64式消音サブマシンガン

 これも中越戦争と絡めて紹介されています。

http://military.china.com/history4/62/20140513/18499227.html


対ベトナム反撃戦:解放軍64式消音サブマシンガンを用いて無音でベトナム軍を殲滅

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「両山輪戦の時、我が軍の偵察兵が出撃前に記念撮影。画像の中の左端の戦士が64式消音サブマシンガンを持っている。」)

偵察兵の任務執行の高い隠蔽性ゆえに、消音武器は当然彼らの任務執行時に真っ先に選択されるものとなる。各国はいずれも積極的に消音武器を研究開発している。本刊は今期と次期の雑誌の中で、それぞれ64式および85式消音サブマシンガンの観賞分析記事を掲載し、読者が「消音」の中身を感じ取ることを案内する。

1960年代初め、我が軍の偵察兵の特殊な要求に基づき、我が国の軍事工業部門は消音サブマシンガンの研究開発作業を展開した。専門家李正凡に主催され、消炎、消煙、消音の原理の入手から探索し、成功裏に専用弾薬と消音装置を設計し、消音銃の特殊な内部弾道特性がもたらす信頼性や射撃精度などの技術的なカギとなる重要問題の難関を攻略し、1964年に64式7.62mm消音サブマシンガンが設計定型に至った。

対ベトナム自衛反撃戦の中の無音の戦闘

64式消音サブマシンガンの理解は、やはり1つの戦例から始めよう‥‥

1984年の両山輪戦開始後、我が方はそれぞれの大軍区の腕利きの偵察力量を組織して雲南の戦闘区域に駆けつけてローテーションを組んでの戦闘を行い、もって実戦経験を獲得した。任務執行時、1964年式消音サブマシンガンは特殊偵察兵の手中の利器で、音もなく戦場の敵を殲滅し、無音で大きな手柄を立てた。

1984年9月5日、老山戦闘区域の第3偵察大隊某師団偵察中隊は上級の命令に接し、844高地に行って偵察し、捕虜を獲得する任務を執行した。

敵軍の状況を掌握するため、我が方の偵察兵は相次いで数回844高地に浸透して接近偵察を行い、目標地域付近の地雷原、構築物、公然および隠れた火力ポイントおよびベトナムサイドの兵士の活動の規則性を探って明らかにし、その後詳細な計画と参謀の作業を制定し、かつ各種の出現する可能性のある状況に対し1つ1つ相応の処理方法を設定し、同時に目的性を持った模擬訓練を行った。

9月12日午前8時37分、出撃した分隊の偵察兵たちは3日2晩の極度に苦難に満ちたジャングルの行進を経て、844高地の麓の河辺に到達して隠れた。

19時、空の色が暗くなった時、突然豪雨が降り、豪雨の中雷が光って雷鳴が響き、ベトナムサイドの偵察は不良となり、さらに何の音も聞こえず、まさに天の助けだった! 偵察分隊は河辺を離れて844高地の側面、後方に迂回し、灌木の林の中に隠れ、稲光の助けを借り、我が偵察兵は山頂の下にベトナム軍の歩哨小屋があるのを発見した。中隊長孫某は自ら2名の戦友を率いて歩哨小屋に接近し、仔細な観察を経て、小屋の内部には10名を超える敵はいないと断定した。敵サイドの人数が多すぎるため、中隊長はまず奇襲して一部を殲滅し、さらに残る敵を捕虜にする決定をし、かつ同行した工兵によって844高地に向かう道路上に地雷を敷設させ、歩哨小屋と高地の連絡を遮断した。

翌日早朝5時20分、まさに人が最も疲れて気が緩んでいる時だった。中隊長孫某が1人のベトナム兵士があくびをする声を聞いた時、時機はすでに来たと考え、進攻の命令を下した。猛虎が羊に飛びかかるように孫某が歩哨小屋に突進し、64式消音サブマシンガンを用いて連続3回バースト射撃するのを見ただけで3名の敵が射殺され、同時にもう1人の戦友が1人を射殺し、1名を負傷させ、別の2人の敵は小屋の壁を突き破って逃走したが、小屋の外で待っていた我が方の戦士によって射殺された。まさに戦友が負傷した敵を縛って連れて行こうとした時、孫某はまた偵察兵用ナイフを用いて、蚊帳の中で銃を探っていた敵1人を片づけた。全過程は1分にもならなかった。5時40分、偵察分隊が300m撤収した後、844高地の山頂のベトナム軍はやっと歩哨小屋が襲撃に遭ったことに気付き、わいわいがやがやと追撃に来て、結果的に小分隊があらかじめ敷設しておいた地雷を踏んだ。ベトナム軍はまた我々が撤収した方向に対し妨害射撃を実施し、かつ2個小隊の兵力をもって追ってきた。孫某は工兵に地雷を敷設して阻止するよう果断に命令した。追ってきた兵は再度地雷を踏み、それであえてさらに追っては来なかった。偵察分隊は改めて方向を選択し、道を切り開き、当日10時25分に安全に帰還した。

