中国海軍のレベルは?

 中国海軍の実力に関する議論です。

http://military.china.com/important/11052771/20120714/17315786.html


インドの専門家:中国海軍の世界一流レベルとの隔たりははなはだ遠い

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「中国は現段階において海軍が『緑水』から『青水』へと発展しているところであるが、覇を唱えるに至るのは中国の最終目標ではないようである。」 「緑水」は近海、「青水」は遠洋を指すようです)

最近中国海軍は東海で実弾射撃演習を挙行し、一部の国の強烈な関心と工夫を凝らしての誇大な宣伝を引き起こした。こうした背景の下でインドのデリー政策集団副研究員のカイラス プラサドが先日発表した文章は、中国は目下力を入れて遠洋海軍を発展させているところだが、一流の強国と比べると解放軍にはまだ長い通らねばならぬ道があり、将来における相当長い一定期間内、中国海軍が太平洋やインド洋に覇を唱える可能性はあまり高くない、としている。

7月9日、我が国の国防部は対外的に、解放軍海軍は7月10日から15日に東海海域の舟山群島付近において実弾演習を挙行するとの情報が事実であると認めた。この前に海軍の関係する部隊は対外的に航行禁止を通告し、演習海域の座標点を宣言していた。この情報が伝わった後、外界の広範な関心を引き起こし、アメリカ、日本、韓国などのメディアは次々報道を行った。分析家は、今回の東海演習が関心を集めるのは、最近一部の周辺国と中国の海洋権益方面での争いが「非常に激しく、細かい動きが絶えず」、中国海軍が「止むを得ずこれに対し対応を行っている」からである、と考えている。

韓国の「中央日報」は9日に「日本が釣魚島国有化を欲し、中国は実弾演習挙行を計画」と題して報道を行い、中国の今回の海上演習は日本に対する強硬な警告であるとした。2日前、日本の首相野田佳彦は七七事変(頑住吉注:盧溝橋事件)記念日当日に、日本政府は釣魚島購入を考慮すると宣言し、民間のどたばた劇はその態度表明ゆえに危険な政府の行為へと変わった。韓国の「文化日報」も当日に文章を発表し、中国が領海をめぐる争いで日本に強硬な態度で対峙していることを論評した。文章は、解放軍が今回東海で実弾演習を挙行するのは、明らかに日本に対し警告を行っているのだとしている。中国が不断に平和的手段での南海問題解決を強調しているのに比べ、東海の情勢は現在より緊張の度合いを増している。「朝鮮日報」の評論は、現在の中日の釣魚島をめぐる争いはまさにどんどん深刻化する勢いを呈しており、日本政府の最近のやり方は両国関係を「国交正常化40周年にしてそれ以来最大の危機」に直面させている、と考えている。日本政府が釣魚島の「国有化」を欲する措置は、中国が相応の強硬な政策を取り、結果として連鎖反応を引き起こす可能性がある。アメリカの「安全保障業務ニュース」ウェブサイトの評論も、日本の野田佳彦が7日に釣魚島購入を考慮する必要につき宣言したばかりの時に中国が実弾射撃訓練を挙行する、その目的は言わずとも自ずと明らかであると考えている。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは、「中国海軍の爆発的発展時期がまさに到来」)

一方日本国内では、日本共同通信社の報道は中国が東海で演習を行う目的はアメリカとフィリピンを牽制することだと考えている。文章は、今回の演習は規模と具体的内容は不明だが、アメリカとフィリピンが7月2日から10日まで挙行した「カラット」演習に対するものである公算が高いとしている。中国は演習を通じアメリカとフィリピンを牽制し、海上の主導権を掌握することを希望しているのだ、と。

シンガポールの「連合朝刊」は9日に、中国軍が東海海域で演習するのは珍しいことではなく、この種の演習は中国に関して言えば「とても正常」なことだと指摘した。これまでの軍事演習と比べると、今回の東海演習はやや拡大しているが、演習区域は黄岩島や釣魚島など争いのある海域から遠く離れており、外界は過度に深読みする必要はない、と。我が国の軍事専門家も、今回の演習はお決まりのもので、決して他意はない、と指摘する。習慣によれば、海水の状態や気象条件の制限により、中国を含むアジア太平洋各国は一般に5月から7月の間に海上演習を挙行する。この他、海上演習挙行は決して小事ではなく、通常少なくとも半年の準備作業を必要とする。今回の演習は開始数日前には早くも対外的に演習区域を発表しており、このため他国の臨時パフォーマンスに焦点を合わせた可能性はない。

中国海軍の近代化は不足

米日韓などの国が我が国の今回の演習に対し高度の関心を示すのは、結局のところはやはり解放軍の実力の発展に対する憂慮ゆえであると言える。しかしインドのデリー政策集団の副研究員カイラス プラサドは、中国海軍の世界一流レベルからの隔たりはまだはなはだ遠いと考えている。彼はアメリカの「国家利益」誌に発表した文章、「中国の青水に向けた野心」の中で、海上の覇者となる前に中国は多くの方面においてまだ努力して追いかける必要がある、と指摘している。
現在世界の海軍実力ランキング上位21位の国々の軍艦の総トン数は675万トンで、アメリカ1国で46%を占める。これは海軍の実力を推し量る正確な基準ではないが、アメリカ海軍の技術的優勢を加えれば、「現状に対し高度に覚醒しているそびえ立つ大国」(頑住吉注:文脈から中国のことでしょう)にとって、これは間違いなくいかなる好事でもない。

