日中の駆逐艦の実力を対比?

 どちらも実戦経験がないわけですが。

http://military.china.com/news2/569/20151016/20571455.html


アメリカ、中日のイージス艦の実力の対比を騒ぎ立てる:この機を借りて日本に向け武器をセールス

(頑住吉注:原ページのここにある画像のキャプションです。「ネット仲間が撮影した中国の052D型駆逐艦」)

アメリカは中日の駆逐艦の実力の対比を騒ぎ立てるが、対比それ自体が偽の命題であり、アメリカがこれを利用してセールスを行う嫌疑が大である

歴史的原因により、中日両国の武器装備、特に新たに研究開発された武器装備は、終始外界のことのほかの関心と横並びの比較の焦点である。一方において、それは両国最先端の作戦水準を代表し、もう一方では両国軍事工業の実力をも反映し得る。

最近、「中日両国の最新型駆逐艦のどちらがより強大か」に関する話題が、アメリカの「国家利益」ウェブサイトによって持ち出された。文章は、もし中日海軍に対決が発生したら、アメリカの技術に基づく日本の海上自衛隊新型イージス艦「あたご」(頑住吉注:原文は漢字なのはいいとしてその後に意味不明の「+」がくっついてますが省略します。以下何度も同じ表記が出てきます)は中国最新型駆逐艦052Dに勝つことになる、としている。文章は少なからぬ主観的色彩を帯び、日本の艦の某一方面の優勢に頼ってすぐ独断的に決定をなしている。しかし、1隻の軍艦の優劣を計るには、根本から言ってやはりその総合作戦能力を見る必要があるのであって、某局部ではない。何隻かの先進的な駆逐艦が未来の戦争の勝負を決定できるわけではないからなおさらである。このため、中日駆逐艦の対比はやや偽の命題の意味があり、アメリカがこれを利用して日本に向けセールスを行う嫌疑がより大である。

性能にはそれぞれ長所がある

いかなる軍艦もメリットと不足があり、この点は軍事マニアにとっては常識と言える。アメリカの「国家利益」ウェブサイトは、052Dは中国海軍特別混成艦隊の防御の重要なカギであり、その肩に中国空母戦闘群あるいは強襲揚陸群に区域防御を提供する重任が担われ、攻撃力が優勢を占める、とする。だが日本のあたご級駆逐艦はレーダーが先進的で、防御能力が良く、全体性能が優位を占めるという。

客観的に言って、対艦能力を論じれば、中国がやや勝る。情報能力を論じれば、日本の艦が優位を占める。2つの艦にはそれぞれに長所があるということができる。

まず対艦能力を見る。ミサイルの搭載量と種類は対艦能力の重要な体現の1つである。「ストラテジー ページ」の報道によれば、052C型駆逐艦の最新改良型およびこの艦の後に続くまた1つの垂直発射対空ミサイルシステムを装備する近代化された防空駆逐艦である052D型駆逐艦の艦橋の前方には4組8連装の垂直発射システムが配置され、機格納庫に4組が配置され、全部で64ユニットある。海紅旗-9対空ミサイルを配備する他、さらに鷹撃-18超音速対艦ミサイル、「長桜-5」ロケット対潜魚雷、「東風-10」巡航ミサイルが配備できる。各種ミサイルは同一の発射装置を採用し、異なる作戦任務を遂行する時、搭載する弾薬の種類および数の配置をより柔軟にさせている。

ミサイル方面で、アメリカメディアは日本の「あたご」は主に「スタンダード」系列対空ミサイルを配備し、政治的要素の制限を受けて対地攻撃巡航ミサイルは装備していない、とする。そのミサイル搭載量は96ユニットだが、武器搭載の種類は単一で、対艦攻撃方面での能力は限られる。

また艦砲も重要な比較の要素である。ジェーン安全保障業務は、052Dは中国国産130mm単一砲身艦砲を装備しており、これはロシアのAK-130艦砲の簡略化版だとする。重量を節約するため、中国版130mm艦砲はアルミ合金部品を大量使用し、全体重量は50トン前後、発射速度は毎分10〜40発、普通砲弾、榴弾、対空ハイエクスプローシブ弾、ミサイルなどが発射できる。射程が長く、精度が高く、自動化の程度が高く、防空、対艦対地火力支援機能を持つ。一方日本のあたご級の艦砲は導入したアメリカ製のMk-45艦砲で、技術はやはり非常に先進的である。

次に情報の攻防を語る。アメリカのイージス水上作戦艦の全部の財産を継承しているため、日本の「あたご」はイージス作戦システム上052Dに比べやや優勢を占める。アメリカの「国家利益」ウェブサイトは、イージスシステムの性能は比較的安定し、データ通信と処理の速度は速く、しかも何度もの局地戦争の試練を経ており、作戦データの累積が比較的完備し、作戦の運行が比較的成熟している、とする。アメリカメディアは、052D型駆逐艦は4面アクティブフェイズドアレイレーダーを配備しているが、それにもかかわらず真の意味での実戦の検証を経ていない、とする。

(頑住吉注:これより2ページ目)

