空母に関する中国とウクライナの密接な関係は今後も継続する?

 空母がらみでのウクライナと中国の関係に関する記述です。

http://military.china.com/news/02/11078237/20120929/17458719.html


メディア、遼寧号の艦載機の原型と動力はいずれもウクライナが提供、とする

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「中国海軍遼寧号空母が海上航海試験中」)

【グローバルネット総合報道】ウクライナ独立ニュース情報社9月26日の報道によれば、中国初の空母「遼寧艦」の正式就役が関心を集めているが、その前身はウクライナが2,800万アメリカドルの価格で中国のマカオの某会社に販売した旧ソ連の未完成の空母「ワリヤーグ」号である。これに対しずっと沈黙を保っているウクライナ当局はしばしば各種の非難を受けているが、依然ある専門家は当時の空母販売の決定は正しかったと考えている。

ウクライナメディアは、「ワリヤーグ」号空母はかつてソ連海軍北方艦隊の旗艦になる計画だったが、最終的な結果はこれに反し廃金属の価格で中国に売られ、現在では「遼寧艦」に変身し、この事実はウクライナ当局に当時の決定が適切だったか否かをかえりみることを促す、とする。何故なら空母販売後の事態の進展はウクライナを絶対的にまずい立場に陥れているからである。結局のところ当時「ワリヤーグ」を販売した時の前提条件は軍艦に作り変えることはできないということだった。批判者は指摘する。現在ウクライナ当局が中国海軍の空母「遼寧艦」の就役という事実に対し口を固く閉ざし、いかなる評論も発表していないことは、明らかに経済的損失に遭わねばならないし、名誉が損なわれざるを得ないことでもある、と。だが当初における海上娯楽施設から最終的な教学空母まで、「ワリヤーグ」の身の上に起こった事情は想像の中のような簡単なことでは全くないのである。

1988年、ウクライナのニコラエフ市黒海造船工場で進水した旧ソ連海軍の「ワリヤーグ」号空母は原計画では北方艦隊の旗艦になることになっており、その設計排水量は6万トンで、もし建造完了すれば56機の作戦機とヘリを搭載できた。武器の配置の中には核弾頭を搭載した巡航ミサイルが含まれ、その作戦半径は500kmだった。規模、サイズ、そして戦闘実力上、「ワリヤーグ」は世界最大のアメリカの「ニミッツ」級空母にすぐ次ぐものだった。1992年、建造完成率70%近かった空母建造作業は停止を迫られ、1998年になって中国に売られる時までずっと造船埠頭内で荒廃していた。ウクライナの国防構想は「ワリヤーグ」の建造完成問題を全く考慮していなかった。結局のところ空母は純粋に攻撃性の、非防御性の武器であり、しかも当時は極めて高価な空母を建造する資金が全くなかった。この他、埠頭内で未完成の空母の維持メンテナンスをするのにも一定の支出を必要とした。このため1998年、ウクライナ国家改造・欧州一体化局は「ワリヤーグ」号の公開オークションを宣言した。基本条件は軍事目的には使えないことで、マカオの創律旅行娯楽社が最終的にこの空母をせり落とし、これを大型海上総合旅行施設に改造するつもりであるとした。だが当時多くの専門家は早くも、中国は空母を必要としているとしていた。1999年、祖国回帰を実現したマカオはかつてポルトガルから不沈空母扱いされていた。アメリカも明らかに中国が空母を入手しようとしていると考え、このためトルコに阻止を迫った。中国はボスポラスおよびダーダネルス海峡を通過して空母を1年半の長きに渡って牽引運搬し、2002年5月になってやっとこれを最終的に中国の大連の港に到達させた。その後数年はいかなる関連の情報も伝わることがない状態が続き、2年前になってやっとある噂が、中国は大連港で積極的に「ワリヤーグ」号空母を改造しているところだ、とした。あるいは、ウクライナ外務省は当時対応するべきだったかもしれない。例え自分の立場を公開して表明するだけだったにしてもである。だがウクライナ当局は最終的にいかなる声明も発表しなかった。中国政府はその後、これを教学空母に用いる計画であると認めた。2011年には航海試験が開始された。今年9月25日、空母は正式に引き渡されて就役し、「遼寧艦」と命名された。

指摘しておくことが必須なのは、中国軍事指導層が何度も、「遼寧艦」は単に教練艦として使われ、建造が準備される国産新型空母の乗員を養成するのだ、と強調していることである。中国初の国産空母は2020年までに完成する計画であるとされるが、周知のように軍事教学装備は必要な時には簡単に作戦装備に変わり得る。だからこそしばしば教学戦闘艦と称されるのである。中国の首相は引き渡し式で、空母は国家と民族の誇りとなると宣言した。中国メディアの報道から見て、明らかに「遼寧艦」の引き渡し、就役は全国的に重大で盛大な事柄であると見なされている。ウクライナ当局はこれに対し依然いかなる興味も示していない。これがウクライナの造船に関する潜在的能力を宣伝する得難いチャンスであってもである。

