QBZ56C型ショートアサルトライフル

 QBZ56Cという機種をご存知でしょうか。検索しても日本語のサイトにはほとんど行き当たらないのであまり知られていないと思われます。

http://www.zerose.com/www/22/2010-01/22.html


中国初のショートアサルトライフルQBZ56C型

中国の56式サブマシンガン(頑住吉注:中国製AK47)ファミリー中には比較的特殊性の強いライフルが存在する。それは「中国製AK47」中、変化幅が最大の機種であり、我が国の独自の設計思想が最も多く溶け込んだ機種でもあり、中国人の体型体格に基づいて製造されたライフルである。これこそ中国のQBZ56C式ショートオートマチックトライフルである。56Cショートライフルは我が軍が装備した初のショートライフルであり、今に至るもなお部隊で使用されている。この銃は1988年に改造研究開発が開始され、1991年に設計定型が認められた。通常簡略化して56式短歩槍、あるいは56式短沖(頑住吉注:サブマシンガンの頭文字)と呼ばれ、最初期には56−3式歩槍とも呼ばれた。

最初にチベット部隊に支給

56Cショートライフルは56-2サブマシンガン(頑住吉注: http://www.gun-world.net/china/rifle/1956ar/562cf.jpg )を基礎に改造してできたもので、その構造、原理は56-2サブマシンガンと基本的に同じである。自動方式はガスオペレーションで、セミ、フルオート射撃が可能である。この銃の最も主要な特徴は、銃全体の外形寸法がより小さく、重量が軽くて、携帯に便利で操作使用が便利なことである。56Cは戦闘時の全長が764mm(ストックを伸ばした状態)、携行時の全長が557mm(ストックをたたんだ状態)であり、重量は2.85kgしかない。56-2サブマシンガンの全長874mm/654mm、重量3.9kgと比較すると、比較的大きな改造があったと言うことができ、重量は27%減少している。このため56Cショートライフルは近距離(300m以内)戦闘での使用に特に適し、分解結合や維持メンテナンスも56-2式サブマシンガンと同様である。

56Cショートライフルに向けた要求は、最も早くはチベット部隊から提出された。我が国のチベット山地や辺境の防衛部隊は、その場所の環境が一般の部隊と異なり、山は高くて険しく、車両の行動には不利で、これに加え標高が高くて酸素が薄く、人員の体力の消耗がより大きい。兵士の任務執行時、兵個人の負荷が重く、かさばって重いライフルを携帯してパトロールや勤務執行を行う時、大変な体力の消耗が必要となり、往々にしてこの重荷に耐えないとされる。当時部隊は、当時装備していた武器がかさばって重く、機動が困難であると強く訴え、支給される武器につき、適当な射程と威力が保証されるという条件下で、大幅に重量を軽減し、体積を減らし、携行性を高めるべきであると要求した。実際のところ、我が国では56式サブマシンガンを装備していた時期であろうと、後の81式系列を装備していた時期であろうと、いずれもその中にショートライフルはなかった。非常に長期間、我が国の小火器装備は全て一刀切に(頑住吉注:「一刀両断」に似た言葉ですが、「実情を無視して画一的に」といった意味だそうです)、兵種や任務で分けずに1種類の銃を汎用していたのである。当時、中国の砲兵、装甲兵、技術兵、通信兵、化学防護兵等の兵種に配備されていたのも56式サブマシンガンあるいは81式ライフルであり、携行、使用がいずれも不便だった。部隊からの要求の情況を見て、火力がサブマシンガンとライフルの中間に位置し、非戦闘人員(頑住吉注:文脈から「非戦闘員」ではなく「非第一線兵士」という意味のようです)が平時における任務執行時、負担が重いために本来の任務に悪影響を及ぼさず、危険な状況に遭遇した時は比較的強い火力で反撃が行える武器が必要となった。

国外のショートライフルの発展は早くから始まっていた

国外ではショートライフルはずっと早くから出現していた。最初期の馬銃や騎銃は皆ライフルを基礎にバレルを短縮した製品であり、ただその長さが現在のショートライフルと比較してずっと長かっただけである。例えば初期のショートライフルとして比較的有名な、モーゼル1898式ライフルを基礎にバレルを短縮した98kライフルは、1250mmの全長を1107mmまで短縮していた。第二次大戦中、アメリカの短縮型M1カービン(頑住吉注:M1カービンは単なるライフルの短縮型ではない、独自の弾薬を使用する新コンセプトの銃と評価すべきでしょう)およびその改造型銃を600万挺あまり生産し、多くの国で採用された。中間型弾薬の出現はライフルのバレル短縮に有利な条件を作り出したが、依然として多くのショートライフルは7.62mmアサルトライフルを基礎にしてバレルをさらに一歩短縮して作られていた。旧ソ連特殊部隊はかつてショートバレルのAKMSである、AKMSUと呼ばれるショートライフルを装備したことがある。これはストック折りたたみ時の全長が480mmで、ストックを伸ばした時は全長740mm、銃身長は270mmだった。この銃は後に、さらに短い5.45mm口径のAKR-74ショートアサルトライフルによって取って代わられた。AKR-74ショートライフルは重量2.8kg、銃身長は210mmしかなかった。

