RPG

 RPGロケットランチャーの歴史その他に関する記事です。

http://military.china.com/history4/62/20131022/18102329.html


反米武装勢力の市街戦の利器RPG:就役から半世紀のロケットランチャー

RPG-7系列対戦車ロケットランチャーはソ連が研究開発した兵個人用対戦車武器であり、研究開発、就役から現在まで、すでに半世紀の時間が経っている。だが世の人を見て理解できなくさせるのは、今この武器が「引退して隠居する」意志がないばかりか、かえって改めて勃興する勢いであることだ。アフガニスタンの戦場でも、イラクでも、どこにでもあるアメリカに対する戦闘の中で、全てRPG-7対戦車ロケットランチャーが活躍する姿を見ることができる。RPG-7はほとんど反米武装勢力の看板装備となっている。

発展史

実はロシアのロケットランチャーに対する研究開発の時期は他人の想像をはるかに超えている。19世紀末には早くもすでに関連の研究が開始されていた。ソ連成立後、関連の領域の研究は非常に積極的で、またこの中で「リャンプシェンスキー空気動力学院」が取得した成果が最も多かった。ソ連が最後の成果を取得しようとした時、ソ連・ドイツ戦争が勃発し、一切の研究成果は棚上げとなってしまった。

第二次大戦終結後ほどなく、鹵獲されたドイツ軍の「パンツァーファウスト」対戦車ロケット弾(頑住吉注:よくある誤解ですが実は無反動砲の一種であり、ロケット弾ではありません)を元にソ連の科学技術人員はRPG-1小型対戦車ロケットランチャーを研究開発した。RPG-1はドイツの「パンツァーファウスト」の超口径設計を継承し、弾頭は成形炸薬の徹甲弾だった。RPG-1はドイツの「パンツァーファウスト」のソ連バージョンと言うことができ、当然性能から言ってRPG-1はより軽く、徹甲威力がより大きかった。

1950年代初期、現有の研究成果の上にソ連はまた相次いでRPG-2小型対戦車ロケットランチャーと威力がより大きい大型対戦車ロケットランチャーSG-2の研究開発に成功した。この時、ソ連当局は本来臨時に設置された「対戦車ロケットランチャー研究所」はひどく不完全だと感じるに至り、そこで1958年にこれを基礎にして国営専業設計局を成立させ、専門に対戦車ロケットランチャーを研究させた。これより、ソ連の対戦車ロケットランチャーの研究開発と発展は全く新しい段階に入った。

ソ連の潜在的相手、すなわちアメリカと西側の同盟国のメインバトルタンクの装甲性能の不断の改良と向上につれ、ソ連軍は自分たちが大量装備するRPG-2ロケットランチャーの威力はすでに明らかに不足であると感じるに至り、また実戦の中で射程が短い、後方に噴射される炎が大きく、右肩からしか射撃できないなどの欠点が示された。

このため、1950年代末、ソ連はRPG-7型40mmロケットランチャーを研究開発した。これはRPG-2を基礎に改良発展してできた新型対戦車武器だった。厳格で複雑なテストを経て、軍によるテストの最終結果は、RPG-7ロケットランチャーの筒の肉厚は薄く、重量が小さく、威力が大きく、射程が長く、後方に噴射する火炎が小さく、構造は堅固で耐用性があり、左右両肩いずれでも射撃可能、というものだった。

RPG-7ロケットランチャーは1961年前後に大量生産され、1966年までに全てのRPG-2に取って代わり、ソ連陸軍歩兵分隊の制式対戦車武器となった。ソ連軍に装備された他、さらに大量にワルシャワ条約機構加盟国およびアラブ諸国、アフリカ諸国の軍隊に装備された。

