ロシア・ウクライナ関連3題

 双方に非常に大きなデメリットがあるようです。

http://military.china.com/news2/569/20140405/18433627.html


ウクライナ、損失を恐れずロシアとの軍事協力停止を決定

新華社キエフ4月4日電(記者 張志強) ウクライナ第一副首相ヤリェマは4日キエフで地方メディア代表と会見した時、ウクライナはすでにロシアとの軍事協力の停止を決定した、と語った。

ヤリェマは、「ロシアのために、今後我々を相手にするのに用いられる製品を生産することは完全に理性を失った行為だ。首相はすでに、我々がロシア連邦との軍事協力を停止することを決定している。」と語った。

ウクライナには大型軍事工業連合企業があるが、ウクライナ国防工業社は3月29日、ロシア向けの武器と軍事装備の輸出をすでに停止している。

ヤリェマは同時に、ウクライナにはロシアと軍事工業領域における長期にわたるポジティブな協力があり、このためこの種の協力の突然の停止はウクライナ経済に深刻な損失をもたらす、とした。

ウクライナ専門家の見積もりによれば、対ロシア軍事協力停止後のウクライナ国防工業の1年の損失は約6億アメリカドルであり、ロシアサイドの損失は約20億アメリカドルである。2013年ウクライナの武器装備輸出額は約19億アメリカドルで、ウクライナの総輸出額の3%前後を占めた。

(頑住吉注:以後は本来別の記事です)新華社モスクワ4月3日電(記者 岳連国)ロシア国防省副大臣アントノフは3日メディアに向け、NATOがウクライナ問題ゆえにロシアとの協力を暫時停止すると宣言しているため、ロシアサイドはロシアの駐NATO軍事総代表イェフニェヴィッチを召還し、もって協議を行うのに便とする、と語った。

アントノフは、ロシアサイドはNATOが先日ブリュッセルで行った対ロシア協力暫時停止に関する声明、およびNATO事務局長ラスムッセンがロシアに対して発表した一連の「対抗性」の言論に注意している、と語った。NATOが最近ロシア近隣の東欧地域において軍事活動を強化していることを考慮すると、NATOの対ロシア協力暫時停止は地域の緊張した情勢の緩和に不利である。

アントノフは、NATOがロシアとの協力関係を中断することは近年来の双方の協力をすっかり駄目にすることになり、ロシアサイドはNATOがこの決定がヨーロッパ、大西洋地域の安全にもたらす可能性があるマイナス面の影響を意識するよう希望する、と語った。彼は、NATOがロシア「抑止」方面で採る具体的なステップは双方の関係の未来の発展方向を決定することになる、と考える。

上の画像(頑住吉注:元の記事には画像があったんでしょう):これは4月2日ロシア南部のウクライナに近いボルゴグラード(頑住吉注:旧スターリングラード)地域の軍事演習の中で撮影されたMSTA-S自走榴弾砲。ロシア外務大臣ラブロフは3日、ウクライナと西側諸国が、ロシアのウクライナに近いロストフ州において行う軍事演習を騒ぎ立てるなとアピールした。彼は、ロシアの武装力量が本国の領土上で移動を行うことにいかなる法律的な問題も存在しない、とした。

新華社発

ロシア、駐NATO軍事総代表を召還し、NATOの対ロシア協力暫時停止に回答


 ウクライナの武器装備輸出額が総輸出額の3%前後、というのは意外に低い印象を受けました。これなら単独では受け入れ難い痛手とは必ずしも言えないと思いますが、当然影響は武器輸出だけではなく、また元々ウクライナ経済は悪い状態なので問題は深刻です。気になるのは、ウクライナが損失を埋めるために中国に対する武器輸出を強化する可能性ですが。

 次はやや日付の古い記事ですが。

http://military.china.com/news2/569/20140401/18424625.html


ロシアの武器庫にウクライナ依存症が存在 ウクライナ、あるいはロシアのミサイルのメンテナンスを停止か

【グローバル軍事報道】 ロシアの「独立報」3月31日の報道によれば、ロシアサイドがウクライナと締結した黒海艦隊駐屯に関する協議を取り消すことを計画しているため、ウクライナサイドはロシアとの軍事技術協力領域の協力を中断することを考慮している。ある分析は、ロシア軍は近年来軍事建設を強化しているが、歴史的関係により、戦略ミサイル、軍用エンジン、防空レーダーなど多くの領域で依然非常に大きな程度上ウクライナに依存している、と考える。だがロシア軍は結局のところ所帯も仕事も大規模であり、しかもウクライナのロシア軍事工業企業が頼る企業の多くは親ロシアの東部地域にあり、キエフが思うように指揮できるか否かはまだ未知数である。

