大陸、台湾の戦闘機の現状を評価する

 台湾戦闘機の相次ぐ墜落を受けての論評です。

http://military.china.com/jqsj/021/index.html


大陸からの戦闘機購入が台湾にとって唯一の解決策?

台湾空軍戦闘機、連続して事故を起こし墜落

イントロダクション 台湾の「トゥデイニュースネット」5月21日の報道によれば、最近発生した台湾空軍のミラージュ2000戦闘機の事故発生、海への墜落事件に対し、台湾立法機構の責任者王金平は今日(頑住吉注:記事は23日付)、ミラージュ2000、F-16A/Bという機種はすでに古く、「将来我々もより良く、新型の飛行機を購入し、空軍力を増強することを希望する」とした。では台湾は将来どこからより良く、より先進的な戦闘機を購入するのだろうか?

台湾当局が直面する安全問題は非常に深刻

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「日本の自衛隊が装備するFー15J戦闘機」)

台湾と領土をめぐる争いがある周辺国は先進的戦闘機を装備している

東海地域において台湾と日本はずっと釣魚島の主権の帰属のために長年の公然とした、また密かな戦いを行っている。双方の戦闘機は一度釣魚島海域上空で対峙事件を発生させたことさえある(頑住吉注:これに関しては「台湾軍のF-104改造偵察機が尖閣を偵察していた」に出てきましたね)。最近双方は漁業協定を締結し、短期間内は一定の緊張した情勢を緩和させる作用を果たし得るが、結局のところ釣魚島の主権の帰属にはまだ定まった論がなく、双方の発生させる争いが局地的軍事衝突にさえ至る可能性は依然存在する。日本の航空自衛隊はアジア地域で数少ないF-15型戦闘機を装備する国の1つである。機の質の方面および人員の素質方面では台湾空軍にはるかに勝る。

一方南海地域におけるベトナム空軍も、太平島および東沙の実効支配権を持つ台湾に対し非常に大きな圧力を構成する。ベトナム空軍が装備する重戦闘機スホーイー27SKおよびスホーイー30MK2Vは、台湾空軍の主力作戦機F-16、ミラージュ2000戦闘機を無力化することができる。台湾空軍が装備するF-5EおよびIDF戦闘機ともなればなおさら言うまでもない。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「台湾空軍の主力戦闘機は頻繁に墜落事故を発生させている」)

台湾空軍戦闘機は古く事故頻発が甚だしい

台湾メディアの報道によれば、フィリピン公務船が台湾漁民を射殺し、台湾当局は海、空軍を南海に出動させて軍の威力を見せつけ漁業保護を行ったが、意外にも空軍は6日以内に連続して漁業保護を担当するF-16、ミラージュ2000戦闘機の墜落事故を発生させた。この2つの事件は台湾民衆に、台湾空軍戦闘機の性能に対し非常に憂慮を感じさせた。

台湾空軍の現在戦闘力最強の戦闘機はミラージュ2000戦闘機とF-16A/B戦闘機である。台湾当局は1992年にフランスから60機のミラージュ2000-5型戦闘機を購入し、1997年にミラージュ機中隊が戦力化され、2001年にはミラージュ戦闘機連隊が戦力化された。今回の最も新しい意外事が起きる前、かつてもう3回機の墜落事故が発生している。台湾空軍が装備するアメリカ製Fー16A/B戦闘機に関する墜落事故発生も初めてではなく、1996年にF-16A/B戦闘機が台湾に運ばれてきた時から現在まで、すでに数機が墜落している。台湾空軍で装備数が最多の戦闘機であるF-5Eと、台湾が自ら研究開発したIDF戦闘機に関しては、それぞれ老朽化と技術的に荒削りであるため、台湾空軍飛行員から「空飛ぶ棺桶」と呼ばれている。

台湾が海外からの戦闘機購入を求めること、および自身で戦闘機を研究開発することはいずれも失敗が宣告されている

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「台湾自ら研究開発した戦闘機の性能はすでに作戦の要求を満足させることができない」)