文章の筆者は、中国の過去30年来の海軍近代化の成果はまだ少数の原子力攻撃潜水艦と弾道ミサイル潜水艦、空母、対艦弾道ミサイルだけに限られていると考える。文章は、こうした解放軍に最先端武器と見なされている潜水艦でも世界一流の海軍と比べると依然隔たりがある、と考える。一方外界の関心を集める空母は現在まだ初歩段階で、中国人は「やっとどうやって操作するかの学習を始めたばかり」である。解放軍の対艦弾道ミサイルだけが唯一北京に競争の中で優勢を獲得させることができる殺しの武器である。

アメリカのペンタゴンの報告は、こうした「高度機動」ミサイルの射程は1,000マイルに達し得、次世代海軍艦載機の作戦半径もこの距離には到達せず、したがって中国に潜在的な敵の西太平洋の大部分の海域への進入の阻止を可能にさせる。

文章は、短期的に言えば中国の「青水に対する野心」は「依然実現が難しい」、とする。もし中国の水兵がすでに新しい船の操作方法を熟練して掌握していても、「1隻のリフォームしたソ連時代の空母、対艦弾道ミサイル、数隻のステルス性のない原子力潜水艦」ではやはり解放軍に遠洋で複雑な作戦行動を実施させるには不足である。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは、「中国は現段階においてまさに海軍が装備更新、世代交代のカギとなる重要時期にあるが、就役した空母がないことを除けば、全体的実力は明確にインド海軍に比べずっと強い。」)

周辺環境はあるいは険悪さを加える

だが中国の近隣諸国に関して言えば、中国海軍の装備の更新、世代交代はやはり影響力を持っている。プラサドは指摘する。解放軍の少なからぬ「宋」級、「明」級、そしてソ連を真似た「ロミオ」級ディーゼル・バッテリー式潜水艦、双ボディー船、上陸艦およびその他の近距離沿岸基地兵器は、隣国の日常的選択(特に結局のところ中国、アメリカのどちらと同盟関係を強化するか、などの問題)に対し影響をもたらす。

最近、ミャンマーとアメリカの関係は不断に改善している。文章は、ミャンマーというこの予備エネルギールートを失った後、北京はすでに中国とミャンマーのこの種の「投資は大きく生み出されるものは少ない」関係に疑問を提出し始めており、しかも海上の隣国が中国海軍近代化への努力を支持することをより渇望するようになっている。しかし、もし中国が「黄岩島での対峙のような冒険的政策の実施を継続」すれば、その海軍発展の「野心」を歓迎する国はごく少ない。

プラサドは言う。インド、オーストラリアなど中国から比較的遠い国でも現在強大さを加える中国海軍に直面することを余儀なくされ始めており、北京の友好的言論はほとんどいかなる疑念も消し去ることはできない。

現在、オーストラリアはすでに400億アメリカドルの費用を拠出し、潜水艦部隊に対しグレードアップを開始している。インドがロシアから賃借するアクラ級原子力潜水艦「チーター」号もすでに就役し、国産原子力潜水艦「殲敵者」号と国産空母の建造作業もまさに鳴り物入りで行われているところだ。日本は「この36年間で初めて」の潜水艦部隊に対する拡充を行い、一方韓国も力を入れて海軍と水陸両用作戦部隊に改造を加えている。

文章は、もし1国がアジア太平洋地域で誤判断をしたら、極めて高い代償を支払うことになり、この種の環境は中国にとって非常に不利だと考える。ちょっと見ると、実力のより強い海軍は北京により楽に影響力を発揮させられるようだが、実際にはそんな単純なことではない。長期的に見れば、この地域のその他の国々が続々と中国にならって海軍近代化の過程を進めるかもしれず、いくつかの実力が比較的強い隣国は中国を追い越すことさえできる。このため解放軍が将来きっと優勢を獲得できるとは限らず、「太平洋とインド洋に覇を唱える可能性はあまり高くない」。もし本当にこのような状況が出現したら、北京という強国林立の中で、しかも信任を欠いた政府は、より孤立と脆弱さを加える方向に変わることになる。

(頑住吉注:以後のページは画像とキャプションだけです。4ページ目。「中国海軍の遠洋に向けての発展の歩調は決して速いものではなく、逆に穏健なもので、少なくとも非現実的な高望みをするインドよりはずっと理性的である。」 5ページ目。「最近中国とロシアの連合海上軍事演習で双方の艦艇が、ロシア軍太平洋艦隊の軍艦に深刻に更新、グレードアップが欠けており、作戦実力がすでに中国の新型戦闘艦に及ばないことに気付くことができたことと対比してみよう。インドサイドの視点によれば、ロシア海軍も三流の戦力に完全になり果てたと言えるのか否か?」 6ページ目。「ひとたび中国海軍が独自に空母建造に成功すれば、それは一挙手一投足が全局面に影響する海上戦力となる。」)


 まず本筋と関係ない話ですが、野田首相が尖閣国有化を表明した日が盧溝橋事件の日だったという問題です。私も含めほとんどの日本人は中国人に指摘されるまで気付かなかったと思います。私は多くの中国人に対し無用の不快感を与え、問題解決に悪影響を与えたという意味でも、日本が軍国主義化しているという日本人の実感とはかけ離れた宣伝に変な材料を与えたという意味でも、タイミングとして良かったとは言えないと思います。

 この文章は外国メディアの報道内容などを紹介するという形を取りつつ、中国海軍の実力に対する過信を戒め、さらなる軍備拡張のデメリットも訴えるやや変わった内容でした。キャプションを書いた人物が本文を書いた人物と全く違う考えを持つらしく、内容的にちぐはぐなのはちょっと変でしたが。











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