中国のステルス機対策に死角なし?

 戦車と対戦車兵器のシーソーゲームのようなことがステルス機と対ステルスレーダーでも展開されていくんでしょうか。

http://military.china.com/important/11132797/20140925/18816087.html


中国のDWL002対ステルスレーダーが明るみに 500km以内に死角なし

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「米軍のB-2ステルス爆撃機」)

中国、B-2およびF-22ステルス戦闘機の脅威にさらされる

対ステルスレーダー、500km以内に「死角なし」

張亦馳

ここ何年か以来、各種先進ステルス機とステルス戦闘艦が華やかさを競い合い、対ステルス技術もそれに連動して高まっている。なぜステルス技術なのか? もしステルス武器が改良設計やステルス材料の使用によって敵サイドによって発見されるのを免れたら、不意を突いて攻撃し最大の戦果を取得することになる。ならば対ステルス技術はそのステルス機能を打ち破る天敵であり、アメリカのF-22、ヨーロッパの「ニューロン」およびステルス戦闘艦に身を隠すところをなくさせることができる。

各国はステルス技術で全力勝負すると同時に、さらに対ステルス領域で密かに力比べをしている。最近、ある国外の研究機構が発表したレポートは、中国が研究開発した対ステルスレーダー技術は非常に先進的で、しかも「世界の先進戦闘機の悪夢」となると考えている。この説は今年5月に行われた第9回中国国際国防電子展示会にルーツがあり、その期間に最も人の注目を引きつけたのは中国の新型対ステルスレーダーだった。

ならば、世界各国の対ステル技術は一体どんなレベルまで発展しているのだろううか? 中国の対ステルスレーダーの性能は一体どうなのだろうか? それは本当に非常に先進的なのだろうか?

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは1ページ目と同じです。)

「ナイトホーク」の失敗から語り始める

いくつかの国は非常に速くからもう対ステルスレーダーの研究開発を開始しており、その初の「戦果」は15年前に生じた。

1999年3月27日夜、NATOの対ユーゴスラビア爆撃はすでに第4日目に入っていた。それは漆黒の夜だった。1機の米軍のF-117「ナイトホーク」ステルス爆撃機が空襲の任務を完成させ、まさにイタリア北部のアヴィアーノ空軍基地に向かって飛んでいた。この爆撃機は1970年代に研究開発が開始され、米軍は1989年のパナマ侵攻の時に初めてこれを実戦に用いた。1991年の湾岸戦争の期間、F-117はさらにイラクの防空システム突破によって現代の戦争の中のスターたる実戦機となった。この時の対ユーゴスラビア爆撃でも、F-117はカギとなる重要な役割を演じた。ステルス性能が良いため、この機はまだ撃墜されたことがなかった。

F-117は何日か前ユーゴスラビアを爆撃した航行ラインに沿って飛行し、飛行員ジェリコは明らかに危険が間もなくやって来るとはまだ決して意識していなかった。突然、レーダー警報が鳴った。表示スクリーン上には「SA-3」の文字が表示された。それはロシア製の旧式な地対空ミサイルのコードナンバーである。この種の状況に全く遭遇したことのなかったジェリコがまだ反応しないうち、もう1本の明るい光がこの実戦機にまっしぐらに向かってきて、「ドン」という轟音が響いた後、F-117は急速に墜落し始めた‥‥

事後、ある軍事専門家の研究は、ユーゴスラビアのF-117ステルス爆撃機撃墜を助けたのはチェコが研究開発したパッシブ対ステルスレーダーであるタマラレーダーシステムであると考えた。何年か後、チェコはまたタマラレーダーを基礎により先進的なウェイラパッシブ対ステルスレーダーを研究開発し、かつ2002年に引き渡しを開始した。

実際、飛行機のステルスは決して本当に見えないのではなく、そのレーダー乱反射断面積(RCS)、すなわちレーダーに捕捉される「影像」が相対的により小さいのである。飛行機がステルスの目的を達成するには、レーダーによって捕捉される「影像」を減少させることに技量をつぎ込む必要がある。減少させる方法は主に2種類ある。1つは念入りな外形設計によりレーダー波をその他の方向に反射させ、それを相手方のレーダーに反射させなくすること。2つ目はできるだけ電波吸収材料や電波収集塗装層を採用すること。

一方対ステルスレーダーの目的はちょうど反対で、レーダーによって捕捉される「影像」、ステルス機を発見する外部に輻射される電磁波を拡大する必要がある。アメリカのロッキード・マーティン社は対ステルスレーダー研究に最も早く関わった会社の1つであり、同社が冷戦の時期に研究開発したパッシブレーダーシステムは探知計測距離が200km以上に達し得た。それは主にステルス目標の電磁輻射信号をキャッチすることによって目標の位置を探知計測する。後に、フランス、イタリア、イギリス、ロシアも相次いでパッシブレーダーを研究開発した。そこで、「パッシブレーダー」はほとんど対ステルスの代名詞となった。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「米軍のF-117実戦機」です。)

アメリカの封鎖が中国の自主研究開発を迫る

中国が先進的なパッシブ対ステルスレーダーを研究開発できるのは、アメリカに迫られてのことである。NATOのユーゴスラビア爆撃の中で、中国の駐ユーゴスラビア大使館が米軍のB-2ステルス爆撃機の攻撃に遭った。後にB-2爆撃機とF-22戦闘機はまた太平洋上に位置するグアム島などの軍事基地に進駐した。このように、中国はアメリカのF-22とB-2から組成される「ステルス遠距離打撃戦力」の脅威にさらされている。

