中国駆逐艦関連2題

 まだ着工が事実かも定かでない055型と、大量生産されている「中華イージス艦」に関する記事をまとめて紹介します。

http://military.china.com/topic/zhjp/11166312/20141231/19164462.html


中国が055型万トン駆逐艦を建造するのは実力でありさらには態度である

導入の言葉:ネットに流れ伝わる画像から055型駆逐艦の着工を事実確認することはできないが、ここ何年か以来の中国海軍水上艦艇建造速度の技術的進展から見て、最新の052D型駆逐艦の建造がすでに安定しまた成熟しているという状況下で、新世代駆逐艦の建造に着工するというのは完全にあり得ることである。

最近、ある画像がネット上に流れ伝わり、軍事マニアの広範な関心を引き起こしている。すなわち、造船工場らしき背景の下、青いカーテンの前に演説台が置かれ、カーテンには「055駆逐艦第1号艦着工式 2014.12」との文字が書かれている。これによりある分析者は、伝説の中の万トン級055ミサイル駆逐艦の建造にすでに着工されたと考えている。筆者の見たところ、中国が055万トン級駆逐艦を建造するのは、実力の体現であるだけでなく、さらには大国の海洋権益に対する態度の表れである。

まさにいわゆる万丈高楼平地起(頑住吉注:非常に高い建物も地面から築き始める、転じて何事も基本が大事)というやつで、中国がもし055型万トン駆逐艦を建造したければ、強大な技術的基礎がなくてはダメである。中国海軍駆逐艦の発展史を縦覧すると、「小幅の駆け足」が長期にわたり堅持されている方針と言える。052Cは「中華イージス」艦の始祖で、非常に大きな程度上有無の問題を解決したと言えるが、性能はそれにもかかわらずかならずしも思った通りではなかった。すぐ続いて登場した052Dは技術性能上052Cに比べ非常に大きな進歩があったが、艦体のサイズがその発展の余地を深刻に制約した。より大きな駆逐艦の出現はすでに切迫した問題と言える。また、中国軍事工業は最近の一定の時間勝利の知らせが頻繁に伝わり、新型フェイズドアレイレーダーでも総合垂直発射システムでも長足の進歩を獲得している。一方中国軍事工業を長年困らせている「心臓病」問題も、いくつかの大型ガスタービンエンジンの突破と共に非常に大きな緩和を達成した。055型万トン駆逐艦の出現はすでに万事倶備隻欠東風(頑住吉注:万事準備されたが必要な条件が1つだけが欠けている)だということが見て取れる。

現在の世界では、海洋権益がそれぞれの国全てが非常に重視する問題である。ある国の海軍に対する投資の多寡は、直接的にその大洋の中での核心的利益に影響し、アメリカとロシアが一対の非常に鮮明な例である。第二次世界大戦終結から今に至るまで、アメリカは全世界で最も強大な海軍を持ち、十いくつの空母戦闘群と多くのトン数の大きい駆逐艦、巡洋艦はその覇権の急先鋒となり、ほとんど全ての海域に星条旗のひるがえる影があり、すこぶる往年の「日の没することなき帝国」の様相がある。ひるがえってロシアはと見れば、ソ連がまだ解体していなかった時代、旧ソ連もアメリカ同様海軍の発展を非常に重視し、各種大型戦闘艦が頻繁に進水し、甚だしきに至っては「キーロフ」級のような強大な戦闘艦が出現した。だがソ連解体と共に、今のロシアはもはやすでに大型水上艦艇を継続して建造してはおらず、小型だがより廉価な護衛艦や潜水艦の建造に転じている。その海洋に直面しての視野も、当時の大洋戦略から周辺海域戦略に徐々に変じ、、これはロシア海軍の悲劇と言わざるを得ない。中国のここ何年かの急速な勃興と共に、中国の海洋権益はすでにゆっくりと全世界に向かい、中国海軍はすでにかつての近海海軍から遠洋海軍に向かっての移行を開始しているが、速度は中国の経済発展の歩みに追いついていないようである。特に大型水上艦艇の欠乏は、中国が非常に多くの時にいち早く自身の海洋権益をうまく維持保護できなくさせている。054A、052C/Dなど先進的な艦艇が大量に就役しているが、それらのトン数、自力持久力、戦闘力などは依然中国海軍の需要を満足させることができない。この種の状況下で、055型万トン駆逐艦の建造着工はタイムリーで、同時に必要でもあると言うべきである。結局のところ実力があってこそファイトが持てるのであって、中国の海洋権益の維持保護は間違いなく055型万トン駆逐艦を非常に必要とする。

