ウクライナ危機は中国の大きなチャンス?

 「軍情視界」の記事です。

http://military.china.com/jqsj/059/


中国はウクライナ破局のカギとなる重要な力量になり得る

ウクライナ危機に直面し、中国はもはや傍観者でいるべきではない

イントロダクション:デモ行進から暴力事件へと発展変化し、さらに現在の内戦の瀬戸際まで、ウクライナ危機はどんどん激烈になっていると言うべきである。アメリカ・ロシアという二大勢力も当初の激しい論争から、徐々に一触即発へと発展している。国際社会の、「冷戦の再来」、甚だしきに至っては「熱戦勃発」に関する心配は日増しに増大している。一方中国がウクライナ危機の中でどのような態度を保持するのか、どんな種類の役割を演じるのかは、いずれも全世界の各方勢力全てに限りなく思いをはせさせる結果をもたらしている。

アメリカ・ロシアの勝負 ウクライナ、あるいは中国勃興の助力となるか

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「プーチンの『3つの対策』、ウクライナで欧米のために穴を掘る」 「落とし穴」みたいな意味でしょうかね。)

アメリカ・ロシアのゲーム、中国のために発展のチャンスを提供

1つの国家の発展は、国際社会が提供するチャンスと切り離せず、中国も例外ではない。新中国成立から現在まで、中国は3回の得難いチャンスを利用して今日の成就を取得した。まずは1980年代のアジア工業化ブームで、中国は産業のグレードアップ、世代交代の中から非常に大きな助けを獲得することができた。その結果はまさに中国がアジアにおける経済競争の中で日本に勝ったことである。第2はアメリカ・ソ連の覇権争いがソ連の解体をもたらし、中国が北方国境の脅威を解除した後、経済発展がさらに世界を属目させ、徐々にかつてのソ連の国際的地位に取って代わったことである。第3はアメリカが自身の覇権の維持保護のため膨大なマンパワー、マテリアルパワー、ファイナンシャルパワーを消耗、費やしてグローバルな対テロ戦争を発動し、最終的に自らを戦争の泥沼に深く陥れ、極めて大きく自身の実力を弱めたことである。中国は一心に発展を求め、かつ最終的に世界第2の経済体になった。そして今回のアメリカ・ロシアのウクライナにおけるゲームは、中国にとって新たなるチャンスである可能性が高いと言える。今回のチャンスを通じ、中国は極めて大きくアメリカとの隔たりを短縮し、甚だしきに至っては一挙にアメリカを超越して世界第1位になる可能性が高いのである。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「中ロ両国は戦略的大プロジェクトの協力を推進しているところである」)

中国、あるいはアメリカ・ロシア両国の「引っ張りだこ」に変わるか

現在、アメリカ・ロシア両国のウクライナ地域に関するゲームは白熱化に近づいているというべきである。両国の空母戦闘群が続々とウクライナ付近海域に向かって進んでいるだけでなく、ロシアはさらに大陸間弾道ミサイルを発射しアメリカに向け示威さえしている。種々の危険な行為がウクライナ地域に集中的に出現していることは尋常でないと言える。一方中国は世界の大国として、ウクライナの向かう方向を決定する重要な力量となる可能性が高い。米ロ両国は当然見て見ぬ振りをするはずはなく、両国はほとんど同じ時期に中国に向けオリーブの枝を投げた(頑住吉注:オリーブの枝は平和の象徴ですが、ここでは友好的態度を示す、といった意味のようです)。昆明テロ事件発生後から、アメリカメディアは一辺倒で事実を失した報道を行ったと言えるが、アメリカ国務省は3日声明を発表し、強烈にこの種の平民に対し発動された「テロ行為」を譴責したが、これはアメリカのこれまでのやり方と大きな隔たりがある。某種の程度上、アメリカ政府が中国政府に向け好意を示したと言える。一方ロシアはより直接的だった。3月4日夜、習近平主席はプーチンの電話会談の誘いに応じ、双方は中ロ関係、ウクライナ情勢につき意見を交換した。今後の一定の時間内、中国は米ロ両国が極力丸め込んで仲間にしようとする重要な力量になる、ということができる。

