トルコ空軍がスホーイ-24撃墜に使用した空対空ミサイルとは

 まあF-16とスホーイ-24ではミサイルがどうであろうと結果は同じかもしれませんが。

http://military.china.com/important/11132797/20151201/20850554.html


トルコ、AIM-9Xミサイルを用いてスホーイー24実戦機を撃墜 性能はロシアのミサイルをはるかに超える

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「AIM-9Xミサイル」)

AIM-9Xがスホーイー24を撃墜 空対空ミサイルは未来の空戦の模式を改変することになる

11月24日、ロシア空軍の1機のスホーイー24実戦機がシリア国内のシリア反政府武装勢力を打撃する任務を執行しつつあった時、トルコ空軍のF-16戦闘機によって撃墜された。スホーイー24戦闘爆撃機の主要な任務は対地攻撃を行うことで、空戦は決してその長所ではない。一方F-16は第3世代戦闘機の中の典型的機種で、標準の制空戦闘機であり、主要な任務は空戦に他ならない。このためF-16はスホーイー24に対し明らかに性能上非常に大きな優勢を占める。しかもさらに重要なカギは、ロシアメディアの報道によればロシア実戦機を撃墜したのはトルコのF-16戦闘機が搭載したAIM-9X空対空ミサイルだった可能性がある、ということである。ロシアのR-73およびR-27空対空ミサイルに比べ、AIM-9Xは性能が明らかに優勢を占め、このためロシア実戦機が撃墜されたのも理の当然だったのである。

AIM-9X空対空ミサイル トルコのエース

現代の空戦は飛行機の性能とレーダーの性能が徐々に発展するにつれ、基本的に比較的遠距離でもうすでに交戦が開始され、甚だしきに至っては肉眼では見えない距離で「超視距離空戦」が行われる。もはや第二次世界大戦の時期のような肉弾戦式の空中格闘は、すでに非常に発生し難いのである。このような空戦の勝利を決定する要素には、飛行機の性能の他、もう1つ重要な方面がある。機載空対空ミサイルの性能である。まさにこの点の上で、トルコ空軍は非常に大きな優勢を占める。現在トルコ空軍がそのF-16のために配備する空対空ミサイルには主にAIM-9X(頑住吉注:明らかに変で、ここはAIM-9系とかでは)ミサイルがあり、このうちAIM-9Xはアメリカの著名なAIM-9「サイドワインダー」ミサイルファミリーの最新機種で、名前にはまだ「サイドワインダー」を用いているが、実は外形や性能にはいずれも非常に大きな改良があり、ほとんど完全新規設計なのである。

まずAIM-9Xはその他のいかなるタイプとも外形が異なる。その本体は細長く、主翼がなく、4つの非常に小さい台形の尾翼があるだけである。このことは空気抵抗を半減させ、このため飛行速度が以前のタイプの「サイドワインダー」ミサイルどれと比べても速い。ミサイルの重量は約85kgで、本体直径は127mm、全長3m、尾翼の幅279mm、速度はマッハ3、戦闘部は3.3kgの爆破殺傷部である。このミサイルは自動操縦装置飛行コントロールシステムを採用し、非常に高い機動コントロール能力があり、この「サイドワインダー」ミサイルが目標を捜索する角度範囲を元々の20度から90度に開拓展開させることができる。

次にAIM-9Xの秘密の武器はそれが後方を撃つ能力を持つことで、敵機の後方からの攻撃実施を防御することができる。長期にわたり、戦闘機は前方の目標に対してしか攻撃が行えず、このことは後方を攻撃を受けやすい「窓」とさせた(頑住吉注:第二次世界大戦までは後方に向けた旋回機銃のある複座戦闘機もありましたけど)。だがAIM-9Xミサイルの技は一段上で、後方の自衛能力を強化するため、このミサイルは推力ベクトル装置を追加装備し、ミサイルが発射架を離れた後、迅速に上昇し、続いて180度方向転換し、搭載機の上方から後ろに向けて飛び、後方から追尾する敵サイドの目標を攻撃させることができる。このためある人は、「AIM-9Xさえ搭載すれば、飛行員は戦闘機を目標に向けて飛ばす必要はない」と語る。このことは戦闘機の近距離格闘能力をより強める。