台湾当局は少し前、フランス政府と意志疎通してラファール戦闘機の購入を企図したが、後に拒絶された。原因はフランスが大陸の怒りをかいたくなかったからである。フランスはかつて1992年に台湾に向け60機のミラージュ2000戦闘機を販売したが、その結果はフランスの駐広東領事館が直ちに閉鎖されたことで、フランス企業のいくつかの利潤に見るべきものがあった契約もこのために損害を受けた。実はフランスだけでなく、中国がまさに少しずつEUにとってのアメリカのすぐ次に重要な貿易パートナーになるにつれ、ほとんどあらゆるEU加盟国が台湾に向け戦闘機を販売することはなくなっている。また台湾はずっとアメリカ政府に向け台湾にF-16C/D戦闘機中隊を提供させるよう企図してもいるが、最後にはアメリカも台湾向けにF-16C/D戦闘機を販売することを拒絶した(頑住吉注:いや、まだこれは検討中だと思いますが)。

また台湾メディアの報道によれば、台湾「国防省」はすでに、「『経国』号戦闘機の性能グレードアップ案」の継続しての執行が事実であると確認している。これは現行の「翔展一号」計画(台湾空軍第443連隊の「経国」号戦闘機のグレードアップ作業)完成後、「翔展二号」計画を継続して展開し、第427連隊の「経国」号戦闘機をグレードアップするものである。「万剣弾」は台湾「中科院」が開発した遠距離空対地制圧武器で、「翔展二号」計画に照らしてグレードアップされた後の「経国」号戦闘機と組み合わせられ、原計画では2014年に生産に入ることになっていた。だが「翔展一号」が技術的原因により約2年遅延してやっと完成したため、「翔展二号」計画の順延がもたらされ、「万剣弾」も時間通りに生産に入ることができなくなっている。このことは、台湾が自身の能力に頼って戦闘機の更新、世代交代の実現を望むことは、予見可能な将来にはほとんど可能性がない、ということを説明している。

台湾軍の現役主力戦闘機

F-16A/B戦闘機

F-16A/Bファイティングファルコンは台湾がアメリカから購入した機で、総数は150機である。機の購入と同時に台湾は900発のAIM-9M「サイドワインダー」短距離空対空ミサイル、600発のAIM-7M「スパロー」中距離空対空ミサイルを購入した。

ミラージュ2000戦闘機

ミラージュ2000-5型戦闘機は台湾がフランスから購入した戦闘機で、総数は約60機である。機の購入と同時に、台湾は960発の「ミカ」中距離空対空ミサイル、480発の「マジック」近距離空対空ミサイルを購入した。

IDF経国戦闘機

経国IDF戦闘機は台湾がアメリカの技術援助の下に設計、開発した小型超音速ジェット戦闘機で、視距離外作戦能力を持つ。台湾空軍は現在60機余りを装備している。

F-5E戦闘機

F-5E/F「タイガー」II式戦闘機は1970年代にアメリカの第三世界の同盟国に対して行う兵器ダンピング販売の主力機種となった。台湾空軍は全部で100機余りのF-5E/F戦闘機を装備している。

台湾空軍はどんな種類の方式をもって戦闘機の更新、世代交代を実現すべきか

両岸の軍事協力実現の主観的、客観的条件はすでに全て備わっている

馬英九が着任後にまず行ったことは、長年中断していた「両会」商談の回復だった(頑住吉注:「両会」は通常は大陸の全国人民代表大会と全国人民政治協商会議を指しますが、この場合は大陸と台湾の2つの何らかの会合を指すんでしょう)。この挙は両岸関係を改善した。また大陸住民の台湾への旅行、自由に行くことの開放および両岸の海上、空中直行便の開放も両岸の関係をより緊密にした。最も重要なのは、馬英九が「九二コンセンサス」を認めていることである。周知のように、「九二コンセンサス」の核心的内容と精神は、「海峡の両岸はいずれも1つの中国の原則を堅持する」というものである。この原則の上に、もし両岸が中華民族の共同の領土の保護のために協力を行っても奇とするには足りない。また両岸の現在の軍事力の比率はすでに完全にバランスを失しており、大部分の台湾民衆は、大陸と全く勝算のない軍事対抗を行うより、むしろ大陸との関係改善の方がより自分たちにとって有益であるとの視点に同意している。こうなれば両岸の軍事協力実現の主観的、客観的条件はすでに全て揃っているのである。

大陸から戦闘機を獲得することは、台湾が自身の安全を維持保護する唯一の解決策である

長年の発展を経て、大陸は軍事工業の発展方面においてすでに非常に大きな成就を獲得している。大陸空軍はすでに、大陸自ら研究開発した完全に独立した知的財産権を持つ第3世代戦闘機殲ー10を大量に装備している。しかも大陸が研究開発する第4世代戦闘機殲ー20もすでに試験飛行に成功している。もし台湾が大陸から戦闘機を獲得できれば、すぐに台湾空軍の現有の戦闘機が古く、旧式化して任に堪えず、事故が頻発する現状を変えることができる。