ある専門家は、実戦の検証は情報攻防能力の強弱がどうかの要素の1つでしかなく、決して全部ではない、とする。アメリカメディアの言によれば、052Dが使用する新型フェイズドアレイレーダーは、052C型の旧タイプのレーダーに比べ、その形状が正方形に近づき、弧型の外部カバーがなくなっており、面積がより大きい。業界内専門家は、これは過去の空冷システムの外部カバーが廃止され、アクティブフェイズドアレイレーダーシステムとコンビネーションされた液冷システムに改められたのであって、冷却能力はより強く、出力と持続運行能力もより強い、と分析する。またこの艦は「集中指揮、総合組織、三級管理」の作戦指揮模式を採用し、これは国際的に慣用の作戦システムの主流たる体系構造で、情報共有度が高く、情報伝達速度が高く、システムや設備に対する互換性が良く、後続のグレードアップが便利で速い。

これにより、筆者は新型レーダーは反復使用や各種複雑な環境での検証と不断の改良を経た結果、情報攻防能力に比較的大きな向上があり、アメリカメディアの言うように1つもいいところがないわけではない、と考える。

未来の作戦は一騎打ちではない

両国間の某2機種の軍艦を持ち出して対比を行い、結果的にどの国の軍艦の性能が優越し、甚だしきに至ってはどの国の海軍が勝つかの結論を得ることは、ロジックの上でそれ自体厳密なものではなく、しかも実戦の依拠がない。未来の海戦は実質の上で多兵種立体連合作戦であって、「1隻の軍艦が戦闘する」のではないからなおさらである。

もしもアメリカメディアの結論のようならば、中日両国の最新型駆逐艦が公海で遭遇し、もし052Dがもう1、2隻の軍艦を保護する必要がある時、日本の「あたご」は軽易に味方サイドの軍艦を保護するのと同時に、052Dとの作戦ができる。アメリカメディアはこれにより、ひとたび「あたご」と052Dの対決が発生したら、日本人が勝利する、と推断する。アメリカ人がどのようなロジックを用いてこの結論を導き出したのかは分からないが、もし理由があたご級のシステム能力が強いということなら、おそらく中国サイドの全体としての体系はより強大である。すなわち、中国の海軍航空隊、空軍、第二砲兵隊の全体の作戦能力は、単一の「イージス」システムが想像も比較もできないものなのである。

軍艦の誕生以来、新技術新装備の応用と共に、海戦は単一の艦の対決、艦隊の攻防、海空連合作戦および海上情報化作戦などの作戦様式を経てきた。伝統的な単一の艦による海上での撃ち合いはとっくに海軍強国によって放棄され、取って代わったのは情報化条件下での諸兵種連合作戦である。駆逐艦というこの伝統的海戦の中堅力量は、情報化海戦の中では単なるその中の作戦の節目たるポイントにすぎない。その性能の優劣は、全体的戦局に一定の影響があるかもしれないが、それにもかかわらずカギとなる重要な性質のものではない。

このため、未来の海戦を背景にして某1機種の軍艦の優劣を討論するのは、すでに全く意味がない。単一の艦の優勢を発揮し、劣勢を補ってのみ、やっと全作戦部分の中でより大きな作用が発揮できる。情報作戦の発起者であるアメリカが、このように2機種の駆逐艦の優劣を対比するのは、理由なく作り出した話題を騒ぎ立てるためとしか言えない。

アメリカがこの機を借りてセールスする嫌疑が大

見る目のある人はアメリカの「国家利益」ウェブサイトが掲載したこの文章の中に見いだすだろう。この文は日本の艦の改良に対し描写する時、わざわざアメリカの技術に基づいて、と強調しており、ここの意味は深長である。実際、アメリカメディアが対比を通じて中日両国の軍艦を対比し中国の駆逐艦を矮小化することは単なる表象であって、この機を借りてアメリカの軍艦をセールスすることが真の目的なのである。

アメリカが何故このように全力を尽くして軍事工業製品をセールスするのかには原因がある。周知のように、日本は島国であり、資源は乏しく、しかも隣国の中国、韓国とミゾがあり、相手方が壮大に発展するのを見たくない。特に近年来、日本の安倍政権はあくまで新安保法を通過させ、その海外派兵を合法化し、野心の一端を見て取ることができる。日本の盟友たるアメリカは、ずっとアジア太平洋地域再バランス戦略により、兵力を増加配備し前線のプレゼンスを保持しながら、背後で日本を育成し、力を伸ばしている。特に日本海上自衛隊はアメリカが支持する「未削減版」のイージス艦を獲得しており、全世界にまたとないことである。イージスシステムのグレードアップ改良は、日本海上自衛隊の作戦能力も向上させることができるし、また間接的にアメリカのアジア太平洋地域再バランス戦略を実現でき、さらにアメリカの財政収入を増加させることができる。

この意味から言って、中日駆逐艦対比は単にアメリカメディアがでっちあげた偽の命題に過ぎず、この機を借りてセールスするのが真であり、一顧にも値しない。


 メディアやウェブサイトが政府の代弁機関であるというのは中国の状況であってアメリカは違うわけですが。それにセールスが目的なら「もう単一の艦の優劣はさほどない。今後は数が多い分中国が有利になる」と言った方がいいはずですよね。















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