第3に、AIM-9Xは偽目標を識別しかつ捨て置き、焦点を敵機上に集中させることができる。このミサイルは先進的な目標ロックオン技術を採用しているため、抗妨害能力が非常に大きく強化され、ひとたび目標がミサイルによってロックオンされたら、回避を実施するのは非常に難しくなる。

(頑住吉注:これより2ページ目。画像のキャプションは「シンガポールのAIM-9Xミサイル」です。)

比較すると、ロシア空軍が装備する主力空対空ミサイルはまだR-73とR-27である。R-73は赤外線制御誘導を採用し、やはり機首前方75度の範囲内で目標の自動捜索ができるが、AIM-9Xに比べるとやはり少なからず遜色がある。一方赤外線+レーダー制御誘導を採用するR-27は射程の上ではAIM-120Bと差異が大きくないが、制御誘導の精度はそれにもかかわらず顕著に劣勢にある。またロシアもすでにAIM-120と同一技術水準のR-77を研究開発しているが、やっと研究開発に成功したところで、実際の装備数は非常に少なく、真の戦闘力を形成できるか否かはまだクエスチョンマークである。このため、機載空対空ミサイル方面で、トルコ空軍は顕著に優位を占め、これはひとたび双方に大規模空戦が発生したら、トルコ空軍が勝者となり得る最大の魔法のアイテムでもある。

空対空ミサイル将来の発展の趨勢

最近発生したいくつかの局地戦争の中で、空対空ミサイルは制空権奪取に対し非常に重要な作用を果たした。さらに一歩空対空ミサイルの性能を完備させ、作戦機能を高めるため、世界の先進国は積極的に多模式、射程延長、ダブル射程、ネットワークを核心とする、多任務などの新世代空対空ミサイルを開発中である。

未来の空対空ミサイルの発展は主に以下の発展の趨勢を見せる。1つ目は多模式制御誘導を採用し、空対空ミサイルの性能を高めることである。光電子妨害技術、ステルス技術の急速な発展と共に、未来の戦場環境は非常に複雑なものに変わり、単一の周波数帯あるいは模式の制御誘導武器は未来の作戦の需要に適応することが非常に難しい。このため、多模式制御誘導方式を採用したミサイルはすでに未来の空対空ミサイルの重要な方向性となっている。国外が現在重点的に開発するアクティブミリ波標的捜索および赤外線成像ダブル模式制御誘導は顕著な優勢を持つ。

2つ目はラムジェットエンジンを採用し、空対空ミサイルの射程を延長することである。空対空ミサイルがラムジェットエンジンを採用するのは、ミサイルがわざわざ酸化剤を搭載する必要がなく、より多くの燃料を搭載することができ、このようにすると空対空ミサイルの射程をより長くすることができるからである。3つ目はダブル射程で、超視距離目標が攻撃でき、また近距離格闘も行えるというものである。通常超視距離空戦に使用するのは中遠距離空対空ミサイルであり、一方近距離空戦に使用するのは近距離空対空ミサイルである。このようにすると空戦前、いかにして超視距離空戦と近距離空戦の需要を併せ配慮し、作戦機上に中距離ミサイルと近距離ミサイルの数を合理的に配置するかが、戦闘前作戦準備の重要な内容となる。いわゆるダブル射程空対空ミサイルとは、空戦中超視距離で中距離目標を迎撃、攻撃することもできれば、また近距離で目標を攻撃することもできる新世代空対空ミサイルである。このミサイルは空戦の交換比(頑住吉注:キルレートですかね)、飛行機が搭載する柔軟性、武器システムの後方勤務保障や全寿命費用などの方面で顕著な優勢を持ち、次世代空対空ミサイル発展の方向性を代表する。4つ目はネットワークを核心とすることである。最近でも、空対空ミサイルの誘導弾頭の目標に対する探知計測能力はおよそ10〜25kmしかない。このため、単に空対空ミサイル自身だけに頼って数百km離れた目標を発見しようというのは全く不可能であり、衛星、早期警戒機、地上レーダー、機載レーダーなどのセンサーが提供する情報を総合的に利用することが必須で、それでやっとOKなのである。つまり、空対空ミサイルがより遠い目標をできる限り早く発見、できる限り早く攻撃することを実現しようとすれば、過去のプラットフォームを核心とする攻撃方式を改変し、徐々にネットワークを核心とする方式に向けて移行することが必須である。5つ目は多機能である。アメリカが開発中のJDRADMは空中目標も攻撃できれば地上目標も攻撃できる新世代空対空ミサイルである。アメリカのライセオン社は巡航ミサイルを攻撃できる機種のAIM-120Dを開発し、さらにはAIM-120ミサイルを基礎に低コストの空中基地弾道ミサイル防御武器を研究開発済みで、しかもAIM-120ミサイルを基礎とする対衛星武器システムも開発中である。AIM-120ミサイルは空戦に使用でき、防空に使用でき、対巡航ミサイル、対弾道ミサイル、対衛星にもまた使用でき、広大な空対空ミサイル発展の道を開拓展開した。