報道は、全国の武器輸出業務を総管理するウクライナ国防工業社責任者ユーリ ジェリェシェンコは対ロシア協力はまだ「氷河期」には入っていない、としているが、もし威嚇が本当になったら、ロシア戦略ロケット軍、空軍および海軍に対し不利な影響が生じることになる。ロシア社会政治研究センター主任ウラジミール イェフシェイェフは、ロシア軍の戦略兵器に確かに「対ウクライナ依存」が存在することを認める。例えば全世界で最も強大な陸上基地大陸間弾道ミサイルRS-20V(NATOはSS-18「サタン」と呼ぶ)はウクライナの技術保障を必要とする。こうしたソ連時代に製造されたスーパーミサイルは10発の分離誘導核弾頭を搭載でき、アメリカのミサイル防衛システムを粉砕する「切り札」と称するに堪え、現在依然ロシア・アメリカ戦略バランスを維持する重要なカギである。ロシアの退役少将ユーリ ニコラエフは、ウクライナがロシアに対する大型大陸間弾道ミサイルの維持メンテナンスを取り消したら、モスクワの「核の礎」に亀裂を生じさせることになる、と考える。依然ウクライナの部品を使用するロシア軍の巡航ミサイルにはさらにKh-35、Kh-55、Kh-59Mがあり、甚だしきに至ってはロシアの最も先進的なKh-555遠距離戦略巡航ミサイルもであるが、これはロシア軍戦略爆撃機が搭載する主要な武器で、射程は3,000km以上に達する。ロシア海軍主戦艦艇が装備する3M10型巡航ミサイルのエンジンもドニエプルドネプロペトロフスクに位置するウクライナ南方設計局および南方機械工場と切り離せない。

核戦力だけではない。ロシアの軍事専門家イゴール フロロフは、ウクライナの企業である曙光機械連合体から生まれたガスタービンエンジンは多くのロシア海軍艦艇の「心臓」であり、ロシア軍が使用および調達中の戦術機、ヘリもウクライナのモーターシーチ、イフチェンコ・進歩などの企業のカギとなる重要部品の提供に依存している、と強調する。ロシアの「航空艦隊」誌の報道によれば、ウクライナのザポロジェ市に位置するモーターシーチ持ち株有限会社は世界最大のエンジンメーカーの1つであり、主に固定翼機とヘリのためにエンジンを生産している。同社はロシア製ミルー8/171、ミルー26などのヘリのエンジンの供給を引き受け、往々にしてロシアが1機のミルー8を売ると、直ちにモーターシーチに1/3近い利潤を分け与えなければならないのである。ロシア軍の最も先進的なS-400防空システムにも「ウクライナ依存症」が存在する。ロシアの「技術と武器」誌が明らかにするところによれば、ロシア軍の完備されたS-400ミサイル大隊はウクライナの黄玉設計局が提供する「鎧甲」レーダーが目標の位置決定を実施することを必要とし、このレーダーは目標の電磁輻射信号をキャッチすることによって目標を探知計測し、ステルス機への対応専門に用いられる。

ロシアにはこうした技術的難関を解決する能力があるが、結局のところ時間的に遅くて急場には間に合わないのである。何故ならこうした協力関係はソ連の計画経済時代には早くも確立されていたもので、徹底した転換がしたいならまだ非常に大きな投資と待つ時間を必要とするからである。【グローバル時報特約記者 羅山愛】


 ウクライナ問題が世界のパワーバランスに影響する可能性がある、というのがよく分かります。だからこそ欧米がウクライナの反体制派に肩入れしたわけでもあるでしょう。

http://www.hinews.cn/news/system/2014/04/03/016575472.shtml


ロシア、イリューシンー476輸送機の部品の新たな生産者を探し求める ウクライナに取って代わる

ロシア軍事工業総合体ニュースネット4月2日の情報によれば、ロシア軍事工業委員会副主席アオリェゲ ボチカリョフは輸入代替計画会議を総括する時、ウクライナ情勢の影響を受けて、ロシアはイリューシンー476輸送機プロジェクトのウクライナで生産される部品の代替生産者を捜し求めることを迫られるが、ロシアはこのためにイリューシンー476輸送機の製造を中断することはない、とした。

ボチカリョフは次のように語った。「我々にはすでに輸入部品代替の計画があり、しかもそれはまさに実行中で、現在この計画の実現加速が必要なだけだ。」 そしてこの前のイリューシン設計局の総設計師の、イリューシンー476輸送機の生産が困難に遭遇しているとの声明を評論する時、彼は「困難はあるかもしれないが、我々が否定的態度を持つことはなく、我々は自ら方法を掌握し、困難を克服するだけだ。」とした。

ボチカリョフは、もし現在ウクライナが生産する一連の部品がロシアの生産に移ったら、ウクライナサイドに損害を与えるだけだ、と強調する。彼は、ウクライナのこうした製品を生産する工業会社はこのために遺憾に感じるだろう、「あそこには設備、工場があり、工員がいる。もし我々が生産をロシアに移したら、我々にはより多くの工場およびより大きな労働力市場が出現することになるだろう。」と考える。

ボチカリョフは、「世界の一体化は必然の趨勢である」、「もし今世界がグローバル化しているのなら、あらゆる情緒的特質を帯びた声明に落ち着いて、また綿密に対応すべきである。だが我々は、ロシアは強国であり、我々は政治力量と資源力量を充分に発揮しているのだ、と考えることを習慣づけるべきである。」と考える。

この前イリューシン航空総合体の社長ヴィクター リワノフは声明し、ウクライナ情勢はイリューシンー476輸送機の製造計画にマイナス面の影響をもたらす可能性があり、何故ならこの輸送機の一部の設備はウクライナが生産を行うからだ、とした。彼は、「特に注意に値するリスクは、我々とウクライナの35項目の完成品に関する協力だ。もしウクライナ情勢の問題が持続したら、我々はこれらの完成品の代替品を探し求めることを迫られることになる。」と語る。(実習編集翻訳:馬恩玲 原稿チェック:ジャイルーマン)


 もうすでに代替品を探す努力が始まっているわけですが、一定のタイムラグは避けられないのでは。なおこの輸送機は中国にも輸出されるという説がありますね。






















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