対潜手段としての無人機

 将来の方向性ではあると思いますが。

http://military.china.com/news2/569/20160329/22327626.html


無人機による対潜は対潜機を「失業」させる? 現在では最も良い補充

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「2016年アブダビ無人機専門展は現在すでに開幕している。画像はロッキード・マーティン社が展示するステルス戦術クラス先進無人機。」)

原掲載:「中国航天報・飛天科普周刊」

作者:王晩琳

報道によれば、最近インドはイスラエルから輸入した「青鷺」大型長航続時間無人機を使用して遠海偵察任務を執行し、かつインド洋の水中に潜伏する敵サイドの潜水艦を打撃することを決定した。

長期にわたり、対潜作戦はずっと各国の海軍の重点的研究対象である。このため、このニュースに対し、現在の有人操縦対潜機の勢いが盛んという状況下で、何故インドは無人機を使用して対潜を行うのだろうか、と問う人がいることは避け難い。無人機は将来の戦争の中で有人操縦対潜機に取って代わり主流となるのか否か?

無人機対潜はまさにタイムリー

俗に、明るいところの槍はかわしやすく、暗いところの矢は防ぎ難い、と言う(頑住吉注:明るい暗いは比喩で、要するに不意打ちを受けるのは不利だという意味のようです)。潜水艦は大洋の中で神出鬼没であるため、水上を航行する艦艇はちょっとの不注意ですぐ敵サイドの潜水艦の「虎口」に落ちる可能性がある。このため、いかにして有効に敵サイドの潜水艦を打撃するかは、ずっと世界各国の海軍が重点的に研究する重要課題である。

潜水艦の登場以来、各国は多種のそれに対抗する方法を研究し、相次いで飛行船、飛行機、対潜艦を用いてこの行方を探し難い「水中の幽霊」に対応した。だが海洋は面積が大きく、捜索範囲が広く、さらに加えて対潜設備と人手が足りなかったので、対潜サイドは潜水艦が最も出現する可能性のあるルートと身を隠すところに力量を集中することが必須だった。

科学技術の進歩と共に、各国海軍が敵サイドの潜水艦を探知計測、追跡する方式には改変が発生しつつある。コストが安く、人が操作し、長時間滞空し、捜索範囲がより広い無人機が徐々に各軍事大国の対潜武器庫の中の重要装備となっている。

潜水艦と無人機の対抗は、実際上軍備競争の中の非常に高価だが脆弱な武器と、廉価なセンサーおよび武器プラットフォームとの間の勝負である。

例えば、アメリカのバージニア級攻撃原潜の建造コストは約30億アメリカドル、一方1機の中型無人機のコストは100万アメリカドル前後と見積もられる。このような「小をもって大を勝ち取る」の対抗では、無人機がひとたび敵サイドの潜水艦を発見しかつ殲滅したら、疑いなく大儲けの商売である。

まさにこのため、現在世界のそれぞれの軍事大国は次々に偵察あるいは攻撃能力を具備した無人機を購入の重点としている。このことは、無人機が情報戦設備であり、大規模運用されつつあることをも示している。

対潜作戦は、今に至るも常に世界各国の海軍が直面する大難題だが、もしある潜水艦が発見されれば、すぐに隠蔽性を失い、空中から来る打撃に直面した時、その抵抗能力は非常に劣り、非常に容易に殲滅されてしまう。

優勢あり不足もあり

無人機による対潜には有人操縦対潜機に比べ航続距離が長い、24時間不断に滞空できるなどのメリットがあり、有人操縦対潜機が逃した「網から漏れた魚」を補うことができ、全天候で各種の海上の致命的な重要ルートを封鎖することもでき、こうした優勢はいずれも有人操縦対潜機とは比べられないものである。

米軍が研究開発するグローバルホーク無人機の派生型は、独立して作戦することもできれば、その他の情報偵察資源と協同作戦することもでき、より効果の高い、より支持力を持つ持続的海上監視能力を提供できるとされる。最初のMQ-4Cトライトン無人機はすでに2013年に初の試験飛行を完成させている。

疑いの余地がないのは、戦時に「グローバルホーク」のような種類の24時間連続飛行する戦略無人機は、有人操縦機の飛行員の疲労を軽減するだけでなく、さらにコストを節約する、ということである。

(頑住吉注:これより2ページ目)

当然、いかなる事物にも両面性があり、無人機対潜に決して欠点がないわけではない。現在無人機の搭載荷は比較的少なく、かつ有人操縦対潜機のようにソノブイを投下するあるいはソナーを吊り下げることはできない。無人機のより多くは水中の無人航行器と情報のドッキングを行う形式で対潜を行い、このことは無人機の対潜作戦能力を制限している。

このため、対潜無人機は現段階で戦場においてむしろ有人操縦対潜機の補充である。現段階の無人機はスマート化、多用途攻撃などの方面でまだ有人操縦対潜機に取って代わり偵察あるいは打撃行動を行うことはできない。

偵察・打撃一体は趨勢

近年来、軍用無人機はどんどん多く各国の軍の歓迎を受け始め、いくつかの多用途無人機は規模化して部隊装備されつつある。例えば、2012年には早くも、イギリス国防省はもう新世代海上対潜無人機研究開発の探求を開始し、この無人機は偵察能力を持つだけでなく、さらに対潜ミサイルを搭載して潜水艦を攻撃する能力を持つ。

科学技術の発展と共に、今後の対潜無人機はよりスマート化、偵察・打撃一体化の方向に向かって発展し、遅れず発見遅れず打撃を実現することになるだろう。現在の対潜無人機のように単一の偵察能力あるいは攻撃能力を持つのではない。このようだと作戦時より良く両者の一体化ができず、容易に戦機を失する。

あるいは世界各国は無人機対潜の未来の用途を見ているのかもしれず、いくつかの中小国も無人機の研究開発の上である程度の行動を開始している。

2015年、アラブ首長国連邦はUnited-40偵察・打撃一体無人機をベースに対潜型を派生させることを計画した。この無人機はソノブイを敷設することができるだけでなく、しかもさらに1発の小型魚雷を搭載して対潜作戦が行える。

また、米軍が最も新しく研究開発したP-8対潜哨戒機もいかにして多数の無人機を指揮して各種パトロール作戦任務を遂行し、かつデータをリアルタイムで対潜哨戒機に送り、一体作戦能力を形成するか研究中である。

否認できないのは、まさにいわゆる道高一尺魔高一丈(頑住吉注:過程が進むと困難も増える、みたいな意味らしいです)というやつで、現在各国海軍は潜水艦を発見されないようにさせるため、新たに研究開発された潜水艦も性能上徐々に向上し、特に潜水艦の水中静音性能はどんどん良くなり、このことが無人機対潜により高い要求を提出していることである。

要するに、戦場の攻防戦は永遠の話題であり、重要なカギはその中の誰の戦略戦術の運用が当を得ているか、誰が先に相手方を発見し、かつそれを殲滅するかを見ることである。無人機対潜が将来どんな方向に向かって発展するかに関し、一部の軍事専門家の話を用いて言えば、対潜無人機でもその他の軍用無人機でも、最終目的は有人操縦戦闘機のような空中作戦能力を具備した無人戦闘機への発展である。


 日本の対潜のレベルは高いとされていますが、無人機では全く問題にならない遅れぶりで、このことが将来本来得意分野であった対潜でも遅れを取ることにつながらないか心配です。

















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