ロシアが「遼寧艦」の作戦能力を否定?

 アメリカにも日本にも同様の主張をする人はいますが、ロシアにも?

http://military.china.com/cv/news/11079878/20121019/17482855.html


ロシアメディア、遼寧艦の航海試験で問題発生、あるいは作戦能力なしか、とする

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「ロシアメディアは、初めての航海試験は3日続き、その時から空母は全部で10回の航海試験を行い、総計103日続いたが、このうち数回の航海試験の期間は意外な短さで、明らかにいくつかの問題が発生したのだ。とする。」)

【グローバルネット総合報道】ロシアの週刊「毎週論拠」10月18日の報道によれば、中国が旧ソ連11435型「ワリヤーグ」号空母を基礎に改装して作った初の空母「遼寧艦」は最近正式に就役し、中国メディアは直ちに誇らしげに本国はすでに空母時代に入ったと公言しているが、各方面の状況から見て、この空母は永遠に作戦艦艇にはならないかもしれない。

ロシアメディアは言う。去年8月10日に中国の改装空母は初めて造船工場を航行して出て航海試験を行い、当時はまだ「16」というコードナンバーも「遼寧艦」という正式名称もなかった。初の航海試験は3日続き、その時から空母は全部で10回の航海試験を終え、総計103日続き、このうち何回かの航海試験の期間の短さは予想外で、明らかに何らかの問題が発生したのである。現在この空母は正式な海軍への引き渡しを終え、中国メディアは面倒をいとわず集中的な報道を開始している。全体が白色の塗装はなおさら非常に目立ち、中国海軍はまさに白色を用いてロシアの汎用の灰色がかった青の塗装との区別を表示している。白色はより華麗でより壮観だが、大海の青い背景の中では完全に自己を暴露する。中国のテレビメディアはさらに「遼寧艦」のほとんど全部将校から組成される乗員の状況を詳細に報道したが、このことは中国がこの特別に高価な空母を非常に大切にし、念入りに最優秀の乗員を選抜したことを表している。しかも遼寧艦の女性の乗員、内部に展示された装飾、甚だしきに至っては食堂に関しても報道された。

ロシアメディアは言う。「ワリヤーグ」号空母の建造はソ連解体後ウクライナのニコラエフ造船工場で凍結され、当時の空母システムの完備率はすでに78%に達し、1998年までずっとその存在は造船工場の埠頭において封印されていた。最終的に中国のマカオの会社が2,000万アメリカドルの価格で買っていき、当初は海上遊戯娯楽施設に改造される計画のようだった。これは決して中国が初めて購入する外国の退役空母ではなく、この前に中国はすでに2隻の旧ソ連の退役空母、およびオーストラリアの古い空母「メルボルン」号を購入しており、これらの空母の構造を真剣に研究した後、中国はそれを博物館や娯楽施設に改造した。だが「ワリヤーグ」号の運命は違っており、この艦はその前に中国が購入したその他の古い空母とは異なりもはや娯楽施設には改造されなかった。アメリカ人は直ちに中国の真の意図を理解したようで、このため圧力をかけ、ウクライナは空母の販売前にほとんどの取り外せるもの一切を取り外すことを迫られた。ロシアもウクライナサイドに一部の設備、およびあらゆる機密部品を取り外すよう要求した。この後中国はほとんど2年近い時間を使ってやっと空母を大連まで牽引してくることに成功した。大部分の時間はトルコにジブラルタルおよびダーダネルス海峡の外に足止めされ通行できなかった時だった。トルコの口実は中国サイドが非常に大きくコントロールを失った空母を牽引、運搬して海上を航行することは安全上の脅威を構成する可能性があるというもので、中国サイドが積極的に重要問題に取り組んだ後やっと最終的に通過を許された。明らかにアメリカがこの一切を背後でそそのかしていた。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「中国海軍空母遼寧艦」です。)

中国は直ちに「ワリヤーグ」号空母に対し長時間の真剣にして精緻な研究を行い、しかる後2004年に大連造船工場でこれに対する維持修繕と改装を行い始めた。当時の空母の状況は極めてまずいもので、大部分の設備は改めて取り付ける必要があり、甚だしきに至っては主動力装置の中の最も重要な部品も含まれたとされる。空母上の一部の電気ケーブルや電線も取り外されており、残りの設備は標識が消去されていた。あらゆる電子設備や無線電信設備、およびあらゆる武器装備が全て取り外されていた。事実、「ワリヤーグ」号は当時空箱、およびいくつかの使えるかどうかわからない壊れた古い設備しか残っていなかった。中国の技術者は空母の動力装置を改装し、ロシア製品に酷似した国産電子設備、および対艦ミサイル発射設備を取り付けた。この他さらに空母の燃料用タンクローリーを追加装備し、航空機格納庫を拡大した。新たに装備された武器装備は基本的に全て国産製品で、これには30mm高射砲や近接防御ミサイルシステムが含まれる。中国空母の防空システムの性能はロシア海軍の現役空母「クズネツォフ」号が使用中のもの、および「ワリヤーグ」号空母がかつて装備していた類似のシステムのレベルに及ばず、最も密集した近接防御火力網を形成することはできないが、こうしたことは決して重要ではない。何故なら「遼寧艦」は永遠に作戦空母になることはない可能性が極めて高いからである。