中国は「正常な自己」でいる必要がある

現在のウクライナの混乱した情勢に直面し、世界が最も関心を注ぐのはすでにアメリカあるいはロシアではなく、中国がこの力量の渦中でどのような姿勢を取るかであるかもしれない。中国は国際的な衝突を調停した経験は決して豊富ではないが、世界を見渡して、今誰が中国に比べより資格があるのだろうか? 中国はロシアの全面的な戦略協力パートナーであり、ウクライナとも戦略的パートナー関係である。同時に中国の、西側と対話するチャンネルもまたロシア、ウクライナ両国に比べずっと豊富である。もし中国さえも試してみることができなかったら、恐らく米ロ両国のわだかまりを解く希望はごくごくわずかだろう。このため、今回のウクライナの混乱した情勢では、中国はもはや傍観者でいることは非常に難しく、自らの能力を充分に発揮する必要がある。まず、中国は各方の対話を力を入れて促し、ウクライナ情勢が継続して悪化しないようにさせるべきである。つまり真の戦争に発展変化させないということで、これはウクライナ人民の利益に最も符合するだけでなく、世界平和の大きな趨勢にも符合する。次に、中国は努力して米ロ両国が完全な勝負の状態になることを阻止し、極力現在のウクライナ情勢を2つの極端の中から安定させるべきである。これは現在最も出現可能性のある結果であり、それはアメリカ、ロシア、ウクライナ各方の政治の需要を満足させられるだけでなく、同時に最大の程度上ウクライナの政治の激変が中国・ウクライナ協力にもたらす不利を避けることもできる。

ウクライナの持続的動揺、世界の視線を集中させる

ロシア、アメリカ両国空母戦闘群、同時に地中海に姿を現す

ロシアの千人以上の軍人がウクライナの兵営を包囲する

ウクライナ海軍旗艦はキエフの指揮を脱しロシアに反乱逃亡

ウクライナと中国東海の万里の絆

日本の中国に対する強硬、突然鳴りをひそめる

今回のウクライナの混乱した情勢の中で、世界のそれぞれの国家あるいは集団は全て自らの役割を演じているが、ただ1つの国は明らかにやや異常であり、それは日本に他ならない。これまでの国際的事件の中で、事件の発展が日本と関係がなくても、日本の指導者は必ず出てきて「小さな顔を露わにし」、もって自らの政治的立場を表明し、同時に世界に自らは軽視できない「政治大国」だと注意を促した。だが今回のウクライナ事件の中で、日本はアメリカというボスのために提灯持ちをしないだけでなく、東海においてさえずっと静かになっている。以前は中国に対し凶悪な発言が絶えなかった日本の首相安倍晋三は、突然「村山談話」を継承するとさえ宣言した。この一連の異常な挙動は人に深く考えざるを得なくさせる。実は、視察を通じ我々が、日本が今回このように静かなのは、アメリカの指図を受けたからである可能性が極めて高い、ということを見いだすのは難しくない。安倍らのような日本の政治家はアメリカの操り人形に過ぎないのである。釣魚島をめぐる争いも、ウクライナの混乱した情勢も、その黒幕にはいずれもアメリカの影が少なからずある。

東海にもし「事が起き」たら、アメリカは両方の面倒を見ることは難しい

アメリカのここ何年かの国力の持続的低下につれ、当初米軍が計画していた「同時に2つの戦争をして勝利する」との素晴らしい構想はすでに実現できなくなっており、増してやもしも中ロというこの世界の大国と同時に仲違いしたら想像もできない災難である。東海は中国のホームグラウンドで、東海問題をアメリカ人によって最終的に決定させるべきでもない。もし今アメリカの眼光がまさにウクライナ地域にぴったりと注がれているなら、これはまさに中国が東海で事を行う最も良い時機である。もし中国がこの時に東海で動作を行ったら、アメリカは空前の危機の中に陥ることになる。このことはアメリカのアジア太平洋地域回帰戦略を打撃できるだけでなく、同時にアメリカの軍事力をさらに一歩分散させ、結果的にロシア方面の圧力を緩和させることができ、甚だしきに至ってはウクライナ内部の親ロシア勢力を鼓舞し、結果的にウクライナ情勢に根本的転換を発生させることさえできる。そしてこれらはまさにアメリカが最も望まない、あるいは最も直面することを恐れる難題であると言える。