襲撃戦全体で全部で13人の敵を殺し、我が方には1人の死傷者もなかった。事後、盗聴はベトナム軍が無線電信の中で「中国のハイクラスの別働隊の無音攻撃に遭った」と驚き叫んでいるのに気付いた。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「対ベトナム作戦時解放軍兵士が使用した64式消音サブマシンガン」です。サイレンサーのカバー筒の部分が外されてますね。)

セットで使用される消音弾薬

64式消音サブマシンガンを研究開発する時、専用の消音弾薬の研究開発も同時に始動した。弾薬の試作成功後1964年式7.62mm消音サブマシンガン弾薬と命名された。この弾薬は後の85式消音サブマシンガンにも適用される。この弾薬の全長は37mm、全弾薬重量は12〜13g、弾頭の全長は25.9mm、弾頭重量は7.6〜7.9g、弾頭直径は7.85mmである。ボトルネック型リムレス薬莢を採用し、薬莢の長さは24.7mm、最大銃口エネルギーは344ジュール、100mの所での2.5mm厚コールドローラー鋼板(後ろ向きの傾斜30度)に対する貫通率は80%である。

銃口騒音を下げるため、この消音弾薬が採用する装薬は比較的特殊で、「双球23-1」ダブルベース球形発射薬(初期には四角い薄板状発射薬を使用したことがある)で、発射薬の重量は0.23gである。球形発射薬でも四角い薄板状発射薬でも、燃焼時に火薬粒の表面から内部に向かって徐々に燃焼し、燃焼開始時に表面積が最大で、チャンバー圧力が最大で(平均最大チャンバー圧力は240MPa)、弾頭のバレル内での運動速度も最高である。燃焼の進行につれ、燃焼面積は急速に減少し、加えて弾頭後方のバレル内空間が徐々に増大するので、チャンバー圧力は急速に下降する。弾頭がバレルを出た後、火薬ガスはすでにバレル内で充分に膨張燃焼しているため、銃口付近の音、煙、火炎は比較的小さい。また、弾頭の平均初速は285〜305m/sと亜音速であり、非常に大きく弾頭の衝撃波が生じさせる音を低下させている。

銃弾が当時のアメリカ陸軍および海兵隊が装備したナイロン防弾チョッキとヘルメットを貫通できるよう要求されたため、初速が不変という前提の下に貫通力を向上させることが必須だった。ゆえに弾頭先端部の形状を、拳銃弾の丸い先端部ではなく小銃弾頭に似た尖った形状に設計した。弾頭の先端には3mm前後の空洞が残され、後部の鉛製ジャケットは厚さが加えられ、弾頭の重心が後ろ寄りにされ、貫通力を保証すると同時に弾頭を人体内部で転倒破裂させる効果がより強く、停止作用が向上した。その弾頭内部の構造も拳銃弾とは異なり、外部がジャケットで覆われた鋼心弾であり、鋼心とジャケットの間には鉛のジャケットがある。初期のジャケットは真鍮プレスによって作られたが、後期は銅・スチールジャケットが採用された。初期の鋼心には尖った先端に円錐状の尾部が付属した形状が採用され、回転切削加工によって作られたが、このような生産方式は時間と労力が費やされ、さらに容易に大量の廃品が生じた。後期は一定の弧度のある平らな頂点に円錐状の尾部が付属した形状に改められ、プレス方式が採用され、生産効率を非常に大きく向上させた。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「対ベトナム作戦時に解放軍戦士が使用した64式消音サブマシンガン」です。)

銃器構造の解剖分析

64式消音サブマシンガンはバレル、消音装置、照準具、レシーバー、ボルト、複座装置、撃発装置、マガジン、折りたたみストックといった9つのユニットによって組成され、銃全体では全部で100の部品がある。