RPG-7系列

RPG-7ロケットランチャーは世界初の噴射投射原理を採用して発射が行われるロケットランチャーである(頑住吉注:投射されてからロケットに点火される、ということだと思われます)。RPG-7ロケットランチャーの外観はRPG-2に似ており、やはり発射筒、照準具、ハンドル、防護版、スリング、両端の防護カバー、グリップ、発射機構、撃発機構、セーフティ装置などからなる。当然RPG-2に比べRPG-7には革命的進歩があり、たとえば発射筒には合金鋼材料での製造が採用され、筒本体と尾部噴射管の2つの部分からなる。筒の前端にはロケット弾位置決定用の切り欠きがあり、後部には防護皿がある。これは戦闘中筒が地面に接触した時、土、砂やその他の雑物が尾部噴射管をふさがないよう考慮したものである。筒本体上部にはフロントサイトベースと調節式リアサイトベースがあり、下部にはグリップ連結用の耳状突起があり、グリップは凸壁とファイアリングピンベース室を固定している。筒本体の左側には光学スコープ固定板があり、右面は2つの固定ガードカバーとスリングリングである。その木製防護板は防護板用固定リングで固定され、隔熱作用を果たす。発射機構はグリップ内に位置する。撃発機構はファイアリングピンベース室内に位置する回転打撃式ファイアリングピンユニットから構成され、セーフティ機構はトリガーのロックに用い、暴発を防止する。

RPG-7の最初期型が採用した閉鎖機構はスチールワイヤー式だったが、実戦の中で発見される問題が比較的多く、後にレバー式閉鎖機に改められた。このロケットランチャーは照準、測定が一体化した光学スコープをメインの照準具として採用し、その拡大倍率は2.7倍、視界は13度である。照準鏡のレティクルには4本の水平線があり、射程100m、200m、300m、400mに対応する。配備、使用される照準鏡には普通の昼間スコープ、赤外線スコープ、スターライトスコープなどがある。スターライトスコープや赤外線スコープを装備すれば、RPG-7は星の光あるいはその他の光がかすかな条件下の作戦能力を持つ。光学スコープが付属した状況下で、発射筒の全体重量は6.9kgである。

当然最も相手を驚かせどきどきさせるのはRPG-7に使用されるロケット弾である。これに使用される弾薬は主に普通徹甲弾、タンデム戦闘部の成形炸薬弾、殺傷榴弾など多種の円錐形ロケット弾である。RPG-7のロケット弾の信管は一般に着発信管だが、大部分には時限装置が装備され、もってロケット弾が目標を外れたら自爆する。この時間は4.5秒間に制御され、同時にRPG-7ロケット弾の最大飛距離も920mに制限している。

RPG-7のロケット弾はまず無反動砲発射薬によって発射筒から射出されて飛行を開始するが、発射薬が提供するエネルギーは決してロケット弾をあまり遠くまで飛行させることはできない。ロケット弾が発射筒を離れて一定距離飛行した後、弾体後部のロケット射程延長エンジンが始動し、新たに提供された推力が弾体を等速、甚だしきに至っては加速して飛行させることができる。この種の発射構造は非常に大きな成功を取得し、3つの方面のメリットをはっきり示した。その1、これは発射筒が発射時に生む尾部噴射炎を相対的に減少させ、隠密作戦に有利である。その2、これはロケット弾の弾道を比較的低進させ、したがって射手の操作を簡略化した。その3、これは射程を明確に延長し、戦闘部を非常に有効にした。その最大の欠点は噴射管の露出した筒口で、例えば不注意で射手の顔面部に向くと容易に射手に傷害をもたらすことである(頑住吉注:噴射管が別の兵ならともかく射手の顔面に向くって想像できないんですが。それとこの発射方式だと命中精度に対する悪影響が大きいのではと思いますが触れられていませんね)。

最も早く出現したのはPG-7BとPG-7BMというこの2種のロケット射程延長徹甲弾である。PG-7BMロケット弾はPG-7B制式弾の改良型で、弾丸の径は70.5mm、重量はやや小さく、装甲貫徹力、射撃精度、風による偏差に抗する能力がいずれもPG-7Bより強い。両者のローラー圧延均質装甲版に対する貫通厚度はそれぞれ350mmと400mmである。また、設計局はさらにOG-7殺傷榴弾を研究開発し、もって作戦性能を増強した。その戦闘部の長さは250mmで、着発信管を装備し、殺傷半径は15mである。当時西側最強のM60戦車の正面装甲は理論的に言えばRPG-7の致命的一撃を防御することはできなかった。