各視点からの声

ゲイツ:私はクリミアがロシアの手の内から逃れることができるとは思わない

16日のクリミアの住民投票がどんどん近づくにつれ、アメリカの国防長官ゲイツの判断は西側にとって恐らく訃報と言える。「私はクリミアがロシアの手の内から逃れることができるとは思わない」

さらに多くの声

アメリカメディア:アメリカは中国を丸め込んで仲間にし、ロシアを孤立させることを欲する

専門家:ウクライナ政局の突然の変化はヨーロッパのミサイル防衛システムが東に拡大する契機になる

日本の新聞:米ロの対峙は中国を地縁政治の勝者とならせる

李海東:ロシアは必ずや一切の資源を動員して西側とウクライナに関し勝負する

西側とのこの戦いの中で、ロシアは失敗がもたらす深刻な結果を非常に受け入れ難い。これはロシアにとって負けられない紛争なのである。ロシアには軍事手段を含む各種資源を動員しない理由はない。

さらに多くの声

アメリカの専門家:ウクライナ危機は中ロを「精神的盟友」とする

アメリカメディア:中国は戦術を調整してウクライナ情勢の変化に対応する

外国メディア:アメリカ国務長官、ロシアに向け最後通牒を発する

ネット仲間の調査

ウクライナ情勢は将来どんな方向に向けて発展するか?

ウクライナ政府がクリミアの独立を承認する 27.3% 211票

ウクライナとロシアに戦争が勃発する 6.34% 49票

アメリカ・ロシア両国がウクライナ問題につき軍事衝突を発生させる 7.12% 55票

アメリカ・ロシア・ウクライナ三方が関連の協議を成立させる 51.49% 398票

ロシアが圧力に迫られウクライナから全面撤退する 1.95% 15票

はっきり言えない 5.83% 45票

総評数 773票

ロシア、あるいは駐米大使を召還するかもしれないとする

ロシア議会の議長ワリャンジンナ マテウェイニャンコは、ロシア連邦委員会は国際委員会に、大統領プーチンのために文書を起草し、アメリカからロシア大使を召還することを考慮するよう呼びかけることを授権した、とした。ロシア連邦委員会副議長は、「オバマの言論は直接の威嚇であり、それはすでにレッドラインを越え、かつロシア人民を侮辱した、と考える。


結びの言葉

ウクライナは中国から万里の遙かであるが、ウクライナ危機が円満に解決できるか否かは中国にとって重大かつ深遠な影響がある。これは単に中国・ウクライナ両国の各領域の協力に関係するだけでなく、中国の周辺環境が後日いかに発展することになるかにも関係する。同時に、中国が取るやり方は、中国の国際的イメージと地位に影響する可能性が極めて高い。ウクライナ危機に直面し、中国にはまだ長い行かねばならない道があり、中国外交もさらに重大な試練を受けることになる、ということが見て取れる。


 前回「軍情視界」の記事「331sのプルトニウム、あるいは日本に窮鼠猫を噛ませるか?」を紹介した時、「何かいつもにも増して感情的で非現実的、非論理的な部分が多い感じがするんですが」とコメントしましたが、ひょっとしたら前回あたりから執筆担当者が思い込みの激しい人物に交代したのかもしれないですね。この分析にはかなり見当はずれの部分があると思われますが、それでも「ウクライナでロシアと衝突する危険がある間は中国が釣魚島を奪取してもアメリカは手を出せないはずだからチャンスだ」という見方が中国に存在することは警戒すべきでしょう。


















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