他の方面では、アメリカはさらに極力中国が先進的な対ステルスレーダーを持つことを妨害している。イギリスの「週刊ジェーン安全保障業務」2004年5月26日の報道によれば、チェコのレーダーメーカーであるERA社は中国に向け10基のウェイラ-Eレーダーを販売することを計画した。この計画はすでに同年1月にチェコ工業・貿易省の批准を得ており、販売価格は5,570万アメリカドルだった。だがアメリカはこのシステムは自分たちのステルス機を探知計測できると考え、このため極力妨害した。当時アメリカ国務長官の任にあったパウエルは、甚だしきに至ってはわざわざ同じくNATOメンバーであるチェコの外務大臣スウォボダに手紙を送って、同国が中国向けにウェイラ-Eシステムを輸出することに抗議した。最終的に、アメリカはこの売買をダメにした。

まさにアメリカの封鎖およびステルス機の脅威が、中国の自ら対ステルスレーダーを研究開発する決意を確固たるものにした。今回中国が「国防電子展示会」で展示したDWL002パッシブレーダーはまさしくその成果の1つである。展示会の資料がはっきり示すところによれば、DWL002パッシブレーダー探知計測システムは、主に防空と海岸監視に用いられ、複雑な電磁環境の中で機載、艦載、地上の輻射源に対し探知計測と位置決定を行い、かつリアルタイムに目標の軌跡を表示できる。このレーダーの探知計測距離は500kmに達し得、全レーダーシステムが全空域カバーを実現でき、かつリアルタイムに、正確に位置決定と追跡ができ、信号分析と識別能力があるため、基本的に「500km以内に死角なし」を実現することができる。

当然、このパッシブレーダーは飛行機に対外的な無線電波の輻射があることを必要とする。だが戦時において、敵サイドのステルス実戦機は無線電波を「沈黙」方式に置く、つまりできる限り対外的に電磁波を輻射しない可能性が高い。この種のステルス+無線電波「沈黙」の目標に対応するため、中国は現在さらによりハイエンドなパッシブレーダーを研究開発しており、すなわち外界が言うところの「外輻射レーダー」である。

「外輻射源レーダー」の作動原理は次の通りである。ステルス機を含む空中目標は、民間用のFM放送の発射する信号、携帯電話基地局の信号が充満した空域内を飛行し、必然的にこうした信号に対し反応を生じさせる。空中目標が反射した民間用無線電波信号をキャッチすることによって、空中目標に対する探知計測が実現できる。今回の展示会では、中国は全部で2種の「外輻射源レーダー」を展示した。関係者の説明によれば、現在アメリカだけが類似のレーダーを持っており、ヨーロッパはまだ試験段階である。

(頑住吉注:これより4ページ目。画像のキャプションは3ページ目と同じです。)

アクティブレーダーにも対ステルス能力を持たせることができる

パッシブレーダーはステルス目標に対する探知計測が実現できるが、全体的に見てその探知計測精度は必ずしも思い通りではなく、信頼性にも問題が存在する。このため、理想の方案は伝統的なアクティブレーダーに対ステルス機能を具備させることである。

研究院人員は、波長が比較的長いメートル波レーダーの対ステルス能力が比較的強いことに気付いた。このため現在大多数の戦闘機のステルス設計は主にメートル波、センチメートル波、ミリ波周波数帯のそれぞれのレーダーに照準を合わせている。当時ロシア式のSA-3ミサイルがアメリカのF-117爆撃機を撃墜した重要な原因の1つは、それが使用するレーダーがメートル波周波数帯で目標を「捕捉」したことであった。また、アクティブフェイズドアレイレーダー技術はより大きな出力と探知計測距離を実現することができ、このためやはり対ステルス技術に対し重要な作用があると考えられている。中国のJY-27A対空警戒レーダーは創造性をもってメートル波およびアクティブフェイズドアレイレーダー技術を融合させている。関連の資料は、JY-27Aはステルス目標探知計測、弾道ミサイル早期警戒、目標識別、情報分析、ネットワークを組んでの情報融合などの実現という方面において、いずれも世界先進レベルにあることをはっきり示している。

このメートル波アクティブフェイズドアレイレーダーの他、中国はさらにダブル基地あるいは多基地レーダーを研究開発した。何故ならステルス機のステルスの秘訣の1つはレーダーをその他の方向に反射させることで、もしいくつかの受信機を多く配置したら、その他の方向に反射されたレーダー波が「一網打尽」にされ、かつデータ融合を行えばステルス目標の探知計測が難しくなくなるからである。中国のダブル基地あるいは多基地レーダーはまさにこの原理を利用している。

軍事専門家は、中国はすでにパッシブレーダー、外輻射源レーダー、アクティブレーダーを相互に結合した対ステルスレーダー体系を形成し、かつ多基地と単一基地レーダーを相互に結合した総合レーダー網を構築しつつある、と考える。もしこの種のレーダー網が作用を発揮したら、有効にB-2、F-22などのステルス実戦機の脅威に対応できることになる。


 本当に米軍のステルス機を探知できるかは外部には分からないでしょう。中国自身はF-22やB-2が中国に接近すれば効果を確認できるはずですが。





















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