台湾の上陸艦建造がいきなり問題に遭遇?

 造船技術はそんなに低くないはずなんですが。

http://military.china.com/news/568/20170606/30660936_all.html#page_2


台湾メディア:価格提示が低すぎ 入札募集から1ヶ月後、独自建造の上陸艦の入札に応じる者なし

「参考情報」2016年の報道によれば、蔡英文政府は当時15年の時間をもって、島内によって新世代作戦艦艇のl建造を自ら行うことを提出した。この中で、最も早く実行段階に入ったのは今年4月に入札募集を開始したコードネーム「鴻運計画」のドック上陸艦建造方案である。しかし人をばつ悪くさせるのは、台湾軍の「価格提示」が低すぎ、要求が高過ぎ、島内の造船工場のうち進み出て入札に応じるところがひとつもないという結果をもたらしたことである。この艦の建造は36億新台湾ドル(1.2億アメリカドルに相当)の計画であるとされる。視察者ネット軍事評論員は、噂の中の大陸の2万トン級071型ドック上陸艦の建造価格は3億アメリカドル前後で、トン数:価格比に照らして計算すれば、台湾の新たな艦の価格提示は低すぎだろう、と考える。台湾の現有の興行的基礎をもって、それにもかかわらず造艦のコストパフォーマンスの上で上世界一流の滬東中華造船工場を手本にしたがり‥‥最終的にはこの結果に変わり、全く予想通りである。

台湾メディア6月3日の言によれば、「鴻運計画」は蔡英文執政後、初めて実行する「国艦国造」案のため、台湾「国防省」は相当に重視しているが、現在苦境に直面し、「国防省」方面は6月末までに改めて入札募集を発表するつもりで、造艦予算をアップする、あるいは一部の電力システムを「中山科学院」によって研究開発を担わせる可能性がある(造船工場の一部のコストを減少させることに相当する)。

台湾軍「新型水陸両用ドック輸送艦」の予算は62億9,700万新台湾ドル(約2.1億アメリカドルに相当)で、その中の27億新台湾ドル(約9,000万アメリカドルに相当)の予算は「中山科学院」に委託され、台湾が自ら製造を行う2組の「海剣2」対空ミサイルの装備、および艦首のアメリカ製76mm速射砲とファランクス近接防御砲の購入に用いるとされる。艦上にはさらに火力コントロールレーダー、作戦システムおよび通信システムが装備されようとしており、その火力は世界の同類上陸艦いずれにに比べても強い。

ひとたびこのようになるや、36億新台湾ドルの造艦予算(約1.2億アメリカドル)しか残らない。台湾メディアは、このコストは低すぎで、事実として以前「台船」集団が高雄造船工場で建造した「盤石」号補給艦の建造コストは47億新台湾ドルに達し、このうち船体のコストが40億新台湾ドルとされている、と考える。しかもこの補給艦には、決して高性能鋼材は使用されていない。説明によれば、台湾「海軍」の要求によれば、新たなドック上陸艦は「独立作戦能力」を有する必要があり、このため機格納庫、飛行甲板、中央部の上層建築などの位置にはいずれもHSLA-80鋼の使用が要求され、この鋼材はアメリカの「アーレイ・バーク」級ミサイル駆逐艦の艦体構造に選択使用されている鋼材でもある。

言い換えれば、民間のスタンダードに照らして建造された「盤石」号補給艦の建造コストでも軍のスタンダードに照らして建造することが要求される新たな上陸艦より高いわけで、これでもう何故台湾のいくつかの大規模造船集団がいずれもこれに対し全く興味がないのかが想像できる。

台湾メディアがインタビューした造船工場方面の人物の言によれば、選択使用する材料が異なり、建造過程の中で軍のスタンダードを採用する必要があるため、建造全体の複雑さの程度は「盤石」号補給艦よりはるかに高く、このため造船工場方面は、「盤石」号の価格にかんがみれば、「水陸両用ドック輸送艦」の建造価格は45億新台湾ドル(約1.5億アメリカドル)前後が比較的合理的、と考える。

視察者ネット軍事評論員は言う。以前の台湾メディアの報道によれば、台湾の新型「水陸両用ドック輸送艦」は全長153m、全幅23m、満載排水量10,600トン、航続距離7,500海里である。9両のAAV-7水陸両用装甲車、1両のLVTH-6水陸両用突撃砲、7両の「ハマー」車が搭載でき、ドックには1隻のLCU上陸艇、4隻のLCM上陸艇が収容できる。機格納庫は2機の中型ヘリが収容でき、飛行甲板はCH-47ヘリの発着を許容できる。艦上には艦員のベッド190が設置され、上陸兵のベッドは250で、233のベッドがあらかじめ留保されている。