また台湾が望みさえすれば、大陸政府も絶対に台湾に向けて援助の手をさしのべる。結局のところ台湾が保護を必要とする領土は中華民族共同の領土なのであって、両岸の政治体制は異なるが、「血は水よりも濃い」で、兄弟が手を携え共同で敵に対抗してこそ、対外闘争の中で最大の力量が発揮できるのである。

専門家のコメント

著名な軍事専門家李莉博士:台湾空軍はまだ全区域防衛能力を持っていない

台湾が輸入した主力戦闘機はオリジナル版戦闘機に比べ、能力が非常に大きく削減されており、台湾空軍はすでに全天候、全空域、甚だしきに至っては全時間作戦能力を形成していると言明しているが、このような表現は客観的ではない。台湾の現在におけるいわゆる主力戦闘機であるミラージュ2000、F-16、IDF戦闘機は、基本的位置付けはいずれも第3世代戦闘機であるが、現在の台湾空軍のFー16およびミラージュ2000の非常に多くの性能は、アメリカやフランスから購入する時に削減に遭っている。例えばF-16に関して言えば、その中央処理機の処理能力と搭載する空対地ミサイルの能力にはいずれも削減がなされている。このため、作戦性能から言って台湾空軍が使用するF-16戦闘機はアメリカ軍が使用するF-16戦闘機とではすでに同等のレベルではなく、またフランスが台湾に販売したミラージュ2000もまた同様である。また、さらに台湾が自主研究開発したIDFを見てみると、この機には現在すでに非常に多くのグレードアップ処理が行われており(例えばステルスや武器搭載)、一定程度上作戦能力が向上しているが、現代の作戦は理想状態の下での防空作戦ではなく、現在IDFが搭載する武器はまだ有効な脅して阻む力を形成するには不足である。

著名な軍事評論員宋忠平:台湾の空軍力は決して「一撃にも耐えない」ものではない

台湾の空軍力は決して「一撃にも耐えない」ものではない。1つには台湾空軍が第3世代戦闘機を持ってからの時間は比較的長く、その訓練時間も比較的早くからで、時今日に至り、台湾空軍の第3世代戦闘機歴はすでに20年である。この点は過小評価を許さない。2つ目は台湾空軍の先生が「アメリカ空軍」だということである。台湾空軍はしばしば定例の空軍演習を行っており、何度もの戦いを経て久しい米軍の手ほどきが得られることは当然戦闘力の倍増器である。3つ目は台湾空軍がただ単に1つの単一の軍種ではなく、その他の各軍種、しかもアメリカ空軍とも共同作戦能力を形成している高度科学技術軍種だということである。このためただ単に台湾空軍の戦闘力が「一撃にも耐えない」ものであるか否かを考慮するというのは、現在の近代化、情報化、一体化総合作戦模式下ではすでに時代遅れである。

結び

台湾の戦闘機更新、世代交代方面において出現する困難からは、台湾が国際社会においてすでに非常にまずい立場に置かれていることも見て取ることができる。もし台湾が将来において現在の状況を変えたければ、大陸と協力を行うのが唯一の方法となっている。同時に、台湾のために軍事援助を提供することは、大陸が将来両岸の統一を実現する、1つの重要な契機でもある。

ネット仲間の調査

あなたは台湾は将来どんな種類の方式をもって戦闘機の更新、世代交代を実現すると思いますか?

大陸から新たな戦闘機を購入する 51.92% 4791票

アメリカから新たな戦闘機を購入する 32.17% 2968票

自身の研究開発、製造に頼って 6.71% 619票

韓国など新興国から新たな戦闘機を購入する 4.45% 410票

その他 2.58% 238票

ヨーロッパから新たな戦闘機を購入する 2.19% 202票

総票数 9228票

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「大陸はすでに成功裏に第4世代戦闘機殲ー20を研究開発している」)


 このシリーズ、専門家のコメントコーナーはたいてい既出の情報ばかりでつまらないんですが、今回は対照的な2つの見方で興味深かったです。

 私はたぶんアメリカは最終的にF-16の最新型を台湾に販売すると思いますが、もしそれが実現しないと確かに非常に苦しいことになるでしょう。本当にアメリカが拒絶したら、読者投票の選択肢にありませんがロシアから買うことも有り得る、というか「アメリカが売らなければロシアから買う」という交渉のカードを切ればアメリカは売らざるを得なくなるのでは。














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