ロシアメディアは言う。当時ウクライナはまずロシアに未完成の「ワリヤーグ」号空母を売り込み、当時2〜2.2億アメリカドルしか要しなかった。だが当時ロシアには新たに空母を購入する力が全くなかっただけでなく、現有の艦隊を保持することすら非常に困難だった。ロシア軍の艦隊は深刻な破壊を受け、多くの古いとは評価できない艦艇が廃金属の価格で換金された。当時ロシアの指導者はたとえ一銭であっても空母を買うのに全く費やしたくはなく、ウクライナ人もこの艦を債務の穴埋めに使いたくなかった。さもなければロシア海軍は現在1隻の空母だけでなく、2隻持っていたことになる。

現在中国が直面する最大の挑戦は艦載戦闘機の問題である。各種の艦載ヘリが「遼寧艦」上に着艦する画像がすでに広く流れ伝わっているが、艦載戦闘機方面にはまだ非常に多くの問題と推測がある。例えば、最近中国初の空母の甲板上に駐機される飛行機の画像がメディアによって公開されたが、専門家たちはすぐにそれらは艦載機の特殊な模型に過ぎないと見抜いた。このため艦載機の空母甲板上への降着に関する状況には、まだしばらくいかなる正確で間違いない証明もない。当然、中国は最終的には艦載戦闘機の空母甲板上での発着を掌握でき、しかも掌握は非常に迅速に行われ、今年あるいは来年には艦載機の初着艦の試みが行われると予測される。

ロシアメディアは言う。一体どんなヘリが「遼寧艦」上に駐機できるのかという問題なら、最初から多少明朗だが、艦載戦闘機の問題となればずっと複雑である。中国はかつてロシアから数機のスホーイ-33艦載機を購入することを企図したが、結果としてロシアサイドの拒絶に遭った。ロシアサイドは中国サイドに大量購入を提案し、その動機は実に簡単だった。ロシアサイドはたったの数機の輸出のためにスホーイ-33の生産ラインを再開するのは経済的にあまり割に合わないと考えた。しかも中国がロシアサイドの技術を盗み、その後コピー生産を行うのを心配した。その後中国は国産艦載戦闘機の自主研究開発を決定した。殲-10戦闘機の艦載バージョンを研究開発するという考え方は否決はされなかったが、棚上げされた。何故なら単発戦闘機は真に強い艦載機に改装できないからである。中国は困難だが抵抗が最小の道を選択し、ウクライナからロシアのスホーイ-33艦載機の初期の検証機を手に入れ、その後研究とコピー生産を行い、かつ中国の自主的研究成果を結合し、いくつかの変化を発生させ、最終的に殲-15「フライングシャーク」を研究開発した。中国サイドは殲-15は国産エンジンのWS-10を使用していると言明しているが、多くの専門家はこれに対し疑いを示し、その試験型機は依然ロシア製AL-31Fエンジンを使用していると推測している。しかもある情報は、殲-15はスホーイ-33より重く、このためいかにして充分な弾薬を搭載して空母甲板上から発艦するかという問題が依然しばらくは未解決だとする。

ロシアメディアは、「ワリヤーグ」号空母を「遼寧艦」に改装するのに成功したことを全て中国自身の功労と考えることはできないとする。多くの基礎的作業は中国サイドが自主的に完成させたが、もし外部からの援助がなかったら中国サイドは必ずしもこの作業の任に完全には耐えなかった。この方面において、中国はウクライナのニコラエフ市の造船専門家と積極的に協力したし、ロシアに行って11435型空母の設計者にも助けを求めた。何年か前、中国はさらにロシアから11435型空母を基礎に設計された中型空母方案を導入した。中国サイドはこれに対して研究や調整を行い、国産新型空母を自主的に研究開発するのかもしれない。今後2隻の国産空母が建造されることになると予測され、しかもこれは作戦空母となる。これにより中国最新型駆逐艦、護衛艦、潜水艦といった全ての中国・ロシア軍事技術協力の大きな成果ある歴史の再演となる。しかも中国人の眼光と志はより遠大なところを向いており、すでにある噂は、中国はさらに大型原子力空母を研究開発することになり、しかも艦載機カタパルト発射装置を使用しスキージャンプ方式を放棄するとしている。


 この種の「外国メディアがこう言っている」という記事の内容があてにならないのはもうお分かりの通りですが、この記事に関しては「白色の塗装は不適切」、「防空システムはロシア製に及ばず」、「殲-15が国産エンジンを使用しているという公称は疑わしい」、「殲-15はオリジナルより重くスキージャンプ発艦がさらに困難」など中国に不都合な内容が含まれており(さらに言えば「中国マスコミははしゃぎ過ぎで滑稽」、「中国人が完全に自力でこんな仕事をやってのけられるはずがない」と言わんばかりの内容なども)、全体的視点が中国人のものではない感じもするので、たぶん大筋こういう報道があったのではないかと推測します。まあアメリカが黒幕となってトルコに海峡通過を妨害させた、という記述のあたりはまるっきり中国の主張通りなのがちょっと気になりますが。

 依然不明の動力についてですが、この記事では「主動力装置の中の最も重要な部品」を改めて取り付ける必要があった、つまり基本的には動力装置はオリジナルを修復したもの、と受け取れる書き方になっていますね。

 肝心の「『遼寧艦』は永遠に作戦空母になることはない可能性が極めて高い」その理由がはっきり書かれていないのは非常に不自然な感じがします。










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