キエフ市シェフチェンコ国立大学国際関係学院国際関係・対外政策教育研究室教授ペイリエペイリチャ(頑住吉注:漢字への音訳大丈夫ですかね。こんな名前ありそうにないですが)は、中国は「ワリヤーグ」方面においてウクライナに対しいかなる義務も負っていないと考える。最も微小で取るに足りない義務であろうともである。彼は説明して次のように言う。空母は当時、外部委託貿易の方式によって販売された。このため中国サイドはウクライナサイドに対しいかなる義務も負っていない。それは実質的に国家間協議ではなかったのである。増して当時ウクライナサイドが販売したのは完成品の空母ではなく、ただの船体だった。中国はこれを建造して完成させ、教学空母に改装した。ウクライナに関して言えばいかなる国際的結果も生むことはない。だが確定できるのは、1990年代にウクライナの指導者がかくのごとく無責任に空母を販売したことは、明らかに遠い見通しが欠けていた、ということである。だがウクライナが実際上当時、すでに絶望だった空母プロジェクトの中から完全に権利を獲得できる(中国との協力によって)、極めて得難いチャンスに遭遇していた、と考える根拠もある。これに比べ、同様に未完成の「ウクライナ」号ミサイル巡洋艦は今に至るもニコラエフ市黒海造船工場内に停泊して誰にも関心を持たれず、ロシアが無償で接収する準備があると表明しているだけである。当時アメリカは中国が「ワリヤーグ」号空母を牽引運搬している問題を存分に利用した。乱暴に中国領空を侵犯したEP-3偵察機とクルーを取り戻すカードにして、中国と駆け引きをした(頑住吉注:2001年、アメリカの偵察機と中国の戦闘機が空中接触し、偵察機の乗組員が中国に拘束された、いわゆる「海南島事件」を指しています)。問題解決後、トルコはアメリカの助言の下に、直ちに「ワリヤーグ」号の越境と地中海進入を許した。これはまさに、アメリカが当時中国の空母艦隊建設計画に対し、実際には決して特別心配していなかったことを示す、最もはっきりした例証である。彼らは中国がかくのごとき重大な任務に耐えるとは全く信じていなかった。何故なら中国には当時経験もなければ関連の技術もなかったからである。最も重要なのは、艦載戦闘爆撃機がなかったことで、飛行機がなければ空母は直ちにいかなる意義も失ってしまうのである。

(頑住吉注:これより2ページ目)

ウクライナの専門家は、後にもウクライナが中国を助けたと指摘する。2005年にウクライナは中国に向けソ連解体後に残されたスホーイ-33艦載機の検証機T-10Kを販売し、中国はまさにこれを基礎に、初の艦載戦闘爆撃機殲-15の研究開発に成功した。中国軍はさらにウクライナのクリミア半島にあるニトカ訓練施設を見学し、艦載航空隊飛行員の地上模擬訓練の方法を研究した。ある情報は、中国は「ワリヤーグ」空母の完成に向けての建造時にウクライナの黒海造船工場とウクライナの特殊輸出会社の専門家を顧問として招聘したという。ニコラエフ市「朝霞-機械設計」ガスタービンエンジン製造科研生産総合体が中国空母に動力装置を提供した。つまり、ウクライナは「ワリヤーグ」号空母を中国に売った後に発生した一切を了解していただけでなく、さらに空母の建造、完成と改装の全過程に密接に参与していたのである。こうしたこと全てから、中国が完全に自主的に国産空母を建造する時、同様にウクライナの参与がついて離れないと考えるのには理由がある。ウクライナと中国の軍事技術協力には独自の特徴があり、ある種の武器や軍事装備サンプル品の購入という形式が採用されることは少なく、より多いのは製品の生産技術の移転の提案である。ウクライナは中国というこの非常に前途あるパートナーを重視すべきであり、空母製造領域における商業的関係の発展、互利互恵の協力方案がいつでも探し出せる。結局のところこの種の協力の基礎はすでに固まっているのである。中国サイドの提案に基づき、ウクライナ当局は中国空母方面の協力を、いくつかの互いに関連のない協力にすぎず、深く考え熟慮された多段階の深い協力計画ではないとしているのかもしれない。

ウクライナの国防技術協会主席リエクは次のように指摘する。1998年におけるウクライナ当局の空母を販売する決定は、中国と長期的協力計画を制定する条件下でなされたものではない、と。だがどうであろうと、当時におけるこの決策は正しく、「ワリヤーグ」号に最終的に真正の空母となるチャンスを持たせ、現在の「ウクライナ」号ミサイル巡洋艦同様に埠頭のあたりで徐々に錆びていくということにはさせなかった。当然、ウクライナは中国が「ワリヤーグ」号空母改造プロジェクトから利益を獲得することもでき、これは事前にいかなる人にも予測するに至らなかったことである。ウクライナはこの方面においてやはり非常に幸運だったと言える。


 中国とウクライナの軍事的協力が思った以上に密接で、それがこれからも続いて行くと見られることが分かります。「遼寧艦」の動力がウクライナ製のガスタービンだという記述は初めて見ましたが、本当なんでしょうか。












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