ロシアの新型潜水艦進水

 新型と言っても最新鋭ではないようで‥‥

http://www.hinews.cn/news/system/2014/11/13/017111403.shtml


ロシアの新型通常潜水艦に三大進歩あり 陸空の目標を打撃できる

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「『スタールイ・オスコル』号潜水艦のスクリューの特写」)

最近、ロシア海軍が発注した第3隻目の636.3型通常動力潜水艦「スタールイ・オスコル」号がサンクトペテルブルグ海軍部造船工場で進水し、この艦は艤装を完成させた後ロシア黒海艦隊に引き渡される。ある情報は、この潜水艦の水中航行騒音はきわめて低く、NATOの大部分の対潜センサーを役に立たなくさせることができ、このため「大洋のブラックホール」の呼び名がある、とする。さらに重要なのは、636.3型潜水艦が水上および水中の目標を打撃できるだけでなく、さらに陸上の目標が打撃でき、作戦用途が非常に大きく拡張展開されていることである。

身の上の謎を明かす

636.3型潜水艦について語り始めるなら、その原型である636型潜水艦に言及しないわけにはいかない。今までにロシアはすでに18隻の636型潜水艦を輸出し、国際市場で最もよく売れる通常動力潜水艦と称するに堪える。ある分析者は、ロシア海軍はまさに636型潜水艦の他国での就役状況の分析を経た後で、やっと慎重にも自ら用いるバージョンである636.3型潜水艦購入を決定した、とする。ロシア海軍は2011年に6隻の636.3型潜水艦を発注し、全部黒海方向に投入する計画だとされ、この地域の情勢の緊張にかんがみれば、ロシア海軍部造船工場の建造の進度はすで非常に大きく前倒しにされている。

公開の情報がはっきり示すところによれば、636.3型潜水艦の艦員編成は52名で、水中最高航行速度は20ノット、水中最大航続距離は400海里、自力持久力45日である。艦首には6門の533mm口径魚雷発射管があり、ロシア軍現役の各種音響自動誘導、有線誘導、尾流自動誘導魚雷が発射でき、甚だしきに至っては超気泡高速魚雷が発射できる。636.3型は636型の伝統的なディーゼル・電池動力装置を継承している。また、ルビー設計局プロジェクト担当責任者ディヤチコフの言い方によれば636.3型はさらにリチウムイオン電池技術を使用し、比較的持久力のある潜航力を持っている。

武器方面では、この潜水艦は「クラブ-S」対艦ミサイルシステムを装備し、ZM54EあるいはZM54E1対艦ミサイル、およびZM14E対地巡航ミサイルが発射できる。また、8発の「アロー-ZM」あるいは「ニードル-1」潜水艦発射対空ミサイルが対潜機に大いに苦杯をなめさせることができる。

三大進歩を促進

この前のある情報は、ロシア軍工業総合体はまだ試験段階にある677型潜水艦の一部技術を636.3型潜水艦に用い、騒音軽減ステルス、ソナー探知計測、自動コントロールなどの方面でいずれも改良があり、この艦を技術も成熟し、また機能が先進的でもある「過渡的潜水艦」とした、としていた。

まず、潜水艦の航行騒音を軽減し、かつ敵サイドのソナー信号を吸収するため、636.3型潜水艦は全身にゴム材質の消音スレートを敷設する設計を採用した。この技術は636および677型潜水艦でいずれも応用されている。また、636.3型の減震フローティング技術も最高級の状態を達成し、航行騒音をさらに一歩低下させている。西側の軍の世界では普遍的に、636型の騒音レベルは110デシベルで、一方636.3型はさらに5デシベル低下させた可能性があると考えられている。

次に、636.3型は677型の一部の探知計測センサーを採用している。より早く出現した636型潜水艦の主要な探知計測システムはMGK-400EM型総合ソナーアレイである。だがこのソナーは艦首に配置され、正面120度の区域の範囲しか探知計測できず、艦体の側面や後方には探知計測の死角が存在する。636.3型は677型潜水艦に似た曳航アレイソナーを使用し、ほとんど探知計測の死角がなく、探知計測距離も100kmにまで延長されている。提示しておくに値するのは、636.3型潜水艦はさらに新型レーダーと電子支援設備を採用し、水上目標に対する探知計測距離が60kmに到達し、同時に4つの目標を追跡でき、かつ艦載武器を誘導して2つの目標が攻撃できることである。