上述の海洋権益に関する問題の他に、もう1つ非常に重要な問題が同様に中国が055型万トン駆逐艦を建造する触媒となっている。それは中国周辺の安全保障問題である。自身の実力を不断に増強する中国に直面し、某覇権国家をリーダーとする西側集団勢力は、不断に中国周辺で悪事を煽り、東海、南海などの問題が次々表れては尽きない。中国海軍の現在の実力をもってしては、もし関連の地域の問題を解決できても相当な代価を支払う必要があり、その最も主要な原因の1つは艦艇の作戦能力が非常に限られていることにある。現在解放軍が装備する052C/D型駆逐艦の垂直発射ユニットは48〜64個でしかなく、必要な対空ミサイルを除けば搭載できる対艦対地巡航ミサイルの数は指を折って数えられる程度で、052C型駆逐艦はまだ決して汎用発射架を採用しておらず、対艦対地の威嚇および打撃能力がさらに限られるからなおさらである。ひとたび055型万トン駆逐艦が大量建造されかつ就役したら、中国海軍の作戦能力と威嚇能力には質的変化が発生することになる。その時、1隻の055型万トン駆逐艦が搭載する垂直発射ユニットは少なくとも96〜128個で、搭載する対艦対地攻撃巡航ミサイルの数は、現在の2〜3隻の052C/D型駆逐艦に比べさらに満ち足りたものになる。同等の配備数という状況下で、戦闘力は倍増し、このことの中国周辺の安全情勢に対する重要性は言わずとも明らかと言え、また中国の西太平洋地域における反覇権闘争のためにもより強力な保障を提供することになる。

055型万トン駆逐艦は中国海軍がまもなく出現させる最強の水上作戦艦艇の1つであり、現実的意義は言うまでもないがさらに象徴的意義も非常に重要である。遠からぬ将来、055型万トン駆逐艦が国産新型空母とコンビで大洋を遊弋する時、中国海軍はきっとより輝かしい未来を迎え、中国の遠洋に向かう道の上でもさらにワンランクアップすることになるだろう。


 055型駆逐艦がたとえ大量に就役しても、多少の程度の差はあれ「関連の地域の問題を解決できても相当な代価を支払う必要があ」ることに変わりはないと思うんですが。

http://military.china.com/news/568/20141231/19163844.html


中華イージス艦、空母に代わって飛行機やミサイルを防ぐ 大量就役、下餃子のごとし (頑住吉注:「下餃子」とは水餃子を鍋にどぼどぼ入れるように、という意味です。)

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションは本文の一部を切り取ったものなので省略します。)

海上の先鋒

12月22日午前、海軍東海艦隊が舟山某軍港で簡素だが厳かな済南艦就役命名軍旗授与式を行い、このことはまた1隻の某新型ミサイル駆逐艦が正式に戦闘序列に加入したことを象徴的に示した。当日就役した済南艦は我が国が自ら研究開発を行った新世代ミサイル駆逐艦で、中華イージス艦の美名を享有する長春艦、鄭州艦と同型の艦に属する。

軍事専門家尹卓の説明によれば、中華イージスは我が国の初めて技術レベルが基本的に先進国に追いついた区域性防空駆逐艦である。区域性防空駆逐艦の建造過程は複雑で、搭載する武器の類型は比較的多い。区域性防空艦は多くの目標に対応する必要があり、1台の大型コンピュータによる管理を必要とし、同時にフェイズドアレイレーダー、ミサイル垂直発射システムを必要とする。我々の中華イージス艦は全てこうした特性を持ち、その建造過程の中では多くの過去に欠けていたもの、空白の技術が解決され、052A、052C(頑住吉注:052Bの間違いでしょう)型が解決していなかったものをこの艦は解決した。