小口径アサルトライフルが支配的地位を占める今日、バレルを短縮したカービン銃(すなわちショートアサルトライフル)にはさらなる大きな使用空間ができており、降下兵、落下傘兵、車両乗員、重火器操作人員およびその他の非第一線作戦人員や公安武装警察、各種特殊部隊等は皆ショートアサルトライフルを第1の装備としている。アメリカでは5.56mm小口径のM16ライフルが出現した後、長い時間をおかずにショートライフル型がすぐ出現し始めたが、最初期にはこれは特殊作戦部隊の使用に限定されていた。M4カービンの大量装備前、1970年代および1980年代にアメリカ軍は相次いでコルトCAR-15突撃隊員(頑住吉注:コマンド)型ショートライフルとXM-177カービン等を装備したことがある。小口径ショートライフルが小銃弾を発射する時、初速はアサルトライフルに近く、その殺傷力、有効射程、直射距離等はいずれも拳銃弾を発射するサブマシンガンより明らかに優れている。そうした銃はサブマシンガンの重量が軽い、外形の寸法が小さい、作動信頼性が高いなどの特徴を持つだけでなく、有効射程300mの近距離戦の中で火力を発揮し、サブマシンガンに比べてより高い制圧力と威嚇作用を持つ。これは我が国が5.8mm銃系列を登場させた後、長い時間をおかずに95式ショートライフルをすぐさま世に問うた理由でもある。

現代の戦争の条件下では、機械化、情報化が歩兵の主要な発展方向となっており、これこそが兵士の手にする武器に良好な携帯性を持たせ、もって現代の戦争の必要に適合させることを要求するのである。ある西側の兵器評論家は大胆にも「武器の寸法を短縮する趨勢はすでに始まっている。小口径武器はすでに大量に装備されているが、ショートバレル型と指揮官型のライフルだけが個人武器の最新の定義に符合するのである。」と表明している。

56-2式サブマシンガンを基礎に行われた改造に関しても、我が国のショートライフルの研究開発は、与えられた条件に自然に沿ったものだったと言える。当時中国の小口径ライフルの研究開発は歩みを始めたばかりで、装備されるレベルには遠かった。このため7.62mm弾を発射する銃を基礎に改造を進めるほかはなかったのだが、果たして81式小銃を基礎にするのか、それとも56式小銃を基礎にするのかが一番頭を悩ます問題だった。1980年代後期、81式小銃はすでに小銃装備の主流となっており、構造の継承性を考慮すれば81式小銃を基礎に短縮を行うべきだった。しかし分析を経て81式小銃の構造は比較的複雑で、加えて銃本体に制約があり、短縮の目的を実現することは困難だと分かった。しかし56-2式サブマシンガンは各種の条件下での使用信頼性が高く、構造が比較的隙なく整っており、全長が81式自動小銃と比べて50mm前後短かかった。適当なバレル、レシーバー、折りたたみストックの短縮によって全長が大幅に短縮でき、バレル、自動機構、サイト方面に手を加えれば全体重量も大幅に軽減できる。このため最終的に56-2式サブマシンガンが選択され、改造が進められた。

改造の第一歩は全長の短縮に他ならなかった。温度が比較的低い状況下における使用を考慮し、多くの計算とテストを経て、銃身長は280mm以上を保証すべきであると確定された。バレル短縮後、チャンバー内の火薬ガスがまだ充分燃焼できず、銃口部におけるスモーク、フラッシュがいずれも大きく、銃口部の圧力が高く発射音が大きかった。このため短縮されたバレルがもたらす発射音、発射炎、反動増大という問題を解決するため、消音、消炎、制退作用を持つ銃口装置が設計された。56Cショートライフルの銃口装置はネジによる銃口との結合を採用し、バレル上にはスプリングのテンションを持つロックがあり、銃口装置を定位置までひねった後ロックを緩めればただちに定位置にロックされる(頑住吉注:要するにAK74等と同じということでしょう)。銃身長が415mmから280mmまで短縮されたことの他に、レシーバーの長さも260mmから240mmまで短縮され、折りたたみストックは239mmから220mmになった。最終的に全長は110mm短縮された。