第3に、636.3型の指揮システムには677型の技術的成果が利用されている。677型はLAMA-EKM型戦術データ処理システムを配備し、これは多機能指揮管制ディスプレイとコントロールシステムから組成され、ナビゲーション、ソナー、レーダー、電子偵察など多種の作戦システムと連結でき、自動的に探知計測システムが獲得したデータに対し処理と分析ができる。このシステムは同時に50の目標に関するデータを処理し、このうち12の目標を追跡でき、かつこのうち3つに対し火力計算を行い、同時に6つの有線誘導魚雷を制御して3つの脅威が最大の目標を攻撃できる、とされる。自動コントロールと自動装弾のおかげで、6発の魚雷の装填には3秒しか必要とせず、かつ一斉射撃が実施できる。

「使える潜水艦がない」を避ける

歴史を回顧すると、10年前に636型潜水艦が海外によく売れ始めた時、それにもかかわらずロシア海軍はこの構造が堅固で、発展の余地が大きい武器プラットフォームを購入せず、頑固に677型潜水艦ができるだけ早く試験、定型を完成させることを期待していた。しかし、677型の第1号艦「サンクトペテルブルグ」号が2004年にロシア海軍に引き渡された後、多くの問題が暴露され、しかも問題は尾を引いた。2012年初め、ロシア海軍は677型潜水艦は暫時ロシア海軍戦闘編成への進入を停止する、と制式に言明した。

止むを得ず、ロシア海軍は677型の技術を共有する636.3型潜水艦を選択し、できる限り早く自身の水中艦隊老化の問題を解決することにした。これは某種の程度上、ロシアの潜水艦工業の苦境をも体現している。ソ連解体後、ずっと外国の顧客が購入したことによる資金があったが、ロシアの潜水艦製造工業にとっては、金がまだ少なすぎたのである。このことは人材の流出、工場の操業の不足、基礎研究への投資の不十分など多くの問題ををもたらしただけでなく、新概念潜水艦の信頼性が難関を突破し難い結果をももたらしたのである。

技術的角度から見て、ロシア海軍が改めて636系列潜水艦を選択したのにはあるいは長期的な考慮もあるのかもしれない。636.3型潜水艦はダブル殻体設計を採用し、トン数は677型に比べ少なからず大きく、677型が装備できる設備は636.3型は基本的に全て装備でき、このようにすれば677型の先進武器装備応用方面の成果を都合良く充分に応用できる。一方636.3型の涙滴型の外形もさらに一歩の発展のために基礎を固めている。成熟した機種として、ロシア人はどんな種類の措置をとればその騒音を最低に下げることができるのかを最もよく知っている。また、将来ひとたびAIP(非空気依存推進)技術が成熟すれば、この艦も完全にAIP船室を追加する方式により、水中長時間隠蔽潜航能力を獲得できる。このようにすれば、たとえ677型潜水艦の進度が再度遅延しても、ロシア海軍は「使える潜水艦がない」状態に身を落とすには至らない。(張亦馳)


 もう1つ関連の記事です。

http://www.hinews.cn/news/system/2014/11/17/017121263.shtml


ロシア最新のステルス潜水艦、年末に海軍に加入 対艦対潜任務を執行

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「資料画像:ロシア黒海艦隊第2隻目の636.3プロジェクト潜水艦『ロストフ・ナ・ドヌ』号ディーゼル・電池潜水艦がサンクトペテルブルグの海軍部造船工場で進水」)

中新ネット11月17日電 中国国防科学技術情報ネットの報道によれば、ロシア最新のディーゼル・電池潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌ」号が航海試験を終え、2014年末にロシア海軍に加入することになる。

これは636.3プロジェクトの中の「Varshavyanka」級潜水艦の第2号艦で(NATOは改良型キロ級と称する)、全部で6隻建造され、2016年末に黒海艦隊に加入する計画である。9月、第1号艦の「ノヴォロシースク」号がすでに就役している。

「Varshavyanka」級ディーゼル・電池潜水艦は先進的なステルス技術を採用し、作戦範囲が拡大し、対地、対艦および水中目標に対する打撃能力が高められている。アメリカ海軍はそれを「海洋のブラックホール」と称し、何故ならそれらが潜水するとそれらを探知計測できる方法がほとんど何もないからである。この潜水艦は主に比較的浅い水域で対艦および対潜任務を行うのに用いられる。

ロシア黒海艦隊にはすでに何十年も新型潜水艦の加入がなく、現在唯一の潜水艦は1990年に装備された「キロ」級「Varshavyanka」号である。(中国船舶情報センター 張暁)


 AIP技術がまだないなど問題点もあるようですが不気味な存在ではありますね。






















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