(頑住吉注:これより3ページ目。)

RPG-7の制式装備後、設計局はこれに対する改良をずっと停止することはなかった。ソ連解体後の今日であっても、新品種はまだ不断に開発され、市場に投入されている。現在までにRPG-7には相次いでRPG-7D、RPG-7D1、RPG-7B、RPG-7BM、RPG-7V、RPG-7V1、RPG-16、RPG-22などの系列の機種が派生している。RPG-7D1とRPG-7V1式40mmロケットランチャーは主に落下傘兵部隊に装備され、RPG-16とRPG-22は大威力の新型タンデム式対装甲弾頭を用いる。このPG-7VRと呼ばれる新型弾頭はRPG-7V式ロケットランチャーにも用いることができる。

ソ連解体後ほどなく、つまり1992年10月、ギリシャのアテネで行われた第7回防御武器展示会で、ロシアは2種の新たな改良型のRPG-7ロケット弾を展示した。すなわち普通榴弾と弾頭の径が105mmのタンデム戦闘部ロケット射程延長成形炸薬弾である。この超口径弾は重量4.5kg、有効射程200mで、反応装甲を装備したメインバトルタンクを破壊でき、あるいは厚さ1.5mの鉄筋コンクリート壁を撃ち抜き、厚さ2.7mの土木構造の野戦構築物を貫通できるとされる。

現在、RPG-7はすでに世界で装備する国が最も多く、使用期間が最も長く、最も広範に運用されるロケットランチャーとなっている。およそ112カ国が数百万のRPG-7およびその各種改良型ロケットランチャーを持ち、あるいは生産した。世界の多くの国の武装組織の中で、RPG-7は相当に普遍的な武器である。これがこれほど歓迎を受けるのは、それが簡単で誰でもすぐ使用が掌握できるほどで、使用が非常に便利で、攻撃の成果が驚異的だからである。しかも価格が尋常でなく安く、国際武器ブラックマーケットではRPG-7単体の価格はたった200ドルであり、公式な価格のおよそ1/8である。このため世界の各種武装組織が大量にこのロケットランチャーを購入しているのである。

実戦の中でのRPG-7は相当に恐るべき武器である。RPG-7の使用原則は近ければ近いほど良い、というもので、しかも装甲目標の攻撃時、数組のロケットランチャーが同時に1つの目標を待ち伏せ攻撃する効果が最良である。

地上目標への対処の他、使用者はさらにこれを利用して空中目標を攻撃できる。ベトナム戦争終結の段階で、ベトナム軍はもうジャングルの樹木の上からRPG-7ロケットランチャーを使用して間もなく着陸するヘリを待ち伏せ攻撃し、なかなかの戦果を取得した。ソ連のアフガニスタン侵入戦争になると、ムスリム遊撃隊は完璧にRPG-7ロケットランチャーでヘリを打撃する戦術を上演した。アフガニスタンの遊撃隊がソ連のヘリを待ち伏せ攻撃する時は、100m以内の最も良い待ち伏せ区域に隠れてヘリを攻撃した後、ヘリが700mのところまで逃げた時に再び改めての攻撃を行い、900mのところでロケット弾が自爆するのを利用して破片で目標を打撃した。彼らはさらに、100mの距離での真正面からの攻撃が最も有効であることに気付き、ロケット弾の破片を利用すれば甚だしきに至っては700〜800m離れたヘリを殺傷することができた。イラン・イラク戦争中、イラン人も同様の戦術を採用してイラクのヘリを打撃した。

当然最も人々が熟知しているのはやはり映画「ブラックホークダウン」で再現された戦例である。1993年、ソマリアのモガディシオで、2機の特殊作戦任務を執行する「ブラックホーク」ヘリがRPG-7ロケットランチャーによって撃墜され、その後アメリカの「デルタフォース」特殊部隊が苦戦に陥り、18人が戦死し、70人余りが負傷し、3機のヘリが損傷を受けた。