済南艦は歴史の発展変化から言うとすでに中国第3世代駆逐艦であるが、将来空母艦隊の中でこの艦はどのような役割を演じるのだろうか? 尹卓は、済南艦は052C系列に属し、今後空母艦隊に加入し、区域防空の役割を担当することができ、空母に代わって来襲する敵の飛行機を防ぎ止め、敵サイドの来襲する巡航ミサイルを防ぎ止めることができる、と語る。

非常に多くの軍事マニア(非常に多くのメディアも含め)は比較を特別に好み、それは052Cをアメリカのアーレイ・バーク級駆逐艦と比較することである。

尹卓は、技術上それらはいずれも同一の類型に属すると考える。だが052Cのトン数はアーレイ・バークに比べずっと小さく、アーレイ・バークの排水量は9,000トン近くと052Cに比べ倍近く、その搭載するミサイルも我々の倍以上で、作戦能力はずっと強いだろうが、我々の次世代大型駆逐艦はアーレイ・バークと何ら差異がなくなる可能性がある、と考える。

済南艦の就役は中国海軍の遠洋作戦能力を高めただけでなく、強大な海軍戦力を作り出すことをも全世界に向け証明し、中国の国防戦略を強化する助けになるだけでなく、世界の海洋の平和と安定を維持保護する助けにもなる。

新しい艦の新たな常態:「下餃子」

我が国東部沿海に位置する某造船工場は国産052C、052Dという2タイプのミサイル駆逐艦の生産任務を担い、この2タイプの駆逐艦はいずれもフェイズドアレイレーダーシステムを装備しており、「中華イージス艦」および「ニューバージョン中華イージス艦」と呼ばれる。この造船工場は軍事マニアによって「中国イージス艦建造基地」の称号を冠されている。

現在この造船工場はすでに6隻の052C級中華イージス艦を完成させており、それぞれ南海艦隊に配備される170蘭州艦、171海口艦、東海艦隊に配備される150長春艦、151鄭州艦、2日前に就役した152済南艦、そしてまもなく就役する153西安艦である。軍事マニアは新たな艦の密集した就役をふざけて「下餃子」と呼ぶ。

052C艦の標準排水量は5,700トン、満載排水量は6,400トンである。艦載武器装備は1門の単砲身100mm艦砲、2基の730近接防御砲、48発のHHQ-9対空ミサイル、8発のYJ-62対艦ミサイルである。この艦は艦橋の周囲に4つの大型固定式フェイズドアレイレーダーアンテナを追加装備している。それぞれのアンテナの幅は約3.9m、高さは約4.6mである。その上層構造は八面体を呈し、上に行くにつれ内側に向かって15度傾斜し、中心軸線と45度の角度を呈する4つの傾斜面アレイアンテナで、この種の配置はアメリカのアーレイ・バーク級駆逐艦に似ている。

またこの造船工場はさらに1隻の052D級ニューバージョン中華イージス艦の建造を完成させており、172昆明艦がすでに南海艦隊に就役している。これとは別に4隻の052Dが建造中である。

052Dの基本船型とレイアウトは052Cと基本的に同じだが、新型フェイズドアレイレーダーと武器装備に換装されている。この艦は国産の130mm単砲身艦砲、730型近接防御砲、HQ-10短距離対空ミサイル発射器および64ユニットのミサイル垂直発射システムを装備している。

2015年を展望すると、新型艦艇の建造数はさらに拡大して軍事マニアに鼓舞を感じさせるだろう。新たな艦の進水および就役の過程を通じ、我々は海軍発展の一歩一歩の歩みを視察することができる。(懐秋 中央テレビ)


 日本も中国同様のスピードで艦の建造を進めるということはできず、質の面でも明らかに差は縮まっていると見られ、このままでは不利な方向に向かうでしょう。



















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