中国による防空識別圏制定の意味は

 「軍情視界」もこの問題を取り上げています。

http://military.china.com/zh_cn/jqsj/047/


中国の防空識別圏画定は過度に非難すべきものではない

国家権益の維持保護方面における自信を明らかに示す

イントロダクション:先週土曜、中国国防部は東海に防空識別圏を画定することに関する声明を発表し、中国空軍は直ちに初の空中パトロールを行った。防空識別圏の画定は本来中国が海空の権益を維持保護するために取った正常な措置であり、いかなる特定の国や目標に照準を合わせたものでもないし、空域通過の自由に影響するものでもない。しかし、この尋常に過ぎない措置は日本やアメリカで大騒ぎ、あるいは「厳重な抗議」、あるいは「理解できない」の発言を引き起こした。まるで彼らが自分で類似の防空識別圏を画定した時期が中国に比べ何年も早かったことをすでに忘れてしまっているかのように‥‥。

中国初の防空識別圏

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「中国の東海防空識別圏画定、正式に効果を生じる!」)

一部の区域は日本の防空識別圏と重なる

2013年11月23日、中国政府は正式に東海防空識別圏画定を宣言し、かつ航空機識別規則公告と識別区説明図を発表した。この説明図から、東海防空識別圏が東海の大部分の区域をカバーし、釣魚島が含まれ、沖縄一帯に近い境界は我が国の東海における境界画定の主張ラインと一致していることを見て取るのは難しくない。さらに注意深い人は、中国の東海防空識別圏と日本の防空識別圏に一部重複した区域があることに気付く。国防省ニューススポークスマンの説明によれば、ひとたび外国の航空機が東海防空識別圏に進入したら、中国サイドは異なる状況に基づき、適時に相応の措置を取って対応を行うことになる。だが、国際フライトの識別圏内の正常な飛行が影響を受けることはない。ある軍事専門家は、中国は後日適当な時期に黄海、南海などの地域にも防空識別圏を画定することになる、とする。また日本の共同通信社の報道によれば、日本の防衛省統合幕僚監部が発表した情報は、23日午後、2機の中国の電子偵察機が釣魚島北方の東海海域上空に飛来し、日本の航空自衛隊は戦闘機を緊急出動させて対応を行った、としている。


悪しき隣国の不断の挑発に直面しての当然の反応

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「日本の中国に対する挑発活動は日に日に増す」)

近年来、中国の黄海、東海、南海などの地域の固有の権益が深刻な挑戦に遭遇しているが、東海が第1の防空識別圏に選ばれたのには現実の切迫した必要性がある。ここ何年か以来、日本は不断に中国の飛行機がその「防空識別圏」に進入した話題を騒ぎ立てている。この日本本土の面積よりはるかに大きい「防空識別圏」は、中国の春暁油田や釣魚島をその中に画定しているだけでなく、甚だしきに至ってはその西の境界は浙江省からの距離たった130kmの所まで画定している。しかし、面倒事を作り出すのは日本だけではない。アメリカ人は沖縄に何十機もの各種電子偵察機を配備している。それらのうち非常に大きな部分が中国領海線付近ぎりぎりを飛び、甚だしきに至っては故意に侵入し、我が軍が相手方の防空システムに反応することを迫り、機に乗じてその重要な軍事情報を盗み取ることを企図している。こうした歓迎されざる「客人」に対し、中国は有効な対応手段を必要とする。防空識別圏の画定後、中国海空軍部隊の早期警戒範囲、早期警戒時間を拡大させただけでなく、さらに彼らに自身の職責を根拠にとる行動にに法理論上の根拠を持たせた。

中国はすでに防空識別圏を設立する「ハードウェア」を持っている

1950〜60年代にもう防空識別圏を画定済みのアメリカおよび日本と比較して、中国の類似の措置は何十年も遅くなった。これは当時の中国がそうしたくなかったわけではなく、当時の国力がまだそうすることを許さなかったからである。防空識別圏は領空とは異なるので、画定者には武力を動員する権限はなく、相手方が識別を受け入れることを強制することもできない。もし防空識別圏を画定した後、他国が承認しなかったら、直ちに海空の軍事力を出動させてパトロール、監視コントロールを行い、もって識別圏の効力と国家のイメージを維持保護しなければならない。国家の全体的実力の増強と共に、解放軍海空軍部隊はいずれも多数の第3世代戦闘機(ほどなくさらにより先進的な第4世代戦闘機も持つ)を装備し、それらおよび空中の早期警戒機、052Dの艦載レーダー、無人機、光学およびレーダー衛星が一緒になり、有効に解放軍の防空識別圏内における防空識別任務を履行する能力を保障した。この意味から言うと、東海防空識別圏の提出はまさに国家の実力の体現なのである。

他国の防空識別圏

アメリカは初めて防空識別圏を画定した国である

韓国は防空識別圏に「落ち着いて」対応している

ベトナムの防空識別圏は西沙群島をカバーしている

深思熟慮の後の決定

中日の国力のどちらが衰えどちらが伸びているのかの体現

中国政府が東海防空識別圏画定を宣言した後、日本人は尋常ならぬ「関心」を示した。まず「厳重抗議」の形式をもってその「不承認」の態度を表明し、さらにアメリカ人に来てもらって自分たちと一緒にこの件に対応すると揚言した。甚だしきに至っては恫喝の方式を採用してああした中国の規則を遵守するとした日本の航空企業を制圧した。一般の人から見て、日本がこのような「激烈」な反応をすることは実に異常なことに属する。結局のところ、彼らが自ら防空識別圏を画定してすでに何十年の長きに渡るのである。実は、東海に防空識別圏を画定する中国にとっての意義について真面目に分析しさえすれば、日本人の「緊張」の根源が容易に探し出せる。東海防空識別圏が設定されたことによって、日本人は2つの困難の中から選択をせざるを得ない。すなわち、対抗を選択するか(戦争を指すのではなく、相互駆逐である)、現状に沈黙することを選択するかである。前者は中国と国力の全力勝負をすることを意味し、後者はこの区域の実効支配権を手を拱いて渡すことを意味する。どちらを選択をしてもその結果は日本が受け入れ難く、損だけで儲けはないとさえ言える。このため、東海防空識別圏の画定は中日の国力のどちらが衰えどちらが伸びているのかの現れなのである。