全長の短縮と同時にさらに重量の軽減も必要とされた。寸法の短縮によって減少する重量の他に、設計人員はさらに構造上の重量軽減方面に大いに手腕を振るった。これにはバレル短縮の他に、下部ハンドガードの長さ、ボルトキャリアの最適化および全長短縮、レシーバーと金属製ストックの材料全ての1.2mm厚スチール薄板への変更、ストック内金属製付属品ケースを廃止してこれに代えナイロン袋に付属品を入れてグリップ内に置く、フロントサイトとガス導入装置の簡略化、バレル強度と使用寿命を保証する前提下での適したバレル径縮小が含まれた。こうした努力を経て、銃全体の重量は56-2サブマシンガンと比べて1kg以上減少し、2.85kgまで軽減された。

56Cショートライフルはさらに56式サブマシンガンの木質ハンドガードの外観を改め、強化ナイロン樹脂による製造を採用した。この他グリップとストック左右の保護板も樹脂製とした。56式サブマシンガンの表面処理技術とは異なり、56Cショートライフルの金属表面には全て黒色燐化処理技術が採用され、防錆蝕性と耐摩耗性が高められた。

56Cショートライフルのフロントサイトの構造は変わっておらず、寸法がずっと縮小されただけである。リアサイトも同様にやはりノッチ式で、上面にはすっぽりと包む保護カバーが加えられた。これはリアサイトの保護、摩擦により銀色の下地が出ることの防止の他、無駄な光の反射を避ける役にも立ち、素早く照準しての射撃に便利である。リアサイトの調節機構はスライドフレーム式(頑住吉注:AK47等のタンジェントサイト)から凸輪回転式(頑住吉注:偏心させたホイールの回転によるものでしょう)に変わり、側面の操作部を回すとリアサイトの高さが変えられる。調節は3段階で、表示される数字は0、1、2となっており、対応する射撃距離はそれぞれ100m、200m、300mである(頑住吉注:それはおかしいでしょう。近距離、100m、200mの間違いではないでしょうか)。

56Cと56-2式サブマシンガンのもう一つの大きな差異はガス導入部分にある。56Cショートライフルはガス導入装置にガスレギュレーターが増設されていて、大小のガス穴が設けられている。悪劣な環境下では大きなガス穴を使用して使用信頼性を高めることができる。ガスレギュレーターの調節時はマガジン底部のエッジの助けを借りて行うことができ、付属品の工具の助けを借りることもできる。

悪劣な射撃条件下での作動信頼性を高めるため、56Cショートライフルのリコイルスプリングは単一のワイヤーを巻いたものから3本のワイヤーをより合わせたものを巻いたものに改められた。リコイルスプリングガイドロッドにはロック機能が追加され、銃を地面に落とした際にレシーバーカバーが脱落する現象を防止することができる。

主に突撃に使用する武器として、56Cショートライフルではバヨネットがなくなっている。平時に歩哨に立つ任務での携帯に便利なように、専用に20連マガジンも設計された。銃ごとに3つの30連マガジンと1つの20連マガジンが支給される。


 まさに「中華クリンコフ」といった印象の銃で、東京マルイ製AK74発売前にガンスミスするには格好の機種だったかも知れません。個人的には結構カッコいいデザインだと感じます。

 カッコいいか悪いかは個人の主観ですからどうでもいいとして、私にはちょっと疑問があります。ハンガリーのAMD65はAKMをベースに短縮化したものですが反動や発射炎が大きいために大型のフラッシュハイダーが装備された結果AKMとさして変わらない全長となり、床井氏はそれでも反動が強くて撃ちにくいと評価されています。AMD65の銃身長は317mm、重量は3.21kgとされ(データは英語版Wikipediaによる)、56Cの280mm、2.85kgをかなり上回っています。基本的に同一の弾薬を使用し、銃身長がより短く、重量が軽いわけですから(さらに言えばフラッシュハイダーもAMD65の方が明らかに大型です)56CはAMD65よりもさらに撃ちにくい銃ということになるはずですが、今回の記事にはそういう記述は全くありません。

 また、81式が普及した後で開発が始まった機種であるのにあえて56式をベースにした理由について記されてはいますが、私はこれはある意味81式の評価を下げる事実と受け取らざるを得ない気がします。

 まあいずれにせよ95式のショートバージョンがすでに登場している現在ではこの銃の役割はすでに終わっていると見るべきでしょう。また、果たして03式のショートバージョンが登場するのかにも興味があります。

















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