500トン級を作ろうとしたら、いかにして現有のエンジンの下で推力の要求を満足させるか、しかも合理的なエンジン分布形式を持つことさえも非常に頭の痛い問題である。」)
また400トン級の位置付けは、さらに特殊な優勢を持つ。それはウクライナが現在アントノフおよびモーターシーチグループを持ち、アントノフー124およびD-18Tエンジンの圧倒的多数の技術は全てウクライナから導入し消化できることである。現在ウクライナの経済状況は非常にまずく、しかも好転の希望は決して見えない。金を出すことがやぶさかでなくさえあれば、ウクライナはこうした自らに頼ったのではすでに現実に変えることができない資産を売ることを拒絶しないだろう(ウクライナ・ロシア関係決裂以後、ウクライナ自身にももはやアントノフー124を再生産する方法はない)。
二、中国はさらにA350に似た250トン級ダブルルート旅客機を必要とする
1.輸送機プラットフォームは早期警戒機、給油機など特殊機種の開発に決して適さない
西側は旅客機を早期警戒機や給油機などの特殊機種のプラットフォームとして習慣的に使用しているが、これは主に2つの方面の要素から出ている。第1は燃料の節約で、燃料が節約されれば当然それ自体金が省かれる。だがより重要なのは、早期警戒機、指揮機といったような飛行機にとって、燃料の節約は滞空時間の増加、より少ない空中給油回数を意味することである。このことは戦場での持続監視支配能力の増強、全作戦過程の割り振りの柔軟性に対し非常に重要と言える。
(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「画像:E-3早期警戒機。非常に多くの人は、上翼単葉はよりレーダーに近く、早期警戒機の探知計測角度範囲に対しネガティブな影響を形成するだろうと言う。だが実際にはこの点の影響は決して大きくない。」)
(頑住吉注:これより3ページ目)
一方給油機にとって、自らが消費する燃料が少なくなれば、その他の飛行機に提供できる燃料が多くなると言える。例えばKC-135E型はより省エネなTF33-PW-102ターボファンエンジンを採用して初期のKC-135のJ57-P-59Wターボファンエンジンと交換して以後、燃料効率が14%向上し、このことはこの機に給油に用いることのできる燃料を20%増やさせた。同じトン数という状況下で、軍用輸送機の燃料消費率は旅客機より顕著に高い。
(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「画像:給油機が自ら飲む分が一口少なくなれば、戦闘機に一口多く与えられる。」)
特に大量の早期警戒指揮機、給油機が同時、持続的に参加する大編隊遠距離長時間作戦の中では、1機の大型機の燃料消費の優勢は相互に累積し拡大するだろう。この点の他、旅客機プラットフォーム自体の購入価格は比較的低く、維持保護コストが低いメリットも軍用輸送機が達成し難いものである。1回の使用コストの低下は、同様の軍事予算で、より多くの訓練回数や時間の長さ、およびより強い作戦能力が獲得できることを意味している。
現在の国内のC919は決して厳密な意味での大型機とは評価されない。離陸重量に限りがあるため、この機には大型早期警戒機や給油機に充当するプラットフォームのポテンシャルが欠けている。だが現在まさに論証中のダブルルート大型旅客機、最大離陸重量250トン前後のC929は、相当に良い早期警戒機および給油機のプラットフォームのポテンシャルを持っている。