(頑住吉注:これより3ページ目。画像のキャプションは「アメリカのAIM-9『サイドワインダー』式空対空ミサイル」です。)

技術の不断の進歩につれ、戦争の模式にも非常に大きな変化が発生した。空対空ミサイルは中遠距離正確打撃、制空権奪取、空中対抗の中で一挙手一投足が全局面に影響する地位と作用を持ち、未来の空戦の模式を改変することになる。

1つ目は小編隊、単一の機の作戦が主要な作戦方式となる。機関砲による空戦模式下では、往々にして大編隊突撃作戦方式が採用されたが、中遠距離空対空ミサイルの発展につれ、小編隊が同様に大空域を支配できるようにさせ、一方機載火力コントロールの発展は、1対多の同時攻撃も現実とさせる。現代の空戦は往々にして4機以下の小編隊を採用し、小編隊が相対的に大編隊の不足を補い、迅速に戦闘に投入でき、空戦での旋回の余地を拡大させ、飛行性能の発揮に有利で、高度、速度、超機動性の優勢の発揮に便利である。

2つ目は現代の空戦は空中のプレゼンスを常に保持することが必須だということである。地上レーダー誘導による迎撃はソ連が発展させた空戦模式で、この種の作戦模式は地上レーダー、人間による視察哨戒などによって早期警戒システムを組成し、一方防空迎撃機は出撃準備を整える。早期警戒システムが目標を発見した後、指揮所は迎撃機に発進して迎撃するよう命令する。この種の模式はかつてベトナムで極めて大きな成功を獲得した。だが中遠距離空対空ミサイルの発展の下では、この種の地上レーダー誘導迎撃模式はもはやすでに適さない。地上レーダーは地形、地球の曲面率の影響を受け、遠距離低空捜索の死角が非常に大きいが、遠距離の低空で滞空し命令を待つ敵機の発見は難しくない(頑住吉注:難しいの間違いでしょう)。一方迎撃機は離陸し上昇する段階で、有効な回避動作を行うことが難しく、往々にして離陸してすぐに撃墜される。第一線、第二線の飛行場は特に危険である。このため空中のプレゼンスを保持し、もって早期警戒機を核心として早期警戒システムを建立することが防御サイドの主要な選択なのである。


 途中から別の話になっちゃいましたが、遠距離、中距離、近距離の空対空ミサイルの機能、空対地ミサイルの機能を兼ね備えるというのは技術的に困難なだけでなく、重量やコスト的に無駄が多くなりそうな感じもしまね。例えばごく単純に言えば近距離の目標を攻撃するのに遠くまで飛べるエンジンや燃料は無駄、急激な機動を行う敵機に命中させる高度な制御システムは地上の固定された目標を攻撃するには無駄なはずですからね。














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