単に「時節に合った挙」であるに過ぎない

中国が東海に防空識別圏を画定したことには、確かに日米の挑発に反撃する意図が含まれていると言えるが、その意図はこれだけに留まるものには程遠い。中国にとって、防空識別圏画定の最も重要な意義は外界に向かって「我々はすでに戦略的主導権を奪回した!」と宣言することにある。1990年代以来、中国はずっと「争いの棚上げ」の原則に基づいて隣国とに存在する領土領海の争いを処理してきた。当時の国内外の情勢にかんがみれば、この種の「能ある鷹は爪を隠す」の策はやはり当時の国情に比較的符合していたし、しかも間違いなく非常に大きな効果を収めた。しかし、ここ何年か以来、少なくとも東海の戦略方向の上で、形勢には根本的な変化があった。一方において日本人はアメリカの後援を頼りにして、一種どんどん非理性的になる態度と方式をもって両国間に存在する争いの問題を処理しようとしている。他の方面では、かつての堪え忍ぶ態度が相手方から軟弱と見なされたため、中国には新たな闘争の策を採る必要が生じた。しかも国家の全体的実力の増長も、中国が新たな闘争手段を採るための保障を提供した。このため、今回の国防部による東海防空識別圏画定は、中国が時代に即して発展変化し、国家を保護防衛し、領土領海を守り、地域の平和を維持保護する責任の宣言であり、全世界に向け中華民族の自信の声を示したのである!

各方の声

羅援:防空識別圏設立は実際止むを得ざることに属する

中国が防空識別圏を設立したのは実際止むを得ざることに属する。日本はその防空識別圏内において警告射撃を行うと揚言している‥‥我が国の飛行員の生命と安全を考慮し、国際的に正常な航空秩序を維持保護するためにも、識別圏設立の必要がある。

さらに多くの声

外国メディア:中国の防空識別圏が釣魚島を「加熱」する

アメリカメディア:中国の防空識別圏設立、日本激怒!

香港メディア:中国の防空識別圏、日本にショックを与える

尹卓:中国の防空識別圏設定は釣魚島をめぐる争いとは無関係

我々が防空識別圏設立を研究して現在まですでに何十年にもなる。こうした問題はとっくにあったのであって、釣魚島をめぐる争いとは全く関係がない。日本は無理に両者を一緒くたにしようとしているが、これは悪意をもっての騒ぎ立てに他ならない。

さらに多くの声

アメリカメディア:アメリカは絶対に釣魚島戦争に引きずり込まれてはならない

香港メディア:中国の大国の意志が試される時が来た

台湾メディア:大陸の海軍外交日増しに成熟

ネット仲間の調査

あなたは中国の東海防空識別圏の一件をどう見ますか?

中国が国家利益を防衛する正常な措置である 65.56% 994票

以後さらにその他の地方と場所にも識別区を設立する 25.28% 364票

日本人も識別圏を設けているではないか? 5% 72票

日米が連合しての報復を招く可能性がある 1.39% 20票

中日間の意図せぬ戦闘発生をもたらす可能性がある 2.57% 37票

はっきり言えない 0.21% 3票

総票数 1,440票

「防空識別圏」

ある国の陸地あるいは水域表面上から延伸して画定される空域。通常の状況下ではこの国の戦略早期警戒機と早期警戒レーダーがカバーできる最も遠い端の限界で、領空や排他的経済水域の範囲より広い。その目的は国籍不明の飛行機が主権を持つ国の領空に侵入することを防止し、この区域に進入する他国の軍用機が主権を持つ国の領空に誤って入る、あるいは押し入ってはならないと提示あるいは警告することである。最も早い防空識別圏はアメリカ人によって第二次大戦後設立された‥‥。

結び

日本人の「抗議」の声の中、またアメリカ人の「理解できない」の態度表明の下、「東海防空識別圏」はやはり時運に乗じて生まれた。識別圏の画定は国際法や国際慣例に符合するだけでなく、東海上空の飛行秩序を維持保護する助けになる。さらには行動をもって、我々が国家の安全や領土主権を維持保護する時、まさに受動的反応から大胆な自信に転じつつあることを明らかに示した。中国政府が自身の合法な権益を維持保護するために採った正当な行為に対し、一部の国が四の五の言う資格はない!


 思ったよりハイテンションで、「全世界に向け中華民族の自信の声を示したのである!」とまで言ったのではメンツの問題としてもう引っ込みはつかないでしょうね。「いかなる特定の国や目標に照準を合わせたものでもない」としながら「確かに日米の挑発に反撃する意図が含まれている」とするのは矛盾とは感じないんでしょうか。「ネット仲間の調査」はそもそもこの中から一択というのがおかしい気がしますが、総票数の多さは関心の高さの表れでもあるでしょう。










戻るボタン