米軍、5.56mm弾薬を放棄? その1

 先日紹介した記事と似たテーマですが重複は少ないです。今回も3回に分けます。

http://www.hao123.com/mid/17843301729304425389?key=&from=tuijian&pn=1


5.56mm口径弾薬を淘汰したい? 現在見たところ道はまだはるかに遠い!

第二次世界大戦終結後、戦時の経験や研究を根拠に、多くの国は揃ってアサルトライフルの研究開発と装備を開始した。ソ連はまず7.62mmx39中間威力小銃弾薬およびAK47アサルトライフルを採用した。一方いくつかのヨーロッパの国も類似の武器を研究開発しており、例えばイギリス人は7mm小銃弾薬を研究開発していた。一方アメリカ人はそれにもかかわらず小銃の長射程の理念を堅持し、かつ強力な政治をもってNATOが7.62mmx51小銃弾薬をNATO標準弾薬とすることを強制した。だがベトナム戦争初期になって、彼らは長くしかも重いM14はジャングル戦の需要に決して適合せず、しかも交戦距離が近すぎ、7.62mmNATO標準弾薬の長射程のメリットも発揮されないことに気づいた。そこで、米軍は今度は5.56mmx45 M193弾薬を発射するM16小銃を採用した。

ベトナム戦争の中での戦闘の経験は、M193弾薬の近距離内での殺傷力は相当に良く、また普通の竹製の小屋の壁を軽々と貫通でき、特にしばしば近距離での接触があるジャングル戦の中での遭遇戦に適することを示した。そこで米軍はM16を新たな制式小銃に定め、もってM14に取って代わらせた。後にはさらに5.56mm小銃弾薬を新たなNATO標準弾薬として普及させたが、弾頭重量は55グレインから62グレインにまで増加し、新たなM885弾薬をもってM193に代わる標準弾薬とした。

だが使用時間が次第に長くなるのにつれ、5.56mmに関する恨み言もゆっくりと多くなってきた。主要な原因は作戦環境と交戦方式の変化にあった。

5.56m小銃弾薬は弾頭が軽く、初速が高く、近距離で生体目標に命中した時に弾頭が安定を失って転倒するため比較的大きな銃創をもたらす。だが転倒と破裂の効果はソフトターゲット命中時の速度と正比例する。下の図が示すように、目標の距離が比較的遠い時、弾頭の残存速度が大きく低下するため、この時5.56mm弾頭のソフトターゲット体内での殺傷効果も大きく低下する。

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「M855弾の異なる距離でゼラチンに撃ち込まれた後の変形の状況。もしM4カービンから発射した時だと、その初速はM16小銃で発射した後100mの距離での残存速度にしか相当しない。」)

ベトナムのジャングルの中で、M16小銃の交戦距離は決して遠くなく、多くは100m以内の戦闘だった。冷戦の時期、NATOとワルシャワ条約機構は相互に対峙するだけで武装衝突は発生せず、しかも彼らのヨーロッパ平原に対し予想した戦闘形式は装甲集群をもってメインとし、このためやはり小口径小銃の広く開けた地での戦闘能力の問題を研究したことのある人はいなかった。しかし冷戦終結後、米軍がソマリア、アフガニスタン、イラクといった地域で行った戦闘の形式は全て小規模の歩兵分隊の戦闘で、冷戦時期の予想とでは非常に大きな差異があった。しかも、重火器の支援が欠乏した軽歩兵が主力となり、5.56mm小銃弾薬の欠点が暴露されてきた。

ソマリアの市街戦の中で、米軍はM855弾薬には煉瓦の壁やその他の障害物を貫通する能力が欠乏していることに気づき、これは都市地形の中では普遍的に遭遇する問題だった。あるソマリアの戦闘を経歴した米軍将校は「歩兵」誌への投稿の中で次のように指摘した。「M249は某いくつかの状況下で良好な火力を提供し、まだより長い射程と貫通力を必要とするだけである。」もう1つの問題は、特殊兵がカービンで発射するM855弾は往々にして何度も命中することを必要としてやっと相手の活動を停止させられることだった。多くのソマリア人は決してたくましい体格ではないのにもかかわらず。

(頑住吉注:次の2つはキャプションです。)

M16A1はベトナムのジャングルの中で比較的大きな成功を取得した

1993年にソマリアのレーンジャー特別派遣隊はカービンでM855弾を発射し、その殺傷効果は恨み言の対象となった。

2000年以後、5.56mm小銃弾の停止作用不足の問題は迅速に拡大し、原因はショートバレルのM4系列小銃の使用がどんどん多くなったことだった。例えば第82航空降下師団、第101空中突撃師団、第10山地師団といった部隊はいずれもすでにM4およびM4A1カービン銃を用いて元々のM16A2小銃に取って代わらせていた。また、その他のいくつかの部隊にも類似の考慮があり、例えばストライカー旅団はM4カービン銃を標準装備としただけでなく、しかもさらに標準のM249軽機関銃もショートバレルの落下傘兵型に交換しようとした。より大きな範囲内では、例えば全アメリカ陸軍もM249をより短くより軽いMk46MODOに換えることを考慮中である。

(頑住吉注:次の2つはキャプションです。)

アフガニスタンの第10山地師団がショートバレルのM4カービン銃を使用

バレルがより短いMk18は特殊部隊の中で使用がどんどん多くなっている

まさに前述したように、5.56mm小銃弾薬の殺傷力を保証する重要なカギは目標命中時の速度に他ならない。M855弾はM16A2の20インチバレルから発射した時、200m内で依然相当に高い残存速度を有するが、M855弾を15.5インチバレルのカービン銃から発射した時、初速低下により、100m以遠での残存速度も大いに低下する結果がもたらされる。しかもアフガニスタンの山岳地域やイラクの砂漠で、米軍歩兵はしばしば非常に遠い距離で戦闘する必要がある。イラクでは、一部の米軍兵士は自分たちはしばしば500mの広く開けた地上で攻撃を行う必要がある、と語っている。一方アフガニスタンでは、一部のグリーンベレーの兵士は、自分たちの戦闘距離はしばしば600〜800mで、このため自分たちは止むを得ず小分隊内の7.62mm小銃の比率を増加している、と語っている。これに類似しているのは、米軍のその他の一部部隊も小銃分隊内にM14を1挺増設して補助手段に用いていることである。


















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