21世紀に入ると、多くの人はRPG-7というこの武器はついに博物館に収めてもよいと考えたが、ちょうど正反対なことにRPG-7はまた大いに名を上げた。イラクへの侵入はアメリカ軍を攻撃対象にさせ、米軍がRPG-7ロケット弾の攻撃に遭うのは完全に歴史の再現と言えた。バグダッド郊外のある道路もしばしば反米武装勢力のRPG-7ロケット弾の「ご愛顧」があるため、アメリカ軍兵士によってふざけて「RPG街道」と呼ばれている。

米軍はすでに掃討行動の中で数千のRPG-7ロケットランチャーを鹵獲しているが、事情はあるいはアメリカ当局者ロバート バエルの見積もるようかもしれない。すなわち、戦争が継続する限り、RPG-7ロケットランチャーは終始米軍が直面することが必須の致命的武器だ、というものである。何故ならイラクでは、RPG-7ロケットランチャーはAK-47アサルトライフル同様随所で見られ、それがどれくらいあるのか知っている人はおらず、これを徹底して鹵獲するというのはまるで現実離れしたことだからである。

藍から出て藍より青いRPG-29

ロシア製RPG-29対戦車ロケットランチャーはRPG-7の継承者と見なすことができる。これは1980年代後期に研究開発が成功した兵個人用対戦車ロケットランチャーで、口径は105.2mmに達する。その出現は反応装甲を装備した第3世代メインバトルタンクに対応するためで、しかもRPG-7ロケットランチャーのPG-7V対戦車弾を用い、戦車やその他の装甲車両に対応でき、また煉瓦やコンクリート製の建築物や構築物内の火力ポイントと生体戦力を殲滅でき、RPG-7に取って代わる。これはタンデム式戦闘部の成形炸薬弾を発射し、戦車、歩兵戦闘車、装甲人員輸送車、自走砲その他の装甲車両を破壊するのに用いる。

このロケットランチャーが用いるのは成形炸薬で、正常な状況下では反応式装甲を起爆させた後、装甲貫通厚度は650mmに達し得る。現在最新のRPG-29はタンデム戦闘部を使用し、反応装甲を貫通した後さらに750mmの装甲を打ち抜くことができる。ある射撃試験では、RPG-29はチョバムアーマーあるいは反応装甲で保護された戦車に対する破壊効果がさらに顕著だった。現在、ロシアはRPG-29のより良い改良型を研究開発しており、その戦闘部の直径は125mmで、かつ3つの戦闘部を持ち、前端の小戦闘部は反応装甲の除去あるいはチョバムアーマーの切断メカニズムの始動に用い、後の2つの戦闘部はメイン装甲の攻撃に用いる。

現在最新のRPG-29ロケット弾の性能はまだはっきりしていない。だがもし元々ある貫通深さ比に照らして計算すれば、その反応装甲貫通後の装甲貫通厚度は900mm以上に違いない。もしさらにタンデム戦闘部を算入すると、1,000mmに達するかもしれない。もし本当にこうなら、RPGは再度戦車と対戦車武器の間に新たなバランスを創造する。何故なら側面でかくのごとく威力強大な武器を防御できる戦車は1種類もなく、戦車の正面装甲だったとしても防護は相当に困難だからである。

結びの言葉

未来の戦争の中で、装備の技術性能が劣勢の一方がいかにしてその作戦機能を発揮するかは深く考えるに値する問題である。RPG-7の成功は我々に教える。高度技術武器は決して一切が皆高度なわけではなく、それなりの弱点もある。低技術武器は決して1つもいいところがないわけではなく、使用が適切なら威力を発揮し、戦争の勝利を奪取することができるのである。


 最後は先進的な武器を持つアメリカに対し、やりようによっては中国は充分勝てる、という教訓話みたいになってますな。













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