この銃は外形上54式サブマシンガン(頑住吉注:PPS-43の中国におけるコピー生産版)のハンドガードのない形式の設計を参考にしているが、レシーバーの長さは非常に大きく短縮されている。マガジンとグリップの間の距離は非常に近く、構造はコンパクトである。採用されている金属折りたたみストックは56-1式サブマシンガン(頑住吉注:AK47の折りたたみストックバージョンの中国版)のそれと基本的に同じで、やや短いだけである。同様にダブルの支持架が下向きに折りたたまれる形式の金属ストックで、左右の支持バー、肩当て、ストック軸、ロック金具からなる。ストックを伸ばす必要がある時は、親指を使ってストック固定ボタンを押して、ストックを下、後ろに向けて定位置まで回転させ、さらに肩当てを定位置まで回転させれば即OKである。だがストック固定金具、これに対応する穴、切り欠きを組み合わせてストックを位置決定するため、相互間の間隙を自動的に埋め合わせることはできず、このためがたつきやすく、射撃精度に影響する。同時に手の感触と頬当てした感触もごく快適ではない。

バレルには36個の小さな排気穴があり、射撃時に一部の火薬ガスがここから消音装置内の消音カップに向け排出される。レシーバーに近い位置には円筒形の連結ジャケットと長い穴のある支持架が連結され、支持架は消音器ジャケット筒の位置を正すのに用いられ、連結ジャケットは消音器ジャケット筒とレシーバーの連結に用いられる。消音装置はジャケット筒と消音カップからなり、マキシム膨張消音原理が採用されている。消音カップは大、中、小の3種に分かれ、配列の順序は銃口部分から始まって中サイズ(2個)、小サイズ(10個)、大サイズ(1個)という順で並んでおり、かつ2本の連結バーで串状に連結されている。2本の連結バーの前端には押し倒すことができるキャリングリングがあり、もって消音カップの着脱に便とする。消音装置と消音弾薬を使用しているため、昼間の射撃時、100〜150mの距離では音は聞こえず、50mの距離で銃口の煙は見えない。夜間射撃時、500mの距離で銃声は聞こえず、50mの距離で銃口炎は見えない。室内での射撃時、室外では音は聞こえない。

この銃の機械照準具のリアサイトには固定された切り欠きと可動式の切り欠きの2種がある。固定された切り欠きは100mの距離の目標を射撃するのに用い、可動式の切り欠きは距離200mの目標を射撃するのに用いる。

この銃には2つの主要な欠点がある。1つ目は照準具が消音筒上に設けられているため、一定時間射撃した後、射撃精度が低下し、毎回の分解後も射撃精度が影響を受ける。2つ目は射撃後の硝煙が往々にして消音筒内に集まり、その後ゆっくりと出て行き、しかもクリーニングが容易でなく、もしチャンバー内が汚れすぎ、あるいは弾薬がしけっていたら、射撃中薬莢破裂の危険が生じる。この銃は慣性閉鎖原理を採用しているので、ひとたびチャンバー内で薬莢が破裂すると、火薬ガスはチャンバー後端から噴出し、結果は相当に深刻なものとなり、往々にして射手の顔面部分に傷を負わせ、このため使用時は注意する必要がある。

(頑住吉注:これより4ページ目。画像のキャプションは「対ベトナム作戦時に解放軍戦士が使用した64式消音サブマシンガン」です。)

結びの言葉

64式消音サブマシンガンは我が国が自ら研究開発した第1世代消音サブマシンガンであり、我が軍の偵察兵に装備された他、さらに落下傘兵やその他の特殊兵に装備された。この銃は良好な「三微」(微声、微光、微煙)性能および射撃精度を持っていたが、構造が複雑なためいくつかの欠陥が存在し、後に構造が簡略化された85式7.62mm消音サブマシンガンによって取って代わられた。

(頑住吉注:5〜6ページ目は3、4ページ目と同じ。7ページ目)64式消音サブマシンガンの分解図

(頑住吉注:8ページ目)64式消音サブマシンガンが使用する弾薬


 最後は明らかに画像とキャプションがずれており、分解図は本当は6ページ目です。ちなみに8ページ目は左がこの銃の使用弾薬で、右はベースとなった7.62mmx25拳銃弾薬ですね。まさにミニュチュア版アサルトライフル弾薬といった感じで、初速はベースより低いものの貫通力はかなり高いようです。















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