ウクライナの政変は中国に影響するのか

 この流れからして全く影響しないことは考えにくいと思われますが。

http://military.china.com/important/11132797/20140224/18356381.html


ウクライナの「変天」は中国軍事工業に対する「脅威」 (頑住吉注:「変天」は政治的に根本的変化が起きることなどを指し、悪い方に、というニュアンスを含んでいます。)

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションは基本的に「ウクライナの中国向け兵器輸出に重大な変化が生じる?」の内容の一部を切り取ったものなので、それ以外の部分のみ示します。「(画像は我が国がウクライナから導入した総合補給艦)」)

ウクライナの「変天」は軍事工業輸出に影響するか

【グローバル時報特約記者 黄山伐】 ウクライナ情勢には2日の間に巨大な逆転が発生し、大統領ヤヌコヴィッチは解職され、反対派が勝利の歓呼を開始し、かつ政権に就くために積極的に準備している。政局の動揺は、この国の重要な産業の1つである軍事工業に対し巨大な衝撃をもたらすのか否か? ウクライナと中国、ロシア、インド、パキスタンなどの国との軍事貿易の往来は影響を受けるのか否か? 中国の専門家は、中国・ウクライナ間には、現実的、長期的、戦略的利益の上での衝突は存在せず、このためウクライナでどの党派が政権に就いても、両国の協力に対しあまり大きな影響を生じさせることはないだろう、と考える。

中国・ウクライナ軍事工業協力は相当に密接

中国・ウクライナ軍事工業協力は、「ワリヤーグ」号空母の譲り渡しというこの象徴的意義を持った大型プロジェクトの他、艦船、戦車、飛行機の動力システム、特に各タイプのエンジン方面で協力が相当に密接である。分析者は、これまでにウクライナはすでに中国向けに約30種類の軍事技術を輸出し、これには空母、大型艦艇に使用する動力システム、大型輸送機の設計、超音速高等練習機、戦車のエンジン、空対空ミサイルなどカギとなる重要装備および高原山地に適合するヘリのエンジンが関わっている、と指摘する。カナダの「漢和安全保障業務評論」は、中国は1990年代にはもうウクライナの「曙光」機械設計科研生産連合体からUGT-25000ガスタービンを導入したが、当時は技術移転は行われなかった、とする。21世紀に入った後、経済の逼迫ゆえにウクライナはついに全部の技術の移転に同意した。ある西側の安全保障業務専門家は、ウクライナの専門家は「中華イージス」の設計作業に参与した、と考えている。

アメリカ国際戦略評価センター副主任のリチャード D. フィッシャーは、かつてアメリカ議会に向け「国際軍事技術交流と解放軍の近代化建設」という題名のレポートを提出した。レポートの中でフィッシャーはリストを提供し、特別にいくつかの中国と密接な往来があるウクライナ軍事工業機関の名称を挙げた。首位に位置したのはウクライナの黄玉設計局で、これはウクライナの大型総合企業グループで、専門に複雑な無線電信装置や特殊な用途を持つ設備を研究開発、生産する。この設計局が開発した「鎧甲」レーダーは、それ自体は電磁信号を発射せず、目標の電磁輻射信号をキャッチすることによって目標を探知計測し、結果的にまさにアメリカのステルス戦闘機の「泣き所」となる。アメリカの「安全保障業務ニュース」記者は、ウクライナの「鎧甲」レーダーを導入した後、中国本土の対ステルス技術研究と開発も「追い越し車線」に入り、このことはアメリカのステルス戦闘機に対し深刻な脅威をもたらす可能性がある、とする。