動力システム方面では、4台のディーゼルメインエンジン、4台の1,100キロワットの発電器が選択使用され、最高航行速度は21ノットである。

客観的に言って、台湾造船工場は民間用船舶の建造方面で世界でもかつてそれなりの地位にあった。1996年当時、台湾造船業は新たな船14隻を完成させ、約100万トンの搭載重量で、世界第5位にいた。

だが世界海運業界の全体的不景気につれ、また同時に台湾造船工業が例えば液化天然ガス船など現在国際的に付加価値の高い船型の建造技術を遅々として掌握できず、10年前に始まりすでに停滞状態に入っており、その年産値はずっと565億新台湾ドル(約18.8億アメリカドルに相当)前後に留まり、ずっと変化がない。台湾造船業界人は以前台湾造船業はすでに「惨業」となった、と形容した。このため、蔡英文の「国艦国造」のスローガンは台湾造船業の小さからぬ期待を集めている。だが意外だったのは、(頑住吉注:突然スラングだらけの砕けた話し言葉になって訳せませんが提示価格が低すぎて商売にならない、といったことでしょう)。

事実、台湾造船業が算定する1.5億アメリカドルのオファー価格は決して高くなく、比較すると大陸の上海滬東中華造船工場が解放軍のために建造する20,000トンの071型上陸艦の建造価格でも伝えられるところによれば3億アメリカドルであり、台湾の上陸艦はトン数を半分に減少させ、価格を半分に下げることもやはり有望で、せいぜい造船工場をやや苦しくするくらいで、赤字には至らない。

比較すると、インドネシアがフィリピンのために建造する「マカッサル」級上陸艦は、満載排水量11,000トン、最高航行速度16ノットであり、この艦は基本的に完全に民間船のスタンダードに照らして建造されるため、エンジンも2台しかなく、建造コストは5,000万アメリカドルに満たない。

この対比からは、台湾軍の新たな艦の技術に対する要求がやはり比較的高いことが見て取れ、結局のところもしメンツから考えるならば、技術水準は対岸の071より低くてはいけないのである。

廉価で、性能が比較的良いことが要求される以上、この新たな艦に「海剣2」対空ミサイルの搭載が要求されることは人を不可解にさせる。

一般的に言って、上陸艦艇の防空火力は自衛に限られ、もしアメリカ海軍の「サンアントニオ」級のような「ハイエンド」な上陸艦でも、「RAM」対空ミサイルしか装備しておらず、解放軍の071型は4基の630近接防御砲と1門の76mm速射砲を装備している。こうした上陸艦はいずれも主にそれと艦隊航行するその他の艦艇に頼って防空援護が提供される。一方台湾の上陸艦はそれにもかかわらず「独自の道を切り開き」、「独立作戦」を強調しているが、これは何がしたいのか?

ここで台湾軍が何十年も伝承する「逆上陸」の伝統に言及せざるを得なくなった。台湾軍の戦車の浜辺に展開しての「対舟艇波状射撃」同様、これは台湾軍が金門戦役の中から得た「貴重な経験」である。1949年の金門戦役の中で、解放軍に制海、制空権がなかったため、上陸部隊の輸送船もまた撃破され、台湾軍はかつて解放軍が上陸する浜辺で「逆上陸」を行い成功した。この僥倖な成功はそれにもかかわらず台湾軍によって「金科玉条」と見られ、今に至るも依然その上陸艦がこの作戦を執行すること要求している。

言い換えれば、この上陸艦の完成を待った後で、解放軍の台湾攻撃という状況が出現した時、台湾軍の想像の中ではこのような一幕が出現する。上陸艦隊でいっぱいの海区に直面して、1隻の孤独な台湾軍上陸艦は21ノットの航行速度をもって突進してきて、艦上の「海剣2」ミサイルと近接防御砲を用いて解放軍が撃ってくる各種対艦ミサイルを防ぎ止め、一路浜に駆けつけ、すでに人工港を完成し、無数の大型上陸船が続々と戦車、自走砲を降ろしつつある浜辺に向け「逆上陸」を発起し、十数両のAAV-7水陸両用装甲車、1両のLVTH-6突撃砲を放出して浜辺にのし上げさせ、四方を大殺戮する‥‥

このような上陸がうまくいくか否か、おそらく決定権は台湾軍の手中には全くない。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「台湾軍『新型水陸両用ドック輸送艦』の模型」)


 まあでもやれることをやれる範囲で努力してやるしかないわけで、台湾が努力を見せないとアメリカその他も本気で協力できないでしょうし。上陸艦は攻撃力を他の艦艇に任せて上陸機能に特化した方がいいというのは一般的にはその通りかもしれませんが、多数の艦艇を作ることができない場合はやむを得ない場合もあるでしょう。
















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