ロシアの「国家の翼」誌が明らかにするところによれば、ウクライナ軍事貿易の「トップ」であるウクライナ特殊技術輸出社は北京、イスラマバード、バンコクなどの地に事務所を設立し、直接武器輸出入、貿易業務を担当している。2012年珠海航空展では、同社のブースは中国サイドの歓迎を受け、同社は中国の多くの会社代表と協力問題につき会談を行った。これにはヘリのエンジンと減速器の維持修理、イリューシンー76輸送機部品供給契約の履行、維持修理と使用に関する専門家の養成訓練、中国向けの航空装備部品提供などが含まれた。報道によれば、同社はさらに中国サイドと、4隻の「ヨーロッパバイソン」大型ホバークラフト上陸艇建造の契約を締結し、第1号艦はすでに中国に引き渡されている。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「運ー20機。外国メディアは普遍的にこの機はウクライナサイドの技術支持を得たと考えている」です。)

「小ロシア」の実力はあなどれない

ウクライナ軍事工業の実力は何故こんなに強いのか? ある報道は、ウクライナはソ連時代のおよそ35%の軍事工業生産能力を継承し、大型高速戦闘機の他、ほとんどあらゆる類型の武器がその武器生産リストに探し出せ(甚だしきに至っては大陸間弾道ミサイルも含め)、外界から軍事工業界の「小ロシア」と呼ばれる結果となっている、とする。1991年の独立後、ウクライナは一躍世界第6の武器輸出国となり、現在50余りの国と協力関係を保持している。2013年、ウクライナはさらに価値が小さくない装甲武器輸出契約を勝ち取り、伝統的にはアメリカ式武器をもってメインとするタイに121両のBTR-3E1装輪式装甲車と50両の「堡塁-M」戦車を輸出した。

統計によれば、1992年〜2013年、ウクライナの軍用品輸出額は70億アメリカドルを超え、主要な販売対象はパキスタン、中国などの国である。

「変天」は中国・ウクライナ軍事貿易に影響するか?

ウクライナの政権交代がもたらす影響に関し、中国社会科学院の姜毅研究員は23日「グローバル時報」に対し、ウクライナと中国には現実の利益の衝突はなく、長期的利益および戦略利益方面でも衝突はない、とした。いかなる党派が政権に就いても、経済を発展させる必要があり、そして軍事工業はウクライナの比較的国際競争力ある領域であって、イデオロギーと政治的好みは中国・ウクライナ両国がすでに締結している契約項目および将来の経済貿易協力に対し、あまり大きな影響を生じさせることはないだろう。

さらにある分析は、もし将来協力が影響を受けても、中国は必ずしも心配する必要はない、と考える。カナダの「漢和安全保障業務評論」は、ウクライナ軍事工業は長年にわたって新しいものを出してきたことがなく、基本的に現状に満足してそれ以上の努力をしておらず、「2002年のウクライナ航空展で、中国が派遣した軍事代表団は非常に膨大だった。だが2012年のウクライナ航空展では、中国人は極めて少なかった。」とする。漢和は、過去何年の中で、AI-222-25/25Fターボファンエンジンを購入してL-15高等練習機への装備に用い、4隻の「ヨーロッパバイソン」級ホバークラフト上陸艇および9B1101Kセミアクティブレーダー誘導弾頭を購入した他、中国はもはやほとんどウクライナからその他のものを購入したことはないのだ、とする。

(頑住吉注:3ページ目)画像は中国がウクライナから導入した極地科学研究船「雪豹」号

(頑住吉注:4ページ目)著名なワリヤーグ号空母

(頑住吉注:5〜11ページ目は「ウクライナの中国向け兵器輸出に重大な変化が生じる?」の内容の一部を切り取ったものなので省略します。)

(頑住吉注:12ページ目)我が国が導入したウクライナの「鎧甲」(Kolchuga)パッシブ空中監視システム

(頑住吉注:13ページ目)中国は航空エンジン開発の面で依然国外の支持を必要としている


 ウクライナが西側としての立場を明確にしたら、EUやイスラエル同様アメリカの意向に従って中国に重要な武器輸出を行わなくなるのでは、という点が関心を持たれているはずなんですけどそれに対する直接の言及はなく、大きな影響はないだろう、あったとしてももはや中国にとってたいしたことはない、というだけの記事にはちょっと違和感を感じます。あるいは動揺の裏返しなのかもしれません。





















戻るボタン